イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #14 (2)
大事 な お 孫 さん を 頂く かも しれ ない んです から
こちら の 事情 も ちゃんと 知って おいて いただか ない と
一つ 屋根 の 下 に 暮らして いる 同い年 の 女の子 が いる と いう の は
紛れ も ない 事実
まあ 硬派 と いって も 直樹 も 若い です から
何事 も なかった か どう か 私 も 保証 でき ません けど ね
オホホ …
( テーブル を たたく 音 )
沙穂子 さん お 庭 へ 行き ません か ?
あら いい わ ね
僕 と 沙穂子 さん の 2 人 で
( 大泉 ) いやいや
これ は 気 が 利か なくて 申し訳なかった
さあ 2 人 で 行って き なさい
ねっ さあ さあ さあ
行く わ よ
はい !―
いよっ 腰 が … 痛い 痛い うっ
( 直樹 ) すいません ―
おふくろ の やつ 失礼 な こと ばかり …
( 沙穂子 ) いえいえ ―
お母様 きっと その 方 の こと 気 に 入って らっしゃる の ね ―
その 同居 されて いる 女性
( 直樹 ) 父 の 親友 の お嬢さん な んです ―
家族 ぐるみ の つきあい な んで
母 も あんな こと を …
でも 彼女 の こと を 気 に 入って る の は
僕 じゃ なくて 母 です から
私 も お母様 に 気 に 入って いただき たい わ
あっ その 前 に もちろん 直樹 さん に
気 に 入って いただか なくちゃ いけない んだ けれど
と いう こと は 僕 の こと 気 に 入って いただけた んです か ?
エレベーター の 前 で お 会い した とき から
奇遇 です ね 僕 も です よ
まあ
はあ ~ むかつく ! 何 な の あの 雰囲気
ちょっと あんた 作戦 1 は ?
はい 合点 承知
移動 し ます よ シュッ―
シュ シュ シュ シュ シュ
フフフ …
作戦 第 1 の 秘密 兵器 は この スプリンクラー ―
あの 2 人 が この 近く を 通る 瞬間 に ―
これ を 作動 させる ―
そしたら あの 子 の 振り袖 は びっちょびちょ ―
あーん これ は 帰る しか ない よ お !
安易 すぎ ない ?
うん シンプル な 方 が うまく いく んだ よ
よし レッツゴー
この 盆栽 は いちばん 古い もの で
500 年 以上 の もの が ある らしい です よ
そんなに です か ?
ええ
( 松本 ) まだ よ
( 琴子 ) うん はい
今 だ !
今 だ !
はい !
はい !
( 沙穂子 ) それ に して も いい 天気 です ね
水浴び し たい 気分
( 松本 ・ 琴子 ) あれ ?
( 琴子 ) ん ?
フッ 沙穂子 さん に も そういう ところ ある んです ね
( 松本 ) ちょっと !
あんた 何 やって ん の 鈍臭い なあ ―
もう 通り過ぎ ちゃった じゃない の !
もう 通り過ぎ ちゃった じゃない の !
あーん !
ちょっと 貸し なさい よ
ちょっと 貸し なさい よ
おお ? もう おかしい なあ
おお ? もう おかしい なあ
( 琴子 ) おかしい なあ
( 松本 ) ちょっと ~ 何 な の ?―
( 松本 ) ちょっと ~ 何 な の ?―
この スイッチ 全然 利か ない じゃない よ ー
(2 人 の 悲鳴 )
( 琴子 ) あっ ! あっ !
( 琴子 と 松本 の 悲鳴 )
( 琴子 と 松本 の 悲鳴 )
( 沙穂子 ) あら ?
( 琴子 と 松本 の 悲鳴 )
( 直樹 ) スプリンクラー の 誤作動 でしょう
行き ましょう
( 沙穂子 ) はい
( 琴子 ) 止まら ない …
( 琴子 ) 止まら ない …
( 松本 ) ちょっと 何 やっ …
( 琴子 ) ううっ うう …
ああー 止まった ああ …
( くしゃみ )
もう ~!
何で 私 が こんな 目 に 遭わ なきゃ いけない の よ
ばか !
うわあ ! うおっ 気 を 取り直して 作戦 2!
レッツゴー !
よっ ハァ ハァ ハァ ああ 目 が …
( 松本 ) 痛 て て …
( 琴子 ) ああ
( 松本 ) ほんと あなた の いたずら って 小学生 レベル ね
だって 気持ち 悪い でしょう
気持ち 悪い わ よ
お えっ ああ
あっ ヘイ ヘイ ヘイ
あっ ヘイ ヘイ ヘイ
ん ?
ん ?
ん ?
よっこいしょ えっと です ね
よっこいしょ えっと です ね
あの 沙穂子 とやら が あそこ を 通った とき ―
これ を 投げつける ―
そして 絶叫 と ともに 池 に ポチャーン !
そして 絶叫 と ともに 池 に ポチャーン !
きゃあ !
そして 絶叫 と ともに 池 に ポチャーン !
そして 絶叫 と ともに 池 に ポチャーン !
( 水しぶき の 音 )
フッ いい 気味 だ わ
でも ちょっと やり すぎ かな これ
( 松本 )… ったく ほんと あんた って 甘ちゃん ね
そんな ん だ から いつまで たって も
入江 君 に 振り向いて もらえ ない の よ
返す 言葉 が ございません
まあ 私 も だ けど
ほら 来た わ よ 早く !
ほら 来た わ よ 早く !
あっ あっ … ちょ ちょ ちょ ちょ …
あっ あっ … ちょ ちょ ちょ ちょ …
( 松本 ) もう ! また 通り過ぎ ちゃう じゃない の ―
( 松本 ) もう ! また 通り過ぎ ちゃう じゃない の ―
( 琴子 ) ああ ああ …
( 琴子 ) ああ ああ …
( 琴子 ) ああ ああ …
いやーん
いく よ いく よ
いく よ いく よ
早く !
早く !
( 琴子 ・ 松本 ) あっ !
きゃあ !
(2 人 ) やった ー !
( 直樹 ) あっ ―
僕 が いる から 大丈夫 です よ
(2 人 ) えっ ? えっ ?
う おーっ !
(2 人 の 悲鳴 )
( 琴子 と 松本 の 悲鳴 )
( 沙穂子 ) あら あちら で 誰か お 池 に 落ちた の かしら ?
( 直樹 ) 掃除 の おばさん みたい です ね ―
( 直樹 ) 掃除 の おばさん みたい です ね ―
( 松本 ) 誰か 助けて !
( 松本 ) 誰か 助けて !
( 松本 ) 誰か 助けて !
きっと 池 の 中 の 掃除 を して る ん でしょう
きっと 池 の 中 の 掃除 を して る ん でしょう
行き ましょう
( 琴子 と 松本 の 悲鳴 )
( くしゃみ )
あら とんだ 水難 だった わ ね 琴子 ちゃん
きっと 罰 が 当たった んです ね
あんな きれい な 人 に 意地悪 しよう と した から
沙穂子 さん ね
確かに ちょっと ばかり 美人 だった わ ね
( 琴子 ) おば 様 いつの間に
だけど 全然 こんな 子 お 兄ちゃん の タイプ じゃない わ よ
お 兄ちゃん の 人生 に は 刺激 が 必要 な の
こんな 完璧 で おとなしい 子
すぐに 物足りなく なっ ちゃう に 決まって る わ
私 に は 手 に 取る ように 分かる の
ハハハ … でも あの 2 人 お互いに
かなり 気 に 入って る ように 見え ました けど
それ に ―
私 の 鬼 しゅうとめ 作戦 は うまく いった し ね
ハハハ … うん
もう 大泉 会長 きっと カンカン よ
こんな しゅうとめ が いる 家 に
大事 な 孫娘 を よこす もん です か
きっと あっち から 断って き ます よ
うん うん
( 電話 の 着信音 )
あー ! 来た わ
断り を 告げる 電話 の 音 よ ハハハ
ウフッ はい はーい
( 電話 の 着信 音 )
( 直樹 ) はい 入江 です が ―
大泉 会長
来た
今日 は 母 が 大変 失礼 し ました ―
そう です か ―
それ で かまい ません ―
どうぞ よろしく お 願い いたし ます
( 紀子 ) どう だった ? 断って きた ?
沙穂子 さん 俺 の こと 気 に 入った から
見合い の 話 進めた いって さ
えっ ?
だから このまま 進めて もらう こと に した
( 紀子 ) お 兄ちゃん !
( 直樹 ) 俺 が 気 に 入った 人 な んだ
だから もう 二度と あんな 邪魔 は し ないで くれ
おふくろ
お前 も だ ぞ
は ? おう ? えっ ?
バレバレ な んだ よ
( 琴子 ) ごめんなさい
お 兄ちゃん が 本気 だ なんて 信じ られ ない
♪~
あれ から しょっちゅう
沙穂子 さん から 電話 が かかって きて
週 に 何度 も デート して る し
入江 君 の 帰り が 遅い から おば 様 イライラ して る の
ふーん しかたない わ ね
諦め ちゃう の ?
だって あの 大泉 沙穂子 が 相手 じゃ
勝ち目 ない もの
でも どうせ 入江 君 を 取ら れる ん だったら
あなた の 方 が まだ よかった わ
えっ ?
だって あなた が 相手 じゃ いつか 入江 君 も 後悔 する し ね
“ あの とき 松本 を 選んで おけば よかった な ” って
アハハ … 私 今 ばか に されて ない ?
ハハッ
うーん 沙穂子 って 人 に は
何 か 戦わ ず して 負けた って 感じ が する の
その 点 あなた の 努力 は 私 も 認め ざる を 得ない わ
ほんと 無駄 な の に どこまでも 頑張る わ よ ね
あなた って 笑える
ほっといて よ
知って る わ よ
彼 と キス した ん でしょう ?
アハハ あっ でも それ は …
頑張れ
何 ? 今 の
もしかして エール ?
ハハ …
( 琴子 ) ただいま
はぁ …
( 直樹 ) ええ 大丈夫 です よ ―
では あした ―
ええ 楽しみ に して い ます
( 琴子 ) ただいま
( 直樹 ) おかえり
あした 沙穂子 さん と デート する の … かな ?―
あっ ごめん 関係 ない よ ね ヘヘヘ
表参道 だ よ
大泉 会長 が 支援 して いる 作家 の 個展 の
オープニング パーティー に 行く んだ
おお ふーん
また 追っかけて くる ?
パーティー 会場 の トイレ 掃除 の ふり でも して
ハハ … フフ
♪~
はぁ …
( 金之助 ) お~い
金 ちゃん
フッ ど や うま そう やろ ?
これ 食べて 元気 出し いや
( じんこ ) 私 たち が 話した の
入江 が お 見合い 相手 と つきあい だ した こと
そう だ よ ね
やっぱり あれ って
つきあって る って こと な んだ よ ね
あっ ほら 食べ なさい ほれ ほれ ほれ
食べ よ
食べ よ
はい どうぞ
はい どうぞ
( 金之助 ) これ 借りる で
ちょ ちょっと 頂く ね ちょっと
ああ ん もう ! そんな 顔 して 食う たら
せっかく の うまい もん も マズ なる や ん か
琴子 元気 出し いや
入江 みたいな 薄情 な 男
さっさと 結婚 して くれた 方 が 清々 する や ん か
( じんこ ) そう よ そう よ
( じんこ ) そう よ そう よ
( 理美 ) うん うん
( 理美 ) うん うん
何か さ
私 の 思い過ごし だって いう の は 分かって る んだ けど
最近 入江 君 と
距離 が 縮まって きて る ような 気 が した んだ よ ね
だから …
まだ …
現実 が 受け入れ られ なくて
( じんこ ) 分かる よ ―
何だか んだ 言って 2 人 は
腐れ縁 で うまく いく って そう 思って た から
じんこ ! 今 その 言葉 は 残酷 だって
入江 は お 見合い 相手 と うまく いって る んだ から
そう でした
今回 ばかり は 今 まで と 事情 が 違う
だって お 見合い って いう の は 家 同士 の 問題 だ から ね
“ 嫌に なり ました ” で
やめ られる もん じゃない んだ から
入江 も それ 分かって て 話 進めて る って こと か
だ よ ね
あっ あ …
( じんこ ) 食べ よ ね ?
( 理美 ) ほら 食べ な うん
( じんこ ) 生きる こと は 食べる こと みたいな さ
( 理美 ) そう 元気 出そう いっぱい 食べ ちゃい な
( じんこ ) うん 甘い もの は 特に いい から ね
すばらしい 作品 ばかり でした ね
直樹 さん も そう お 思い に なった ?
パーティー も 和やか で 作家 の 人柄 が 感じ られ ました わ
立食 だった ので おなか すか れた でしょう
よかったら どこ か で お 食事 でも いかが です か ?
うれしい わ
あっ そうだ
この先 に 祖父 の 行きつけ の イタリアン が あり ます の よ
大泉 さん の お 眼鏡 に かなった 店 なら 安心 だ
行き ましょう
お 兄ちゃん 遅い わ ね
私 見て き ます
えっ いい わ よ こんな 夜中 に 女の子 が 危ない わ
でも 何か 寝つけ そう に ない し
散歩 が てら コンビニ で ジュース 買って き ます
琴子 ちゃん …
何だか んだ 言って
お 兄ちゃん の こと 気 に して る の よ ね
( 金之助 ) よう 二枚目 ―
お嬢様 と の デート 帰り か
おい ちょう 待て や !
お前 琴子 の こと どう 思って ん ねん
関係 ない だろ
ありあり や !―
お前 琴子 に ずっと 思わせぶり な 態度 とっ とった やろ
わし に とって 琴子 は 大事 な 人 なん や
大事 な 人 の 気持ち ―
弄ば れて 黙って られる かい !
だったら どう すんだ よ ?
( 金之助 ) わし お前 から 琴子 を 奪う
いや 守る ―
ハァ …―
せや から 邪魔 せん とって くれる か ―
お前 かて 結婚 し たい 女 が できた ん やったら 分かる やろ ―
お前 に とって その 女 が 大事 な ん やったら
わし に とって は 琴子 が 大事 な ん や
あんな つら そう な 琴子 見て られ へん ―
どう や ねん !
はぁ
( 琴子 ) 入江 君 ―
“ 琴子 は 俺 の こと が 好き な んだ ” って 言って よ ―
前 は そう 言って くれた じゃない ―
お 願い
好き に すれば
( 金之助 ) おう ―
おっしゃる とおり 好き に さして もらう わ ―
せや から お前 も ―
もう 余計 な ちょっかい 出す ん や ない で
男 の 約束 や から な !
♪~
( すすり泣き )
( 琴子 ) 今度 こそ 本当に おしまい な の ?―
入江 君 を 諦める なんて 無理 だ よ
( すすり泣き )
お 兄ちゃん
本当に あの お 見合い の 女 の 人 と 結婚 す ん の ?
何 だ よ 急に
どう な の ?
多分 そう なる ん じゃない か な
( 裕樹 ) お 兄ちゃん その 人 の こと 本当に 好き な の ?
どう した んだ よ 裕樹
( 裕樹 ) ちゃんと 答えて よ
だって … だって お 兄ちゃん が 好き な の は
琴子 な ん でしょ ?
♪~