イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #14 (1)
( 入江 直樹 ( いりえ なおき )) それ で 父 の 容態 は ?
( 大村 ( おおむら )) このまま 無理 を なさる と
心筋 梗塞 に なる 可能性 が あり ます
俺 が やる ―
おやじ の 会社 は 俺 が 守る よ
( 相原 琴子 ( あいはら ことこ )) もしも 入江 君 が 心細くて 手助け が 必要で ―
私 に 何か できる こと が ある なら 私 は 何でも する
( 金森 ( かなもり )) このまま で は パンダイ は
吸収合併 されて しまう かも しれ ません ―
今 すぐに ばく大 な 資金 援助 が 必要 です ―
北英 ( ほくえい ) 社 の 大泉 ( おおいずみ ) 会長 と 秘書 の 横山 ( よこやま ) 氏 です
出資 の 件 は 父 に 代わって 私 が お 話 を 伺い ます
おやじ ほんと は よく ない んだ
俺 が 会社 を 継げば 全て 解決 する
会長 自ら 我が社 まで 足 を お 運び いただける なんて
光栄 です
本当に ありがとう ございます
本当に ありがとう ございます
( 大泉 ) いやいや ―
今日 は この 辺り に 用事 も あった もん だ から ね
今日 は お 一人 です か ?
今日 は 個人的 に 直樹 君 に 相談 が あって ね
僕 に です か ?
直樹 君 見合い を して みる 気 は ない か ?
( 笑い声 )
入江 君 が 入院 して いる とき に 何 だ が
うち に は 孫娘 が いて ね
君 と 同じ 年 で 聖心 ( せいしん ) 女子大学 に 通って る んだ が
名門 中 の 名門 じゃ あり ません か
( 大泉 ) どう だろう 直樹 君
一度 会う だけ でも 会って みない か ?
ハッハッハ 君 も 若い すぐに は 返事 が でき ない だろう
親御 さん と 相談 して から でも
近日 中 に 返事 を くれ たまえ
出資 の 件 に ついて は その後 に
今日 は 急に 来て すまなかった ね
( 直樹 ) とんでも あり ません
じゃあ 直樹 君 ―
くれぐれ も よく 考えて おいて くれ たまえ
( 直樹 ) はい ―
ありがとう ございます
直樹 さん …
この 話 会社 に とっても 好都合 な んです よ ね ?
( 入江 紀子 ( のりこ )) どういう こと な の ? お 兄ちゃん !
( 入江 重樹 ( しげき )) ああ ママ ママ おっ 落ち着いて
しかし 急に
大泉 会長 の お 孫さん と 見合い だ なんて
どういう こと な んだ ?
別に …
まさか 資金 援助 の ため じゃない だろう な ?
ふふ~ん
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) あっ 連絡 し ないで 来た から
パパ びっくり し ちゃう か な ?
( 相原 重雄 ( しげお )) フフフ
どう しよう びっくり させたら 心臓 に 悪い かな
何 言って ん だい
裕樹 君 の 顔 見たら
病気 なんか 吹っ飛ぶ ぐらい 元気 に なっ ちゃう ぞ
(3 人 の 笑い声 )
( 重樹 ) 親 を 見くびる な !
私 は な お 前 を 犠牲 に して まで
会社 を 守ろう なんて 思って ない よ
そう よ ! 結婚 だ なんて とんでもない !
“ 結婚 ”? お 兄ちゃん が ?
私 に は パンダイ を 一代 で 大きく した と いう
プライド も ある
だから 変 な 気 は 遣う な
結婚 は 本当に 好き な 人 と し なさい
気 に 入った んだ
お 見合い 写真 見て 相手 の 人 好み だった んだ
( 裕樹 ) お 兄ちゃん !―
( 引き戸 を 開ける 音 )
本気 な の !?
裕樹 !
本当に 結婚 する の ?
だって …
( 紀子 ) 琴子 ちゃん …―
あっ 相原 さん まで
入江 君 お 見合い する って ほんと ?
ああ
今週 の 日曜日 だ
おやじ が こういう 状況 だ から 正式 な もの じゃなくて
軽く 会食 しよう って ―
おふくろ に は 出て もらう から な ―
頼んだ ぞ
♪~
( 琴子 ) そんな … 入江 君 が お 見合い する なんて ―
信じ られ ない ―
私 どう したら いい の ?
♪~
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) 入江 の 野郎 が 見合い や と !?
相手 は 取引先 の お嬢さん
( 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) それ じゃあ まるで ―
政略 結婚 じゃない !
( 小森 ( こもり ) じんこ ) うわっ 今どき そんな の あり ?
分かんない
入江 君 “ 相手 の こと 気 に 入った ” って 言って た けど さ
ごめん 私 行く ね
ああ ちょっと 琴子 大丈夫 かな ?
大丈夫 な わけ ない でしょ
琴子 が 何年 入江 に 片思い して きて る と 思って ん の よ
( じんこ ) だ よ ね ―
だけど 入江 の やつ まさか お 見合い する なんて
入江 の 野郎 許せ ん
( じんこ ) 全く だ よ !
あいつ どれ だけ 琴子 を 振り回せば 気 が 済む わけ ?
まあ 琴子 が 自分 で 勝手に 振り回って る だけ だ けど ね …
せや けど 琴子 の 気持ち は どう な ん ね ん
入江 の ため に あんなに けなげ に 頑張って き とった のに
別 の 女 と 見合い や て ?
金 ちゃん ?
それ じゃ まるで
琴子 と 入江 が うまく いって ほしい みたい だ けど ?
んな こと 言う とら ん わ !
はぁ …
わし は 琴子 に 笑顔 で いて ほしい だけ や
♪~
( 直樹 ) 俺 が 会社 を 継げば
全て 解決 する
でも 入江 君 に は お 医者 さん に なり たい って 夢 が
ある ん じゃない の ?
まだ 日 の 浅い 夢 だ から
諦め ちゃう の ?
入江 君 …
( 琴子 ) あの とき 入江 君 と 心 が 通じ合った 気 が した のに
あっ !
( 皿 が 割れる 音 )
( 皿 が 割れる 音 )
あっ 割っ ちゃった …
あっ 痛い
( 紀子 ) 大丈夫 ? 琴子 ちゃん ―
あっ 大変 血 が 出て る じゃない の
ああ …
うわっ 痛 そう
大丈夫 ?
はい
すいません ボーッと して て
お 兄ちゃん の お 見合い の せい ね
ったく もう お 兄ちゃん ったら
でも お 兄ちゃん の お 嫁さん は 琴子 ちゃん って いう
私 の 気持ち は 変わって ません から ね
でも 入江 君 が 決めた こと だ から
その こと な んだ けど
どうしても あの 言葉 が
お 兄ちゃん の 本心 と は 思え ない の よ ね
会社 の こと だって そう
そりゃあ 私 だって
お 兄ちゃん が パンダイ を 継いで くれたら いい なって
思って た わ よ
でも 実際 に 会社 で 働く お 兄ちゃん を 見る と
何か 違う なって 思う の よ ね
これ って ほんとに
お 兄ちゃん の やり たい こと じゃない ん じゃない かしら って ―
お 兄ちゃん パパ が 倒れた こと に
責任 を 感じて る ん じゃない か と 思う の よ
それ で 自分 を 犠牲 に して
会社 を 助ける つもり な ん じゃない か って
でも だ から って 結婚 まで し ます か ね ?
一生 の こと な のに
あの 子 思い込んだら いちず な ところ が ある から
だから ね
私 いい こと 思いついた の よ
いい こと ?
フフフ …
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) 入江 君 お 見合い する んです って ?
相手 は 北英 社 って 会社 の 会長 の お 孫さん
え ? 大泉 会長 の ?
知って る の ?
当たり前 でしょ
ねえ あなた 新聞 と か 読ま ない わけ ?
大泉 会長 って いったら 財界 の 超 大物 よ
政治家 に も 顔 が 利く 日本 経済界 の 大御所 な んだ から
そんな すごい 人 の お 孫さん だった んだ
あっ そう いえば
“ 幼稚園 から ずーっと 聖心 女子 だ ” って 言って た
ふーん 本物 の お嬢 ね
入江 君 “ 写真 見て 一目 で 気 に 入った ” って 言って た し
きれい な ん だろう な
気 に 入ら ない わ ね
だって そう でしょ ?
何で 突然 現れた 完璧 女 に
入江 君 を さらわれ なきゃ いけない の よ
納得 いか ない
まあ おば 様 が なんとか して くれる と 思う けど ね
ん ? おば 様 ?
何 よ ? その 話
おっ ! はっ ! 私 ?
あっ 何でもない 何でも
( 松本 ) 何でもない わけ ない でしょ 早く 言い なさい よ
あ … だ から ないしょ 話 な の
おば 様 が お 見合い を ぶっ潰す って いう 作戦 は
はっ !
ふーん “ お 見合い を ぶっ潰す ” ね
フッ あなた たち って ほんと 相変わらず ね
何 よ
でも 今回 ばかり は 私 も 参加 する わ
えっ ?
( 案内係 ) こちら で ございます
( 大泉 ) やあ 直樹 君 奥さん
お 待ち して ました よ
( 紀子 ) お 待たせ いたし ました
さあ さあ どうぞ
入江 君 が 入院 中 に すまない ね
こちら も 今日 は 私 と 孫 の 沙穂子 ( さほこ ) だけ です
沙穂子 の 両親 を 加えて の 正式 な 顔合わせ は
入江 君 の 体調 が よく なって から また 後日 と いう こと で
ウフフ その 後日 が ある か どう か
おふくろ
( 琴子 ) イチ ・ ニ イチ ・ ニ
どうして 私 まで こんな 格好 し なきゃ いけない の よ
しかたない でしょう
庭 に 怪しまれ ず に 潜り込む に は
これ しか なかった んだ から
あっ あれ
ん ?
( 琴子 ) ん ?
どんな 女 な の よ 大泉 会長 の 孫娘 って
( 琴子 ) うーん まだ その 人 は 来て ない みたい
何 よ
今 沙穂子 は 準備 を して い ます
もう すぐ 来る から ね
( ドア が 開く 音 )
( 大泉 沙穂子 ) 遅く なり ました
やあ 沙穂子 待って た よ
まあ
あの とき の …
あっ
大丈夫 です か ?
覚えて らっしゃい ます か ?
美人 は 特に 忘れ ません よ
おやおや
何 だ 2 人 と も 初対面 じゃなかった の か
それ なら 話 が 早い
はっ 沙穂子 はい 掛け なさい
さあ さあ さあ さあ
( 松本 ) ちょっと 何 やって ん の ? あんた
ボケッと し ないで チッ 貸し なさい
ふん 何 よ 多少 顔 が よく たって
頭 は 空っぽ かも しれ ない じゃない
そう だ そうだ
よし もう ちょっと 近く に 行って 2 人 の 話 聞こう
ほふく 前進 ! さあ !
ほんとに 言って る の ?
んっ ! シャーッ !
誰 だ よ もう !
( 琴子 ) にゃー !
沙穂子 さん の ご 趣味 は ?
私 は 何も 取り柄 が なくて
お 料理 と か 洋裁 と か 手芸 と か
つまらない んです
まあ ほんとに ね
つまらな~い
クク … おば 様 ナーイス !
シーッ ! 聞こえ ちゃう でしょ
いや 祖父 の 私 が 言う の も 何 だ が
沙穂子 は おしとやか で ね
“ 現代 の やまと なでしこ ” と でも いう か
いい です ね お しとやか な 女性 は 好き です
まあ やまと なでしこ なんて 古く さ~い
どうりで 若々し さ に 欠けて らっしゃる と 思った わ
( 松本 ) フフッ
あの 直樹 さん は どんな こと に 興味 が お あり な んです か ?
あ … そうです ね 大体 読書 して い ます
後 は テニス を 少々
何 が 少々 だ
何回も 大会 で 優勝 して る そう じゃない か
まあ すごい
今度 教え ます よ
えっ !
はあ ?
うれしい です
でも 私 下手 だ から あきれ られて しまう かも
それ は あきれる でしょう ね
おふくろ !
( 紀子 ) 何 です か ?―
うち の 直樹 は とても 意地悪 で ね ―
一度 教えて でき ない 人 の こと を すぐに 軽蔑 する んです よ ―
それ も あからさま に
アハ … すごい おば 様
ていうか おば 様 の 方 が あからさま すぎ
しかし 勉強 も スポーツ も 得意 で
その ルックス だ
直樹 君 さぞ モテる ん だろう ね
それほど でも
( 紀子 ) ええ とても モテる んです よ ―
あっ でも ご 安心 なさって ―
女の子 と おつきあい した こと は 全然 ない の
( 大泉 ) おお 硬派 な んだ ね
ええ ええ もう 硬派 も 硬派 でして
もらった ラブ レター を その 子 の 前 で 突き返す ―
勇気 を 出して 告白 して も みんな の 前 で こっぴどく 振る
ほんとに 硬派 な んです よ オホホ …
今 の 話 って 全部 あなた の こと ?
うん うん …
あなた って ほんとに 嫌わ れて た の ね
ううっ うっ うっ …
( 沙穂子 ) でも 誰 に でも いい 顔 して ―
おつきあい する ような 男 の 人 なんか より ―
冷たい くらい の 方 が ずっと すてき だ と 思い ます わ
( 大泉 ) おお ハッハッハッハ
全く その とおり だ
浮気 の 心配 が なくて いい アッハッハッハ
浮気 の 心配 が なくて いい アッハッハッハ
あ … ちょっと でも
浮気 の 心配 が なくて いい アッハッハッハ
浮気 の 心配 が なくて いい アッハッハッハ
全く 女っ気 が なかった って いう わけ で も
全く 女っ気 が なかった って いう わけ で も
ない んです よ フフ
実は 直樹 に は
3 年 近く も 同せい して いる 同い年 の 女の子 が おり ます の
いいかげんにしろ
何 が “ 同せい ” だ “ 同居 ” だ ろ
( 紀子 ) 似た ような もの でしょ
大泉 さん これ に は 事情 が
( 紀子 ) そう な んです よ ―