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コンビニ人間, 13. – Text to read

コンビニ人間, 13.

Mellannivå 2 Japanska lesson to practice reading

Börja lära dig lektionen nu

13 .

店 の 外 に いる 白羽 さん の 姿 に 気 が 付いた の は 偶然 だった 。 ・・

夜 、誰 も いない オフィス 街 の 隅 に むっくり とした 影 が ある ので 、私 は 小さい 頃 あそんだ 影送り を 思いだして 、目 を こすった 。 近づいて みる と 、おどおど とした 白羽 さん が ビル の 陰 で 腰 を 屈めて 身 を 隠して いる の が わかった 。 ・・

白羽 さん は 、住所 を 知ろう と して いた 女性 客 が 出て くる の を 待って いる ようだった 。 女性 は いつも 会社 帰り に 店 に 寄って ドライフルーツ を 買って いく ので 、その 時間 まで バックルーム を うろうろ している と 、前 に 店長 が 言っていた こと を 思い出した 。 ・・

「白羽 さん 、今度 こそ 警察 呼ばれます よ 」・・

私 は 白羽 さん に 気 が 付かれない ように 背後 に まわり 、声 を かけた 。 白羽 さん は こちら の ほう が びっくりする ほど 身体 を 震わせて 振り向き 、私 だ と 解る と 顔 を しかめた 。 ・・

「なんだ ……古倉 さん じゃない です か 」・・

「待ち伏せ です か ? お客様 に 対する 迷惑 行為 は 、店員 の 禁忌 中 の 禁忌 です よ 」・・

「僕 は もう コンビニ 店員 じゃ ない 」・・

「私 が 店員 と して 見過ごす こと は できません 。 店長 に も 厳重 注意 さ れました よね ? 今 、店 に いる んで 呼んで きます よ ? 」 ・・

白羽 さん は 私 に は 強気 に なれる の か 、背筋 を 伸ばして 私 を 見下ろした 。 ・・

「あんな 底辺 の 社 畜 に 何 が できる ん だ 。 僕 が した ことを 悪い こと だ とは 思わない 。 気 に 入った 女 が いたら 見初めて 、自分 の 物 に する 。 それ は 昔 から 伝わる 男女 の 伝統 じゃない か 」・・

「白羽 さん 、前 に 強い 男 が 女性 を 手に入れる って 言ってました よね 。 矛盾 してます よ 」・・

「僕 は 確かに 今 は 仕事 を して いない けれど 、ビジョン が ある 。 起業 すれば すぐに 女 たち が 僕 に 群がる ように なる 」・・

「じゃあ 、先に ちゃんと 白羽 さん が そういう 風に なって 、実際に 群がってきた 女性 の 中から 選ぶ のが 筋 なので は ないですか ? 」 ・・

白羽 さん は 気まず そうに 俯き 、「とにかく 、みんな が 気 が 付いていない だけ で 、今 は 縄文 時代 と 変わらない んだ 。 所詮 動物 なんだ 」と 、論点 が ずれた こと を 言った 。 ・・

「僕 に 言わ せれば 、ここ は 機能 不全 世界 な んだ 。 世界 が 不完全 な せいで 、僕 は 不当 な 扱い を 受けて いる 」・・

そう な の かも しれない と 思った し 、完全に 機能している 世界 という もの が どういう もの な のか 、想像 できない とも 思った 。 「世界 」という もの が 何 な のか 、私 に は だんだん わから なく なって きて いた 。 架空の もの である ような 気 すら する 。 ・・

白羽 さん は 、黙って いる 私 を 見て 、突然 顔 を 押さえた 。 くしゃみ でも する の か と 思って 待って いる と 、指 の 間 から 水滴 が 垂れて きて 、どうやら 泣き出した ようだ と 気 が 付いた 。 こんな ところ を 客 に 見られたら 大変だ と 、私 は 、「とりあえず 、どこか 入りましょう か 」と 、白羽 さん の 腕 を 掴んで 、近く の ファミレス へ と 向かった 。

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