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江戸小話, おいはぎかご

おいはぎ かご

むかし は 今 の ように 電灯 なんて あり ませ ん でした から 、 夜 に なる と 道 は まっ 暗 です 。 それ で よく 、 おいはぎ が 出た もの でした 。

ある お 店 の 旦那 ( だんな ) が 、 江戸 の 新 橋 ( しん ば し ) から かご に 乗り ました 。 少し 行く と 、 かご かき (→ かご を かつぐ 人 ) が 急に 足 を 止めて 、 「 旦那 、 すみません が 裸 に なって ください 」 と 、 言い ます 。 「 何 だ と ! お前 ら 、 かご屋 の おいはぎ か ! この 、 おいはぎ かご め ! まだ 日 が 暮れた ばかりな のに 、 もう ひん むく 気 か ! 」 旦那 が 腹 を 立てて 言う と 、 「 いやいや 、 そう じゃ ない んです よ 。 実は この 頃 、 おいはぎ め が 出て 危ない から 、 やられる 前 から 用心 して 着物 を 脱いで もらおう と 思い まして ね 」 と 、 かご かき が 答え ました 。 それ を 聞いた 旦那 は 、 「 なるほど 、 そい つ は 名案 だ ! 」 と 感心 して 、 言わ れた 通り 着物 を 脱ぐ と 、 尻 の 下 に しき ました 。

それ から しばらく 行く と 、 思った 通り 、 大 男 の おいはぎ が 現れ ました 。 「 こら っ ! 身ぐるみ 脱いで 、 置いて いけ ! 」 する と かご かき は 、 中 に いる 裸 の 旦那 を 見せる と 、 「 これ この 通り 、 この かご は 、 もう おいはぎ 済み です 」 と 、 答え ました 。 「 む むっ 、 それ なら 仕方 が ない 、 行って よし 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


おいはぎ かご

むかし は 今 の ように 電灯 なんて あり ませ ん でした から 、 夜 に なる と 道 は まっ 暗 です 。 それ で よく 、 おいはぎ が 出た もの でした 。

ある お 店 の 旦那 ( だんな ) が 、 江戸 の 新 橋 ( しん ば し ) から かご に 乗り ました 。 少し 行く と 、 かご かき (→ かご を かつぐ 人 ) が 急に 足 を 止めて 、 「 旦那 、 すみません が 裸 に なって ください 」 と 、 言い ます 。 「 何 だ と ! お前 ら 、 かご屋 の おいはぎ か ! この 、 おいはぎ かご め ! まだ 日 が 暮れた ばかりな のに 、 もう ひん むく 気 か ! 」   旦那 が 腹 を 立てて 言う と 、 「 いやいや 、 そう じゃ ない んです よ 。 実は この 頃 、 おいはぎ め が 出て 危ない から 、 やられる 前 から 用心 して 着物 を 脱いで もらおう と 思い まして ね 」 と 、 かご かき が 答え ました 。 それ を 聞いた 旦那 は 、 「 なるほど 、 そい つ は 名案 だ ! 」 と 感心 して 、 言わ れた 通り 着物 を 脱ぐ と 、 尻 の 下 に しき ました 。

それ から しばらく 行く と 、 思った 通り 、 大 男 の おいはぎ が 現れ ました 。 「 こら っ ! 身ぐるみ 脱いで 、 置いて いけ ! 」   する と かご かき は 、 中 に いる 裸 の 旦那 を 見せる と 、 「 これ この 通り 、 この かご は 、 もう おいはぎ 済み です 」 と 、 答え ました 。 「 む むっ 、 それ なら 仕方 が ない 、 行って よし 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )