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イタズラなKiss2〜Love in TOKYO, イタズラなKiss2〜Love in TOKYO#16

イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #16

♪~

( 店員 達 ) ♪ ハッピーバースデー トゥーユー

♪ ハッピーバースデー

♪ 琴子

( 入江 琴子 ( いりえ こと こ )) 入江 君 !

( 入江 直樹 ( な おき )) さあ 琴子 火 消して

うん

ふ ー っ

ん ?

あれ ?

ふ ー っ

( 琴子 ) お っか しい な

( 琴子 が 息 を 吸う 音 )

( 琴子 ) ふ ー っ

ふ ー っ

おはよう

あっ おはよう …

寝 ながら 百 面 相 の 練習 か ?

え ?

ニマニマ 笑って る と 思ったら 急に ―

ひょっとこ みたいな 顔 して なんか ふ ー ふ ー 言って た ぞ

ひょっとこ ?

あ ~

夢 か あ ~

( 桔梗 幹 ( ききょう も とき )) あたし この 前 焼肉 屋 さん の 店員 紹介 した でしょ ?

( 桔梗 幹 ( ききょう も とき )) あたし この 前 焼肉 屋 さん の 店員 紹介 した でしょ ?

は ~ あ …

は ~ あ …

( 品川 真里 菜 ( しな がわ まり な )) 何 よ これ見よがしな ため息 なんか ついちゃ って

みんな ご存じ だ と は 思う けど ―

私 今月 28 日 誕生日 な の よ ねえ

知ら ない わ よ そんな の

そう 入江 君 も 知ら ない の よ ね たぶん

(3 人 ) えっ !!

何 それ ?

夫婦 な のに !?

そ ー な の よ IQ 200 な のに なんで 覚えて くれ ない の か な …

そ ー よ ね その 優秀な 脳 の 片隅 に でも … ねえ

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 興味 の ない こと は インプット さ れ ない の かしら

( 幹 の せき払い )

毎年 お 義母 ( か あ ) さん が パーティー 開いて くれて ―

無理やり 参加 さ せ られて る けど

自分 から 進んで 愛する 妻 の 誕生日 を 祝おう !

って いう 気持ち に 欠けて る の よ ね 入江 君 …

それ は 確かに 愛 が ない わ ね

あたし だったら 耐え られ ない わ

あたし は たっ か ~ い プレゼント もらえれば それ で いっか なあ

( 幹 ) った く あんた は

琴子 も プレゼント だけ もらえば いい じゃ ん

たっ か ~ いの お ねだり しちゃ いなさ いよ !

値段 じゃ ない わ よ プレゼント は !

やっぱり 愛 が こもって ない と

で 今 まで どんな もの もらった の ?

あっ どんな もの って そり ゃあ …

知り たい 知り たい !

入江 さん が どんな もの あげた の か 興味 ある ~!

ん ? あれ ?

( 琴子 ) まさか … 私 って 一 度 も …

入江 君 から プレゼント もらった こと … ない ?

( 幹 達 ) ウッソ ~!

あんた 達 何 年 一緒に い ん の よ ~!

信じ らん ない

琴子 さん かわいそう

う ー わ ! 離婚 よ 離婚 !

あんた それ ちい ~ っと も 愛さ れて ない わ よ

そんな こと ない わ よ ! 入江 君 は ただ 照れ 屋 な だけ で …

決して 愛さ れて い ない わけじゃ …

問題 ね これ

他 に 女 が いる かも

わかった わ よ !

今年 こそ 年 の 数 だけ の バラ の 花束 シャンパン そして …

愛 の こもった プレゼント 実現 して みせる わ ! お ー !

無理な 方 に 千 円

あたし も 無理な 方 に 千 円

私 も ダメに 千 円

ちょっと ~ 誰 か 大 穴 狙い なさい よ !

ん ?

♪~

28 日 ?

うん うん !

オペ が 入って る 夜 は 当直 ―

何 か あった っけ その 日 ?

( 琴子 ) や … やっぱり 覚えて ない みたい

じゃあ いい です ~

( 琴子 ) こんな こと で へこたれ ない わ よ !―

よ ~ し こう なったら …

( 船津 誠一 ( ふな つ せい いち )) いた ! 入江 さん !

( 加藤 ( かとう )) 何 だ 騒々しい な

ああ 船津 か

28 日 の 当直 僕 が 代わって 差し上げ ます

は ?

だから 28 日 は …

俺 は 代わって もらう 必要 は ない けど

えっ …

それ は 困り ます !

え ?

何と して でも 代わって いただか ない と

じゃ ない と 琴子 さん が … あっ

何 が 困る って ?

え … いえ

( 直樹 ) 琴子 に 何 を 言わ れた

いや な … な っ 何も …

船津 !

ああ …

琴子 さん が 28 日 の 当直 入江 さん と 代わって くれたら ―

真 里奈 さん と 僕 を デート さ せて くれる って

は ? デート ?

ですから ぜひ 28 日 の 当直 僕 に やら せて ください !

約束 です から ね !

船津 … 何 だ あれ

( 入江 紀子 ( のりこ )) お 兄ちゃん と 二 人 っきり で ?

え … すいません …

え ~ 寂しい わ ~!

私 今 この イベント に かけて た のに ~

垂れ幕 だって あと 少し で 完成 だった の よ

垂れ幕 ?

ほら !

( 琴子 ) ああ っ ごめんなさい …

やっぱり いつも 通り の パーティー に … お 願い …

( 紀子 ) いいえ !

そう よ 確かに そうだ わ !

今 まで お 兄ちゃん は 我が家 の パーティー に ―

めん どくさ そうな 顔 で 便乗 して る だけ だった !

プレゼント なんて 見た 覚え が ない わ

わかった わ 琴子 ちゃん !

今年 は お 兄ちゃん と 二 人 で 濃密な 誕生日 を 過ごし なさい

今回 私 は 涙 を のむ わ 寂しい けど …

お 義母 さん …

そう と 決まったら 作戦 よ ! 琴子 ちゃん !

はい !

どう やったら さりげな ~ く お 兄ちゃん に ―

琴子 ちゃん の 誕生日 を 認識 さ せる か

はい …

さりげなく は 無理だ ろ

( 琴子 ) い !

お前 病院 で 船津 に 変な 裏 工作 しや が って

( 琴子 ) 船津 … 口 軽い んだ から !

確かに お前 誕生日 だった な

毎年 この 時期 お袋 張り切って る もん な ―

でも 俺 そういう の 興味 ない から

まあ お 兄ちゃん ったら 最低な 男 ね !

愛する 妻 の 誕生日 に “ 興味 ない ” と は 何 です か !

お前 さあ そこ まで して 俺 と 誕生日 祝い たい の ?

そりゃ あ ずっと 夢 だった し …

ふ ー ん …

言って みろ よ お前 が し たい 誕生日 って やつ

そ ー よ 言って や んな さ いよ 琴子 ちゃん !

え えっ 恥ずかしい し …

ただ 私 は …

とびっきり の おしゃれ を して ~―

入江 君 は 私 の 年 の 数 だけ の バラ の 花束 を 抱えて て ~―

ディナー して …―

シェフ が ケーキ を 運んで きて くれて ~―

店 中 が 私 の ため に 誕生日 を 祝って くれる の

♪ 琴子

( 琴子 ) で 入江 君 と 私 は シャンパン を 飲んで …―

二 人 っきり の 夜 を …―

キャッ

( 直樹 ) お前 の 誕生日 に かける 情熱 は よく わかった よ

え ?

28 日 船津 に 当直 代わって もらう

ほ … ほ … 本当 !?

い … いっ いい の ?

ああ あいつ も うるさい し なあ

やった ー !!

やった わ ね 琴子 ちゃん !

わ ー ! 入江 く ー ん !

( 琴子 ) 入江 君 を 知った 日 から こんな 誕生日 が 訪れる こと を ―

どんなに 夢見て きた こと か …

( シャッター 音 )

( 琴子 ) そんなこんな で 誕生日 当日 を 迎え ました

( 琴子 ) 入江 君 ちゃん と 覚えて る ?

ロイヤル ホテル の ラウンジ に 7 時 だ から ね !

ああ

そ ー よ お 兄ちゃん

琴子 ちゃん の 誕生日 涙 を のんで 譲った んです から ね !

ああ

入江 君 年 の 数 だけ の バラ の 花束 なんて いい から ね

ああ !

ホントに いら ない から ! 欲しく なんか ない から ね

いい加減に して くれ 毎日 毎日 ! 耳 に タコ だ !

( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん かわいそうに

( 入江 重樹 ( しげき )) うん … ちょっと な

じゃあ

シュッ シュッ シャーッ !

♪~

さっ 私 も のんびり して られ ない

( 琴子 ) 素敵な ドレス に …―

美容院 で セット して もらって ―

素敵な 髪 に して もらって …―

奮発 して メーク も して もらって …―

今日 の この 日 の ため に ―

一 番 素敵な 私 に して もらう んだ

入江 君 私 に 惚れ 直したり して …

( 男の子 ) お 母さん あの お 姉ちゃん 頭 が オウム みたい

( 母親 ) これ シーッ

( 琴子 ) 何 これ …―

この 頭 どうして こんな こと に …―

他の 美容院 に ! いや そんな 時間 全然 ない ―

もし かして 自分 が 思う より 案外 イケ てる の かも …?―

どうして 気 に 入ら ない って 言え なかった んだろう ―

私 の バカ …

( 男性 ) おい どうした !

( 男性 ) 大丈夫です か !

ん ?

どうした ん です か ?

あっ なんか 急に フラフラ して しゃがみこんじゃ った んです よ

そのまま 倒れて 頭 打っちゃ った んです !

( 琴子 ) 大丈夫です か ? 大丈夫です か ?

ちょっと 頭 持ち上げ ます ね

よい しょ

すいません 誰 か ハンカチ 貸して もらえ ませ ん か ?

( 女性 ) ハンカチ … あっ これ 使って ください

ありがとう ございます

あなた ! 救急 車 呼んで もらって も いい です か ?

あっ はい

はい

あっ あの … カバン …―

カバン を 貸して もらって も いい です か ?

はい

( 琴子 ) 頭 の 下 に 入れて ください

( 女性 ) あの 人 看護 師 さん だった の ?

( 女性 ) ホステス さん じゃ なかった んだ ね

( 琴子 ) もう 少し で 救急 車 来 ます から ね

名前 言え ます か ?

他 に どこ か 痛い ところ あり ませ ん か ?

( 救急 隊員 ) いや あ でも 看護 師 さん が いて くれて 助かり ました

貧血 だ と は 思う んです けど 出血 も あった ので …

( 救急 隊員 ) じゃ ありがとう ございました

( 男性 ) いや あ あんた よく やった よ

( 男性 ) ホント お 姉さん よく やった よ なあ

( 男性 ) ああ すごかった

かっこよかった よ

いや あ …

あの … カバン …

( 救急 隊員 ) ああ じゃあ ちょっと そこ 置いて ください

( 救急 隊員 ) あっ お 友達 は ここ に お 願い し ます

( 琴子 ) えっ ちょ … 私 ただ の 通りすがり で …―

友達 なんか じゃ ない んです …―

お ー い 出して … あ ~!

( 琴子 ) どう しよう … もう 2 時間 以上 も 遅れて る ―

入江 君 もう 帰っちゃ った かも

なんで 今日 に 限って こんな …

( 琴子 ) 入江 君 ! ごめん ね !―

お 願い もう 少し …―

待って て !

( スタッフ ) お 客 様

失礼です が その お召し物 は どう なさった のでしょう か ?

え ? どう なさった って 何 です か …

お ケガ でも さ れた んでしょう か ?

やっ これ は … 違う んです !

ヤダ どうし よう 私 …

( スタッフ ) お 客 様 ?

こんな 格好 で 入江 君 に 会う なんて …

( スタッフ ) あの …

( 琴子 ) 私 ここ で 待ち合わせ して て …

でも もう 3 時間 以上 も 待た せちゃ って て …

では お 呼び出し いたし ましょう か ?

誕生日 な のに …

こんな 格好 で 入江 君 に 会う なんて …

お 客 様 …

初めて 入江 君 に お 祝い して もらう のに …

こんな 格好じゃ 会え ないで す よ ね

あの とりあえず あちら の 方 で …

入江 君 もう 帰っちゃ い ました か ね

それ に つき まして は わかり かね ます が …

入江 君 ?

お前 が ケガ した か と 思った ろ ー が …

った く 驚かせ や がって

( 琴子 ) 入江 君 !

ごめんなさい 私 遅く なっちゃ って …

いろいろ あって … なかなか たどり着け なく って …―

気 が 狂い そうに なって …―

でも …―

入江 君 帰っちゃ った か と 思って た けど …―

でも 諦めきれ なく って …

今日 は お前 が 何 が あって も ―

這い つくば って でも 来る の は わかって たから …

帰る に 帰れ ないだ ろ ?

しっか し すごい いでたち だ な

うん 入江 君 …

話 は 後 で ゆっくり 聞く と して …

腹 減った な

予約 して いた 店 は 閉まっちゃ って る し

その 格好じゃ あな …

( 女性 ) チョット ソコノ オ 兄 サーン !

ハアーイ !

コレ アナタノ 荷物 デー スネ ソコニ 落 チテマシタ

コンナトコ 二 置 イトクト 置 キ 引 キニ 遭 イマース

サッ 持 ッテ 持 ッテ ハイ オ 兄 サン 持 ッテ ~!

オー 大変 !

ソロソロ 飛行機 ノ 時間 デス 国 ニ 戻 ラネバ

オフタリトモ オ 幸 セニ ~!

シーユー !

( シャッター 音 )

( 琴子 ) きれい ~

本当に 年 の 数 だけ バラ が ある

ねえ ケーキ も ある よ ~ 食べよう !

お袋 の 奴 何 考えて んだ

これ ど ー しろ って 言う んだ

お 義母 さん …

もし かして こっそり ずっと 待って て くれた の か な 私 の こと

だろう な どうせ ビデオ でも 撮って た んだ ろ

った く … 暇な 奴

でも 私す ごく 嬉しい

こんな 幸せ 者 の お 嫁 さん 他 に い ない よ ね

誕生日 おめでとう 琴子

入江 君 …

プレゼント 何 が 欲しい ?

えっ ? ほ … 本当 ?

えー どう しよう か なあ ~

えー っと ねえ えー と …

あっ じゃあ …

入江 君 に “ 好き ” って 言って ほしい な

“ 好き ” って …

やっぱり … やっぱり 今 の ナシ ! 考え 直す

えー っと ね えー と えー と ん … うーん …

琴子 好きだ よ

私 も …

大好き

♪~

( 琴子 ) 入江 君 と 出会って もう 随分 経つ のに ―

どうして こんなに ドキドキ する んだろう

( 琴子 ) どうして こんなに ―

入江 君 の こと が 好きな んだろう

あっ …

いけ ね

( 琴子 ) 入江 君 も …―

私 の こと 好き で いて くれて る の か な ?―

私 は 今 も 入江 君 に 毎日 ドキドキ して る けど ―

入江 君 も …―

たまに は ドキドキ なんか して くれて る の か な ?―

そう だ と いい なあ …

フフフ … ハハハ …

いきなり 不気味に 笑う な よ

だって ~ 見て も 見て も 飽き ない んだ もん !

もう 2 か月 も 前 だ ろ ? お 兄ちゃん に もらった の

そう だ けど お ~

まだまだ ず う ~ っと 見て たい の ~

お 兄ちゃん も プレゼント した 甲斐 が ある わ ねえ

こんなに 喜んで もらえて

あっ これ 琴子 ちゃん に 来て たわ よ

ありがとう ございます

お っ クリス から だ

え ~ っ 何 これ ~! すごい ~!

まあ 素敵 ~!

どうした

( 琴子 ) 見て 見て これ ~!

( クリスティーヌ ・ ロビンス ) “ 拝啓 直樹 & 琴子 ”―

“ アタシ 達 別荘 ノ オ 城 デ 式 ヲ 挙 ゲテシマイマシテン ”―

“ 新婚 旅行 ヲ 兼 ネテ シバラク イギリスニオリマス ”―

“ 直樹 ト 琴子 ニ 負 ケヘン 夫婦 ニ ナルツモリヤデ ”―

“ アタシラ 今 メッチャ 幸 セデッセー クリス ”

クリス って すごい 家 の 子 だった んだ ね …

だ な …

でも すごく きれいだ ね ~

金之助 ( きん の すけ ) も 意外 と 似合って んな

幸せ そう 二 人 と も …

裕樹 ?

なんか さっき から ちょっと 熱っぽくて

ええ ?

あら っ ホントだ わ

好美 ( このみ ) の 奴 具合 悪 そう だった から うつった かな

何 して うつった の かしら ね ~

こ っ 琴子 お前 何 言って んだ !

はい はい ちょっと 待って て ね

はい

( 琴子 ) この 時 に は まだまだ みんな 余裕 が あった のでした

( せき込み )

( せき込み )

った く そろい も そろって …

( 直樹 ) 吸って ―

吐いて ―

口 あけて

ああ … のど も 赤く なって る な

次 親父

( 重樹 ) お 願い し ます

( 琴子 ) その 頃 病院 でも 大変な こと に なって い ました ―

昨日 まで より も さらに ―

大勢 の インフルエンザ と 見 られる 患者 が 押し寄せ …

こんなに …

失礼 し ます

( 看護 師 ) あなた 外科 から の 応援 の 方 ?

はい ! 外科 から 参り ました 入江 琴子 です

どうぞ よろしく お 願い し ます

入江 君 !

琴子

なんで ここ に …

お前 と 同じ 理由

そう な の ね ~ なんて 偶然な の かしら ?

やっぱり 私 達 って みんな に 頼ら れる 夫婦 な の ね ~!

“ 達 ”?

入江 君 が いれば 百 人力 よ ね 頑張 ろ ー ね !

そう だ な

( 琴子 ) 入江 君 と 一緒に 働ける なんて …―

私 って なんて ツイ てる んだろう ~

入江 さん ?

ボサッ と して ないで こっち 来て

あっ はい

( 琴子 ) それ から と いう もの 殺人 的な スケジュール が 続いた のでした

山田 真紀子 ( や まだ まきこ ) さん 2 番 の お 部屋 の 前 で お 待ち ください

( 山田 真紀子 ) は ー い

( 琴子 ) 山田 さん です か ?

こちら で お 待ち ください

吸入 する タイプ の お 薬 を 出して おき ます

薬 を もらったら なるべく 早く 吸入 して ください

( 女性 ) ありがとう ございました

お 大事に どうぞ

ん ~ おいしい !

( 着信 音 )

は ー い

はい 入江 で ございます

ああ 琴子 ちゃん

え … えっ ? まだ 帰れ ない の ?

まあ 大変 ね ~ 大丈夫 ? 琴子 ちゃん

ここ の ところ 私 達 の 看病 と 仕事 で ちゃんと 寝て ない でしょう ?

ん ? あ … ああ こっち は 大丈夫 よ

私 も 熱 も すっかり 下がった し 琴子 ちゃん の おかげ で … うん

はい

じゃ くれぐれも 無理 し ないで ね

うん はい …

は ー い

ホントに 大丈夫 かしら ?

( 直樹 ) お前 も 帰れ なく なった の か

( 琴子 ) 入江 君 !―

入江 君 も 残って る の ?

ああ この 状況 じゃ な

は あ ~! 嬉しい な ~!

あんまり 二 人 で って ない もん ね

( 直樹 ) よく 喜べる よ な

だって ~ ずっと こういう の に 憧れて た んだ も ~ ん

何 ?

お前 さ 前 から 聞こう と 思って た んだ けど さ …

身体 おかしく ない か ?

え ? あ … うん …

まっ ちょっと は 疲れて は いる けど

そう いえば ちょっと 熱っぽい かな ?

でも 別に

メシ 食べて る か ?

ああ あんまり 食欲 なく って バタバタ して たし …

でも 大丈夫

そう か

ヤダ 入江 君 ! 私 の こと すごく す ご ー く 心配 して た の ?

愛する 妻 が インフルエンザ に かかって ない か って !

いや そういう …

ヤダ もう ! 入江 君 ったら ~

も ~ 嬉しい なあ ~

元気な の は わかった

( 看護 師 ) あっ いた 入江 先生 琴子 さん も

どう し ました ?

急患 です

( 貴史 ( たかし )) 痛い … 痛い よ ~

( 母親 ) 大丈夫 大丈夫 よ …―

先生 先生 ! 子供 が …

どう し ました ?

自転車 で ガラス 戸 に 突っ込んじゃ った そうです

血 が … 血 が 止まら なくて …

ずっと こう やって 押さえて 来た んです けど …

そういう 時 は お 母さん 救急 車 呼んで いい んです よ

( 母親 ) でも 手 離したら …―

血 が … 血 が 出て きちゃ う から 電話 も でき なくて …

とにかく こっち に 座ら せて ください ねっ ―

手 離して 傷口 診せて ください ね

( 直樹 ) ライト

( 琴子 ) お 母さん タオル を こっち に 渡して ください

大丈夫です から ねっ

大丈夫です よ

( 直樹 ) まずは ガラス の 破片 取り除か ない と な

少し 痛む かも しれ ない けど 頑張れよ ボク

( 貴史 ) 痛い よ 痛い …

貴史 !

貴史 ごめん ね ! ママ 助けて あげ られ なくて …

お 母さん 落ち着いて !

お 母さん が しっかり し ない と 貴史 君 が 不安がり ます よ

一緒に 励まして あげ ま しょ ! ねっ

看護 師 さん

大丈夫 !―

入江 先生 は 傷口 の ガラス の 破片 取ら せたら ―

日本 一 って 人 です から !―

ねっ

はい

( 母親 ) 貴史 …―

頑張って 貴史 !

よし 頑張れよ 貴史 君

いた っ … 痛い …

( 母親 ) 頑張れ 貴史 !

もう ちょっと だ から ね 貴史 君

( 母親 ) さっき は すみ ませ ん でした

私 取り乱しちゃ って 恥ずかしい です

そんな の 当たり前です よ ビックリ し ます よ ね

看護 師 さん が ―

私 が しっかり し ない と って 言って くれた おかげ で ―

目 が 覚め ました

ああ そう だって … この 子 不安 に さ せて どう する んだ って

そんな …

でも よかった で すね 思った より 傷 も 深く なくて

頑張った ね ~ 貴史 君 偉い ぞ !

本当に ありがとう ございました

ガラス の 破片 を 取ら せたら 日本 一 の 先生 と ―

優しい 看護 師 さん が いて くれて よかった です ―

失礼 し ます

お 大事に

( 貴史 ) バイバーイ

( 琴子 ) バイバイ

帰 ろ っか

痛 った …

よかった じゃ ね ー か

生まれて 初めて 看護 師 と して 褒め られて

なあ に よ それ そんな こと ない もん !

俺 なんか ―

ガラス の 破片 を 取ら せたら 日本 一 なんだ ろ ?

光栄だ な

でも …

嬉しい 入江 君

お 母さん って すごい よ ね

貴史 君 抱えた まん ま ずっと ここ まで 走って きたん だって

あんな 小柄な のに

ああ

すごい よ ねえ

お 母さん の 子供 守る パワー って なんか す っご いよ ね !

そう だ な

( 看護 師 ) 入江 先生 !

すいません また 患者 さん が …

った く すげ ー な 今夜 は

琴子 お前 もう 帰れ もう 一 人 応援 が 来る らしい から

( 琴子 ) え ?

( 看護 師 ) そう ね 琴子 さん じきに 山村 ( やま むら ) さん も 来る はずだ し

あ … いや 大丈夫だ よ まだ

入江 君 頑張って る のに 私 だって まだ …

( 琴子 ) あれ …―

変だ な … 足 に 力 が …

琴子 !

琴子 !

琴子 さん ?

琴子 !

( 琴子 ) 入江 く … ん

あ ! 目 を 覚ました !

本当だ わ ! 琴子 ちゃん 気 が ついた の ね

お 兄ちゃん お 兄 ちゃ ー ん ! 琴子 ちゃん が !―

琴子 ちゃん が …

( 重樹 ) ママ 落ち着いて 落ち着いて

あれ … 私 …

琴子 ちゃん あなた 病院 で 倒れた の よ

お 兄ちゃん が 病院 から 運んで きた んだ

それ から 今 まで ずーっと 寝て いた の よ

心配 した わ あ よかった ! 気 が ついて …

ごめんなさい 私 心配 かけちゃ って

( 相原 重雄 ( あい は らし げ お )) まったく だ

お前 って 奴 は 心配 かけ や が って …

よかった よかった ! あい ちゃん … うん

( 紀子 ) ごめんなさい ね 琴子 ちゃん !―

私 達 の インフルエンザ が うつった の よ ~!

しかも 病院 も 休め ず に 働いて …

私 達 の 看病 まで して !

ごめんなさい ね 無理 さ せちゃ って

そんな こと ないで すよ お 義母 さん

眠った せい か もう 全然 平気です し

今 の うち に 風邪 薬 飲んで おけば 明日 に は もう ケロリ だ と 思い ます

本当 ? 琴子 ちゃん ?

はい ! 大丈夫 大丈夫 !

( 紀子 ) じゃ お 水 持ってきて あげる わ ね

はい ありがとう ございます

あっ … お 兄ちゃん ! ほら 琴子 ちゃん が …

( 直樹 ) 飲む な

え …?

まだ 飲む な

あ … 入江 君 ごめん ね 心配 かけちゃ って …

でも もう 全然 平気だ から …

あの 時 は なんか 目 の 前 が 真っ白に なっちゃ って …

( 直樹 ) 琴子

お前 …

前 の 生理 いつ だった ?

な … な … 何 …

そんな そんな … き … き … 聞く の !?

( 紀子 ) そう よ ! お 兄ちゃん …

お前 …

い … 入江 君 ?

妊娠 して ない か ?

♪~

( 琴子 ) せ ー の !―

ジャーンプ …

ねえ 入江 君

ん ?

何でもない

琴子

ん ?

何でもない

♪~


イタズラ な Kiss 2〜 Love in TOKYO #16 いたずら||||| Mischievous Kiss 2 - Love in TOKYO #16

♪~

( 店員 達 ) ♪ ハッピーバースデー         トゥーユー てんいん|さとる||

♪ ハッピーバースデー

♪ 琴子 ことこ

( 入江 琴子 ( いりえ こと こ )) 入江 君 ! いりえ|ことこ||||いりえ|きみ

( 入江 直樹 ( な おき )) さあ 琴子 火 消して いりえ|なおき||||ことこ|ひ|けして

うん

ふ ー っ |-|

ん ?

あれ ?

ふ ー っ |-|

( 琴子 ) お っか しい な ことこ||||

( 琴子 が 息 を 吸う 音 ) ことこ||いき||すう|おと

( 琴子 ) ふ ー っ ことこ||-|

ふ ー っ |-|

おはよう

あっ おはよう …

寝 ながら 百 面 相 の 練習 か ? ね||ひゃく|おもて|そう||れんしゅう|

え ?

ニマニマ 笑って る と 思ったら 急に ― |わらって|||おもったら|きゅうに

ひょっとこ みたいな 顔 して なんか ふ ー ふ ー 言って た ぞ ||かお||||-||-|いって||

ひょっとこ ?

あ ~

夢 か あ ~ ゆめ||

( 桔梗 幹 ( ききょう も とき )) あたし この 前 焼肉 屋 さん の 店員 紹介 した でしょ ? ききょう|みき||||||ぜん|やきにく|や|||てんいん|しょうかい||

( 桔梗 幹 ( ききょう も とき )) あたし この 前 焼肉 屋 さん の 店員 紹介 した でしょ ? ききょう|みき||||||ぜん|やきにく|や|||てんいん|しょうかい||

は ~ あ …

は ~ あ …

( 品川 真里 菜 ( しな がわ まり な )) 何 よ これ見よがしな ため息 なんか ついちゃ って しなかわ|まり|な|||||なん||これみよがしな|ためいき|||

みんな ご存じ だ と は 思う けど ― |ごぞんじ||||おもう|

私 今月 28 日 誕生日 な の よ ねえ わたくし|こんげつ|ひ|たんじょうび||||

知ら ない わ よ そんな の しら|||||

そう 入江 君 も 知ら ない の よ ね たぶん |いりえ|きみ||しら|||||

(3 人 ) えっ !! じん|

何 それ ? なん|

夫婦 な のに !? ふうふ||

そ ー な の よ IQ 200 な のに なんで 覚えて くれ ない の か な … |-||||||||おぼえて|||||

そ ー よ ね その 優秀な 脳 の 片隅 に でも … ねえ |-||||ゆうしゅうな|のう||かたすみ|||

( 小倉 智子 ( おぐら ともこ )) 興味 の ない こと は インプット さ れ ない の かしら おぐら|さとこ|||きょうみ||||||||||

( 幹 の せき払い ) みき||せきばらい

毎年 お 義母 ( か あ ) さん が パーティー 開いて くれて ― まいとし||ぎぼ|||||ぱーてぃー|あいて|

無理やり 参加 さ せ られて る けど むりやり|さんか|||||

自分 から 進んで 愛する 妻 の 誕生日 を 祝おう ! じぶん||すすんで|あいする|つま||たんじょうび||いわおう

って いう 気持ち に 欠けて る の よ ね 入江 君 … ||きもち||かけて|||||いりえ|きみ

それ は 確かに 愛 が ない わ ね ||たしかに|あい||||

あたし だったら 耐え られ ない わ ||たえ|||

あたし は たっ か ~ い プレゼント もらえれば それ で いっか なあ |||||ぷれぜんと|||||

( 幹 ) った く あんた は みき||||

琴子 も プレゼント だけ もらえば いい じゃ ん ことこ||ぷれぜんと|||||

たっ か ~ いの お ねだり しちゃ いなさ いよ !

値段 じゃ ない わ よ プレゼント は ! ねだん|||||ぷれぜんと|

やっぱり 愛 が こもって ない と |あい|||| After all, if you don't have love

で 今 まで どんな もの もらった の ? |いま|||||

あっ どんな もの って そり ゃあ …

知り たい 知り たい ! しり||しり|

入江 さん が どんな もの あげた の か 興味 ある ~! いりえ||||||||きょうみ|

ん ? あれ ?

( 琴子 ) まさか … 私 って 一 度 も … ことこ||わたくし||ひと|たび|

入江 君 から プレゼント もらった こと … ない ? いりえ|きみ||ぷれぜんと|||

( 幹 達 ) ウッソ ~! みき|さとる|

あんた 達 何 年 一緒に い ん の よ ~! |さとる|なん|とし|いっしょに||||

信じ らん ない しんじ||

琴子 さん かわいそう ことこ||

う ー わ ! 離婚 よ 離婚 ! |-||りこん||りこん

あんた それ ちい ~ っと も 愛さ れて ない わ よ |||||あいさ||||

そんな こと ない わ よ ! 入江 君 は ただ 照れ 屋 な だけ で … |||||いりえ|きみ|||てれ|や|||

決して 愛さ れて い ない わけじゃ … けっして|あいさ||||

問題 ね これ もんだい||

他 に 女 が いる かも た||おんな|||

わかった わ よ !

今年 こそ 年 の 数 だけ の バラ の 花束 シャンパン そして … ことし||とし||すう|||ばら||はなたば|しゃんぱん|

愛 の こもった プレゼント 実現 して みせる わ ! お ー ! あい|||ぷれぜんと|じつげん|||||-

無理な 方 に 千 円 むりな|かた||せん|えん

あたし も 無理な 方 に 千 円 ||むりな|かた||せん|えん Thousand yen for those who can't do it

私 も ダメに 千 円 わたくし||だめに|せん|えん

ちょっと ~ 誰 か 大 穴 狙い なさい よ ! |だれ||だい|あな|ねらい||

ん ?

♪~

28 日 ?

うん うん !

オペ が 入って る 夜 は 当直 ― ||はいって||よ||とうちょく

何 か あった っけ その 日 ? なん|||||ひ

( 琴子 ) や … やっぱり 覚えて ない みたい ことこ|||おぼえて||

じゃあ いい です ~

( 琴子 ) こんな こと で へこたれ ない わ よ !― ことこ|||||||

よ ~ し こう なったら …

( 船津 誠一 ( ふな つ せい いち )) いた ! 入江 さん ! ふなつ|せいいち||||||いりえ|

( 加藤 ( かとう )) 何 だ 騒々しい な かとう||なん||そうぞうしい|

ああ 船津 か |ふなつ|

28 日 の 当直 僕 が 代わって 差し上げ ます ひ||とうちょく|ぼく||かわって|さしあげ| 28th shift I will give you a replacement

は ?

だから 28 日 は … |ひ|

俺 は 代わって もらう 必要 は ない けど おれ||かわって||ひつよう||| I don't need to be replaced

えっ …

それ は 困り ます ! ||こまり|

え ?

何と して でも 代わって いただか ない と なんと|||かわって||| I have to replace it anyway

じゃ ない と 琴子 さん が … あっ |||ことこ|||

何 が 困る って ? なん||こまる|

え … いえ

( 直樹 ) 琴子 に 何 を 言わ れた なおき|ことこ||なん||いわ|

いや な … な っ 何も … ||||なにも

船津 ! ふなつ

ああ …

琴子 さん が 28 日 の 当直 入江 さん と 代わって くれたら ― ことこ|||ひ||とうちょく|いりえ|||かわって|

真 里奈 さん と 僕 を デート さ せて くれる って まこと|りな|||ぼく||でーと|||| Marina-san and I will be on a date

は ? デート ? |でーと

ですから ぜひ 28 日 の 当直 僕 に やら せて ください ! ||ひ||とうちょく|ぼく||||

約束 です から ね ! やくそく|||

船津 … 何 だ あれ ふなつ|なん||

( 入江 紀子 ( のりこ )) お 兄ちゃん と 二 人 っきり で ? いりえ|としこ|||にいちゃん||ふた|じん||

え … すいません …

え ~ 寂しい わ ~! |さびしい|

私 今 この イベント に かけて た のに ~ わたくし|いま||いべんと||||

垂れ幕 だって あと 少し で 完成 だった の よ たれまく|||すこし||かんせい|||

垂れ幕 ? たれまく

ほら !

( 琴子 ) ああ っ ごめんなさい … ことこ|||

やっぱり いつも 通り の パーティー に … お 願い … ||とおり||ぱーてぃー|||ねがい

( 紀子 ) いいえ ! としこ|

そう よ 確かに そうだ わ ! ||たしかに|そう だ|

今 まで お 兄ちゃん は 我が家 の パーティー に ― いま|||にいちゃん||わがや||ぱーてぃー|

めん どくさ そうな 顔 で 便乗 して る だけ だった ! ||そう な|かお||びんじょう||||

プレゼント なんて 見た 覚え が ない わ ぷれぜんと||みた|おぼえ|||

わかった わ 琴子 ちゃん ! ||ことこ|

今年 は お 兄ちゃん と 二 人 で 濃密な 誕生日 を 過ごし なさい ことし|||にいちゃん||ふた|じん||のうみつな|たんじょうび||すごし|

今回 私 は 涙 を のむ わ 寂しい けど … こんかい|わたくし||なみだ||||さびしい|

お 義母 さん … |ぎぼ|

そう と 決まったら 作戦 よ ! 琴子 ちゃん ! ||きまったら|さくせん||ことこ|

はい !

どう やったら さりげな ~ く お 兄ちゃん に ― |||||にいちゃん|

琴子 ちゃん の 誕生日 を 認識 さ せる か ことこ|||たんじょうび||にんしき|||

はい …

さりげなく は 無理だ ろ ||むりだ|

( 琴子 ) い ! ことこ|

お前 病院 で 船津 に 変な 裏 工作 しや が って おまえ|びょういん||ふなつ||へんな|うら|こうさく|||

( 琴子 ) 船津 … 口 軽い んだ から ! ことこ|ふなつ|くち|かるい||

確かに お前 誕生日 だった な たしかに|おまえ|たんじょうび||

毎年 この 時期 お袋 張り切って る もん な ― まいとし||じき|おふくろ|はりきって|||

でも 俺 そういう の 興味 ない から |おれ|||きょうみ||

まあ お 兄ちゃん ったら 最低な 男 ね ! ||にいちゃん||さいていな|おとこ|

愛する 妻 の 誕生日 に “ 興味 ない ” と は 何 です か ! あいする|つま||たんじょうび||きょうみ||||なん||

お前 さあ そこ まで して 俺 と 誕生日 祝い たい の ? おまえ|||||おれ||たんじょうび|いわい||

そりゃ あ ずっと 夢 だった し … |||ゆめ||

ふ ー ん … |-|

言って みろ よ お前 が し たい 誕生日 って やつ いって|||おまえ||||たんじょうび||

そ ー よ 言って や んな さ いよ 琴子 ちゃん ! |-||いって|||||ことこ|

え えっ 恥ずかしい し … ||はずかしい|

ただ 私 は … |わたくし|

とびっきり の おしゃれ を して ~―

入江 君 は 私 の 年 の 数 だけ の バラ の 花束 を 抱えて て ~― いりえ|きみ||わたくし||とし||すう|||ばら||はなたば||かかえて|

ディナー して …― でぃなー|

シェフ が ケーキ を 運んで きて くれて ~― しぇふ||けーき||はこんで||

店 中 が 私 の ため に 誕生日 を 祝って くれる の てん|なか||わたくし||||たんじょうび||いわって||

♪ 琴子 ことこ

( 琴子 ) で 入江 君 と 私 は シャンパン を 飲んで …― ことこ||いりえ|きみ||わたくし||しゃんぱん||のんで

二 人 っきり の 夜 を …― ふた|じん|||よ|

キャッ

( 直樹 ) お前 の 誕生日 に かける 情熱 は よく わかった よ なおき|おまえ||たんじょうび|||じょうねつ||||

え ?

28 日 船津 に 当直 代わって もらう ひ|ふなつ||とうちょく|かわって|

ほ … ほ … 本当 !? ||ほんとう

い … いっ いい の ?

ああ あいつ も うるさい し なあ

やった ー !! |-

やった わ ね 琴子 ちゃん ! |||ことこ|

わ ー ! 入江 く ー ん ! |-|いりえ||-|

( 琴子 ) 入江 君 を 知った 日 から こんな 誕生日 が 訪れる こと を ― ことこ|いりえ|きみ||しった|ひ|||たんじょうび||おとずれる||

どんなに 夢見て きた こと か … |ゆめみて|||

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( 琴子 ) そんなこんな で 誕生日 当日 を 迎え ました ことこ|そんな こんな||たんじょうび|とうじつ||むかえ|

( 琴子 ) 入江 君 ちゃん と 覚えて る ? ことこ|いりえ|きみ|||おぼえて|

ロイヤル ホテル の ラウンジ に 7 時 だ から ね ! ろいやる|ほてる||||じ|||

ああ

そ ー よ お 兄ちゃん |-|||にいちゃん

琴子 ちゃん の 誕生日 涙 を のんで 譲った んです から ね ! ことこ|||たんじょうび|なみだ|||ゆずった|ん です||

ああ

入江 君 年 の 数 だけ の バラ の 花束 なんて いい から ね いりえ|きみ|とし||すう|||ばら||はなたば||||

ああ !

ホントに いら ない から ! 欲しく なんか ない から ね ほんとに||||ほしく||||

いい加減に して くれ 毎日 毎日 ! 耳 に タコ だ ! いいかげんに|||まいにち|まいにち|みみ||たこ|

( 入江 裕樹 ( ゆうき )) お 兄ちゃん かわいそうに いりえ|ひろき|||にいちゃん|

( 入江 重樹 ( しげき )) うん … ちょっと な いりえ|しげき||||

じゃあ

シュッ シュッ シャーッ !

♪~

さっ 私 も のんびり して られ ない |わたくし|||||

( 琴子 ) 素敵な ドレス に …― ことこ|すてきな|どれす|

美容院 で セット して もらって ― びよういん||せっと||

素敵な 髪 に して もらって …― すてきな|かみ|||

奮発 して メーク も して もらって …― ふんぱつ||めーく|||

今日 の この 日 の ため に ― きょう|||ひ|||

一 番 素敵な 私 に して もらう んだ ひと|ばん|すてきな|わたくし||||

入江 君 私 に 惚れ 直したり して … いりえ|きみ|わたくし||ほれ|なおしたり|

( 男の子 ) お 母さん あの お 姉ちゃん 頭 が オウム みたい おとこのこ||かあさん|||ねえちゃん|あたま|||

( 母親 ) これ シーッ ははおや||

( 琴子 ) 何 これ …― ことこ|なん|

この 頭 どうして こんな こと に …― |あたま||||

他の 美容院 に ! いや そんな 時間 全然 ない ― たの|びよういん||||じかん|ぜんぜん|

もし かして 自分 が 思う より 案外 イケ てる の かも …?― ||じぶん||おもう||あんがい||||

どうして 気 に 入ら ない って 言え なかった んだろう ― |き||はいら|||いえ||

私 の バカ … わたくし||ばか

( 男性 ) おい どうした ! だんせい||

( 男性 ) 大丈夫です か ! だんせい|だいじょうぶ です|

ん ?

どうした ん です か ?

あっ なんか 急に フラフラ して しゃがみこんじゃ った んです よ ||きゅうに|ふらふら||||ん です|

そのまま 倒れて 頭 打っちゃ った んです ! |たおれて|あたま|うっちゃ||ん です

( 琴子 ) 大丈夫です か ? 大丈夫です か ? ことこ|だいじょうぶ です||だいじょうぶ です|

ちょっと 頭 持ち上げ ます ね |あたま|もちあげ||

よい しょ

すいません 誰 か ハンカチ 貸して もらえ ませ ん か ? |だれ||はんかち|かして||||

( 女性 ) ハンカチ … あっ これ 使って ください じょせい|はんかち|||つかって|

ありがとう ございます

あなた ! 救急 車 呼んで もらって も いい です か ? |きゅうきゅう|くるま|よんで|||||

あっ はい

はい

あっ あの … カバン …― ||かばん

カバン を 貸して もらって も いい です か ? かばん||かして|||||

はい

( 琴子 ) 頭 の 下 に 入れて ください ことこ|あたま||した||いれて|

( 女性 ) あの 人 看護 師 さん だった の ? じょせい||じん|かんご|し|||

( 女性 ) ホステス さん じゃ なかった んだ ね じょせい|ほすてす|||||

( 琴子 ) もう 少し で 救急 車 来 ます から ね ことこ||すこし||きゅうきゅう|くるま|らい|||

名前 言え ます か ? なまえ|いえ||

他 に どこ か 痛い ところ あり ませ ん か ? た||||いたい|||||

( 救急 隊員 ) いや あ でも 看護 師 さん が いて くれて 助かり ました きゅうきゅう|たいいん||||かんご|し|||||たすかり|

貧血 だ と は 思う んです けど 出血 も あった ので … ひんけつ||||おもう|ん です||しゅっけつ|||

( 救急 隊員 ) じゃ ありがとう ございました きゅうきゅう|たいいん|||

( 男性 ) いや あ あんた よく やった よ だんせい||||||

( 男性 ) ホント お 姉さん よく やった よ なあ だんせい|ほんと||ねえさん||||

( 男性 ) ああ すごかった だんせい||

かっこよかった よ

いや あ …

あの … カバン … |かばん

( 救急 隊員 ) ああ じゃあ ちょっと そこ 置いて ください きゅうきゅう|たいいん|||||おいて|

( 救急 隊員 ) あっ お 友達 は ここ に お 願い し ます きゅうきゅう|たいいん|||ともだち|||||ねがい||

( 琴子 ) えっ ちょ … 私 ただ の 通りすがり で …― ことこ|||わたくし|||とおりすがり|

友達 なんか じゃ ない んです …― ともだち||||ん です

お ー い 出して … あ ~! |-||だして|

( 琴子 ) どう しよう … もう 2 時間 以上 も 遅れて る ― ことこ||||じかん|いじょう||おくれて|

入江 君 もう 帰っちゃ った かも いりえ|きみ||かえっちゃ||

なんで 今日 に 限って こんな … |きょう||かぎって|

( 琴子 ) 入江 君 ! ごめん ね !― ことこ|いりえ|きみ||

お 願い もう 少し …― |ねがい||すこし

待って て ! まって|

( スタッフ ) お 客 様 すたっふ||きゃく|さま

失礼です が その お召し物 は どう なさった のでしょう か ? しつれい です|||おめしもの|||||

え ? どう なさった って 何 です か … ||||なん||

お ケガ でも さ れた んでしょう か ? |けが|||||

やっ これ は … 違う んです ! |||ちがう|ん です

ヤダ どうし よう 私 … |どう し||わたくし

( スタッフ ) お 客 様 ? すたっふ||きゃく|さま

こんな 格好 で 入江 君 に 会う なんて … |かっこう||いりえ|きみ||あう|

( スタッフ ) あの … すたっふ|

( 琴子 ) 私 ここ で 待ち合わせ して て … ことこ|わたくし|||まちあわせ||

でも もう 3 時間 以上 も 待た せちゃ って て … ||じかん|いじょう||また|||

では お 呼び出し いたし ましょう か ? ||よびだし|||

誕生日 な のに … たんじょうび||

こんな 格好 で 入江 君 に 会う なんて … |かっこう||いりえ|きみ||あう|

お 客 様 … |きゃく|さま

初めて 入江 君 に お 祝い して もらう のに … はじめて|いりえ|きみ|||いわい|||

こんな 格好じゃ 会え ないで す よ ね |かっこうじゃ|あえ||||

あの とりあえず あちら の 方 で … ||||かた|

入江 君 もう 帰っちゃ い ました か ね いりえ|きみ||かえっちゃ||||

それ に つき まして は わかり かね ます が … I don't know about that ...

入江 君 ? いりえ|きみ

お前 が ケガ した か と 思った ろ ー が … おまえ||けが||||おもった||-|

った く 驚かせ や がって ||おどろかせ||

( 琴子 ) 入江 君 ! ことこ|いりえ|きみ

ごめんなさい 私 遅く なっちゃ って … |わたくし|おそく||

いろいろ あって … なかなか たどり着け なく って …― |||たどりつけ||

気 が 狂い そうに なって …― き||くるい|そう に|

でも …―

入江 君 帰っちゃ った か と 思って た けど …― いりえ|きみ|かえっちゃ||||おもって||

でも 諦めきれ なく って … |あきらめきれ||

今日 は お前 が 何 が あって も ― きょう||おまえ||なん||| No matter what you are today-

這い つくば って でも 来る の は わかって たから … はい||||くる|||| I knew that even Crawling Tsukuba would come ...

帰る に 帰れ ないだ ろ ? かえる||かえれ|| You can't go home, right?

しっか し すごい いでたち だ な

うん 入江 君 … |いりえ|きみ

話 は 後 で ゆっくり 聞く と して … はなし||あと|||きく||

腹 減った な はら|へった|

予約 して いた 店 は 閉まっちゃ って る し よやく|||てん||しまっちゃ|||

その 格好じゃ あな … |かっこうじゃ|

( 女性 ) チョット ソコノ オ 兄 サーン ! じょせい||||あに|

ハアーイ !

コレ アナタノ 荷物 デー スネ ソコニ 落 チテマシタ ||にもつ|でー|すね||おと|

コンナトコ 二 置 イトクト 置 キ 引 キニ 遭 イマース |ふた|お||お||ひ||あ|

サッ 持 ッテ 持 ッテ ハイ オ 兄 サン 持 ッテ ~! |じ||じ||はい||あに||じ|

オー 大変 ! おー|たいへん

ソロソロ 飛行機 ノ 時間 デス 国 ニ 戻 ラネバ そろそろ|ひこうき||じかん||くに||もど|

オフタリトモ オ 幸 セニ ~! ||こう|

シーユー !

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( 琴子 ) きれい ~ ことこ|

本当に 年 の 数 だけ バラ が ある ほんとうに|とし||すう||ばら||

ねえ ケーキ も ある よ ~ 食べよう ! |けーき||||たべよう

お袋 の 奴 何 考えて んだ おふくろ||やつ|なん|かんがえて|

これ ど ー しろ って 言う んだ ||-|||いう|

お 義母 さん … |ぎぼ|

もし かして こっそり ずっと 待って て くれた の か な 私 の こと ||||まって||||||わたくし||

だろう な どうせ ビデオ でも 撮って た んだ ろ |||びでお||とって|||

った く … 暇な 奴 ||ひまな|やつ

でも 私す ごく 嬉しい |わたくしす||うれしい

こんな 幸せ 者 の お 嫁 さん 他 に い ない よ ね |しあわせ|もの|||よめ||た|||||

誕生日 おめでとう 琴子 たんじょうび||ことこ

入江 君 … いりえ|きみ

プレゼント 何 が 欲しい ? ぷれぜんと|なん||ほしい

えっ ? ほ … 本当 ? ||ほんとう

えー どう しよう か なあ ~

えー っと ねえ えー と …

あっ じゃあ …

入江 君 に “ 好き ” って 言って ほしい な いりえ|きみ||すき||いって||

“ 好き ” って … すき|

やっぱり … やっぱり 今 の ナシ ! 考え 直す ||いま|||かんがえ|なおす

えー っと ね えー と えー と ん … うーん …

琴子 好きだ よ ことこ|すきだ|

私 も … わたくし|

大好き だいすき

♪~

( 琴子 ) 入江 君 と 出会って もう 随分 経つ のに ― ことこ|いりえ|きみ||であって||ずいぶん|たつ|

どうして こんなに ドキドキ する んだろう ||どきどき||

( 琴子 ) どうして こんなに ― ことこ||

入江 君 の こと が 好きな んだろう いりえ|きみ||||すきな|

あっ …

いけ ね

( 琴子 ) 入江 君 も …― ことこ|いりえ|きみ|

私 の こと 好き で いて くれて る の か な ?― わたくし|||すき|||||||

私 は 今 も 入江 君 に 毎日 ドキドキ して る けど ― わたくし||いま||いりえ|きみ||まいにち|どきどき|||

入江 君 も …― いりえ|きみ|

たまに は ドキドキ なんか して くれて る の か な ?― ||どきどき|||||||

そう だ と いい なあ …

フフフ … ハハハ …

いきなり 不気味に 笑う な よ |ぶきみに|わらう||

だって ~ 見て も 見て も 飽き ない んだ もん ! |みて||みて||あき|||

もう 2 か月 も 前 だ ろ ? お 兄ちゃん に もらった の |かげつ||ぜん||||にいちゃん|||

そう だ けど お ~

まだまだ ず う ~ っと 見て たい の ~ ||||みて||

お 兄ちゃん も プレゼント した 甲斐 が ある わ ねえ |にいちゃん||ぷれぜんと||かい||||

こんなに 喜んで もらえて |よろこんで|

あっ これ 琴子 ちゃん に 来て たわ よ ||ことこ|||きて||

ありがとう ございます

お っ クリス から だ ||くりす||

え ~ っ 何 これ ~! すごい ~! ||なん||

まあ 素敵 ~! |すてき

どうした

( 琴子 ) 見て 見て これ ~! ことこ|みて|みて|

( クリスティーヌ ・ ロビンス ) “ 拝啓 直樹 & 琴子 ”― ||はいけい|なおき|ことこ

“ アタシ 達 別荘 ノ オ 城 デ 式 ヲ 挙 ゲテシマイマシテン ”― |さとる|べっそう|||しろ||しき||きょ|

“ 新婚 旅行 ヲ 兼 ネテ シバラク イギリスニオリマス ”― しんこん|りょこう||けん|||

“ 直樹 ト 琴子 ニ 負 ケヘン 夫婦 ニ ナルツモリヤデ ”― なおき||ことこ||ふ||ふうふ||

“ アタシラ 今 メッチャ 幸 セデッセー クリス ” |いま||こう||くりす

クリス って すごい 家 の 子 だった んだ ね … くりす|||いえ||こ|||

だ な …

でも すごく きれいだ ね ~

金之助 ( きん の すけ ) も 意外 と 似合って んな きんのすけ|||||いがい||にあって|

幸せ そう 二 人 と も … しあわせ||ふた|じん||

裕樹 ? ひろき

なんか さっき から ちょっと 熱っぽくて ||||ねつっぽくて

ええ ?

あら っ ホントだ わ ||ほんとだ|

好美 ( このみ ) の 奴 具合 悪 そう だった から うつった かな よしみ|||やつ|ぐあい|あく|||||

何 して うつった の かしら ね ~ なん|||||

こ っ 琴子 お前 何 言って んだ ! ||ことこ|おまえ|なん|いって|

はい はい ちょっと 待って て ね |||まって||

はい

( 琴子 ) この 時 に は まだまだ みんな 余裕 が あった のでした ことこ||じ|||||よゆう|||

( せき込み ) せきこみ

( せき込み ) せきこみ

った く そろい も そろって …

( 直樹 ) 吸って ― なおき|すって

吐いて ― はいて

口 あけて くち|

ああ … のど も 赤く なって る な |||あかく|||

次 親父 つぎ|おやじ

( 重樹 ) お 願い し ます しげき||ねがい||

( 琴子 ) その 頃 病院 でも 大変な こと に なって い ました ― ことこ||ころ|びょういん||たいへんな|||||

昨日 まで より も さらに ― きのう||||

大勢 の インフルエンザ と 見 られる 患者 が 押し寄せ … おおぜい||いんふるえんざ||み||かんじゃ||おしよせ

こんなに …

失礼 し ます しつれい||

( 看護 師 ) あなた 外科 から の 応援 の 方 ? かんご|し||げか|||おうえん||かた

はい ! 外科 から 参り ました 入江 琴子 です |げか||まいり||いりえ|ことこ|

どうぞ よろしく お 願い し ます |||ねがい||

入江 君 ! いりえ|きみ

琴子 ことこ

なんで ここ に …

お前 と 同じ 理由 おまえ||おなじ|りゆう

そう な の ね ~ なんて 偶然な の かしら ? |||||ぐうぜんな||

やっぱり 私 達 って みんな に 頼ら れる 夫婦 な の ね ~! |わたくし|さとる||||たよら||ふうふ|||

“ 達 ”? さとる

入江 君 が いれば 百 人力 よ ね 頑張 ろ ー ね ! いりえ|きみ|||ひゃく|じんりょく|||がんば||-|

そう だ な

( 琴子 ) 入江 君 と 一緒に 働ける なんて …― ことこ|いりえ|きみ||いっしょに|はたらける|

私 って なんて ツイ てる んだろう ~ わたくし|||つい||

入江 さん ? いりえ|

ボサッ と して ないで こっち 来て |||||きて

あっ はい

( 琴子 ) それ から と いう もの 殺人 的な スケジュール が 続いた のでした ことこ||||||さつじん|てきな|すけじゅーる||つづいた|

山田 真紀子 ( や まだ まきこ ) さん 2 番 の お 部屋 の 前 で お 待ち ください やまだ|まきこ|||||ばん|||へや||ぜん|||まち|

( 山田 真紀子 ) は ー い やまだ|まきこ||-|

( 琴子 ) 山田 さん です か ? ことこ|やまだ|||

こちら で お 待ち ください |||まち|

吸入 する タイプ の お 薬 を 出して おき ます きゅうにゅう||たいぷ|||くすり||だして||

薬 を もらったら なるべく 早く 吸入 して ください くすり||||はやく|きゅうにゅう||

( 女性 ) ありがとう ございました じょせい||

お 大事に どうぞ |だいじに|

ん ~ おいしい !

( 着信 音 ) ちゃくしん|おと

は ー い |-|

はい 入江 で ございます |いりえ||

ああ 琴子 ちゃん |ことこ|

え … えっ ? まだ 帰れ ない の ? |||かえれ||

まあ 大変 ね ~ 大丈夫 ? 琴子 ちゃん |たいへん||だいじょうぶ|ことこ|

ここ の ところ 私 達 の 看病 と 仕事 で ちゃんと 寝て ない でしょう ? |||わたくし|さとる||かんびょう||しごと|||ねて||

ん ? あ … ああ こっち は 大丈夫 よ |||||だいじょうぶ|

私 も 熱 も すっかり 下がった し 琴子 ちゃん の おかげ で … うん わたくし||ねつ|||さがった||ことこ|||||

はい

じゃ くれぐれも 無理 し ないで ね ||むり|||

うん はい …

は ー い |-|

ホントに 大丈夫 かしら ? ほんとに|だいじょうぶ|

( 直樹 ) お前 も 帰れ なく なった の か なおき|おまえ||かえれ||||

( 琴子 ) 入江 君 !― ことこ|いりえ|きみ

入江 君 も 残って る の ? いりえ|きみ||のこって||

ああ この 状況 じゃ な ||じょうきょう||

は あ ~! 嬉しい な ~! ||うれしい|

あんまり 二 人 で って ない もん ね |ふた|じん|||||

( 直樹 ) よく 喜べる よ な なおき||よろこべる||

だって ~ ずっと こういう の に 憧れて た んだ も ~ ん |||||あこがれて||||

何 ? なん

お前 さ 前 から 聞こう と 思って た んだ けど さ … おまえ||ぜん||きこう||おもって||||

身体 おかしく ない か ? からだ|||

え ? あ … うん …

まっ ちょっと は 疲れて は いる けど |||つかれて|||

そう いえば ちょっと 熱っぽい かな ? |||ねつっぽい|

でも 別に |べつに

メシ 食べて る か ? めし|たべて||

ああ あんまり 食欲 なく って バタバタ して たし … ||しょくよく|||||

でも 大丈夫 |だいじょうぶ

そう か

ヤダ 入江 君 ! 私 の こと すごく す ご ー く 心配 して た の ? |いりえ|きみ|わたくし||||||-||しんぱい|||

愛する 妻 が インフルエンザ に かかって ない か って ! あいする|つま||いんふるえんざ|||||

いや そういう …

ヤダ もう ! 入江 君 ったら ~ ||いりえ|きみ|

も ~ 嬉しい なあ ~ |うれしい|

元気な の は わかった げんきな|||

( 看護 師 ) あっ いた 入江 先生 琴子 さん も かんご|し|||いりえ|せんせい|ことこ||

どう し ました ?

急患 です きゅうかん|

( 貴史 ( たかし )) 痛い … 痛い よ ~ たかし||いたい|いたい|

( 母親 ) 大丈夫 大丈夫 よ …― ははおや|だいじょうぶ|だいじょうぶ|

先生 先生 ! 子供 が … せんせい|せんせい|こども|

どう し ました ?

自転車 で ガラス 戸 に 突っ込んじゃ った そうです じてんしゃ||がらす|と||つっこんじゃ||そう です

血 が … 血 が 止まら なくて … ち||ち||とまら|

ずっと こう やって 押さえて 来た んです けど … |||おさえて|きた|ん です|

そういう 時 は お 母さん 救急 車 呼んで いい んです よ |じ|||かあさん|きゅうきゅう|くるま|よんで||ん です|

( 母親 ) でも 手 離したら …― ははおや||て|はなしたら

血 が … 血 が 出て きちゃ う から 電話 も でき なくて … ち||ち||でて||||でんわ|||

とにかく こっち に 座ら せて ください ねっ ― |||すわら|||

手 離して 傷口 診せて ください ね て|はなして|きずぐち|みせて||

( 直樹 ) ライト なおき|らいと

( 琴子 ) お 母さん タオル を こっち に 渡して ください ことこ||かあさん|たおる||||わたして|

大丈夫です から ねっ だいじょうぶ です||

大丈夫です よ だいじょうぶ です|

( 直樹 ) まずは ガラス の 破片 取り除か ない と な なおき||がらす||はへん|とりのぞか|||

少し 痛む かも しれ ない けど 頑張れよ ボク すこし|いたむ|||||がんばれよ|ぼく

( 貴史 ) 痛い よ 痛い … たかし|いたい||いたい

貴史 ! たかし

貴史 ごめん ね ! ママ 助けて あげ られ なくて … たかし|||まま|たすけて|||

お 母さん 落ち着いて ! |かあさん|おちついて

お 母さん が しっかり し ない と 貴史 君 が 不安がり ます よ |かあさん||||||たかし|きみ||ふあんがり||

一緒に 励まして あげ ま しょ ! ねっ いっしょに|はげまして||||

看護 師 さん かんご|し|

大丈夫 !― だいじょうぶ

入江 先生 は 傷口 の ガラス の 破片 取ら せたら ― いりえ|せんせい||きずぐち||がらす||はへん|とら|

日本 一 って 人 です から !― にっぽん|ひと||じん||

ねっ

はい

( 母親 ) 貴史 …― ははおや|たかし

頑張って 貴史 ! がんばって|たかし

よし 頑張れよ 貴史 君 |がんばれよ|たかし|きみ

いた っ … 痛い … ||いたい

( 母親 ) 頑張れ 貴史 ! ははおや|がんばれ|たかし

もう ちょっと だ から ね 貴史 君 |||||たかし|きみ

( 母親 ) さっき は すみ ませ ん でした ははおや||||||

私 取り乱しちゃ って 恥ずかしい です わたくし|とりみだしちゃ||はずかしい|

そんな の 当たり前です よ ビックリ し ます よ ね ||あたりまえ です||びっくり||||

看護 師 さん が ― かんご|し||

私 が しっかり し ない と って 言って くれた おかげ で ― わたくし|||||||いって|||

目 が 覚め ました め||さめ|

ああ そう だって … この 子 不安 に さ せて どう する んだ って ||||こ|ふあん|||||||

そんな …

でも よかった で すね 思った より 傷 も 深く なくて ||||おもった||きず||ふかく|

頑張った ね ~ 貴史 君 偉い ぞ ! がんばった||たかし|きみ|えらい|

本当に ありがとう ございました ほんとうに||

ガラス の 破片 を 取ら せたら 日本 一 の 先生 と ― がらす||はへん||とら||にっぽん|ひと||せんせい|

優しい 看護 師 さん が いて くれて よかった です ― やさしい|かんご|し||||||

失礼 し ます しつれい||

お 大事に |だいじに

( 貴史 ) バイバーイ たかし|

( 琴子 ) バイバイ ことこ|

帰 ろ っか かえ||

痛 った … つう|

よかった じゃ ね ー か |||-|

生まれて 初めて 看護 師 と して 褒め られて うまれて|はじめて|かんご|し|||ほめ|

なあ に よ それ そんな こと ない もん !

俺 なんか ― おれ|

ガラス の 破片 を 取ら せたら 日本 一 なんだ ろ ? がらす||はへん||とら||にっぽん|ひと||

光栄だ な こうえいだ|

でも …

嬉しい 入江 君 うれしい|いりえ|きみ

お 母さん って すごい よ ね |かあさん||||

貴史 君 抱えた まん ま ずっと ここ まで 走って きたん だって たかし|きみ|かかえた||||||はしって||

あんな 小柄な のに |こがらな|

ああ

すごい よ ねえ

お 母さん の 子供 守る パワー って なんか す っご いよ ね ! |かあさん||こども|まもる|ぱわー||||||

そう だ な

( 看護 師 ) 入江 先生 ! かんご|し|いりえ|せんせい

すいません また 患者 さん が … ||かんじゃ||

った く すげ ー な 今夜 は |||-||こんや|

琴子 お前 もう 帰れ もう 一 人 応援 が 来る らしい から ことこ|おまえ||かえれ||ひと|じん|おうえん||くる||

( 琴子 ) え ? ことこ|

( 看護 師 ) そう ね 琴子 さん じきに 山村 ( やま むら ) さん も 来る はずだ し かんご|し|||ことこ|||さんそん|||||くる||

あ … いや 大丈夫だ よ まだ ||だいじょうぶだ||

入江 君 頑張って る のに 私 だって まだ … いりえ|きみ|がんばって|||わたくし||

( 琴子 ) あれ …― ことこ|

変だ な … 足 に 力 が … へんだ||あし||ちから|

琴子 ! ことこ

琴子 ! ことこ

琴子 さん ? ことこ|

琴子 ! ことこ

( 琴子 ) 入江 く … ん ことこ|いりえ||

あ ! 目 を 覚ました ! |め||さました

本当だ わ ! 琴子 ちゃん 気 が ついた の ね ほんとうだ||ことこ||き||||

お 兄ちゃん お 兄 ちゃ ー ん ! 琴子 ちゃん が !― |にいちゃん||あに||-||ことこ||

琴子 ちゃん が … ことこ||

( 重樹 ) ママ 落ち着いて 落ち着いて しげき|まま|おちついて|おちついて

あれ … 私 … |わたくし

琴子 ちゃん あなた 病院 で 倒れた の よ ことこ|||びょういん||たおれた||

お 兄ちゃん が 病院 から 運んで きた んだ |にいちゃん||びょういん||はこんで||

それ から 今 まで ずーっと 寝て いた の よ ||いま|||ねて|||

心配 した わ あ よかった ! 気 が ついて … しんぱい|||||き||

ごめんなさい 私 心配 かけちゃ って |わたくし|しんぱい||

( 相原 重雄 ( あい は らし げ お )) まったく だ あいはら|しげお|||||||

お前 って 奴 は 心配 かけ や が って … おまえ||やつ||しんぱい||||

よかった よかった ! あい ちゃん … うん

( 紀子 ) ごめんなさい ね 琴子 ちゃん !― としこ|||ことこ|

私 達 の インフルエンザ が うつった の よ ~! わたくし|さとる||いんふるえんざ||||

しかも 病院 も 休め ず に 働いて … |びょういん||やすめ|||はたらいて

私 達 の 看病 まで して ! わたくし|さとる||かんびょう||

ごめんなさい ね 無理 さ せちゃ って ||むり|||

そんな こと ないで すよ お 義母 さん |||||ぎぼ|

眠った せい か もう 全然 平気です し ねむった||||ぜんぜん|へいき です|

今 の うち に 風邪 薬 飲んで おけば 明日 に は もう ケロリ だ と 思い ます いま||||かぜ|くすり|のんで||あした|||||||おもい|

本当 ? 琴子 ちゃん ? ほんとう|ことこ|

はい ! 大丈夫 大丈夫 ! |だいじょうぶ|だいじょうぶ

( 紀子 ) じゃ お 水 持ってきて あげる わ ね としこ|||すい|もってきて|||

はい ありがとう ございます

あっ … お 兄ちゃん ! ほら 琴子 ちゃん が … ||にいちゃん||ことこ||

( 直樹 ) 飲む な なおき|のむ|

え …?

まだ 飲む な |のむ|

あ … 入江 君 ごめん ね 心配 かけちゃ って … |いりえ|きみ|||しんぱい||

でも もう 全然 平気だ から … ||ぜんぜん|へいきだ|

あの 時 は なんか 目 の 前 が 真っ白に なっちゃ って … |じ|||め||ぜん||まっしろに||

( 直樹 ) 琴子 なおき|ことこ

お前 … おまえ

前 の 生理 いつ だった ? ぜん||せいり||

な … な … 何 … ||なん

そんな そんな … き … き … 聞く の !? ||||きく|

( 紀子 ) そう よ ! お 兄ちゃん … としこ||||にいちゃん

お前 … おまえ

い … 入江 君 ? |いりえ|きみ

妊娠 して ない か ? にんしん|||

♪~

( 琴子 ) せ ー の !― ことこ||-|

ジャーンプ …

ねえ 入江 君 |いりえ|きみ

ん ?

何でもない なんでもない

琴子 ことこ

ん ?

何でもない なんでもない

♪~