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世界の昔話, 王子と指輪

王子 と 指輪

王子 と 指輪

むかし むかし 、 ある 国 に 、 若い 王子 が い ました 。 この 王子 は 、 お 母さん と 二 人 で 貧しく 暮らして い ました 。

ある 日 、 お 母さん は 王子 に 一 枚 の 金貨 を 渡して 言い ました 。 「 これ を 使って 、 楽な 暮らし が 出来る ように 考えて ごらん 」 お 母さん は 王子 に 、 知恵 ( ちえ ) と お 金 の ある 立派な 王子 さま に なって ほしい と 思った のです 。

次の 日 、 王子 は 町 で 頭 に 大きな 袋 を のせた 男 に 会い ました 。 「 もしもし 、 その 袋 に は 、 どんな 宝物 が 入って いる んです か ? 」 「 これ は ネコ です よ 。 毛なみ の よい 上等の ネコ です 」 王子 は ネコ が 大好きだった ので 、 大切な 金貨 を やって ネコ を 一 匹 わけて もらい ました 。 「 まあ 、 ネコ 一 匹 で 金貨 を だまし 取ら れる なんて 、 お前 は 何という バカ 者 でしょう 」 お 母さん は 、 ガッカリ し ました 。 でも 何 日 か たつ と 、 また 王子 に 金貨 を 渡して 言い ました 。 「 今度 こそ 、 気 を つけて お 金 を 使う のです よ 」 ところが 散歩 に 出て ヘビ 使い に 出会った 王子 は 、 今度 は ヘビ と 金貨 を 取り替えて しまった のです 。 お 母さん は あきれて 、 「 もう わたし に は 、 とても お前 の めんどう は 見きれ ませ ん 。 自分 の 力 で 、 暮らす ように し なさい 」 と 、 言う と 、 王子 を おいた まま 、 おばあ さん の 住んで いる 遠い 国 へ 行って しまい ました 。 王子 は ネコ と ヘビ を 連れて 、 トボトボ と 旅 に 出 ました 。 こうして 王子 は 何 年 も の 間 、 家 から 家 へ こじき を して 歩き ながら 、 ネコ と ヘビ を 大切に 育て ました 。

こうした ある 日 の 事 、 王子 は 町 で お 母さん に 出会い ました 。 お 母さん は 、 悲しんで 言い ました 。 「 いつまで 、 こじき を 続けて いる つもりな の 。 そんな 汚い ヘビ は 、 早く 捨てて しまい なさい 」 王子 は 、 悲し そうに 言い ました 。 「 ヘビ くん 、 ごめん よ 。 ぼく が だらしない から 、 仲良し の きみ と も 別れ なければ なら ない んだ 。 本当に 、 ごめん よ 」 する と 、 ヘビ が 言い ました 。 「 ああ 、 心 やさしい 王子 さま 。 あなた は 良い 方 な のに 、 なぜ 不幸な 目 に ばかり 会う のでしょう 。 もし 良かったら 、 わたし の 国 へ 行き ましょう 。 わたし の 父 は 、 ヘビ の 国 の 王 です 。 父 は わたし が 世話 に なった お 礼 に 、 魔法 の 指輪 ( ゆびわ ) を くれる でしょう 。 でも 指輪 は 、 ぜったい に 手放して は いけ ませ ん よ 」 こうして ヘビ から もらった 指輪 を はめた 王子 は ネコ と 一緒に 旅 を 続け 、 深い ジャングル に やってき ました 。 日 は とっぷり 暮れて 、 どこ まで 行って も 薄気味悪い けもの の うなり 声 が し ます 。 「 疲れた なあ 。 この ジャングル が 、 わたし の 国 だったら いい のに 。 大きな ご殿 に 明かり と もって いて 、 わたし を 助けて くれた 人 たち と 暮らせたら いい のに なあ 」 王子 が 一 人 言 を いった その 時 、 たちまち ジャングル は 消えて なく なり 、 緑 の 木 に 包ま れた 輝く ような ご殿 が 目の前 に 浮かび 上がり ました 。 ご殿 の 窓 から は 王子 の お 母さん や 知り合い の 人 たち の 、 うれし そうな 顔 が のぞいて い ます 。 王子 は いつの間にか 立派な 王さま に なって 、 お供 を したがえて 立って いた のです 。 魔法 の 指輪 の おかげ で 王さま に なった 王子 は 、 美しい お きさき を むかえて 幸せに 暮らして い ました 。

ある 日 、 隣 の 国 の 王さま が 、 この 国 の 海辺 を 通り かかり ました 。 と 、 そこ に 美しい 長い 髪 が 、 クルクル と マリ と なって 飛んで き ました 。 「 何と 、 きれいな 髪 だろう 。 きっと 、 美しい 姫 が 落とした 物 に 違いない 。 ぜひ 、 この 人 を きさき に むかえ たい もの だ 」 隣 の 国 の 王さま は 、 さっそく おふれ を 出し ました 。 「 この 髪 の 持ち主 を 連れて 来た 者 に 、 たくさんの ほうび を つかわす 」 海辺 に 住む おばあ さん が 、 これ を 見て ニヤリ と 笑い ました 。 「 これ は 海 に 水浴び に 来る 、 お きさき の 髪 に 違いない 。 お きさき を だまして 隣 の 国 の 王さま の ところ へ 連れて 行こう 」

次の 日 、 海辺 に 水浴び に 来た お きさき に 、 おばあ さん は かなし げな 身の上 話し を し ました 。 「 まあ 、 かわいそうな おばあ さん 」 やさしい お きさき は 、 おばあ さん を ご殿 に 引き取って やり ました 。

さて 、 おばあ さん は ご殿 で 働いて いる うち に 、 魔法 の 指輪 の 秘密 を 知って しまい ました 。 「 何という 、 すばらしい 指輪 だろう 。 あの 指輪 さえ 手 に 入れば 、 もう こっち の もの さ 」 ある 日 、 おばあ さん は いかにも つら そうに 言い ました 。 「 ああ 、 頭 が 痛くて 割れ そうだ 。 医者 や 薬 で は 治せ ない 。 お やさしい 王さま 、 お きさき さま 。 どうか ちょっと だけ 、 指輪 を 貸して ください ませ ん か 」 お人好しの 王子 は 、 つい うっかり 指輪 を 渡して しまい ました 。 その とたん 、 おばあ さん の 姿 は 空 に まいあがり 、 たちまち 見え なく なって しまい ました 。 隣 の 国 の 王さま は 、 毎日 首 を 長く して 、 良い 知らせ を 待って い ました 。 「 王さま 、 やっと 見つけ ました よ 。 ご ほうび を くださ い 」 やって 来た の は 、 あの お ばあさん です 。 「 この 指輪 を はめて 、 姫 を 呼んで ごらん なさい 。 そして お きさき に なれ と 、 命令 すれば いい のです 」 こうして 隣 の 国 の 王さま は 、 指輪 の 力 で 王子 の お きさき を 自分 の 物 に して しまい ました 。 かわいそうに 指輪 を 取ら れた 王子 は 、 お きさき も ご殿 も 家来 も なくして 、 元 の ジャングル に ネコ と 二 人 だけ で 立って いた のです 。 「 ヘビ の 言いつけ を 忘れて 、 指輪 を 貸した わたし が バカだった 。 これ から は 、 また こじき 暮らし だ 」 王子 と ネコ は 、 また あて の ない 旅 に 出 ました 。 王子 は やがて 、 隣 の 国 の ご殿 の 前 に 着き ました 。 そこ で は 貧しい 人々 が 、 お きさき から 食べ物 を もらって い ました 。 王子 と ネコ が 落ちた 食べ物 を 拾おう と する と 、 とつぜん ネズミ の 大軍 が やって 来て 、 あっという間 に 食べ物 を ぜんぶ さらって しまい ました 。 さあ 、 ようやく ネコ の 出番 です 。 ネコ は カンカンに 怒って 、 一 番 太った 王さま ネズミ の 首 を つかまえて どなり ました 。 「 こらっ 。 悪い や つめ ! お前 を 食べて しまう から な ! 」 王さま ネズミ は 、 震え ながら 言い ました 。 「 どうか 、 お 助け ください 。 その代わり 、 何でも 言いつけ を 守り ます から 」 「 ふん 、 それ じゃ こう しよう 。 わたし の ご 主人 は 、 この 国 の 王さま に 指輪 を 取ら れて 困って いる 。 取り 返して くれれば 、 お前 の 命 は 助けて やろう 」

さて 夜 が ふける と 、 大軍 を ひきいた ネズミ の 王さま は ご殿 に むかい ました 。 「 宝 の 箱 を 、 探す のだ ! 」 「 指輪 を 見つけて 、 王さま の 命 を お 助け しよう ! 」 ネズミ の 家来 たち は 手分け して 、 かたっぱしから 宝 の 箱 を 開けて み ました 。 「 あっ 、 あった ぞ 。 指輪 だ ! 」 「 ばん ざ ー い 」 こうして 王子 は 、 ネコ の おかげ で 指輪 を 取り戻す 事 が 出来 ました 。 王子 が 指輪 を はめる と 、 キラキラ と かがやく ご殿 が 現れ 、 家来 が 大勢 集まり ました 。 そして 美しい お きさき が 、 うれし そうに かけよって き ます 。 ネコ と ヘビ を 育てた お人好しの 王子 は 、 こうして ネコ と ヘビ に 助け られ 幸せに 暮らした と いう こと です 。

おしまい


王子 と 指輪 おうじ||ゆびわ The Prince and the Ring

王子 と 指輪 おうじ||ゆびわ Prince and ring

むかし むかし 、 ある 国 に 、 若い 王子 が い ました 。 |||くに||わかい|おうじ||| この 王子 は 、 お 母さん と 二 人 で 貧しく 暮らして い ました 。 |おうじ|||かあさん||ふた|じん||まずしく|くらして||

ある 日 、 お 母さん は 王子 に 一 枚 の 金貨 を 渡して 言い ました 。 |ひ||かあさん||おうじ||ひと|まい||きんか||わたして|いい| One day, the mother gave the prince a gold coin and said. 「 これ を 使って 、 楽な 暮らし が 出来る ように 考えて ごらん 」   お 母さん は 王子 に 、 知恵 ( ちえ ) と お 金 の ある 立派な 王子 さま に なって ほしい と 思った のです 。 ||つかって|らくな|くらし||できる|よう に|かんがえて|||かあさん||おうじ||ちえ||||きむ|||りっぱな|おうじ||||||おもった|の です "Think about how you can live a comfortable life by using this." The mother wanted the prince to be a good prince with wisdom and money.

次の 日 、 王子 は 町 で 頭 に 大きな 袋 を のせた 男 に 会い ました 。 つぎの|ひ|おうじ||まち||あたま||おおきな|ふくろ|||おとこ||あい| The next day, the prince met a man with a big bag on his head in the town. 「 もしもし 、 その 袋 に は 、 どんな 宝物 が 入って いる んです か ? ||ふくろ||||たからもの||はいって||ん です| 」 「 これ は ネコ です よ 。 ||ねこ|| "This is a cat. 毛なみ の よい 上等の ネコ です 」   王子 は ネコ が 大好きだった ので 、 大切な 金貨 を やって ネコ を 一 匹 わけて もらい ました 。 けなみ|||じょうとうの|ねこ||おうじ||ねこ||だいすきだった||たいせつな|きんか|||ねこ||ひと|ひき||| It's a good-looking cat with good hair. ”The prince loved cats, so he gave him an important gold coin and asked him to separate one cat. 「 まあ 、 ネコ 一 匹 で 金貨 を だまし 取ら れる なんて 、 お前 は 何という バカ 者 でしょう 」   お 母さん は 、 ガッカリ し ました 。 |ねこ|ひと|ひき||きんか|||とら|||おまえ||なんという|ばか|もの|||かあさん||がっかり|| でも 何 日 か たつ と 、 また 王子 に 金貨 を 渡して 言い ました 。 |なん|ひ|||||おうじ||きんか||わたして|いい| But a few days later, he gave the prince a gold coin and said. 「 今度 こそ 、 気 を つけて お 金 を 使う のです よ 」   ところが 散歩 に 出て ヘビ 使い に 出会った 王子 は 、 今度 は ヘビ と 金貨 を 取り替えて しまった のです 。 こんど||き||||きむ||つかう|の です|||さんぽ||でて|へび|つかい||であった|おうじ||こんど||へび||きんか||とりかえて||の です "This time, you should be careful and spend your money." However, the prince who went out for a walk and met a snake charmer, this time, exchanged snakes for gold coins. お 母さん は あきれて 、 「 もう わたし に は 、 とても お前 の めんどう は 見きれ ませ ん 。 |かあさん||||||||おまえ||||みきれ|| My mother was disappointed and said, "I can't see your troubles anymore. 自分 の 力 で 、 暮らす ように し なさい 」 と 、 言う と 、 王子 を おいた まま 、 おばあ さん の 住んで いる 遠い 国 へ 行って しまい ました 。 じぶん||ちから||くらす|よう に||||いう||おうじ|||||||すんで||とおい|くに||おこなって|| Let's live on our own power. "He said, leaving the prince behind, he went to the distant country where his aunt lived. 王子 は ネコ と ヘビ を 連れて 、 トボトボ と 旅 に 出 ました 。 おうじ||ねこ||へび||つれて|とぼとぼ||たび||だ| こうして 王子 は 何 年 も の 間 、 家 から 家 へ こじき を して 歩き ながら 、 ネコ と ヘビ を 大切に 育て ました 。 |おうじ||なん|とし|||あいだ|いえ||いえ|||||あるき||ねこ||へび||たいせつに|そだて| Thus, for many years, the prince carefully raised cats and snakes as he walked from house to house.

こうした ある 日 の 事 、 王子 は 町 で お 母さん に 出会い ました 。 ||ひ||こと|おうじ||まち|||かあさん||であい| One day, the prince met his mother in the town. お 母さん は 、 悲しんで 言い ました 。 |かあさん||かなしんで|いい| Mom said sadly. 「 いつまで 、 こじき を 続けて いる つもりな の 。 |||つづけて||| "How long do you intend to continue practicing? そんな 汚い ヘビ は 、 早く 捨てて しまい なさい 」   王子 は 、 悲し そうに 言い ました 。 |きたない|へび||はやく|すてて|||おうじ||かなし|そう に|いい| Throw away such a dirty snake as soon as possible. "The prince said sadly. 「 ヘビ くん 、 ごめん よ 。 へび||| ぼく が だらしない から 、 仲良し の きみ と も 別れ なければ なら ない んだ 。 ||||なかよし|||||わかれ|||| I'm sloppy, so I have to break up with your good friends. 本当に 、 ごめん よ 」   する と 、 ヘビ が 言い ました 。 ほんとうに|||||へび||いい| I'm really sorry, "said the snake. 「 ああ 、 心 やさしい 王子 さま 。 |こころ||おうじ| "Oh, kind-hearted prince. あなた は 良い 方 な のに 、 なぜ 不幸な 目 に ばかり 会う のでしょう 。 ||よい|かた||||ふこうな|め|||あう| もし 良かったら 、 わたし の 国 へ 行き ましょう 。 |よかったら|||くに||いき| わたし の 父 は 、 ヘビ の 国 の 王 です 。 ||ちち||へび||くに||おう| My father is the king of the kingdom of snakes. 父 は わたし が 世話 に なった お 礼 に 、 魔法 の 指輪 ( ゆびわ ) を くれる でしょう 。 ちち||||せわ||||れい||まほう||ゆびわ|||| My dad will give me a magic ring (Yubiwa) to thank me for taking care of me. でも 指輪 は 、 ぜったい に 手放して は いけ ませ ん よ 」   こうして ヘビ から もらった 指輪 を はめた 王子 は ネコ と 一緒に 旅 を 続け 、 深い ジャングル に やってき ました 。 |ゆびわ||||てばなして|||||||へび|||ゆびわ|||おうじ||ねこ||いっしょに|たび||つづけ|ふかい|じゃんぐる||| But don't let go of the ring at all. ”The prince, wearing the ring he received from the snake, continued his journey with the cat and came to the deep jungle. 日 は とっぷり 暮れて 、 どこ まで 行って も 薄気味悪い けもの の うなり 声 が し ます 。 ひ|||くれて|||おこなって||うすきみわるい||||こえ||| 「 疲れた なあ 。 つかれた| この ジャングル が 、 わたし の 国 だったら いい のに 。 |じゃんぐる||||くに||| I wish this jungle was my country. 大きな ご殿 に 明かり と もって いて 、 わたし を 助けて くれた 人 たち と 暮らせたら いい のに なあ 」   王子 が 一 人 言 を いった その 時 、 たちまち ジャングル は 消えて なく なり 、 緑 の 木 に 包ま れた 輝く ような ご殿 が 目の前 に 浮かび 上がり ました 。 おおきな|ごてん||あかり||||||たすけて||じん|||くらせたら||||おうじ||ひと|じん|げん||||じ||じゃんぐる||きえて|||みどり||き||つつま||かがやく||ごてん||めのまえ||うかび|あがり| I wish I could live with the people who helped me with the light in the big palace. ”As soon as the prince said a word, the jungle disappeared and was wrapped in a green tree. A shining palace emerged in front of me. ご殿 の 窓 から は 王子 の お 母さん や 知り合い の 人 たち の 、 うれし そうな 顔 が のぞいて い ます 。 ごてん||まど|||おうじ|||かあさん||しりあい||じん||||そう な|かお|||| From the window of the palace, you can see the joyful faces of the prince's mother and acquaintances. 王子 は いつの間にか 立派な 王さま に なって 、 お供 を したがえて 立って いた のです 。 おうじ||いつのまにか|りっぱな|おうさま|||おとも|||たって||の です 魔法 の 指輪 の おかげ で 王さま に なった 王子 は 、 美しい お きさき を むかえて 幸せに 暮らして い ました 。 まほう||ゆびわ||||おうさま|||おうじ||うつくしい|||||しあわせに|くらして|| The prince, who became king thanks to the magic ring, lived happily in the face of a beautiful sword.

ある 日 、 隣 の 国 の 王さま が 、 この 国 の 海辺 を 通り かかり ました 。 |ひ|となり||くに||おうさま|||くに||うみべ||とおり|| One day, the king of the neighboring country passed by the seaside of this country. と 、 そこ に 美しい 長い 髪 が 、 クルクル と マリ と なって 飛んで き ました 。 |||うつくしい|ながい|かみ||くるくる||まり|||とんで|| Then, beautiful long hair flew away as Kuru Kuru and Mali. 「 何と 、 きれいな 髪 だろう 。 なんと||かみ| きっと 、 美しい 姫 が 落とした 物 に 違いない 。 |うつくしい|ひめ||おとした|ぶつ||ちがいない It must have been dropped by a beautiful princess. ぜひ 、 この 人 を きさき に むかえ たい もの だ 」   隣 の 国 の 王さま は 、 さっそく おふれ を 出し ました 。 ||じん||||||||となり||くに||おうさま|||||だし| By all means, I would like to bring this person to life. ”The king of the neighboring country immediately gave a touch. 「 この 髪 の 持ち主 を 連れて 来た 者 に 、 たくさんの ほうび を つかわす 」   海辺 に 住む おばあ さん が 、 これ を 見て ニヤリ と 笑い ました 。 |かみ||もちぬし||つれて|きた|もの||||||うみべ||すむ||||||みて|||わらい| "I will send a lot of rewards to those who bring this hair owner." An old lady living at the beach grinned when she saw this. 「 これ は 海 に 水浴び に 来る 、 お きさき の 髪 に 違いない 。 ||うみ||みずあび||くる||||かみ||ちがいない お きさき を だまして 隣 の 国 の 王さま の ところ へ 連れて 行こう 」 ||||となり||くに||おうさま||||つれて|いこう

次の 日 、 海辺 に 水浴び に 来た お きさき に 、 おばあ さん は かなし げな 身の上 話し を し ました 。 つぎの|ひ|うみべ||みずあび||きた||||||||げ な|みのうえ|はなし||| 「 まあ 、 かわいそうな おばあ さん 」   やさしい お きさき は 、 おばあ さん を ご殿 に 引き取って やり ました 。 |||||||||||ごてん||ひきとって|| "Well, poor old lady." Gentle Okisaki took the old lady to the palace.

さて 、 おばあ さん は ご殿 で 働いて いる うち に 、 魔法 の 指輪 の 秘密 を 知って しまい ました 。 ||||ごてん||はたらいて||||まほう||ゆびわ||ひみつ||しって|| 「 何という 、 すばらしい 指輪 だろう 。 なんという||ゆびわ| "What a wonderful ring! あの 指輪 さえ 手 に 入れば 、 もう こっち の もの さ 」   ある 日 、 おばあ さん は いかにも つら そうに 言い ました 。 |ゆびわ||て||はいれば|||||||ひ||||||そう に|いい| 「 ああ 、 頭 が 痛くて 割れ そうだ 。 |あたま||いたくて|われ|そう だ "Oh, my head hurts and I'm about to crack. 医者 や 薬 で は 治せ ない 。 いしゃ||くすり|||なおせ| It cannot be cured by a doctor or medicine. お やさしい 王さま 、 お きさき さま 。 ||おうさま||| Gentle King, Okisaki. どうか ちょっと だけ 、 指輪 を 貸して ください ませ ん か 」   お人好しの 王子 は 、 つい うっかり 指輪 を 渡して しまい ました 。 |||ゆびわ||かして|||||おひとよしの|おうじ||||ゆびわ||わたして|| Please lend me a ring for a moment. ”The friendly prince inadvertently handed over the ring. その とたん 、 おばあ さん の 姿 は 空 に まいあがり 、 たちまち 見え なく なって しまい ました 。 |||||すがた||から||||みえ|||| 隣 の 国 の 王さま は 、 毎日 首 を 長く して 、 良い 知らせ を 待って い ました 。 となり||くに||おうさま||まいにち|くび||ながく||よい|しらせ||まって|| The king of the neighboring country was long-necked every day, waiting for the good news. 「 王さま 、 やっと 見つけ ました よ 。 おうさま||みつけ|| "King, I finally found it. ご ほうび を くださ い 」   やって 来た の は 、 あの お ばあさん です 。 ||||||きた|||||| 「 この 指輪 を はめて 、 姫 を 呼んで ごらん なさい 。 |ゆびわ|||ひめ||よんで|| そして お きさき に なれ と 、 命令 すれば いい のです 」   こうして 隣 の 国 の 王さま は 、 指輪 の 力 で 王子 の お きさき を 自分 の 物 に して しまい ました 。 ||||||めいれい|||の です||となり||くに||おうさま||ゆびわ||ちから||おうじ|||||じぶん||ぶつ|||| And you just have to order him to be the prince. ”Thus, the king of the neighboring country made the prince's prince his own by the power of the ring. かわいそうに 指輪 を 取ら れた 王子 は 、 お きさき も ご殿 も 家来 も なくして 、 元 の ジャングル に ネコ と 二 人 だけ で 立って いた のです 。 |ゆびわ||とら||おうじ|||||ごてん||けらい|||もと||じゃんぐる||ねこ||ふた|じん|||たって||の です The poor prince, who had his ring removed, stood alone in the original jungle with a cat, without a prince, a palace, or a servant. 「 ヘビ の 言いつけ を 忘れて 、 指輪 を 貸した わたし が バカだった 。 へび||いいつけ||わすれて|ゆびわ||かした|||ばかだった "I forgot what the snake said and lent me a ring, I was stupid. これ から は 、 また こじき 暮らし だ 」   王子 と ネコ は 、 また あて の ない 旅 に 出 ました 。 |||||くらし||おうじ||ねこ||||||たび||だ| 王子 は やがて 、 隣 の 国 の ご殿 の 前 に 着き ました 。 おうじ|||となり||くに||ごてん||ぜん||つき| そこ で は 貧しい 人々 が 、 お きさき から 食べ物 を もらって い ました 。 |||まずしい|ひとびと|||||たべもの|||| There, poor people were getting food from Okisaki. 王子 と ネコ が 落ちた 食べ物 を 拾おう と する と 、 とつぜん ネズミ の 大軍 が やって 来て 、 あっという間 に 食べ物 を ぜんぶ さらって しまい ました 。 おうじ||ねこ||おちた|たべもの||ひろおう|||||ねずみ||たいぐん|||きて|あっというま||たべもの||||| さあ 、 ようやく ネコ の 出番 です 。 ||ねこ||でばん| ネコ は カンカンに 怒って 、 一 番 太った 王さま ネズミ の 首 を つかまえて どなり ました 。 ねこ||かんかん に|いかって|ひと|ばん|ふとった|おうさま|ねずみ||くび|||| 「 こらっ 。 悪い や つめ ! わるい|| お前 を 食べて しまう から な ! おまえ||たべて||| I'll eat you! 」   王さま ネズミ は 、 震え ながら 言い ました 。 おうさま|ねずみ||ふるえ||いい| 「 どうか 、 お 助け ください 。 ||たすけ| その代わり 、 何でも 言いつけ を 守り ます から 」 「 ふん 、 それ じゃ こう しよう 。 そのかわり|なんでも|いいつけ||まもり||||||| Instead, I'll keep what I say. "" Hmm, let's do that. わたし の ご 主人 は 、 この 国 の 王さま に 指輪 を 取ら れて 困って いる 。 |||あるじ|||くに||おうさま||ゆびわ||とら||こまって| 取り 返して くれれば 、 お前 の 命 は 助けて やろう 」 とり|かえして||おまえ||いのち||たすけて| If you get it back, I'll save your life. "

さて 夜 が ふける と 、 大軍 を ひきいた ネズミ の 王さま は ご殿 に むかい ました 。 |よ||||たいぐん|||ねずみ||おうさま||ごてん||| Now, as the night went on, the King of Rats, who had pulled a large army, went to the palace. 「 宝 の 箱 を 、 探す のだ ! たから||はこ||さがす| 」 「 指輪 を 見つけて 、 王さま の 命 を お 助け しよう ! ゆびわ||みつけて|おうさま||いのち|||たすけ| 」   ネズミ の 家来 たち は 手分け して 、 かたっぱしから 宝 の 箱 を 開けて み ました 。 ねずみ||けらい|||て わけ|||たから||はこ||あけて|| The rat's servants separated and tried to open the treasure chest from the ground. 「 あっ 、 あった ぞ 。 指輪 だ ! ゆびわ| 」 「 ばん ざ ー い 」   こうして 王子 は 、 ネコ の おかげ で 指輪 を 取り戻す 事 が 出来 ました 。 ||-|||おうじ||ねこ||||ゆびわ||とりもどす|こと||でき| 王子 が 指輪 を はめる と 、 キラキラ と かがやく ご殿 が 現れ 、 家来 が 大勢 集まり ました 。 おうじ||ゆびわ||||きらきら|||ごてん||あらわれ|けらい||おおぜい|あつまり| そして 美しい お きさき が 、 うれし そうに かけよって き ます 。 |うつくしい|||||そう に||| ネコ と ヘビ を 育てた お人好しの 王子 は 、 こうして ネコ と ヘビ に 助け られ 幸せに 暮らした と いう こと です 。 ねこ||へび||そだてた|おひとよしの|おうじ|||ねこ||へび||たすけ||しあわせに|くらした||||

おしまい