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『ツェねずみ』 宮沢 賢治, ツェ ねずみ (宮沢 賢治 ) 第 二 夜

ツェ ねずみ (宮沢 賢治 ) 第 二 夜

ところが その 道具 仲間 に 、 ただ 一 人 だけ 、 まだ ツェ ねずみ と つきあって み ない もの が ありました 。 それ は 針 が ね を 編んで こ さえた ねずみ 捕り でした 。

ねずみ 捕り は 全体 、 人間 の 味方 な はずです が 、 ちかごろ は 、 どうも 毎日 の 新聞 に さえ 、 猫 と いっしょに お払い 物 と いう 札 を つけた 絵 に まで して 、 広告 さ れる のです し 、 そう で なくて も 、 元来 人間 は 、 この 針金 の ねずみ 捕り を 、 一ぺん も 優待 した こと は ありません でした 。 ええ 、 それ は もう たしかに ありません と も 。 それ に 、 さも さわる の さえ きたない ように みんな から 思われて います 。 それ です から 実は 、 ねずみ 捕り は 人間 より は ねずみ の 方 に 、 よけい 同情 が ある のです 。 けれども 、たいてい の ねずみ は なかなか こわがって 、 そば へ やって 参りません 。 ねずみ 捕り は 、 毎日 やさしい 声 で 、

「 ね ず ちゃん 、 おい で 。 今夜 の ごちそう は あじ の お つむ だ よ 。 お前 さん の 食べる 間 、 わたし は しっかり 押えて おいて あげる から 。 ね 、 安心 して おい で 。 入り口 を パタン と しめる ような そんな こと を する もんか ね 。 わたし も 人間 に は もう こり こり して る んだ から 。 おいで よ 。 そら 。」

なんて ねずみ を 呼びかけます が 、 ねずみ は みんな 、「 へん 、 うまく 言って ら あ 。」 と か 、「 へい 、 へい 。 よく わかり まして ございます 。 いずれ 、 おやじ や 、 せがれ と も 相談 の 上 で 。」 と か 言って そろそろ 逃げて 行って しまいます 。 そして 朝 に なる と 、 顔 の まっ赤 な 下 男 が 来て 見て 、 「 または いら ない 。 ねずみ も もう 知って る んだ な 。 ねずみ の 学校 で 教える んだ な 。 しかし まあ もう 一 日 だけ かけて みよう 。」 と 言い ながら 、 新しい えさ と とりかえる のでした 。

今夜 も 、 ねずみ 捕り は 叫びました 。 「 おいで おい で 。 今夜 は やわらかな 半ぺん だ よ 。 えさ だけ あげる よ 。 大丈夫 さ 。 早く おい で 。」

ツェ ねずみ が 、 ちょうど 通りかかりました 。 そして 、「 おや 、 ねずみ 捕り さ ん 、 ほんとうに え さ だけ を くださる んです か 。」 と 言いました 。 「 おや 、 お前 は 珍しい ねずみ だ ね 。 そうだ よ 。 えさ だけ あげる んだ よ 。 そら 、 早く お 食べ 。」

ツェ ねずみ は プイッ と 中 に は いって 、 むちゃ むちゃ むちゃっと 半ぺん を 食べて 、 また プイッ と 外 へ 出て 言いました 。 「 おいしかった よ 。 ありがとう 。」

「 そうかい 。 よかった ね 。 また あす の 晩 おい で 。」

次の 朝 、 下 男 が 来て 見て おこって 言いました 。 「 えい 。 えさ だけ とって 行 き やがった 。 ずるい ねずみ だ な 。 しかし とにかく 中 に は いった と いう の は 感心だ 。 そら 、 きょう は 鰯 だ ぞ 。」

そして 鰯 を 半分 つけて 行きました 。 ねずみ 捕り は 、 鰯 を ひっかけて 、 せっかく ツェ ねずみ の 来る の を 待って いました 。 夜 に なって 、 ツェ ねずみ は すぐ 出て 来ました 。 そして いかにも 恩 に 着せた ように 、「 今晩 は 、 お 約束 どおり 来て あげました よ 。」 と 言いました 。 ねずみ 捕り は 少し むっと した が 、 無理に こらえて 、「 さあ 、 食べ なさい 。」 と だけ 言いました 。 ツェ ねずみ は プイッ と は いって 、 ピチャピチャピチャッ と 食べて 、 また プイッ と 出て 来て 、 それ から 大 風 に 言いました 。 「 じゃ 、 あした 、 また 、 来て 食べて あげる から ね 。」

「 ブウ 。」 と ねずみ 捕り は 答えました 。 次の 朝 、 下 男 が 来て 見て 、 ますます おこって 言いました 。 「 えい 。 ずるい ねずみ だ 。 しかし 、 毎晩 、 そんなに うまく え さ だけ 取ら れる はず が ない 。 どうも 、 この ねずみ 捕り め は 、 ねずみ から わいろ を もらった らしい ぞ 。」

「 もらわ ん 。 もらわ ん 。 あんまり 人 を 見そこなう な 。」 と ねずみ 捕り は どなりました が 、 もちろん 、 下 男 の 耳 に は 聞こえません 。 きょう も 腐った 半ぺん を くっつけて いきました 。 ねずみ 捕り は 、 とんだ 疑い を 受けた ので 、 一 日 ぷんぷん おこって いました 。 夜 に なりました 。 ツェ ねずみ が 出て 来て 、 さも 大 儀 らしく 言いました 。 「 ああ あ 、 毎日 ここ まで やって 来る の も 、 並みたいてい のこっちゃ ない 。 それ に ごちそう と いったら 、 せいぜい 魚 の 頭 だ 。 いやに なっち まう 。 しかし まあ 、 せっかく 来た んだ から しかたない 。 食って やる と しよう か 。 ねずみ 捕り さ ん 。 今晩 は 。」

ねずみ 捕り は 、 はりがね を ぷり ぷり さ せて おこって いました ので 、 ただ 一 こ と 、「 お 食べ 。」 と 言いました 。 ツェ ねずみ は すぐ プイッ と 飛びこみました が 、 半ぺん の くさって いる の を 見て 、 おこって 叫びました 。 「 ねずみ と りさん 。 あんまり ひどい や 。 この 半ぺん は くさってます 。 僕 の ような 弱い もの を だます なんて 、 あんまりだ 。 償って ください 。 償って ください 。」

ねずみ 捕り は 、 思わず 、 はり金 を りゅうりゅうと 鳴らす くらい 、 おこって しまいました 。 その りゅうりゅう が 悪かった のです 。

「 ピシャッ 。 シインン 。」 えさ に ついて いた かぎ が はずれて 、 ねずみ 捕り の 入り口 が 閉じて しまいました 。 さあ もうたいへんです 。 ツェ ねずみ は き ちがい の ように なって 、「 ねずみ 捕り さ ん 。 ひどい や 。 ひどい や 。 う う 、 くやしい 。 ねずみ 捕り さ ん 。 あんまり だ 。」 と 言い ながら 、 はりがね を かじる やら 、 くるくる まわる やら 、 地 だ んだ ふむ やら 、 わめく やら 、 泣く やら 、 それはそれは 大さわぎ です 。 それ でも 、 償って ください 、 償って ください は 、 もう 言う 力 が ありません でした 。 ねずみ 捕り の 方 も 、 痛い やら 、 しゃくに さわる やら 、 ガタガタ 、 ブルブル 、 リュウリュウ と ふるえました 。 一晩 そう やって とうとう 朝 に なりました 。 顔 の まっ赤 な 下 男 が 来て 見て 、 小躍り して 言いました 。 「 しめた 。 しめた 。 とうとう 、 かかった 。 意地 の 悪 そうな ねずみ だ な 。 さあ 、 出て 来い 。 こぞう 。」


ツェ ねずみ (宮沢 賢治 ) 第 二 夜 ||みやさわ|けんじ|だい|ふた|よ Tse Rats (Kenji Miyazawa) Night 2

ところが その 道具 仲間 に 、 ただ 一 人 だけ 、 まだ ツェ ねずみ と つきあって み ない もの が ありました 。 ||どうぐ|なかま|||ひと|じん|||||||||||あり ました それ は 針 が ね を 編んで こ さえた ねずみ 捕り でした 。 ||はり||||あんで||||とり| It was a mousetrap made by weaving needles.

ねずみ 捕り は 全体 、 人間 の 味方 な はずです が 、 ちかごろ は 、 どうも 毎日 の 新聞 に さえ 、 猫 と いっしょに お払い 物 と いう 札 を つけた 絵 に まで して 、 広告 さ れる のです し 、 そう で なくて も 、 元来 人間 は 、 この 針金 の ねずみ 捕り を 、 一ぺん も 優待 した こと は ありません でした 。 |とり||ぜんたい|にんげん||みかた|||||||まいにち||しんぶん|||ねこ|||おはらい|ぶつ|||さつ|||え||||こうこく|||||||||がんらい|にんげん|||はりがね|||とり||いっぺん||ゆうたい||||あり ませ ん| Mouse catchers, on the whole, are supposed to be on man's side, but in recent years, even the daily newspapers have begun to advertise them, even with pictures of them with a bill of sale along with a cat, and even if they weren't, man has never given these wire mousetraps any preferential treatment. ええ 、 それ は もう たしかに ありません と も 。 |||||あり ませ ん|| Yes, that is certainly no longer the case. それ に 、 さも さわる の さえ きたない ように みんな から 思われて います 。 ||||||||||おもわ れて|い ます And they don't even think it's right to touch them. それ です から 実は 、 ねずみ 捕り は 人間 より は ねずみ の 方 に 、 よけい 同情 が ある のです 。 |||じつは||とり||にんげん|||||かた|||どうじょう||| That's why, in fact, the mousetrap has more sympathy for rats than for humans. けれども 、たいてい の ねずみ は なかなか こわがって 、 そば へ やって 参りません 。 ||||||||||まいり ませ ん But most rats are too scared to come near. ねずみ 捕り は 、 毎日 やさしい 声 で 、 |とり||まいにち||こえ|

「 ね ず ちゃん 、 おい で 。 今夜 の ごちそう は あじ の お つむ だ よ 。 こんや||||||||| Tonight's feast will be the Aji's tsumu. お前 さん の 食べる 間 、 わたし は しっかり 押えて おいて あげる から 。 おまえ|||たべる|あいだ||||おさえて||| I'll hold on to your food while you eat. ね 、 安心 して おい で 。 |あんしん||| Hey, don't worry. 入り口 を パタン と しめる ような そんな こと を する もんか ね 。 いりぐち||||||||||| I wonder if they would do such a thing as slam the door shut. わたし も 人間 に は もう こり こり して る んだ から 。 ||にんげん||||||||| I'm already oohing and ahhing over humans. おいで よ 。 そら 。」

なんて ねずみ を 呼びかけます が 、 ねずみ は みんな 、「 へん 、 うまく 言って ら あ 。」 |||よびかけ ます|||||||いって|| I call out to the rats, but they all say, "Hip, hooray." と か 、「 へい 、 へい 。 or "Hey, hey. よく わかり まして ございます 。 Thank you very much. いずれ 、 おやじ や 、 せがれ と も 相談 の 上 で 。」 ||||||そうだん||うえ| I'll discuss it with my father and son. と か 言って そろそろ 逃げて 行って しまいます 。 ||いって||にげて|おこなって|しまい ます I'm going to run away and put it down. そして 朝 に なる と 、 顔 の まっ赤 な 下 男 が 来て 見て 、 「 または いら ない 。 |あさ||||かお||まっ あか||した|おとこ||きて|みて||| And in the morning, a red-faced servant would come and look at him and say, "I don't want it, or you don't want it. ねずみ も もう 知って る んだ な 。 |||しって||| The rats already know that, don't they? ねずみ の 学校 で 教える んだ な 。 ||がっこう||おしえる|| They teach that at the mouse school. しかし まあ もう 一 日 だけ かけて みよう 。」 |||ひと|ひ||| But, well, let's just give it one more day." と 言い ながら 、 新しい えさ と とりかえる のでした 。 |いい||あたらしい||||

今夜 も 、 ねずみ 捕り は 叫びました 。 こんや|||とり||さけび ました 「 おいで おい で 。 今夜 は やわらかな 半ぺん だ よ 。 こんや|||はんぺん|| えさ だけ あげる よ 。 大丈夫 さ 。 だいじょうぶ| 早く おい で 。」 はやく||

ツェ ねずみ が 、 ちょうど 通りかかりました 。 ||||とおりかかり ました そして 、「 おや 、 ねずみ 捕り さ ん 、 ほんとうに え さ だけ を くださる んです か 。」 |||とり|||||||||| And then, "Oh, mousetrap, are you really only giving us food?" と 言いました 。 |いい ました 「 おや 、 お前 は 珍しい ねずみ だ ね 。 |おまえ||めずらしい||| "Oh, you're a rare mouse, aren't you? そうだ よ 。 そう だ| えさ だけ あげる んだ よ 。 そら 、 早く お 食べ 。」 |はやく||たべ There, eat quickly.

ツェ ねずみ は プイッ と 中 に は いって 、 むちゃ むちゃ むちゃっと 半ぺん を 食べて 、 また プイッ と 外 へ 出て 言いました 。 |||||なか||||||むちゃ っと|はんぺん||たべて||||がい||でて|いい ました 「 おいしかった よ 。 ありがとう 。」

「 そうかい 。 I don't see why not. よかった ね 。 また あす の 晩 おい で 。」 |||ばん|| See you tomorrow night.

次の 朝 、 下 男 が 来て 見て おこって 言いました 。 つぎの|あさ|した|おとこ||きて|みて||いい ました 「 えい 。 えさ だけ とって 行 き やがった 。 |||ぎょう||や がった ずるい ねずみ だ な 。 Sneaky rat. しかし とにかく 中 に は いった と いう の は 感心だ 。 ||なか||||||||かんしんだ However, it is impressive that they went inside anyway. そら 、 きょう は 鰯 だ ぞ 。」 |||いわし|| See, today is sardines.

そして 鰯 を 半分 つけて 行きました 。 |いわし||はんぶん||いき ました Then he put half of the sardines on the fish. ねずみ 捕り は 、 鰯 を ひっかけて 、 せっかく ツェ ねずみ の 来る の を 待って いました 。 |とり||いわし|||||||くる|||まって|い ました The mouse catcher was waiting patiently for the mice to come, with a sardine on his hook. 夜 に なって 、 ツェ ねずみ は すぐ 出て 来ました 。 よ|||||||でて|き ました そして いかにも 恩 に 着せた ように 、「 今晩 は 、 お 約束 どおり 来て あげました よ 。」 ||おん||きせた||こんばん|||やくそく||きて|あげ ました| Then, as if to ingratiate himself, he said, "I came to see you tonight, just as I promised. と 言いました 。 |いい ました ねずみ 捕り は 少し むっと した が 、 無理に こらえて 、「 さあ 、 食べ なさい 。」 |とり||すこし||||むりに|||たべ| The mouse catcher was a little miffed, but he forced himself to say, "Go ahead, eat." と だけ 言いました 。 ||いい ました ツェ ねずみ は プイッ と は いって 、 ピチャピチャピチャッ と 食べて 、 また プイッ と 出て 来て 、 それ から 大 風 に 言いました 。 |||||||||たべて||||でて|きて|||だい|かぜ||いい ました 「 じゃ 、 あした 、 また 、 来て 食べて あげる から ね 。」 |||きて|たべて||| "Then, tomorrow, I'll come back and give you a meal."

「 ブウ 。」 Buu. と ねずみ 捕り は 答えました 。 ||とり||こたえ ました The mousetrap replied. 次の 朝 、 下 男 が 来て 見て 、 ますます おこって 言いました 。 つぎの|あさ|した|おとこ||きて|みて|||いい ました 「 えい 。 ずるい ねずみ だ 。 Sly rat. しかし 、 毎晩 、 そんなに うまく え さ だけ 取ら れる はず が ない 。 |まいばん||||||とら|||| However, it is not possible for them to get feed every night so well. どうも 、 この ねずみ 捕り め は 、 ねずみ から わいろ を もらった らしい ぞ 。」 |||とり||||||||| Apparently, this rat catcher got a bribe from the rats."

「 もらわ ん 。 もらわ ん 。 あんまり 人 を 見そこなう な 。」 |じん||みそこなう| と ねずみ 捕り は どなりました が 、 もちろん 、 下 男 の 耳 に は 聞こえません 。 ||とり||どなり ました|||した|おとこ||みみ|||きこえ ませ ん The mousetrap yells, but of course the servant can't hear him. きょう も 腐った 半ぺん を くっつけて いきました 。 ||くさった|はんぺん|||いき ました Today, too, he attached a rotten halfpenny to it. ねずみ 捕り は 、 とんだ 疑い を 受けた ので 、 一 日 ぷんぷん おこって いました 。 |とり|||うたがい||うけた||ひと|ひ|||い ました The mousetrap was very suspicious of me, and I was very grumpy all day. 夜 に なりました 。 よ||なり ました ツェ ねずみ が 出て 来て 、 さも 大 儀 らしく 言いました 。 |||でて|きて||だい|ぎ||いい ました 「 ああ あ 、 毎日 ここ まで やって 来る の も 、 並みたいてい のこっちゃ ない 。 ||まいにち||||くる|||なみ たいてい|| It's not unusual for me to come this far every day. それ に ごちそう と いったら 、 せいぜい 魚 の 頭 だ 。 ||||||ぎょ||あたま| And the best we could offer them was fish heads. いやに なっち まう 。 |な っち| I'm going to hate it. しかし まあ 、 せっかく 来た んだ から しかたない 。 |||きた||| But, well, we've come all this way, so what the heck. 食って やる と しよう か 。 くって|||| ねずみ 捕り さ ん 。 |とり|| Mouse catcher. 今晩 は 。」 こんばん|

ねずみ 捕り は 、 はりがね を ぷり ぷり さ せて おこって いました ので 、 ただ 一 こ と 、「 お 食べ 。」 |とり|||||||||い ました|||ひと||||たべ The rats were doing their best to make the harpooners jump, so there was only one thing for them to do: eat. と 言いました 。 |いい ました ツェ ねずみ は すぐ プイッ と 飛びこみました が 、 半ぺん の くさって いる の を 見て 、 おこって 叫びました 。 ||||||とびこみ ました||はんぺん||||||みて||さけび ました The Tse mouse jumped right in, but when he saw the half eaten, he yelped with fright. 「 ねずみ と りさん 。 あんまり ひどい や 。 It's not very good. この 半ぺん は くさってます 。 |はんぺん||くさって ます 僕 の ような 弱い もの を だます なんて 、 あんまりだ 。 ぼく|||よわい||||| 償って ください 。 つぐなって| 償って ください 。」 つぐなって|

ねずみ 捕り は 、 思わず 、 はり金 を りゅうりゅうと 鳴らす くらい 、 おこって しまいました 。 |とり||おもわず|はりがね|||ならす|||しまい ました The mousetrap was so excited that he even made the mousetrap's metal rattle with a dragon's teeth. その りゅうりゅう が 悪かった のです 。 |||わるかった|

「 ピシャッ 。 シインン 。」 Shyin." えさ に ついて いた かぎ が はずれて 、 ねずみ 捕り の 入り口 が 閉じて しまいました 。 ||||||||とり||いりぐち||とじて|しまい ました The claws on the bait have been dislodged, closing the entrance to the mousetrap. さあ もうたいへんです 。 |もう たいへんです Now, we're in trouble. ツェ ねずみ は き ちがい の ように なって 、「 ねずみ 捕り さ ん 。 |||||||||とり|| The Tse mice turned out to be crazy and said, "Mousetrap. ひどい や 。 Terrible. ひどい や 。 う う 、 くやしい 。 ねずみ 捕り さ ん 。 |とり|| あんまり だ 。」 Not much. と 言い ながら 、 はりがね を かじる やら 、 くるくる まわる やら 、 地 だ んだ ふむ やら 、 わめく やら 、 泣く やら 、 それはそれは 大さわぎ です 。 |いい|||||||||ち|||||||なく|||おおさわぎ| The children are chewing on the harpoon, spinning around, huffing and puffing, yelling, crying, and generally having a great time. それ でも 、 償って ください 、 償って ください は 、 もう 言う 力 が ありません でした 。 ||つぐなって||つぐなって||||いう|ちから||あり ませ ん| ねずみ 捕り の 方 も 、 痛い やら 、 しゃくに さわる やら 、 ガタガタ 、 ブルブル 、 リュウリュウ と ふるえました 。 |とり||かた||いたい|||||がたがた|ぶるぶる|||ふるえ ました 一晩 そう やって とうとう 朝 に なりました 。 ひとばん||||あさ||なり ました After a long night of doing so, it finally became morning. 顔 の まっ赤 な 下 男 が 来て 見て 、 小躍り して 言いました 。 かお||まっ あか||した|おとこ||きて|みて|こおどり||いい ました A red-faced servant came and looked at him, and said, "I'm so happy to see you. 「 しめた 。 しめた 。 とうとう 、 かかった 。 At last, it took. 意地 の 悪 そうな ねずみ だ な 。 いじ||あく|そう な||| You're a mean-looking rat. さあ 、 出て 来い 。 |でて|こい Come on, come on out. こぞう 。」