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人工知能は人間を超えるか (Will AI surpass human?), 人工知能は人間を超えるか Chapter 07 (2)

人工知能は人間を超えるか Chapter 07 (2)

その 評価 を 得て は 学習 し 、 つくる と いう こと を 繰り返せば よい 。

映画 や テレビ 番組 など の コンテンツ 制作 、 ファッション や 食 など でも この 方法 が 主流 に なる こと も 考えられる 。 製造 業 と 同じ 肉体 労働 でも 、 タクシー や トラック の 運転手 と いう の は 、 少し 前 まで は 、 人間 の 労働 と して 残り 続ける 仕事 だ と 思われて いた 。 ところが 、 自動 運転 車 や ドローン の 登場 で 雲行き が 怪しく なって きた の は 、 みなさん も よく ご存じ だろう 。

自動車 でも 飛行機 や 電車 でも 、 操縦 士 ・ 運転 士 の 大きな 仕事 の ひと つ は 「 おかしな こと が 起こって いない か 」 と いう 「 異常 検知 」 である 。 異常 検知 と いう タスク は 、 高次 の 特徴 量 を 生成 し 、 そこ から 「 通常 起こる べき こと 」 を 想定 し 、 それ と 異なって いれば 何 か おかしい と 感じる と いう こと だ から 、 特徴 表現 学習 の 得意 と する ところ だ 。 この 仕事 を コンピュータ が できる ように なる と 、 運転 を 人工 知能 が 行う こと も 、 遠隔 で 操作 する こと も 、 いま より ずっと 簡単に なる 。

自動 運転 は 、 実は 安全 性 が 高い 。

自動 運転 が できれば 、 地方 に 住む 遠隔 の 高齢 者 に も 、 便利で 安全 性 の 高い サービス が 提供 できる 。 すでに 飛行機 は 離着陸 以外 は その 大半 が 自動 操縦 化 されて いる 。 車 で 食事 に 行って お 酒 を 飲み 、 車 で 帰って こられる と したら 、 こんなに 快適な こと は ない 。 広告 ・ マーケティング は 、 前述 の ように 、 真っ先 に 変化 が 訪れる 分野 の ひと つ である 。

データ が 多く 、 短期 的な サイクル で回る 最適 化 は コンピュータ の 最も 得意 と する ところ だ が 、 それ が 徐々に 長期 の もの に も 進出 して くる はずだ 。 たとえば 、 現在 は 人間 が 行って いる マーケティング も 、 刻々 と 変わる 顧客 ニーズ を リアルタイム に 、 的確に とらえる こと で 、 完全 自動 で 最適 化 されて いく 可能 性 が ある 。 長期 的な ブランド イメージ の 向上 や 商品 企画 など は 、 人間 の 仕事 と されて いる が 、 そこ に も データ 分析 と 人工 知能 の 介在 する 余地 は 大きい 。 医療 、 法務 、 会計 ・ 税務 と いう の は 、 最も 人工 知能 が 入って き やすい 領域 だろう 。

医療 は 高度な 専門 領域 だ が 、 同じ 医師 でも 、 画像 診断 技術 が 向上 する と 、 内科 医 の 仕事 の ほう が 先 に コンピュータ に 置き換わる 部分 が 増える かも しれ ない 。 「 診療 の 適切 性 」 と 「 責任 」 の 問題 は 、 自動 運転 と 同じく 、 難しい 問題 である 。

弁護 士 は 社会 的 地位 の 高い 仕事 である が 、 その 中 でも 、 クライアント の 情報 を 整理 したり 、 関連 法令 を チェック したり 、 過去 の 判例 を 調べたり する こと は 、 人工 知能 の メリット を 活 か し やすい 。

だが 、 民事 裁判 、 特に 離婚 や 相続 で もめて いる 案件 に ついて は 、 情緒 的な 面 を 含めて 、 当事 者 の 利害 関係 を 調整 する と いう 面 が あり 、 人間 が 得意な ところ かも しれ ない 。 「 あなた の 主張 が 法廷 で 通る 確率 は 15% だ 」 と 機械 に 言わ れる より も 、 人 の 顔 を 見て 話して 納得 したい 人 は 少なく ない はずだ 。 会計 や 税務 は すでに 置き換え が 進んで きて いる 。

判断 が 必要な ところ や 知識 が 必要な ところ に 関して も 、 少しずつ 人工 知能 が できる 領域 が 増えて いく だろう 。

金融 は 、 人工 知能 が 活躍 できる 大きな 領域 である 。

顧客 対応 の システム を スイス の 大手 銀行 の UBS グループ が 提供 して いる し 、 資産 状況 に 応じた ポートフォリオ を 提供 する の も 重要だ 。 証券 会社 は 、 自ら の 提供 する 付加 価値 を 見直す 必要 が ある かも しれ ない 。 トレーディング の 世界 は すでに 機械 化 が 進み 、 恐ろしい ほど の 戦い が 繰り広げられて いる 。 不動産 も 、 価格 情報 の 推移 を 分析 し 、 活 かす こと が できる はずである 。

教育 は 、 データ 分析 に よって もっと 進化 する 分野 であろう 。

アイデア は 単純で 、 多く の 生徒 を 見る こと が できたら 、 そこ で 学習 の パターン や 向き 不向き を より 的確に つかみ 、 適した 学習 方法 を 提示 する こと が できる から だ 。 いま は 教師 が 定年 に 達する まで の 間 、 教え 方 の 知識 を 積み上げて いる が 、 コンピュータ は 多く の 生徒 の データ を 分析 する こと で 、 そうした ノウハウ を 短 期間 で 習得 する こと も できる だろう 。

教育 の 中 でも 、 コンテンツ を 教える 教育 、 考え 方 や 精神 的な 態度 を 教える 教育 は 別 かも しれ ない 。

そして 、 やる 気 に さ せる 方法 、 競わ せる 方法 など 、 さまざまな 方法 に 分解 さ れ 、 人間 の 果たす べき 役割 と 、 コンピュータ の 果たす べき 役割 が うまく 連携 して 、 より 高い レベル の 教育 を 提供 できる ように なる かも しれ ない 。

この ほか に も 、 産業 分野 ごと に 、 さまざまな 変化 が 起こる だろう 。

ここ で すべて を 書き きる こと は でき ない が 、 読者 の みなさん の 関係 する 産業 が 、 人工 知能 に よって どのように 変わる 可能 性 が ある の か 、 ぜひ 考えて みて ほしい 。 それ が 、 この先 の チャンス で も あり 、 また 自分 の リスク を 減らす 方法 で も ある はずだ から だ 。 われわれ の 仕事 に は 、 具体 的に どんな 影響 を 与える のだろう か 。

人工 知能 が 人 の 職 を 奪う ので は ない か と いう 議論 は 、 メディア でも よく目 に する 。

コンピュータ が 発達 して 、 すでに 単純な 事務 作業 は 人間 に 代わって 機械 が 行う ように なった 。 人工 知能 が このまま どんどん 進化 する と 、 人間 の 仕事 が 機械 に 奪われて しまう ので は ない か と いう 危惧 である 。 『 機械 と の 競争 』 と いう 本 で は 、 次 の ような 議論 が されて いる (* 注 51)。 ひと つ の 議論 は 、「 科学 技術 の 発展 は いま に 始まった こと で は なく 、 その たび に なくなる 仕事 も できる が 、 代わり に 新しい 仕事 が 必ず できる 」 と いう こと である 。

これ まで の 200 年間 は そう であった 。 たとえば 、 耕作 機 が できて 人間 は 田畑 を 耕さ なくて よく なった が 、 耕作 機 を つくる 人間 、 耕作 機 を 使う 人間 、 そして 売ったり 維持 したり する 人間 が 必要に なった 。 したがって 、 心配 する に は 及ば ない 。

もう ひと つ の 議論 は 、 人工 知能 の 発展 は 性質 の 違う もの であり 、 これ まで の 変化 は 少数 の 人 だけ に 影響 が ある もの だった かも しれ ない が 、 今回 の 変化 は 大 多数 の 人 に 影響 を 与える もの かも しれ ない と いう 点 である 。

そして 、 富む もの と 貧しい もの の 差 が 広がる と いう こと である 。 これ は 根本 的に は 、 富 の 再 分配 に よって 是正 する しか ない 。 トマ ・ ピケティ の 『21 世紀 の 資本 』 が 流行って いる が (* 注 52)、 格差 や 平等に ついて 考える の は 重要な こと だろう 。 また 、 国際 的な 経済 格差 の 可能 性 に ついて も 考え なければ なら ない 。

で は 、 もっと 具体 的に どういう 仕事 が 残り やすく 、 どういう 仕事 は なく なり やすい のだろう か 。

これ に 関して は 、「 どの くらい の 時間 を 念頭 に 置く か 」 で 答え が 大きく 変わる と 思う 。 参考 まで に 図 28 を 見て いただきたい 。 これ は 、 オックスフォード 大学 の 論文 で 提示 さ れた 「 あと 10~20 年 で なく なる 職業 と 残る 職業 の リスト 」 である 。 702 個 の 職業 を 「 手先 の 器用 さ 」「 芸術 的な 能力 」「 交渉 力 」「 説得 力 」 など 9 つ の 性質 に 分解 し 、 この先 10 年 で なく なる か どう か を 予想 し 、 その 予想 さ れる 確率 の 順に 並べて ある (* 注 53)。 また 、 スポーツ の 審判 や 荷物 の 受 発注 業務 、 工場 機械 の オペレーター など の 「 手続き 化 し やすい 」 職業 も なくなる 確率 が 高い と されて いる 。 一方 、 なくなる 確率 が 低い ほう の リスト を 見る と 、 医師 や 歯科 医 、 リハビリ 専門 職 、 ソーシャルワーカー 、 カウンセラー など の 職業 が 入って いる 。 対人 コミュニケーション が 必要な 職業 は 、 当面 は 機械 で 置き換える の が 難しい のだろう 。

こういった リスト も 参考 に し ながら 、 短期 から 長期 に かけて の 、 人 の 仕事 の 移り変わり を 予想 して みよう 。

短期 的 (5 年 以内 ) に は 、 それほど 急激な 変化 は 起き ない だろう 。

ただし 、 会計 や 法律 と いった 業務 の 中 に ビッグ データ や 人工 知能 が 急速に 入り込む かも しれ ない 。 また 、 ビッグ データ や 人工 知能 は マーケティング に も 活用 さ れる だろう 。 さまざまな 事業 で ビッグ データ の 分析 と 人工 知能 の 活用 が 進んで いく ので 、 データ 分析 の スキル や 知識 、 人工 知能 に 関する 知識 は 重要に なる だろう 。 広告 や 画像 診断 、 防犯 ・ 監視 と いった 一部 の 領域 で は 急速に 人工 知能 の 適用 が 進んで いく はずだ 。

中期 的 (5 年 から 15 年 ) に は 、 生産 管理 や デザイン と いった 部分 で 、 人間 の 仕事 が だいぶ 変わって くる はずだ 。

先ほど も 述べた ように 、 異常 検知 と いう タスク は 、 高次 の 特徴 量 を 生成 できる 特徴 表現 学習 の 得意 と する ところ であり 、「 何 か おかしい 」 こと を 検知 できる 人工 知能 の 能力 が 急速に 上がって くる 。

たとえば 、 監視 員 や 警備 員 と いった 仕事 だ 。 明示 的に 監視 する と いう 仕事 で なく と も 、 店舗 の 店員 や 飲食 店 の 従業 員 でも 、「 何 か おかしい こと に 気づいて 対応 する 」 と いう 業務 が 仕事 の 中 に 織り込まれて いる こと も 多い 。 こうした 仕事 は 、 基本 的に センサー + 人工 知能 で 代替 する こと が できる 。

例外 処理 は 例外 処理 で 別に つくれば よく なる ので 、 ルーティンワーク の 多く の 部分 は 人工 知能 に 任せる こと が できる ように なる 。 そして 、「 何 か おかしい 」 こと が 発生 した とき だけ 人間 が 対応 する ように なる 。 商品 の 数 を 数える 、 売上 を まとめて エクセル を つくる 、 定期 的に 顧客 に メール を 送る と いった 仕事 の 大半 は 、 人工 知能 が やって いる 可能 性 が ある 。

この 段階 で は 、 まだ ルーティン で ない 仕事 、 クリエイティブ な 仕事 は 人間 の 仕事 と して 重要である 。

たとえば 、 顧客 の 例外 対応 を する 、 提案 書 を 書く 、 など である 。

長期 的 (15 年 以上 先 ) に は 、 例外 対応 まで 含めて 、 人工 知能 が カバー できる 領域 が 増えて くる 。

異なる 領域 を またがって 知識 を 活用 する こと が 進み 、 顧客 対応 や 提案 書 作成 と いった こと も 可能に なって くる 。

この 段階 で 、 人間 の 仕事 と して 重要な もの は 大きく 2 つ に 分かれる だろう 。

1 つ は 、「 非常に 大局 的で サンプル 数 の 少ない 、 難しい 判断 を 伴う 業務 」 で 、 経営 者 や 事業 の 責任 者 の ような 仕事 である 。 たとえば 、 ある 会社 の ある 製品 の 開発 を いま の 状況 で どう 進めて いけば よい か は 、 何度 も 繰り返さ れる こと で は ない ため データ が なく 、 判断 が 難しい 。 こうした 判断 は いわゆる 「 経験 」、 つまり これ まで の 違う 状況 に おける 判断 を 「 転移 」 して 実行 したり 歴史 に 学んだり する しか ない 。 いろいろな 情報 を 加味 した 上 で の 「 経営 判断 」 は 、 人間 に 最後 まで 残る 重要な 仕事 だろう 。

一方 、「 人間 に 接する インタフェース は 人間 の ほう が いい 」 と いう 理由 で 残る 仕事 も ある 。

たとえば 、 セラピスト や レストラン の 店員 、 営業 など である 。 最後 は 人間 が 対応 して くれた ほう が うれしい 、 人間 に 説得 さ れる ほう が 聞いて しまう など の 理由 で 、 人間 の 相手 は 人間 が する と いう こと 自体 は 変わら ない だろう 。 むしろ 人間 が 相手 を して くれる と いう ほう が 「 高価な サービス 」 に なる かも しれ ない 。

以上 を まとめる と 、 短期 から 中期 的に は 、 データ 分析 や 人工 知能 の 知識 ・ スキル を 身 に つける こと は 大変 重要である 。

ところが 、 長期 的に 考える と 、 どうせ そういった 部分 は 人工 知能 が やる ように なる から 、 人間 しか でき ない 大局 的な 判断 を できる ように なる か 、 あるいは 、 むしろ 人間 対人 間 の 仕事 に 特化 して いった ほう が よい 、 と いう こと に なる 。

さらに 忘れて は なら ない の が 、 人間 と 機械 の 協調 である 。

すでに チェス で は 、 人間 と コンピュータ が どのような 組み合わせ で 戦って も よい 、 フリースタイル の 大会 が ある 。

さまざまな 仕事 に おいて も 、 この 「 フリースタイル 」 方式 が 出て くる はずである 。 人間 と コンピュータ の 協調 に より 、 人間 の 創造 性 や 能力 が さらに 引き出さ れる こと に なる かも しれ ない (* 注 54)。 そうした 社会 で は 、 生産 性 が 非常に 上がり 、 労働 時間 が 短く なる ため に 、 人間 の 「 生き 方 」 や 「 尊厳 」、 多様な 価値 観 が ますます 重要 視 さ れる ように なる ので は ない だろう か 。

人工 知能 が 生み出す 新規 事業

ここ まで の 話 は 、 人工 知能 、 特に 特徴 表現 学習 に 起因 する 技術 の 発展 を ベース に 考えた 5 年 から 20 年 くらい の スパン で の 社会 変化 の 話 であった 。

では 、 人工 知能 に よって これ から 先 、 新しい 事業 を つくり出す こと は でき ない のだろう か 。 本書 を 手 に とった 方 の 中 に は 、 企業 で 人工 知能 に よる 新規 事業 を 考えて いる 方 も いる かも しれ ない 。

図 29 は 、 米国 ブルームバーグ 社 の アナリスト に よる 、 最近 の 世界中 の 人工 知能 の ベンチャー を まとめた 図 である (* 注 55)。

およそ 2000 社 を 調べて つくった もの で 、 参考 に なる だろう 。 これ を 見る と 、 人工 知能 に 関する 新しい 事業 の 試み が 、 さまざまな 領域 に 広がって いる こと が わかる 。

「 はじめ に 」 で 触れた ように 、 現在 、 人工 知能 は 春 の 時代 を 迎え 、 ブーム に なり つつ ある 。

人工 知能 に 関連 する 事業 は 、 米国 でも 一気に 増えて いる が 、 私 なり に 検討 した 結果 、 急激に 成長 する 事業 は そう そう 立ち上がら ない かも しれ ず 、 少し 慎重に 考えた ほう が よい かも しれ ない 。

まず 、 図 の 最 上段 に 書かれて いる 「 コア ・ テクノロジー 」 と いう 部分 は 、 機械 学習 そのもの を 提供 する ビジネス である 。 画像 認識 と 音声 認識 は 、 特徴 表現 学習 が 最も 進んで いる 技術 分野 な ので 、 その 2 つ の 分野 も 取り上げられて いる 。


人工知能は人間を超えるか Chapter 07 (2) じんこう ちのう は にんげん を こえる か|chapter Will Artificial Intelligence Surpass Humans Chapter 07 (2) L'intelligence artificielle dépassera-t-elle l'homme ? Chapitre 07 (2) A inteligência artificial ultrapassará o ser humano Capítulo 07 (2)

その 評価 を 得て は 学習 し 、 つくる と いう こと を 繰り返せば よい 。 |ひょうか||えて||がくしゅう|||||||くりかえせば| It is only necessary to obtain the evaluation, learn, and repeat the process of making.

映画 や テレビ 番組 など の コンテンツ 制作 、 ファッション や 食 など でも この 方法 が 主流 に なる こと も 考えられる 。 えいが||てれび|ばんぐみ|||こんてんつ|せいさく|ふぁっしょん||しょく||||ほうほう||しゅりゅう|||||かんがえ られる 製造 業 と 同じ 肉体 労働 でも 、 タクシー や トラック の 運転手 と いう の は 、 少し 前 まで は 、 人間 の 労働 と して 残り 続ける 仕事 だ と 思われて いた 。 せいぞう|ぎょう||おなじ|にくたい|ろうどう||たくしー||とらっく||うんてんしゅ|||||すこし|ぜん|||にんげん||ろうどう|||のこり|つづける|しごと|||おもわ れて| ところが 、 自動 運転 車 や ドローン の 登場 で 雲行き が 怪しく なって きた の は 、 みなさん も よく ご存じ だろう 。 |じどう|うんてん|くるま||||とうじょう||くもゆき||あやしく||||||||ごぞんじ|

自動車 でも 飛行機 や 電車 でも 、 操縦 士 ・ 運転 士 の 大きな 仕事 の ひと つ は 「 おかしな こと が 起こって いない か 」 と いう 「 異常 検知 」 である 。 じどうしゃ||ひこうき||でんしゃ||そうじゅう|し|うんてん|し||おおきな|しごと||||||||おこって|||||いじょう|けんち| 異常 検知 と いう タスク は 、 高次 の 特徴 量 を 生成 し 、 そこ から 「 通常 起こる べき こと 」 を 想定 し 、 それ と 異なって いれば 何 か おかしい と 感じる と いう こと だ から 、 特徴 表現 学習 の 得意 と する ところ だ 。 いじょう|けんち|||||こうじ||とくちょう|りょう||せいせい||||つうじょう|おこる||||そうてい||||ことなって||なん||||かんじる||||||とくちょう|ひょうげん|がくしゅう||とくい|||| この 仕事 を コンピュータ が できる ように なる と 、 運転 を 人工 知能 が 行う こと も 、 遠隔 で 操作 する こと も 、 いま より ずっと 簡単に なる 。 |しごと||こんぴゅーた||||||うんてん||じんこう|ちのう||おこなう|||えんかく||そうさ|||||||かんたんに|

自動 運転 は 、 実は 安全 性 が 高い 。 じどう|うんてん||じつは|あんぜん|せい||たかい

自動 運転 が できれば 、 地方 に 住む 遠隔 の 高齢 者 に も 、 便利で 安全 性 の 高い サービス が 提供 できる 。 じどう|うんてん|||ちほう||すむ|えんかく||こうれい|もの|||べんりで|あんぜん|せい||たかい|さーびす||ていきょう| すでに 飛行機 は 離着陸 以外 は その 大半 が 自動 操縦 化 されて いる 。 |ひこうき||りちゃくりく|いがい|||たいはん||じどう|そうじゅう|か|さ れて| 車 で 食事 に 行って お 酒 を 飲み 、 車 で 帰って こられる と したら 、 こんなに 快適な こと は ない 。 くるま||しょくじ||おこなって||さけ||のみ|くるま||かえって|こら れる||||かいてきな||| 広告 ・ マーケティング は 、 前述 の ように 、 真っ先 に 変化 が 訪れる 分野 の ひと つ である 。 こうこく|||ぜんじゅつ|||まっさき||へんか||おとずれる|ぶんや||||

データ が 多く 、 短期 的な サイクル で回る 最適 化 は コンピュータ の 最も 得意 と する ところ だ が 、 それ が 徐々に 長期 の もの に も 進出 して くる はずだ 。 でーた||おおく|たんき|てきな|さいくる|でまわる|さいてき|か||こんぴゅーた||もっとも|とくい||||||||じょじょに|ちょうき|||||しんしゅつ||| たとえば 、 現在 は 人間 が 行って いる マーケティング も 、 刻々 と 変わる 顧客 ニーズ を リアルタイム に 、 的確に とらえる こと で 、 完全 自動 で 最適 化 されて いく 可能 性 が ある 。 |げんざい||にんげん||おこなって||||こくこく||かわる|こきゃく|にーず||||てきかくに||||かんぜん|じどう||さいてき|か|さ れて||かのう|せい|| 長期 的な ブランド イメージ の 向上 や 商品 企画 など は 、 人間 の 仕事 と されて いる が 、 そこ に も データ 分析 と 人工 知能 の 介在 する 余地 は 大きい 。 ちょうき|てきな|ぶらんど|いめーじ||こうじょう||しょうひん|きかく|||にんげん||しごと||さ れて||||||でーた|ぶんせき||じんこう|ちのう||かいざい||よち||おおきい 医療 、 法務 、 会計 ・ 税務 と いう の は 、 最も 人工 知能 が 入って き やすい 領域 だろう 。 いりょう|ほうむ|かいけい|ぜいむ|||||もっとも|じんこう|ちのう||はいって|||りょういき|

医療 は 高度な 専門 領域 だ が 、 同じ 医師 でも 、 画像 診断 技術 が 向上 する と 、 内科 医 の 仕事 の ほう が 先 に コンピュータ に 置き換わる 部分 が 増える かも しれ ない 。 いりょう||こうどな|せんもん|りょういき|||おなじ|いし||がぞう|しんだん|ぎじゅつ||こうじょう|||ないか|い||しごと||||さき||こんぴゅーた||おきかわる|ぶぶん||ふえる||| 「 診療 の 適切 性 」 と 「 責任 」 の 問題 は 、 自動 運転 と 同じく 、 難しい 問題 である 。 しんりょう||てきせつ|せい||せきにん||もんだい||じどう|うんてん||おなじく|むずかしい|もんだい| The issues of "adequacy of medical care" and "responsibility" are as difficult as autonomous driving.

弁護 士 は 社会 的 地位 の 高い 仕事 である が 、 その 中 でも 、 クライアント の 情報 を 整理 したり 、 関連 法令 を チェック したり 、 過去 の 判例 を 調べたり する こと は 、 人工 知能 の メリット を 活 か し やすい 。 べんご|し||しゃかい|てき|ちい||たかい|しごと||||なか||||じょうほう||せいり||かんれん|ほうれい||ちぇっく||かこ||はんれい||しらべたり||||じんこう|ちのう||めりっと||かつ|||

だが 、 民事 裁判 、 特に 離婚 や 相続 で もめて いる 案件 に ついて は 、 情緒 的な 面 を 含めて 、 当事 者 の 利害 関係 を 調整 する と いう 面 が あり 、 人間 が 得意な ところ かも しれ ない 。 |みんじ|さいばん|とくに|りこん||そうぞく||||あんけん||||じょうちょ|てきな|おもて||ふくめて|とうじ|もの||りがい|かんけい||ちょうせい||||おもて|||にんげん||とくいな|||| 「 あなた の 主張 が 法廷 で 通る 確率 は 15% だ 」 と 機械 に 言わ れる より も 、 人 の 顔 を 見て 話して 納得 したい 人 は 少なく ない はずだ 。 ||しゅちょう||ほうてい||とおる|かくりつ||||きかい||いわ||||じん||かお||みて|はなして|なっとく|し たい|じん||すくなく|| 会計 や 税務 は すでに 置き換え が 進んで きて いる 。 かいけい||ぜいむ|||おきかえ||すすんで||

判断 が 必要な ところ や 知識 が 必要な ところ に 関して も 、 少しずつ 人工 知能 が できる 領域 が 増えて いく だろう 。 はんだん||ひつような|||ちしき||ひつような|||かんして||すこしずつ|じんこう|ちのう|||りょういき||ふえて||

金融 は 、 人工 知能 が 活躍 できる 大きな 領域 である 。 きんゆう||じんこう|ちのう||かつやく||おおきな|りょういき|

顧客 対応 の システム を スイス の 大手 銀行 の UBS グループ が 提供 して いる し 、 資産 状況 に 応じた ポートフォリオ を 提供 する の も 重要だ 。 こきゃく|たいおう||しすてむ||すいす||おおて|ぎんこう||ubs|ぐるーぷ||ていきょう||||しさん|じょうきょう||おうじた|||ていきょう||||じゅうようだ 証券 会社 は 、 自ら の 提供 する 付加 価値 を 見直す 必要 が ある かも しれ ない 。 しょうけん|かいしゃ||おのずから||ていきょう||ふか|かち||みなおす|ひつよう||||| トレーディング の 世界 は すでに 機械 化 が 進み 、 恐ろしい ほど の 戦い が 繰り広げられて いる 。 ||せかい|||きかい|か||すすみ|おそろしい|||たたかい||くりひろげ られて| 不動産 も 、 価格 情報 の 推移 を 分析 し 、 活 かす こと が できる はずである 。 ふどうさん||かかく|じょうほう||すいい||ぶんせき||かつ|||||

教育 は 、 データ 分析 に よって もっと 進化 する 分野 であろう 。 きょういく||でーた|ぶんせき||||しんか||ぶんや|

アイデア は 単純で 、 多く の 生徒 を 見る こと が できたら 、 そこ で 学習 の パターン や 向き 不向き を より 的確に つかみ 、 適した 学習 方法 を 提示 する こと が できる から だ 。 あいであ||たんじゅんで|おおく||せいと||みる||||||がくしゅう||ぱたーん||むき|ふむき|||てきかくに||てきした|がくしゅう|ほうほう||ていじ|||||| いま は 教師 が 定年 に 達する まで の 間 、 教え 方 の 知識 を 積み上げて いる が 、 コンピュータ は 多く の 生徒 の データ を 分析 する こと で 、 そうした ノウハウ を 短 期間 で 習得 する こと も できる だろう 。 ||きょうし||ていねん||たっする|||あいだ|おしえ|かた||ちしき||つみあげて|||こんぴゅーた||おおく||せいと||でーた||ぶんせき|||||のうはう||みじか|きかん||しゅうとく|||||

教育 の 中 でも 、 コンテンツ を 教える 教育 、 考え 方 や 精神 的な 態度 を 教える 教育 は 別 かも しれ ない 。 きょういく||なか||こんてんつ||おしえる|きょういく|かんがえ|かた||せいしん|てきな|たいど||おしえる|きょういく||べつ|||

そして 、 やる 気 に さ せる 方法 、 競わ せる 方法 など 、 さまざまな 方法 に 分解 さ れ 、 人間 の 果たす べき 役割 と 、 コンピュータ の 果たす べき 役割 が うまく 連携 して 、 より 高い レベル の 教育 を 提供 できる ように なる かも しれ ない 。 ||き||||ほうほう|きそわ||ほうほう|||ほうほう||ぶんかい|||にんげん||はたす||やくわり||こんぴゅーた||はたす||やくわり|||れんけい|||たかい|れべる||きょういく||ていきょう||||||

この ほか に も 、 産業 分野 ごと に 、 さまざまな 変化 が 起こる だろう 。 ||||さんぎょう|ぶんや||||へんか||おこる|

ここ で すべて を 書き きる こと は でき ない が 、 読者 の みなさん の 関係 する 産業 が 、 人工 知能 に よって どのように 変わる 可能 性 が ある の か 、 ぜひ 考えて みて ほしい 。 ||||かき|||||||どくしゃ||||かんけい||さんぎょう||じんこう|ちのう||||かわる|かのう|せい||||||かんがえて|| それ が 、 この先 の チャンス で も あり 、 また 自分 の リスク を 減らす 方法 で も ある はずだ から だ 。 ||このさき||ちゃんす|||||じぶん||りすく||へらす|ほうほう|||||| われわれ の 仕事 に は 、 具体 的に どんな 影響 を 与える のだろう か 。 ||しごと|||ぐたい|てきに||えいきょう||あたえる||

人工 知能 が 人 の 職 を 奪う ので は ない か と いう 議論 は 、 メディア でも よく目 に する 。 じんこう|ちのう||じん||しょく||うばう|||||||ぎろん||めでぃあ||よくめ||

コンピュータ が 発達 して 、 すでに 単純な 事務 作業 は 人間 に 代わって 機械 が 行う ように なった 。 こんぴゅーた||はったつ|||たんじゅんな|じむ|さぎょう||にんげん||かわって|きかい||おこなう|| 人工 知能 が このまま どんどん 進化 する と 、 人間 の 仕事 が 機械 に 奪われて しまう ので は ない か と いう 危惧 である 。 じんこう|ちのう||||しんか|||にんげん||しごと||きかい||うばわ れて||||||||きぐ| 『 機械 と の 競争 』 と いう 本 で は 、 次 の ような 議論 が されて いる (* 注 51)。 きかい|||きょうそう|||ほん|||つぎ|||ぎろん||さ れて||そそ ひと つ の 議論 は 、「 科学 技術 の 発展 は いま に 始まった こと で は なく 、 その たび に なくなる 仕事 も できる が 、 代わり に 新しい 仕事 が 必ず できる 」 と いう こと である 。 |||ぎろん||かがく|ぎじゅつ||はってん||||はじまった|||||||||しごと||||かわり||あたらしい|しごと||かならず|||||

これ まで の 200 年間 は そう であった 。 |||ねんかん||| たとえば 、 耕作 機 が できて 人間 は 田畑 を 耕さ なくて よく なった が 、 耕作 機 を つくる 人間 、 耕作 機 を 使う 人間 、 そして 売ったり 維持 したり する 人間 が 必要に なった 。 |こうさく|き|||にんげん||たはた||たがやさ|||||こうさく|き|||にんげん|こうさく|き||つかう|にんげん||うったり|いじ|||にんげん||ひつように| したがって 、 心配 する に は 及ば ない 。 |しんぱい||||およば|

もう ひと つ の 議論 は 、 人工 知能 の 発展 は 性質 の 違う もの であり 、 これ まで の 変化 は 少数 の 人 だけ に 影響 が ある もの だった かも しれ ない が 、 今回 の 変化 は 大 多数 の 人 に 影響 を 与える もの かも しれ ない と いう 点 である 。 ||||ぎろん||じんこう|ちのう||はってん||せいしつ||ちがう||||||へんか||しょうすう||じん|||えいきょう|||||||||こんかい||へんか||だい|たすう||じん||えいきょう||あたえる|||||||てん|

そして 、 富む もの と 貧しい もの の 差 が 広がる と いう こと である 。 |とむ|||まずしい|||さ||ひろがる|||| これ は 根本 的に は 、 富 の 再 分配 に よって 是正 する しか ない 。 ||こんぽん|てきに||とみ||さい|ぶんぱい|||ぜせい||| トマ ・ ピケティ の 『21 世紀 の 資本 』 が 流行って いる が (* 注 52)、 格差 や 平等に ついて 考える の は 重要な こと だろう 。 |||せいき||しほん||はやって|||そそ|かくさ||びょうどうに||かんがえる|||じゅうような|| El capital en el siglo XXI de Thomas Piketty está de moda (* Nota 52), pero es importante pensar en la desigualdad y la igualdad. また 、 国際 的な 経済 格差 の 可能 性 に ついて も 考え なければ なら ない 。 |こくさい|てきな|けいざい|かくさ||かのう|せい||||かんがえ|||

で は 、 もっと 具体 的に どういう 仕事 が 残り やすく 、 どういう 仕事 は なく なり やすい のだろう か 。 |||ぐたい|てきに||しごと||のこり|||しごと||||||

これ に 関して は 、「 どの くらい の 時間 を 念頭 に 置く か 」 で 答え が 大きく 変わる と 思う 。 ||かんして|||||じかん||ねんとう||おく|||こたえ||おおきく|かわる||おもう 参考 まで に 図 28 を 見て いただきたい 。 さんこう|||ず||みて|いただき たい これ は 、 オックスフォード 大学 の 論文 で 提示 さ れた 「 あと 10~20 年 で なく なる 職業 と 残る 職業 の リスト 」 である 。 ||おっくすふぉーど|だいがく||ろんぶん||ていじ||||とし||||しょくぎょう||のこる|しょくぎょう||りすと| 702 個 の 職業 を 「 手先 の 器用 さ 」「 芸術 的な 能力 」「 交渉 力 」「 説得 力 」 など 9 つ の 性質 に 分解 し 、 この先 10 年 で なく なる か どう か を 予想 し 、 その 予想 さ れる 確率 の 順に 並べて ある (* 注 53)。 こ||しょくぎょう||てさき||きよう||げいじゅつ|てきな|のうりょく|こうしょう|ちから|せっとく|ちから||||せいしつ||ぶんかい||このさき|とし||||||||よそう|||よそう|||かくりつ||じゅんに|ならべて||そそ また 、 スポーツ の 審判 や 荷物 の 受 発注 業務 、 工場 機械 の オペレーター など の 「 手続き 化 し やすい 」 職業 も なくなる 確率 が 高い と されて いる 。 |すぽーつ||しんぱん||にもつ||じゅ|はっちゅう|ぎょうむ|こうじょう|きかい|||||てつづき|か|||しょくぎょう|||かくりつ||たかい||さ れて| 一方 、 なくなる 確率 が 低い ほう の リスト を 見る と 、 医師 や 歯科 医 、 リハビリ 専門 職 、 ソーシャルワーカー 、 カウンセラー など の 職業 が 入って いる 。 いっぽう||かくりつ||ひくい|||りすと||みる||いし||しか|い|りはびり|せんもん|しょく||かうんせらー|||しょくぎょう||はいって| 対人 コミュニケーション が 必要な 職業 は 、 当面 は 機械 で 置き換える の が 難しい のだろう 。 たいじん|こみゅにけーしょん||ひつような|しょくぎょう||とうめん||きかい||おきかえる|||むずかしい|

こういった リスト も 参考 に し ながら 、 短期 から 長期 に かけて の 、 人 の 仕事 の 移り変わり を 予想 して みよう 。 |りすと||さんこう||||たんき||ちょうき||||じん||しごと||うつりかわり||よそう||

短期 的 (5 年 以内 ) に は 、 それほど 急激な 変化 は 起き ない だろう 。 たんき|てき|とし|いない||||きゅうげきな|へんか||おき||

ただし 、 会計 や 法律 と いった 業務 の 中 に ビッグ データ や 人工 知能 が 急速に 入り込む かも しれ ない 。 |かいけい||ほうりつ|||ぎょうむ||なか||びっぐ|でーた||じんこう|ちのう||きゅうそくに|はいりこむ||| また 、 ビッグ データ や 人工 知能 は マーケティング に も 活用 さ れる だろう 。 |びっぐ|でーた||じんこう|ちのう|||||かつよう||| さまざまな 事業 で ビッグ データ の 分析 と 人工 知能 の 活用 が 進んで いく ので 、 データ 分析 の スキル や 知識 、 人工 知能 に 関する 知識 は 重要に なる だろう 。 |じぎょう||びっぐ|でーた||ぶんせき||じんこう|ちのう||かつよう||すすんで|||でーた|ぶんせき||||ちしき|じんこう|ちのう||かんする|ちしき||じゅうように|| 広告 や 画像 診断 、 防犯 ・ 監視 と いった 一部 の 領域 で は 急速に 人工 知能 の 適用 が 進んで いく はずだ 。 こうこく||がぞう|しんだん|ぼうはん|かんし|||いちぶ||りょういき|||きゅうそくに|じんこう|ちのう||てきよう||すすんで||

中期 的 (5 年 から 15 年 ) に は 、 生産 管理 や デザイン と いった 部分 で 、 人間 の 仕事 が だいぶ 変わって くる はずだ 。 ちゅうき|てき|とし||とし|||せいさん|かんり||でざいん|||ぶぶん||にんげん||しごと|||かわって||

先ほど も 述べた ように 、 異常 検知 と いう タスク は 、 高次 の 特徴 量 を 生成 できる 特徴 表現 学習 の 得意 と する ところ であり 、「 何 か おかしい 」 こと を 検知 できる 人工 知能 の 能力 が 急速に 上がって くる 。 さきほど||のべた||いじょう|けんち|||||こうじ||とくちょう|りょう||せいせい||とくちょう|ひょうげん|がくしゅう||とくい|||||なん|||||けんち||じんこう|ちのう||のうりょく||きゅうそくに|あがって|

たとえば 、 監視 員 や 警備 員 と いった 仕事 だ 。 |かんし|いん||けいび|いん|||しごと| 明示 的に 監視 する と いう 仕事 で なく と も 、 店舗 の 店員 や 飲食 店 の 従業 員 でも 、「 何 か おかしい こと に 気づいて 対応 する 」 と いう 業務 が 仕事 の 中 に 織り込まれて いる こと も 多い 。 めいじ|てきに|かんし||||しごと|||||てんぽ||てんいん||いんしょく|てん||じゅうぎょう|いん||なん|||||きづいて|たいおう||||ぎょうむ||しごと||なか||おりこま れて||||おおい こうした 仕事 は 、 基本 的に センサー + 人工 知能 で 代替 する こと が できる 。 |しごと||きほん|てきに|せんさー|じんこう|ちのう||だいたい||||

例外 処理 は 例外 処理 で 別に つくれば よく なる ので 、 ルーティンワーク の 多く の 部分 は 人工 知能 に 任せる こと が できる ように なる 。 れいがい|しょり||れいがい|しょり||べつに|||||||おおく||ぶぶん||じんこう|ちのう||まかせる||||| そして 、「 何 か おかしい 」 こと が 発生 した とき だけ 人間 が 対応 する ように なる 。 |なん|||||はっせい||||にんげん||たいおう||| 商品 の 数 を 数える 、 売上 を まとめて エクセル を つくる 、 定期 的に 顧客 に メール を 送る と いった 仕事 の 大半 は 、 人工 知能 が やって いる 可能 性 が ある 。 しょうひん||すう||かぞえる|うりあげ||||||ていき|てきに|こきゃく||めーる||おくる|||しごと||たいはん||じんこう|ちのう||||かのう|せい||

この 段階 で は 、 まだ ルーティン で ない 仕事 、 クリエイティブ な 仕事 は 人間 の 仕事 と して 重要である 。 |だんかい|||||||しごと|||しごと||にんげん||しごと|||じゅうようである

たとえば 、 顧客 の 例外 対応 を する 、 提案 書 を 書く 、 など である 。 |こきゃく||れいがい|たいおう|||ていあん|しょ||かく||

長期 的 (15 年 以上 先 ) に は 、 例外 対応 まで 含めて 、 人工 知能 が カバー できる 領域 が 増えて くる 。 ちょうき|てき|とし|いじょう|さき|||れいがい|たいおう||ふくめて|じんこう|ちのう||かばー||りょういき||ふえて|

異なる 領域 を またがって 知識 を 活用 する こと が 進み 、 顧客 対応 や 提案 書 作成 と いった こと も 可能に なって くる 。 ことなる|りょういき|||ちしき||かつよう||||すすみ|こきゃく|たいおう||ていあん|しょ|さくせい|||||かのうに||

この 段階 で 、 人間 の 仕事 と して 重要な もの は 大きく 2 つ に 分かれる だろう 。 |だんかい||にんげん||しごと|||じゅうような|||おおきく|||わかれる|

1 つ は 、「 非常に 大局 的で サンプル 数 の 少ない 、 難しい 判断 を 伴う 業務 」 で 、 経営 者 や 事業 の 責任 者 の ような 仕事 である 。 ||ひじょうに|たいきょく|てきで|さんぷる|すう||すくない|むずかしい|はんだん||ともなう|ぎょうむ||けいえい|もの||じぎょう||せきにん|もの|||しごと| たとえば 、 ある 会社 の ある 製品 の 開発 を いま の 状況 で どう 進めて いけば よい か は 、 何度 も 繰り返さ れる こと で は ない ため データ が なく 、 判断 が 難しい 。 ||かいしゃ|||せいひん||かいはつ||||じょうきょう|||すすめて|||||なんど||くりかえさ|||||||でーた|||はんだん||むずかしい こうした 判断 は いわゆる 「 経験 」、 つまり これ まで の 違う 状況 に おける 判断 を 「 転移 」 して 実行 したり 歴史 に 学んだり する しか ない 。 |はんだん|||けいけん|||||ちがう|じょうきょう|||はんだん||てんい||じっこう||れきし||まなんだり||| いろいろな 情報 を 加味 した 上 で の 「 経営 判断 」 は 、 人間 に 最後 まで 残る 重要な 仕事 だろう 。 |じょうほう||かみ||うえ|||けいえい|はんだん||にんげん||さいご||のこる|じゅうような|しごと|

一方 、「 人間 に 接する インタフェース は 人間 の ほう が いい 」 と いう 理由 で 残る 仕事 も ある 。 いっぽう|にんげん||せっする|||にんげん|||||||りゆう||のこる|しごと||

たとえば 、 セラピスト や レストラン の 店員 、 営業 など である 。 |||れすとらん||てんいん|えいぎょう|| 最後 は 人間 が 対応 して くれた ほう が うれしい 、 人間 に 説得 さ れる ほう が 聞いて しまう など の 理由 で 、 人間 の 相手 は 人間 が する と いう こと 自体 は 変わら ない だろう 。 さいご||にんげん||たいおう||||||にんげん||せっとく|||||きいて||||りゆう||にんげん||あいて||にんげん||||||じたい||かわら|| むしろ 人間 が 相手 を して くれる と いう ほう が 「 高価な サービス 」 に なる かも しれ ない 。 |にんげん||あいて||||||||こうかな|さーびす|||||

以上 を まとめる と 、 短期 から 中期 的に は 、 データ 分析 や 人工 知能 の 知識 ・ スキル を 身 に つける こと は 大変 重要である 。 いじょう||||たんき||ちゅうき|てきに||でーた|ぶんせき||じんこう|ちのう||ちしき|||み|||||たいへん|じゅうようである

ところが 、 長期 的に 考える と 、 どうせ そういった 部分 は 人工 知能 が やる ように なる から 、 人間 しか でき ない 大局 的な 判断 を できる ように なる か 、 あるいは 、 むしろ 人間 対人 間 の 仕事 に 特化 して いった ほう が よい 、 と いう こと に なる 。 |ちょうき|てきに|かんがえる||||ぶぶん||じんこう|ちのう||||||にんげん||||たいきょく|てきな|はんだん||||||||にんげん|たいじん|あいだ||しごと||とっか||||||||||

さらに 忘れて は なら ない の が 、 人間 と 機械 の 協調 である 。 |わすれて||||||にんげん||きかい||きょうちょう|

すでに チェス で は 、 人間 と コンピュータ が どのような 組み合わせ で 戦って も よい 、 フリースタイル の 大会 が ある 。 ||||にんげん||こんぴゅーた|||くみあわせ||たたかって|||||たいかい||

さまざまな 仕事 に おいて も 、 この 「 フリースタイル 」 方式 が 出て くる はずである 。 |しごと||||||ほうしき||でて|| 人間 と コンピュータ の 協調 に より 、 人間 の 創造 性 や 能力 が さらに 引き出さ れる こと に なる かも しれ ない (* 注 54)。 にんげん||こんぴゅーた||きょうちょう|||にんげん||そうぞう|せい||のうりょく|||ひきださ||||||||そそ そうした 社会 で は 、 生産 性 が 非常に 上がり 、 労働 時間 が 短く なる ため に 、 人間 の 「 生き 方 」 や 「 尊厳 」、 多様な 価値 観 が ますます 重要 視 さ れる ように なる ので は ない だろう か 。 |しゃかい|||せいさん|せい||ひじょうに|あがり|ろうどう|じかん||みじかく||||にんげん||いき|かた||そんげん|たような|かち|かん|||じゅうよう|し|||||||||

人工 知能 が 生み出す 新規 事業 じんこう|ちのう||うみだす|しんき|じぎょう

ここ まで の 話 は 、 人工 知能 、 特に 特徴 表現 学習 に 起因 する 技術 の 発展 を ベース に 考えた 5 年 から 20 年 くらい の スパン で の 社会 変化 の 話 であった 。 |||はなし||じんこう|ちのう|とくに|とくちょう|ひょうげん|がくしゅう||きいん||ぎじゅつ||はってん||べーす||かんがえた|とし||とし||||||しゃかい|へんか||はなし|

では 、 人工 知能 に よって これ から 先 、 新しい 事業 を つくり出す こと は でき ない のだろう か 。 |じんこう|ちのう|||||さき|あたらしい|じぎょう||つくりだす|||||| 本書 を 手 に とった 方 の 中 に は 、 企業 で 人工 知能 に よる 新規 事業 を 考えて いる 方 も いる かも しれ ない 。 ほんしょ||て|||かた||なか|||きぎょう||じんこう|ちのう|||しんき|じぎょう||かんがえて||かた|||||

図 29 は 、 米国 ブルームバーグ 社 の アナリスト に よる 、 最近 の 世界中 の 人工 知能 の ベンチャー を まとめた 図 である (* 注 55)。 ず||べいこく||しゃ||あなりすと|||さいきん||せかいじゅう||じんこう|ちのう||べんちゃー|||ず||そそ La Figura 29 es un resumen de las recientes empresas de inteligencia artificial en todo el mundo, según analistas de Bloomberg, EE. UU. (* Nota 55).

およそ 2000 社 を 調べて つくった もの で 、 参考 に なる だろう 。 |しゃ||しらべて||||さんこう||| これ を 見る と 、 人工 知能 に 関する 新しい 事業 の 試み が 、 さまざまな 領域 に 広がって いる こと が わかる 。 ||みる||じんこう|ちのう||かんする|あたらしい|じぎょう||こころみ|||りょういき||ひろがって||||

「 はじめ に 」 で 触れた ように 、 現在 、 人工 知能 は 春 の 時代 を 迎え 、 ブーム に なり つつ ある 。 |||ふれた||げんざい|じんこう|ちのう||はる||じだい||むかえ|ぶーむ||||

人工 知能 に 関連 する 事業 は 、 米国 でも 一気に 増えて いる が 、 私 なり に 検討 した 結果 、 急激に 成長 する 事業 は そう そう 立ち上がら ない かも しれ ず 、 少し 慎重に 考えた ほう が よい かも しれ ない 。 じんこう|ちのう||かんれん||じぎょう||べいこく||いっきに|ふえて|||わたくし|||けんとう||けっか|きゅうげきに|せいちょう||じぎょう||||たちあがら|||||すこし|しんちょうに|かんがえた||||||

まず 、 図 の 最 上段 に 書かれて いる 「 コア ・ テクノロジー 」 と いう 部分 は 、 機械 学習 そのもの を 提供 する ビジネス である 。 |ず||さい|じょうだん||かか れて||こあ|てくのろじー|||ぶぶん||きかい|がくしゅう|その もの||ていきょう||びじねす| 画像 認識 と 音声 認識 は 、 特徴 表現 学習 が 最も 進んで いる 技術 分野 な ので 、 その 2 つ の 分野 も 取り上げられて いる 。 がぞう|にんしき||おんせい|にんしき||とくちょう|ひょうげん|がくしゅう||もっとも|すすんで||ぎじゅつ|ぶんや||||||ぶんや||とりあげ られて|