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人工知能は人間を超えるか (Will AI surpass human?), 人工知能は人間を超えるか Chapter 02 (1)

人工 知能 は 人間 を 超える か Chapter 02 (1)

ブーム と 冬 の 時代

いま 注目 を 集める 人工 知能 に ついて 、 第 1 章 で は 、 世の中 に は 「 人工 知能 搭載 」 を うたった 製品 や サービス が 数多く 存在 する 一方 で 、 専門 家 の 間 で は まだまだ 人工 知能 は できて い ない と いう 認識 である こと を 説明 した 。

で は 、 なぜ いまだに 人工 知能 が 実現 できて い ない のだろう か 。

その 答え を 紐解く ため に 、 人工 知能 の 歴史 を 、 順 を 追って たどって いこう 。 くわしく は 後 ほど 説明 する ので 、 まずは 大まかに 把握 して もらう だけ で 十分である 。

人工 知能 研究 は 、 これ まで 「 ブーム 」 と 「 冬 の 時代 」 を 繰り返して きた 。

第 1 次 AI ブーム は 1950 年 代 後半 ~1960 年 代 。

コンピュータ で 「 推論 ・ 探索 」 を する こと で 特定 の 問題 を 解く 研究 が 進んだ 。 しかし 、 いわゆる 「 トイ ・ プロブレム 」( おもちゃ の 問題 )」 は 解けて も 、 複雑な 現実 の 問題 は 解け ない こと が 明らかに なった 結果 、 ブーム は 急速に 冷め 、1970 年 代 に は 人工 知能 研究 は 冬 の 時代 を 迎えた 。

第 2 次 ブーム は 1980 年 代 であり 、 コンピュータ に 「 知識 」 を 入れる と 賢く なる と いう アプローチ が 全盛 を 迎え 、 エキスパート システム と 呼ば れる 実用 的な システム が たくさん つくら れた 。

しかし 、 知識 を 記述 、 管理 する こと の 大変 さ が 明らかに なって くる と 、1995 年 ごろ に は ふたたび AI は 冬 の 時代 に 突入 して しまう 。

一方 、1990 年 代 半ば の 検索 エンジン の 誕生 以降 、 インターネット が 爆発 的に 普及 し 、2000 年 代 に 入る と 、 ウェブ の 広がり と ともに 大量の データ を 用いた 「 機械 学習 」 が 静かに 広がって きた 。

そして 現在 、 AI 研究 は 3 回 目 の ブーム に 差しかかって いる 。

第 3 次 AI ブーム は 、 図 3 の ように ビッグ データ の 時代 に 広がった 機械 学習 と 、 技術 的に 大きな ブレークスルー である ディープラーニング ( 特徴 表現 学習 ) の 2 つ の 大波 が 重なって 生まれて いる 。

そこ に 、 IBM の ワトソンプロジェクト や 将棋 電 王 戦 など 、 象徴 的な 出来事 が 重なり 、 また 、 前述 の レイ ・ カーツワイル 氏 の シンギュラリティ ( 人工 知能 が 爆発 的に 進化 する 技術 的 特異 点 ) に 対する 懸念 や 、 スティーブン ・ ホーキング 氏 の 発言 など 、 恐怖 感 を 煽る 要素 が 重なり 、 さらに 波 が 高く なって いる 。 たとえば 、 第 2 次 ブーム の 主役 である 知識 表現 も 、 第 3 次 ブーム の 主役 である 機械 学習 も 、 本質 的な 技術 の 提案 は 、 第 1 次 ブーム の とき に すでに 起こって いる し 、 逆に 、 第 1 次 ブーム で 主役 だった 推論 や 探索 も 、 第 2 次 ブーム で 主役 だった 知識 表現 も 、 いま でも 重要な 研究 と して 脈々と 継続 さ れて いる 。 いずれ に して も 、 ここ で は 大雑把に 3 回 の ブーム が ある と いう こと を つかんで もらい たい 。

図 4 は 人工 知能 研究 の 見取り図 である 。

図 の 意味 は おいおい 明らかに なる だろう 。

「 人工 知能 ( Artificial Intelligence )」 と いう 言葉 が 初めて 登場 した の は 、1956 年 の 夏 に 米国 東部 の ダートマス で 開催 さ れた 伝説 的な ワークショップ である 。

人間 の ように 考える 機械 を 初めて 「 人工 知能 」 と 呼ぶ こと に した のだ 。

世界 初 の 汎用 電子 式 コンピュータ と して 知ら れる 、1万7000 本 あまり の 真空 管 を 使った 巨大な 計算 機 ENIAC の 誕生 から 10 年 。

その 圧倒 的な 計算 力 を 目 に した 人 たち は 、 コンピュータ が いつしか 人間 より 賢く なる 、 人間 の 能力 を 凌 駕 する だろう と 当然の ように 思った のである 。

ジョン ・ マッカーシー 、 マービン ・ ミンスキー 、 アレン ・ ニューウェル 、 ハーバート ・ サイモン と いう 著名な 4 人 の 学者 も 参加 した この ワークショップ で は 、 コンピュータ に 関する 当時 最新 の 研究 成果 が 発表 さ れ 、 中でも ニューウェル と サイモン に よる 世界 初 の 人工 知能 プログラム と いわ れる 「 ロジック ・ セオリスト 」 の デモンストレーション が 知ら れて いる 。

この プログラム は 自動 的に 定理 を 証明 する プログラム であった 。

この 会議 は 人工 知能 分野 で は 伝説 の 、 いわば 創世 記 の 物語 であり 、4 人 と も 、 人工 知能 研究 者 に とって は 神話 の 世界 の 人物 だ 。

全員 コンピュータ 分野 の ノーベル 賞 と いわ れる チューリング 賞 を 受賞 し 、 サイモン 氏 は ノーベル 経済 学 賞 まで 受賞 して いる 。

私 は 、 スタンフォード 大学 で お じいさん に なった マッカーシー 氏 を 見て 、 ひと り 興奮 して いた もの だ 。

また 、 ミンスキー 氏 が 日本 に 来 られた とき に 勇 躍 インタビュー の 機会 を もらい 、 一緒に 食事 を し ながら 人工 知能 が いつ できる の か と いう 話 も した 。 残念 ながら 、 ニューウェル 氏 は 1992 年 、 サイモン 氏 は 2001 年 、 マッカーシー 氏 は 2011 年 に 亡くなって いる 。 この 時代 、 中心 的な 役割 を 果たした の が 「 推論 」 や 「 探索 」 の 研究 である 。 「 推論 」 は 人間 の 思考 過程 を 記号 で 表現 し 実行 する もの である が 、 処理 と して は 探索 と 近い ので 、 ここ で は 探索 を 説明 しよう 。 探索 を 考える とき は 、 迷路 を 思い浮かべる と わかり やすい 。

図 6 の 上 の ような 迷路 が あった と する 。

これ を 人間 が 解く とき は 、 行き止まり に なる まで 指 や ペン で なぞり ながら 移動 し 、 ゴール を 目指す 。 コンピュータ は このまま で は 解き にくい ので 、 問題 を 図 の 真ん中 の ように 読み 替える 。 スタート ( S ) と ゴール ( G )、 さらに 道 が 分かれる 分岐 点 に ノード ( 頂点 ) を つくって 文字 を 振り ( たとえば A や C )、 行き止まり に も 文字 を 振る ( たとえば B や E )。

まず 、 S から スタート して A に 行く パターン と D に 行く パターン の 2 つ が ある 。

A から は B で 行き止まり の パターン と C に 行く パターン 。 そうして すべて の 解き 方 の パターン を 並べて いく と 、 図 の 下 の ように なる 。 これ を 「 探索 木 」 と 呼ぶ 。

探索 木 は 一般に 下 に 行く ほど 広がって いく 。

目的 が G に たどり着く こと だ と する と 、 G が 出て くる まで 、 探索 木 を 広げて いけば いい こと が わかる であろう 。 そして 、 いったん G が 出て きたら 、 たどって きた ルート を なぞれば 、 それ が 答え に なる 。 この 場合 は 「 S → A → C → G 」 が 正解 だ 。 こっち に 行った 場合 、 あっ ち に 行った 場合 で 、 場合 分け を する 。 そして こっち に 行った 場合 でも また 場合 分け を する 。 そうして どんどん 場合 分け を して いけば 、 いつか 目的 と する 条件 が 出現 する 、 と いう こと だ 。 コンピュータ は 単純な ので 、 こういった 場合 分け を どんどん やれ と 指示 する と 、 いくら でも 場合 分け を する 。 そして 、 いつしか 答え を 見つけて しまう 。

ただし 、 同じ 場合 分け でも 、 やり 方 に よって 効率 が よい 悪い と いう の が ある 。

探索 木 の 広げ 方 は 主に 2 つ あり 、1 つ は 、 とにかく 行ける ところ まで 掘り下げて みて 、 ダメ なら 次の 枝葉 に 移る 「 深 さ 優先 探索 」。 もう 1 つ は 、 同じ 階層 ( 図 中 の 「1 層 目 」「2 層 目 」 が それ に 当たる ) を しらみつぶし に 当たって から 次の 階層 に 進む 「 幅 優先 探索 」 だ 。

幅 優先 探索 なら 、 ゴール まで 最短 距離 で たどり着く 解 が 必ず 見つかる が 、 途中 の ノード を 全部 記憶 して おか なければ いけない ので 、 メモリ が たくさん 必要に なる 。

複雑な 迷路 に なる と 、 記憶 量 が 膨大に なって コンピュータ の 記憶 能力 が 追いつか ない こと も あり える 。 一方 、 深 さ 優先 探索 は 、 必ずしも 最短 の 解 を 最初に 見つける わけで は ない が 、 ダメ なら 一 歩 戻って 次の 枝 に 進めば いい ので 、 メモリ は それ ほど 必要 ない 。 運 が よければ いちはやく 解 が 見つかる が 、 運 が 悪ければ 時間 が かかる 。 どちら も 一長一短 である 。

実際 に は 、 この 2 つ の よい とこ ど り を する ような 方法 や 、 特殊な 問題 に 対して 特別に 早く 解く 方法 など の 研究 が 古くから さ れて いて 、 いま でも そういった 研究 の 一部 が 脈々と 続いて いる 。

有名な 例 と して は 「 ハノイ の 塔 」 が ある 。

何 枚 か 円盤 が 重なって いて 、 この 円盤 を そのまま の 形 で 、 一 番 左 から 一 番 右 まで 移して ください と いう 問題 だ 。

ただし 、2 つ 条件 が ある 。 1 つ は 「 円盤 は 1 枚 ずつ しか 移動 でき ない 」、 もう 1 つ は 「 小さい 円盤 の 上 に 大きい 円盤 を 載せて は いけない 」。 さて 、 どう やって 解けば いい だろう か 。 次 ページ の 図 7 を 見 ながら 考えて みて ほしい 。

まず 1 番 上 の 円盤 を 右 に 入れる 。

2 番 目 の 円盤 は 右 に は 置け ない ( 小さい 円盤 の 上 に 大きい 円盤 を 載せる こと に なる から ) ので 、 真ん中 に 置く 。 3 番 目 の 円盤 は どこ に も 置け ない ので 、 ひとまず 右 に 置いた 1 番 小さな 円盤 を 真ん中 に 置く 。 空いた 右 に 3 番 目 の 円盤 を 移動 する …… と いう ふうに 続けて いって 、 最終 的に すべて の 円盤 を 右 に 移動 する こと が できる 。

この パズル も 、 探索 木 で 解く こと が できる 。

円盤 が 移動 できる すべて の 場合 を 順に 試して いけば いい のである 。 その うち 、 ゴール と なる 状態 、 つまり 右 に 円盤 が 移動 した 状態 に たどり着けば 、 そこ から 逆に たどって いく と 、 答え の 手順 が 得 られる 。 プランニング と 呼ば れる 技術 である 。

たとえば 、 部屋 の 外 に いる ロボット に 「 部屋 の 中 から バッテリー を 持って き なさい 」 と いう 命令 を 与えた と する 。

あらゆる 状況 〈 前提 条件 〉 に ついて 、〈 行動 〉 と 〈 結果 〉 を 記述 して おけば 、 最終 的に ロボット は バッテリー を 部屋 から 持ち出す こと が できる はずだ 。

プランニング の 研究 で は 、〈 前提 条件 ( プリコンディション )〉 と 〈 行動 〉 と 〈 結果 ( ポスト コンディション )〉 と いう 3 つ の 組み合わせ で 記述 する STRIPS ( Stanford Research Institute Problem Solver ) が 有名である 。

1971 年 当時 、 プランニング の 研究 は 、 ロボット を 実際 に 動かす ところ まで は いって おら ず 、 まだ シミュレーション の 段階 に とどまって いた が 、 この STRIPS は 、 実際 の ロボット を 含め 、 その後 の 研究 の 発展 に 大きく 貢献 した 。

また 、 こうした 仕組み を 「 積み木 の 世界 」 の 中 で 完全に 実現 した 研究 も 行わ れた 。

SHRDLU は 、 スタンフォード 大学 の テリー ・ ウィノグラード 氏 が 1970 年 に 開発 した システム で 、「 積み木 の 世界 」 に 存在 する さまざまな 物体 ( ブロック や 球 、 箱 など ) を 、 英語 で 指示 して 動かす こと が できた 。

たとえば 、「 いま 、 あなた が つかんで いる もの より も 高い ブロック を 見つけ 、 それ を 箱 の 上 に 置け 」「 その ブロック を 取り除け 」 など と 指示 して 、 その 通り に 動かす こと が できた のである (「 その 」 と いう 指示 語 の 意味 も 理解 できた )。 「 積み木 の 世界 」 の 中 だけ と は いえ 、 言葉 を 正しく 理解 する こと が できる システム であり 、 人工 知能 の 大きな 成功 例 と さ れた 。

なお 、 この ウィノグラード 氏 は その後 、 ヒューマン ・ コンピューター ・ インタフェース ( HCI ) と いう 領域 に 研究 分野 を 変更 して 、 グーグル の 創業 者 の ひと り 、 ラリー ・ ペイジ 氏 を 育てて いる 。

これ ら の ゲーム も 、 基本 的に は 探索 である 。


人工 知能 は 人間 を 超える か Chapter 02 (1) じんこう|ちのう||にんげん||こえる||chapter Can Artificial Intelligence Surpass Human Intelligence Chapter 02 (1) L'intelligence artificielle dépassera-t-elle l'homme ? Chapitre 02 (1) Czy sztuczna inteligencja przewyższy ludzi Rozdział 02 (1) A inteligência artificial ultrapassará o ser humano Capítulo 02 (1)

ブーム と 冬 の 時代 ぶーむ||ふゆ||じだい Boom and winter era Boom et hiver

いま 注目 を 集める 人工 知能 に ついて 、 第 1 章 で は 、 世の中 に は 「 人工 知能 搭載 」 を うたった 製品 や サービス が 数多く 存在 する 一方 で 、 専門 家 の 間 で は まだまだ 人工 知能 は できて い ない と いう 認識 である こと を 説明 した 。 |ちゅうもく||あつめる|じんこう|ちのう|||だい|しょう|||よのなか|||じんこう|ちのう|とうさい|||せいひん||さーびす||かずおおく|そんざい||いっぽう||せんもん|いえ||あいだ||||じんこう|ちのう|||||||にんしき||||せつめい| Regarding artificial intelligence, which is currently attracting attention, in Chapter 1, there are many products and services in the world that claim to be "equipped with artificial intelligence," but there is still no artificial intelligence among experts. I explained that it is a recognition.

で は 、 なぜ いまだに 人工 知能 が 実現 できて い ない のだろう か 。 ||||じんこう|ちのう||じつげん||||| So why hasn't artificial intelligence been realized yet? Alors, pourquoi l'intelligence artificielle n'est-elle pas encore réalisée?

その 答え を 紐解く ため に 、 人工 知能 の 歴史 を 、 順 を 追って たどって いこう 。 |こたえ||ひもとく|||じんこう|ちのう||れきし||じゅん||おって|| In order to unravel the answer, let's follow the history of artificial intelligence step by step. Afin de démêler la réponse, je suivrai l’histoire de l’intelligence artificielle dans l’ordre. くわしく は 後 ほど 説明 する ので 、 まずは 大まかに 把握 して もらう だけ で 十分である 。 ||あと||せつめい||||おおまかに|はあく|||||じゅうぶんである I'll explain in detail later, so it's enough to get a rough idea first. Comme je l'expliquerai plus en détail, il suffit d'abord d'avoir une bonne compréhension.

人工 知能 研究 は 、 これ まで 「 ブーム 」 と 「 冬 の 時代 」 を 繰り返して きた 。 じんこう|ちのう|けんきゅう||||ぶーむ||ふゆ||じだい||くりかえして| Artificial intelligence research has repeated the “boom” and “winter era”. La recherche sur l'intelligence artificielle a répété jusqu'à présent «boom» et «hiver».

第 1 次 AI ブーム は 1950 年 代 後半 ~1960 年 代 。 だい|つぎ|ai|ぶーむ||とし|だい|こうはん|とし|だい The first AI boom was in the late 1950s and 1960s.

コンピュータ で 「 推論 ・ 探索 」 を する こと で 特定 の 問題 を 解く 研究 が 進んだ 。 こんぴゅーた||すいろん|たんさく|||||とくてい||もんだい||とく|けんきゅう||すすんだ Research has progressed to solve specific problems by performing "inference / search" on a computer. Recherche sur la résolution de problèmes spécifiques progressant par "inférence / recherche" sur des ordinateurs. しかし 、 いわゆる 「 トイ ・ プロブレム 」( おもちゃ の 問題 )」 は 解けて も 、 複雑な 現実 の 問題 は 解け ない こと が 明らかに なった 結果 、 ブーム は 急速に 冷め 、1970 年 代 に は 人工 知能 研究 は 冬 の 時代 を 迎えた 。 ||||||もんだい||とけて||ふくざつな|げんじつ||もんだい||とけ||||あきらかに||けっか|ぶーむ||きゅうそくに|さめ|とし|だい|||じんこう|ちのう|けんきゅう||ふゆ||じだい||むかえた However, as a result of the fact that even if the so-called "toy problem" (toy problem) can be solved, it becomes clear that the problem of complex reality cannot be solved, the boom has cooled rapidly, and artificial intelligence research began in the 1970s. The winter era has arrived. Cependant, en révélant que des problèmes de réalité compliqués ne peuvent pas être résolus même en résolvant ce que l'on appelle le "problème du jouet" (problème du jouet), le boom s'est rapidement refroidi et dans les années 1970, la recherche en intelligence artificielle Il a atteint l'ère de l'hiver.

第 2 次 ブーム は 1980 年 代 であり 、 コンピュータ に 「 知識 」 を 入れる と 賢く なる と いう アプローチ が 全盛 を 迎え 、 エキスパート システム と 呼ば れる 実用 的な システム が たくさん つくら れた 。 だい|つぎ|ぶーむ||とし|だい||こんぴゅーた||ちしき||いれる||かしこく||||あぷろーち||ぜんせい||むかえ|えきすぱーと|しすてむ||よば||じつよう|てきな|しすてむ|||| The second boom was in the 1980s, and the approach of getting smarter by putting "knowledge" into computers became popular, and many practical systems called expert systems were created. Le deuxième essor a eu lieu dans les années 1980 et l’approche consistant à devenir plus intelligent lors de la saisie de «connaissances» dans l’ordinateur est devenue primordiale, et de nombreux systèmes pratiques appelés systèmes experts ont été créés.

しかし 、 知識 を 記述 、 管理 する こと の 大変 さ が 明らかに なって くる と 、1995 年 ごろ に は ふたたび AI は 冬 の 時代 に 突入 して しまう 。 |ちしき||きじゅつ|かんり||||たいへん|||あきらかに||||とし|||||ai||ふゆ||じだい||とつにゅう|| However, when it became clear that it was difficult to describe and manage knowledge, AI would once again enter the winter era around 1995. Cependant, lorsque la difficulté de décrire et de gérer les connaissances est devenue évidente, vers 1995, Amnesty International est revenue dans l’ère de l’hiver.

一方 、1990 年 代 半ば の 検索 エンジン の 誕生 以降 、 インターネット が 爆発 的に 普及 し 、2000 年 代 に 入る と 、 ウェブ の 広がり と ともに 大量の データ を 用いた 「 機械 学習 」 が 静かに 広がって きた 。 いっぽう|とし|だい|なかば||けんさく|えんじん||たんじょう|いこう|いんたーねっと||ばくはつ|てきに|ふきゅう||とし|だい||はいる||||ひろがり|||たいりょうの|でーた||もちいた|きかい|がくしゅう||しずかに|ひろがって| On the other hand, since the birth of the search engine in the mid-1990s, the Internet has exploded, and in the 2000s, "machine learning" using a large amount of data has quietly spread along with the spread of the Web. Pendant ce temps, depuis la création du moteur de recherche au milieu des années 1990, Internet s'est répandu de manière explosive et, dans les années 2000, le "machine learning" utilisant une grande quantité de données

そして 現在 、 AI 研究 は 3 回 目 の ブーム に 差しかかって いる 。 |げんざい|ai|けんきゅう||かい|め||ぶーむ||さしかかって| And now, AI research is approaching its third boom. Et maintenant, la recherche sur l'IA approche du troisième boom.

第 3 次 AI ブーム は 、 図 3 の ように ビッグ データ の 時代 に 広がった 機械 学習 と 、 技術 的に 大きな ブレークスルー である ディープラーニング ( 特徴 表現 学習 ) の 2 つ の 大波 が 重なって 生まれて いる 。 だい|つぎ|ai|ぶーむ||ず|||びっぐ|でーた||じだい||ひろがった|きかい|がくしゅう||ぎじゅつ|てきに|おおきな||||とくちょう|ひょうげん|がくしゅう||||おおなみ||かさなって|うまれて| As shown in Fig. 3, the third AI boom is created by the combination of two major waves: machine learning, which has spread in the era of big data, and deep learning (feature expression learning), which is a technologically large breakthrough. Le boom de l'IA tertiaire est né de deux vagues majeures d'apprentissage automatique à l'ère du big data et de l'apprentissage en profondeur, ce qui constitue une avancée technique importante (apprentissage des expressions caractéristiques), comme le montre la Fig. 3.

そこ に 、 IBM の ワトソンプロジェクト や 将棋 電 王 戦 など 、 象徴 的な 出来事 が 重なり 、 また 、 前述 の レイ ・ カーツワイル 氏 の シンギュラリティ ( 人工 知能 が 爆発 的に 進化 する 技術 的 特異 点 ) に 対する 懸念 や 、 スティーブン ・ ホーキング 氏 の 発言 など 、 恐怖 感 を 煽る 要素 が 重なり 、 さらに 波 が 高く なって いる 。 ||ibm||||しょうぎ|いなずま|おう|いくさ||しょうちょう|てきな|できごと||かさなり||ぜんじゅつ||れい||うじ|||じんこう|ちのう||ばくはつ|てきに|しんか||ぎじゅつ|てき|とくい|てん||たいする|けねん||||うじ||はつげん||きょうふ|かん||あおる|ようそ||かさなり||なみ||たかく|| There are overlapping symbolic events such as IBM's Watson project and the Shogi Den-O war, and there are concerns about Ray Kurzweil's singularity (the technological singularity of the explosive evolution of artificial intelligence). And, the elements that incite fear, such as Stephen Hawking's remarks, overlap, and the waves are getting higher. Des événements symboliques tels que le projet Watson d'IBM et de Shogi Denshi se chevauchent et des préoccupations concernant la singularité de M. Ray Kurzweil (singularité artificielle où l'intelligence artificielle évolue de manière explosive). Et les remarques de M. Stephen Hawking, les éléments qui craignent le sentiment de peur se recoupent et la vague monte. たとえば 、 第 2 次 ブーム の 主役 である 知識 表現 も 、 第 3 次 ブーム の 主役 である 機械 学習 も 、 本質 的な 技術 の 提案 は 、 第 1 次 ブーム の とき に すでに 起こって いる し 、 逆に 、 第 1 次 ブーム で 主役 だった 推論 や 探索 も 、 第 2 次 ブーム で 主役 だった 知識 表現 も 、 いま でも 重要な 研究 と して 脈々と 継続 さ れて いる 。 |だい|つぎ|ぶーむ||しゅやく||ちしき|ひょうげん||だい|つぎ|ぶーむ||しゅやく||きかい|がくしゅう||ほんしつ|てきな|ぎじゅつ||ていあん||だい|つぎ|ぶーむ|||||おこって|||ぎゃくに|だい|つぎ|ぶーむ||しゅやく||すいろん||たんさく||だい|つぎ|ぶーむ||しゅやく||ちしき|ひょうげん||||じゅうような|けんきゅう|||みゃくみゃくと|けいぞく||| For example, knowledge representation, which is the protagonist of the second boom, and machine learning, which is the protagonist of the third boom, are essential technological proposals that have already occurred during the first boom, and vice versa. The reasoning and exploration that played a leading role in the first boom, and the knowledge representation that played a leading role in the second boom, are still continuing as important research. いずれ に して も 、 ここ で は 大雑把に 3 回 の ブーム が ある と いう こと を つかんで もらい たい 。 |||||||おおざっぱに|かい||ぶーむ||||||||| In any case, I would like you to grasp that there are roughly three booms here.

図 4 は 人工 知能 研究 の 見取り図 である 。 ず||じんこう|ちのう|けんきゅう||みとりず| Figure 4 is a sketch of artificial intelligence research.

図 の 意味 は おいおい 明らかに なる だろう 。 ず||いみ|||あきらかに|| The meaning of the diagram will soon become clear.

「 人工 知能 ( Artificial Intelligence )」 と いう 言葉 が 初めて 登場 した の は 、1956 年 の 夏 に 米国 東部 の ダートマス で 開催 さ れた 伝説 的な ワークショップ である 。 じんこう|ちのう|artificial|intelligence|||ことば||はじめて|とうじょう||||とし||なつ||べいこく|とうぶ||||かいさい|||でんせつ|てきな|わーくしょっぷ| The term "artificial intelligence" first appeared in the summer of 1956 at a legendary workshop in Dartmouth, in the eastern United States.

人間 の ように 考える 機械 を 初めて 「 人工 知能 」 と 呼ぶ こと に した のだ 。 にんげん|||かんがえる|きかい||はじめて|じんこう|ちのう||よぶ|||| For the first time, we decided to call a machine that thinks like a human "artificial intelligence".

世界 初 の 汎用 電子 式 コンピュータ と して 知ら れる 、1万7000 本 あまり の 真空 管 を 使った 巨大な 計算 機 ENIAC の 誕生 から 10 年 。 せかい|はつ||はんよう|でんし|しき|こんぴゅーた|||しら||よろず|ほん|||しんくう|かん||つかった|きょだいな|けいさん|き|eniac||たんじょう||とし Ten years have passed since the birth of ENIAC, a huge computer that uses more than 17,000 vacuum tubes, known as the world's first general-purpose electronic computer.

その 圧倒 的な 計算 力 を 目 に した 人 たち は 、 コンピュータ が いつしか 人間 より 賢く なる 、 人間 の 能力 を 凌 駕 する だろう と 当然の ように 思った のである 。 |あっとう|てきな|けいさん|ちから||め|||じん|||こんぴゅーた|||にんげん||かしこく||にんげん||のうりょく||しの|が||||とうぜんの||おもった| Those who witnessed its overwhelming computing power took it for granted that computers would eventually become smarter than humans, surpassing human abilities.

ジョン ・ マッカーシー 、 マービン ・ ミンスキー 、 アレン ・ ニューウェル 、 ハーバート ・ サイモン と いう 著名な 4 人 の 学者 も 参加 した この ワークショップ で は 、 コンピュータ に 関する 当時 最新 の 研究 成果 が 発表 さ れ 、 中でも ニューウェル と サイモン に よる 世界 初 の 人工 知能 プログラム と いわ れる 「 ロジック ・ セオリスト 」 の デモンストレーション が 知ら れて いる 。 じょん|まっかーしー|||||||||ちょめいな|じん||がくしゃ||さんか|||わーくしょっぷ|||こんぴゅーた||かんする|とうじ|さいしん||けんきゅう|せいか||はっぴょう|||なかでも||||||せかい|はつ||じんこう|ちのう|ぷろぐらむ|||||||||しら|| The workshop, which was attended by four prominent scholars, John McCarthy, Marvin Minsky, Allen Newell, and Herbert Simon, presented the latest research findings on computers at the time, especially with Newell. A demonstration of "Logic Theorist", which is said to be the world's first artificial intelligence program by Simon, is known.

この プログラム は 自動 的に 定理 を 証明 する プログラム であった 。 |ぷろぐらむ||じどう|てきに|ていり||しょうめい||ぷろぐらむ| This program was a program that automatically proved the theorem.

この 会議 は 人工 知能 分野 で は 伝説 の 、 いわば 創世 記 の 物語 であり 、4 人 と も 、 人工 知能 研究 者 に とって は 神話 の 世界 の 人物 だ 。 |かいぎ||じんこう|ちのう|ぶんや|||でんせつ|||そうせい|き||ものがたり||じん|||じんこう|ちのう|けんきゅう|もの||||しんわ||せかい||じんぶつ| This conference is a legendary story in the field of artificial intelligence, so to speak, the story of the Book of Genesis, and all four are people in the mythical world for artificial intelligence researchers.

全員 コンピュータ 分野 の ノーベル 賞 と いわ れる チューリング 賞 を 受賞 し 、 サイモン 氏 は ノーベル 経済 学 賞 まで 受賞 して いる 。 ぜんいん|こんぴゅーた|ぶんや||のーべる|しょう||||ちゅーりんぐ|しょう||じゅしょう|||うじ||のーべる|けいざい|まな|しょう||じゅしょう|| All have won the Turing Award, the Nobel Prize in the field of computers, and Simon has even won the Nobel Prize in Economics.

私 は 、 スタンフォード 大学 で お じいさん に なった マッカーシー 氏 を 見て 、 ひと り 興奮 して いた もの だ 。 わたくし||すたんふぉーど|だいがく||||||まっかーしー|うじ||みて|||こうふん|||| I was a little excited to see Mr. McCarthy, who became an old man at Stanford University.

また 、 ミンスキー 氏 が 日本 に 来 られた とき に 勇 躍 インタビュー の 機会 を もらい 、 一緒に 食事 を し ながら 人工 知能 が いつ できる の か と いう 話 も した 。 ||うじ||にっぽん||らい||||いさみ|おど|いんたびゅー||きかい|||いっしょに|しょくじ||||じんこう|ちのう||||||||はなし|| He also had the opportunity to have a brave interview when Mr. Minsky came to Japan, and talked about when he could have artificial intelligence while eating with him. 残念 ながら 、 ニューウェル 氏 は 1992 年 、 サイモン 氏 は 2001 年 、 マッカーシー 氏 は 2011 年 に 亡くなって いる 。 ざんねん|||うじ||とし||うじ||とし|まっかーしー|うじ||とし||なくなって| Unfortunately, Newell died in 1992, Simon died in 2001, and McCarthy died in 2011. この 時代 、 中心 的な 役割 を 果たした の が 「 推論 」 や 「 探索 」 の 研究 である 。 |じだい|ちゅうしん|てきな|やくわり||はたした|||すいろん||たんさく||けんきゅう| Research on "reasoning" and "searching" played a central role in this era. 「 推論 」 は 人間 の 思考 過程 を 記号 で 表現 し 実行 する もの である が 、 処理 と して は 探索 と 近い ので 、 ここ で は 探索 を 説明 しよう 。 すいろん||にんげん||しこう|かてい||きごう||ひょうげん||じっこう|||||しょり||||たんさく||ちかい|||||たんさく||せつめい| “Inference” expresses and executes human thought processes with symbols, but the processing is similar to search, so let's explain search here. 探索 を 考える とき は 、 迷路 を 思い浮かべる と わかり やすい 。 たんさく||かんがえる|||めいろ||おもいうかべる||| When thinking about exploration, it's easier to think of a maze.

図 6 の 上 の ような 迷路 が あった と する 。 ず||うえ|||めいろ|||| Suppose that there is a maze like the one in Figure 6.

これ を 人間 が 解く とき は 、 行き止まり に なる まで 指 や ペン で なぞり ながら 移動 し 、 ゴール を 目指す 。 ||にんげん||とく|||いきどまり||||ゆび||ぺん||||いどう||ごーる||めざす When humans solve this, they move while tracing with their fingers or pens until they reach a dead end, aiming for the goal. コンピュータ は このまま で は 解き にくい ので 、 問題 を 図 の 真ん中 の ように 読み 替える 。 こんぴゅーた|||||とき|||もんだい||ず||まんなか|||よみ|かえる The computer is difficult to solve as it is, so the problem is read as shown in the middle of the figure. スタート ( S ) と ゴール ( G )、 さらに 道 が 分かれる 分岐 点 に ノード ( 頂点 ) を つくって 文字 を 振り ( たとえば A や C )、 行き止まり に も 文字 を 振る ( たとえば B や E )。 すたーと|s||ごーる|g||どう||わかれる|ぶんき|てん|||ちょうてん|||もじ||ふり||a||c|いきどまり|||もじ||ふる||b||e Create a node (vertex) at the start (S) and goal (G), and at the branch point where the road divides, and shake the letter (for example, A or C), and also shake the letter at the dead end (for example, B or E).

まず 、 S から スタート して A に 行く パターン と D に 行く パターン の 2 つ が ある 。 |s||すたーと||a||いく|ぱたーん||d||いく|ぱたーん|||| First, there are two patterns, one starting from S and going to A, and the other going to D.

A から は B で 行き止まり の パターン と C に 行く パターン 。 a|||b||いきどまり||ぱたーん||c||いく|ぱたーん From A, B is a dead end pattern and C is a pattern. そうして すべて の 解き 方 の パターン を 並べて いく と 、 図 の 下 の ように なる 。 |||とき|かた||ぱたーん||ならべて|||ず||した||| Then, when the patterns of all the solutions are arranged side by side, it becomes as shown at the bottom of the figure. これ を 「 探索 木 」 と 呼ぶ 。 ||たんさく|き||よぶ This is called a "search tree".

探索 木 は 一般に 下 に 行く ほど 広がって いく 。 たんさく|き||いっぱんに|した||いく||ひろがって| The search tree generally expands as you go down.

目的 が G に たどり着く こと だ と する と 、 G が 出て くる まで 、 探索 木 を 広げて いけば いい こと が わかる であろう 。 もくてき||g||たどりつく||||||g||でて|||たんさく|き||ひろげて|||||| If the purpose is to reach G, then you will find that you should expand the search tree until G comes out. そして 、 いったん G が 出て きたら 、 たどって きた ルート を なぞれば 、 それ が 答え に なる 。 ||g||でて||||るーと|||||こたえ|| And once G comes out, trace the route you've followed and that's the answer. この 場合 は 「 S → A → C → G 」 が 正解 だ 。 |ばあい||s|a|c|g||せいかい| In this case, the correct answer is "S → A → C → G". こっち に 行った 場合 、 あっ ち に 行った 場合 で 、 場合 分け を する 。 ||おこなった|ばあい||||おこなった|ばあい||ばあい|わけ|| If you go here, if you go there, you can divide the case. そして こっち に 行った 場合 でも また 場合 分け を する 。 |||おこなった|ばあい|||ばあい|わけ|| And even if you go over here, you will be divided into cases. そうして どんどん 場合 分け を して いけば 、 いつか 目的 と する 条件 が 出現 する 、 と いう こと だ 。 ||ばあい|わけ|||||もくてき|||じょうけん||しゅつげん||||| Then, if you continue to divide the case, the target condition will appear someday. コンピュータ は 単純な ので 、 こういった 場合 分け を どんどん やれ と 指示 する と 、 いくら でも 場合 分け を する 。 こんぴゅーた||たんじゅんな|||ばあい|わけ|||||しじ|||||ばあい|わけ|| Computers are simple, so if you instruct them to do more and more of these cases, they will do whatever they want. そして 、 いつしか 答え を 見つけて しまう 。 ||こたえ||みつけて| And someday I will find the answer.

ただし 、 同じ 場合 分け でも 、 やり 方 に よって 効率 が よい 悪い と いう の が ある 。 |おなじ|ばあい|わけ|||かた|||こうりつ|||わるい||||| However, even in the same case, there are cases where efficiency is good or bad depending on how it is done.

探索 木 の 広げ 方 は 主に 2 つ あり 、1 つ は 、 とにかく 行ける ところ まで 掘り下げて みて 、 ダメ なら 次の 枝葉 に 移る 「 深 さ 優先 探索 」。 たんさく|き||ひろげ|かた||おもに||||||いける|||ほりさげて||だめ||つぎの|えだは||うつる|ふか||ゆうせん|たんさく There are two main ways to expand a search tree, one is to dig down to the point where you can go anyway, and if it doesn't work, move on to the next branch or leaf "Depth-first search". もう 1 つ は 、 同じ 階層 ( 図 中 の 「1 層 目 」「2 層 目 」 が それ に 当たる ) を しらみつぶし に 当たって から 次の 階層 に 進む 「 幅 優先 探索 」 だ 。 |||おなじ|かいそう|ず|なか||そう|め|そう|め||||あたる||||あたって||つぎの|かいそう||すすむ|はば|ゆうせん|たんさく| The other is "breadth-first search", which advances to the next layer after squeezing the same layer (the "1st layer" and "2nd layer" in the figure correspond to it).

幅 優先 探索 なら 、 ゴール まで 最短 距離 で たどり着く 解 が 必ず 見つかる が 、 途中 の ノード を 全部 記憶 して おか なければ いけない ので 、 メモリ が たくさん 必要に なる 。 はば|ゆうせん|たんさく||ごーる||さいたん|きょり||たどりつく|かい||かならず|みつかる||とちゅう||||ぜんぶ|きおく|||||||||ひつように| Breadth-first search always finds the solution to reach the goal in the shortest distance, but it requires a lot of memory because all the nodes in the middle must be memorized.

複雑な 迷路 に なる と 、 記憶 量 が 膨大に なって コンピュータ の 記憶 能力 が 追いつか ない こと も あり える 。 ふくざつな|めいろ||||きおく|りょう||ぼうだいに||こんぴゅーた||きおく|のうりょく||おいつか||||| In a complex maze, the amount of memory can be so great that the computer's memory capacity can't keep up. 一方 、 深 さ 優先 探索 は 、 必ずしも 最短 の 解 を 最初に 見つける わけで は ない が 、 ダメ なら 一 歩 戻って 次の 枝 に 進めば いい ので 、 メモリ は それ ほど 必要 ない 。 いっぽう|ふか||ゆうせん|たんさく||かならずしも|さいたん||かい||さいしょに|みつける|||||だめ||ひと|ふ|もどって|つぎの|えだ||すすめば|||||||ひつよう| Depth-first search, on the other hand, does not always find the shortest solution first, but if it doesn't work, you can go one step further and move on to the next branch, so you don't need that much memory. 運 が よければ いちはやく 解 が 見つかる が 、 運 が 悪ければ 時間 が かかる 。 うん||||かい||みつかる||うん||わるければ|じかん|| If you are lucky, you will find a solution quickly, but if you are unlucky, it will take time. どちら も 一長一短 である 。 ||いっちょういったん| Both have their advantages and disadvantages.

実際 に は 、 この 2 つ の よい とこ ど り を する ような 方法 や 、 特殊な 問題 に 対して 特別に 早く 解く 方法 など の 研究 が 古くから さ れて いて 、 いま でも そういった 研究 の 一部 が 脈々と 続いて いる 。 じっさい|||||||||||||ほうほう||とくしゅな|もんだい||たいして|とくべつに|はやく|とく|ほうほう|||けんきゅう||ふるくから|||||||けんきゅう||いちぶ||みゃくみゃくと|つづいて| In fact, there have been many studies for a long time, such as methods to do the best of these two, and methods to solve special problems very quickly, and some of these studies are still ongoing. It continues with.

有名な 例 と して は 「 ハノイ の 塔 」 が ある 。 ゆうめいな|れい||||はのい||とう|| A famous example is the Tower of Hanoi.

何 枚 か 円盤 が 重なって いて 、 この 円盤 を そのまま の 形 で 、 一 番 左 から 一 番 右 まで 移して ください と いう 問題 だ 。 なん|まい||えんばん||かさなって|||えんばん||||かた||ひと|ばん|ひだり||ひと|ばん|みぎ||うつして||||もんだい| The problem is that there are several discs on top of each other, and you should move these discs as they are from the leftmost to the rightmost.

ただし 、2 つ 条件 が ある 。 ||じょうけん|| However, there are two conditions. 1 つ は 「 円盤 は 1 枚 ずつ しか 移動 でき ない 」、 もう 1 つ は 「 小さい 円盤 の 上 に 大きい 円盤 を 載せて は いけない 」。 ||えんばん||まい|||いどう||||||ちいさい|えんばん||うえ||おおきい|えんばん||のせて|| One is "a disk can only be moved one by one" and the other is "a large disk must not be placed on top of a small disk". さて 、 どう やって 解けば いい だろう か 。 |||とけば||| Now, how can I solve it? 次 ページ の 図 7 を 見 ながら 考えて みて ほしい 。 つぎ|ぺーじ||ず||み||かんがえて|| Please think while looking at Figure 7 on the next page.

まず 1 番 上 の 円盤 を 右 に 入れる 。 |ばん|うえ||えんばん||みぎ||いれる First, put the top disc on the right.

2 番 目 の 円盤 は 右 に は 置け ない ( 小さい 円盤 の 上 に 大きい 円盤 を 載せる こと に なる から ) ので 、 真ん中 に 置く 。 ばん|め||えんばん||みぎ|||おけ||ちいさい|えんばん||うえ||おおきい|えんばん||のせる||||||まんなか||おく The second disk cannot be placed on the right (because the larger disk would be placed on top of the smaller disk), so it is placed in the middle. 3 番 目 の 円盤 は どこ に も 置け ない ので 、 ひとまず 右 に 置いた 1 番 小さな 円盤 を 真ん中 に 置く 。 ばん|め||えんばん|||||おけ||||みぎ||おいた|ばん|ちいさな|えんばん||まんなか||おく The third disk cannot be placed anywhere, so the smallest disk on the right is placed in the middle. 空いた 右 に 3 番 目 の 円盤 を 移動 する …… と いう ふうに 続けて いって 、 最終 的に すべて の 円盤 を 右 に 移動 する こと が できる 。 あいた|みぎ||ばん|め||えんばん||いどう|||||つづけて||さいしゅう|てきに|||えんばん||みぎ||いどう|||| Move the third disk to the vacant right ...... and so on, and finally all disks can be moved to the right.

この パズル も 、 探索 木 で 解く こと が できる 。 |ぱずる||たんさく|き||とく||| This puzzle can also be solved with a search tree.

円盤 が 移動 できる すべて の 場合 を 順に 試して いけば いい のである 。 えんばん||いどう||||ばあい||じゅんに|ためして||| All you have to do is try all the cases where the disk can move. その うち 、 ゴール と なる 状態 、 つまり 右 に 円盤 が 移動 した 状態 に たどり着けば 、 そこ から 逆に たどって いく と 、 答え の 手順 が 得 られる 。 ||ごーる|||じょうたい||みぎ||えんばん||いどう||じょうたい||たどりつけば|||ぎゃくに||||こたえ||てじゅん||とく| If you reach the goal state, that is, the state in which the disk has moved to the right, and then follow in the opposite direction, you will get the answer procedure. プランニング と 呼ば れる 技術 である 。 ||よば||ぎじゅつ| It is a technique called planning.

たとえば 、 部屋 の 外 に いる ロボット に 「 部屋 の 中 から バッテリー を 持って き なさい 」 と いう 命令 を 与えた と する 。 |へや||がい|||ろぼっと||へや||なか||ばってりー||もって|||||めいれい||あたえた|| For example, a robot outside a room is given the command, "Follow the battery from inside the room.

あらゆる 状況 〈 前提 条件 〉 に ついて 、〈 行動 〉 と 〈 結果 〉 を 記述 して おけば 、 最終 的に ロボット は バッテリー を 部屋 から 持ち出す こと が できる はずだ 。 |じょうきょう|ぜんてい|じょうけん|||こうどう||けっか||きじゅつ|||さいしゅう|てきに|ろぼっと||ばってりー||へや||もちだす|||| By describing the <action> and <result> for all situations <prerequisites>, the robot should eventually be able to remove the battery from the room.

プランニング の 研究 で は 、〈 前提 条件 ( プリコンディション )〉 と 〈 行動 〉 と 〈 結果 ( ポスト コンディション )〉 と いう 3 つ の 組み合わせ で 記述 する STRIPS ( Stanford Research Institute Problem Solver ) が 有名である 。 ||けんきゅう|||ぜんてい|じょうけん|||こうどう||けっか|ぽすと|こんでぃしょん|||||くみあわせ||きじゅつ||strips|stanford|research|institute|problem|solver||ゆうめいである In planning research, STRIPS (Stanford Research Institute Problem Solver) is well known for its combination of preconditions, actions, and results (postconditions).

1971 年 当時 、 プランニング の 研究 は 、 ロボット を 実際 に 動かす ところ まで は いって おら ず 、 まだ シミュレーション の 段階 に とどまって いた が 、 この STRIPS は 、 実際 の ロボット を 含め 、 その後 の 研究 の 発展 に 大きく 貢献 した 。 とし|とうじ|||けんきゅう||ろぼっと||じっさい||うごかす||||||||しみゅれーしょん||だんかい||||||strips||じっさい||ろぼっと||ふくめ|そのご||けんきゅう||はってん||おおきく|こうけん| At the time of 1971, planning research did not go to the point of actually moving the robot, and it was still in the simulation stage, but this STRIPS, including the actual robot, greatly contributed to the development of subsequent research. did .

また 、 こうした 仕組み を 「 積み木 の 世界 」 の 中 で 完全に 実現 した 研究 も 行わ れた 。 ||しくみ||つみき||せかい||なか||かんぜんに|じつげん||けんきゅう||おこなわ| In addition, research was conducted that fully realized such a mechanism in the “world of building blocks”.

SHRDLU は 、 スタンフォード 大学 の テリー ・ ウィノグラード 氏 が 1970 年 に 開発 した システム で 、「 積み木 の 世界 」 に 存在 する さまざまな 物体 ( ブロック や 球 、 箱 など ) を 、 英語 で 指示 して 動かす こと が できた 。 shrdlu||すたんふぉーど|だいがく||||うじ||とし||かいはつ||しすてむ||つみき||せかい||そんざい|||ぶったい|ぶろっく||たま|はこ|||えいご||しじ||うごかす||| SHRDLU is a system developed by Terry Winograd of Stanford University in 1970, and can move various objects (blocks, spheres, boxes, etc.) existing in the "building block world" by instructing them in English. Ta.

たとえば 、「 いま 、 あなた が つかんで いる もの より も 高い ブロック を 見つけ 、 それ を 箱 の 上 に 置け 」「 その ブロック を 取り除け 」 など と 指示 して 、 その 通り に 動かす こと が できた のである (「 その 」 と いう 指示 語 の 意味 も 理解 できた )。 |||||||||たかい|ぶろっく||みつけ|||はこ||うえ||おけ||ぶろっく||とりのけ|||しじ|||とおり||うごかす||||||||しじ|ご||いみ||りかい| For example, I was able to move it that way by telling it to "find a block higher than what you are holding and put it on the box" and "remove that block" ("" I also understood the meaning of the demonstrative word "that"). 「 積み木 の 世界 」 の 中 だけ と は いえ 、 言葉 を 正しく 理解 する こと が できる システム であり 、 人工 知能 の 大きな 成功 例 と さ れた 。 つみき||せかい||なか|||||ことば||まさしく|りかい|||||しすてむ||じんこう|ちのう||おおきな|せいこう|れい||| Although it is only in the "world of building blocks", it is a system that can understand words correctly, and it was regarded as a great success example of artificial intelligence.

なお 、 この ウィノグラード 氏 は その後 、 ヒューマン ・ コンピューター ・ インタフェース ( HCI ) と いう 領域 に 研究 分野 を 変更 して 、 グーグル の 創業 者 の ひと り 、 ラリー ・ ペイジ 氏 を 育てて いる 。 |||うじ||そのご|ひゅーまん|こんぴゅーたー||hci|||りょういき||けんきゅう|ぶんや||へんこう||||そうぎょう|もの||||らりー||うじ||そだてて| After that, Mr. Winograd changed his research field to the area of human-computer interface (HCI) and raised Mr. Larry Page, one of the founders of Google.

これ ら の ゲーム も 、 基本 的に は 探索 である 。 |||げーむ||きほん|てきに||たんさく| These games are also basically exploration.