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この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (KonoSuba), この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (22)

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (22)

俺 の スティール ぐらい で は ……。

…… と 、 ベルディア が 、 俺 に 呪い を 掛ける より 早く 。

「 私 の 仲間 に 手 を 出す な ! 普段 は クール な ダクネス が 、 珍しく 感情 を 表 に 出して 、 叫ぶ と 同時 、 当たら ない 重い 大 剣 を 投げ捨てて 、 ベルディア に 向かって 肩 口 から 体当たり した 。

だが ベルディア は 、 凍った 足場 に も かかわら ず それ すら も 易 々 と 身 を かわし 、 余裕 たっぷり に 大 剣 を 握り締める 。

ダクネス は 飛びかかる ため に 、 重い 剣 を 投げて しまった 。

つまり 、 ベルディア の 剣 から 身 を 守る 物 が 無い 。

気 が 付く と 、 俺 は 周り に 叫んで いた 。

「 盗賊 、 頼む ー ! 万 に 一 つ 、 こいつ から 剣 を 奪っち まえば 俺 達 の 勝ち だ ! スティール 使える 奴 は 協力 して くれっ! もしかしたら 、 俺 より も レベル が 高く 、 運 が 強い 奴 が いる かも 知れ ない 。

いつの間にか 潜伏 スキル で 近寄って 来て いた 盗賊 達 が 、 俺 の 呼びかけ に 、 そこかしこ から 姿 を 現した 。

「「「『 スティール 』 ッ ! 」」」

だが 、 次々 と 仕掛けられる スティール は 効果 を 見せ ず 。 ベルディア は 、 もはや 群がる 俺 達 を 気 に する 様子 も なく 、 無防備に なった ダクネス へ と 剣 を 構え ……、 そして 、 持って いた 自分 の 首 を 再び 高々 と 放 り 上げた 。

「「 ああっ!?」」 それ を 見た 冒険 者 達 から 悲鳴 が 上がる 。 ベルディア が 首 を 投げた 後 は 、 両手 を 使って の 、 あの 凄ま じい 連 撃 が 始まる から だ 。

「…… くっ……! それ を 見た ダクネス が 、 小さく 呻く 。

や ばい や ばい や ばい や ばい !

こんな 時 どう すれば いい !?

俺 に は 特殊な 力 も 無ければ 秘め られた 才能 も 無い 。

人 に 胸 を 張って 誇れる ような もの も 無ければ 、 こんな 場面 で 役立つ 技術 も 無い 。

ある の は 人 より 恵まれた 運 の 良 さ 。

後 は 、 子供 の 頃 から 培って きた ゲーム の 知識 。

毎日 ゲーム に ハマって 怠けて いた ツケ が 、 こんな ところ で 回って きた 。 大喜び で 渡って 来た この 異 世界 で 、 このまま 何も 出来 ず に 終わる の か ?

「 ダクネス が ! カズマ 、 ダクネス が ! 俺 の 後ろ で めぐみ ん が 悲痛に 叫ぶ 。

思い出せ ! 相手 は デュラハン だ 、 ロールプレイングゲーム で は 何 が 弱点 だった ?

俺 の 取り柄 と 言ったら 、 ネット ゲーム の 対人 戦 で 、 相手 が 嫌がる 攻撃 方法 を 即座に 見抜く 事 ぐらい だ 。

あいつ を よく 観察 しろ 。

…… 何で あいつ は 、 俺 の 出した 水 を 大袈裟に 避けた ?

…………。

…… 流れる 水 。

それ は 、 メジャーアンデッドモンスター 、 ヴァンパイア も 苦手 と する 物 。

なら 、 あの デュラハン は ?

「 なかなか に 楽しめた よ クルセイダー ! 元 騎士 と して 、 貴 公 と 手 合わせ 出来た 事 に 魔 王様 と 邪 神 に 感謝 を 捧げよう ! さあ 、 これ で ……! 「『 クリエイト ・ ウォーター 』 ッッッ ! 「!?」

正に 今 、 ダクネス に 斬り かかろう と した ベルディア は ……。

ダクネス に 突っ込む 事 は せ ず 、 その 場 に 足 を 止め 。

結局 、 攻撃 する 事 無く 落ちて きた 自分 の 首 を 受け止めた 。

「………… カズマ 、 その ……。 私 は 今 、 結構 真面目に 戦って いる のだ が ……」

代わり に 、 更に ずぶ濡れ に さ れた ダクネス が 恨めし げ に 言って くる 。

本来 なら 謝る 場面 だ が 、 今 は それ どころ じゃ ない 。

俺 は 大声 で 叫び を 上げた 。

「 水 だ ああ ああ ああ あーっ! 5.

「『 クリエイト ・ ウォーター 』! 『 クリエイト ・ ウォーター 』! 『 クリエイト ・ ウォーター 』 ッッッッッ ! 「 く ぬっ! おおっ? っとっ! 俺 を 筆頭 に 、 そこかしこ の 魔法使い 達 が 魔法 を 唱える 。

頭上 から 次々 と 浴びせられる 水 を 、 ベルディア は これ でも か と 躱 して いた 。 くそ 、 弱点っぽい の が 分かった のに 、 そもそも 攻撃 が 当たら ない ! 他の 魔法使い 達 に も 焦り が 見える 。

このまま で は 、 ベルディア に 一 矢 報いる 前 に 皆 の 魔力 が 尽き そうだ 。

と 、 そんな 中 。

「 ねえ 、 一体 何の 騒ぎ な の ? なんで 魔 王 の 幹部 と 水 遊び なんて やって る の ? この 私 が 珍しく 働いて る 間 に 、 カズマったら 何 を 遊んで いる の ? バカな の ? こいつ 、 引っ叩いて やろう か 。 必死で 水 魔法 を 唱える 俺 に 、 今 の 今 まで どこ か に 行って いた アクア が 、 トコトコ と こちら に 歩き ながら とぼけた 事 を 言って きた 。

「 水 だ よ 水 ! あいつ は 水 が 弱点 な んだ よ ! お前 、 仮にも 一応 は かろうじて と は 言え 、 水 の 女神 な んだろう が ! それとも やっぱり 、 お前 は なん ちゃって 女神 な の ? 水 の 一 つ も 出せ ない の か よ !?」

「!? あんた 、 そろそろ 罰 の 一 つ も 当てる わ よ 無礼 者 ! 一応 でも かろうじて でも なん ちゃって でも なく 、 正真正銘 の 水 の 女神 です から ! 水 ? 水 で すって ? あんた の 出す 貧弱な もの じゃ なく 、 洪水 クラス の 水 だって 出せます から ! 謝って ! 水 の 女神 様 を なん ちゃって 女神って 言った 事 、 ちゃんと 謝って ! 出せる の か よ !

いや 、 出せる の なら 早く やれよ !

「 後 で いくら でも 謝って やる から 、 出 せる ん なら とっとと 出せよ この 駄 女神 が ! 「 わ ああ ああ ーっ! 今 、 駄 女神って 言った ! あんた 見て なさい よ 、 女神 の 本気 を 見せて やる から ! 売り言葉 に 買い 言葉 。

俺 の 言葉 に 、 アクア が 一 歩 前 に 出た 。

その アクア の 周囲 に 、 霧 の 様 な 物 が 漂い …………。

……………… えっ? 「 この 雑魚 ども め 、 貴 様 ら の 出せる 程度 の 水 など 、 この 俺 に は ……? ベルディア が 、 ふと アクア を 見て 動き を 止める 。

流石 は 魔 王 の 幹部 と いった 所 だろう か 。

アクア が これ から やろう と する 事 に 、 不穏な 気配 を 感じた のだろう 。

と いう か 、 周囲 に いる 魔法 を 使える 連中 も 、 どこ と 無く 不安 気 な 様子 で アクア を 見て いた 。

アクア が 、 そんな 周囲 の 様子 を 気 に も 留め ず ぼそぼそ と 呟いた 。

「 この世 に 在る 我 が 眷属 よ ……」

アクア の 周り に 現れて いた 霧 が 、 小さな 水 の 玉 と なって 辺り を 漂う 。

その 小さな 水 の 玉 の 一つ一つ に 、 ギュッと 魔力 が 凝縮 されて いる の が 感じ取れる 。 「 水 の 女神 、 アクア が 命ず …………」

…… 嫌な 予感 が する 。

辺り の 空気 が ビリビリ と 震える 、 この 感じ 。

この 不穏な 空気 は 、 めぐみ ん が 爆裂 魔法 を 唱える 時 の もの に 似て いる 。

つまり 、 それ ぐらい に ヤバ そうな 魔法 が 使わ れよう と して いる わけで ……!

その 不穏な 空気 は 、 対峙 する ベルディア も 感じて いた のだろう 。

ベルディア は 、 躊躇 する 事 も 無く 潔く アクア に 背 を 向けて 、 素早く 逃げよう と ……、

…… した ところ に 、 ダクネス が その 前 に 立ち塞がった !

アクア は 両手 を 広げる と 。

「『 セイクリッド ・ クリエイト ・ ウォーター 』! 水 を 生み出す 魔法 を 唱えた 。

6.

確かに 、 アクア は 言った 。

洪水 クラス の 水 だって 出す 事 が 出来る と 。

「 ちょっ……! 待っ…………! 「 ぎ ゃ ー ! 水 、 水 が ああ ああ あー ! 目標 と した ベルディア を 始め 、 周囲 に いた ダクネス や 冒険 者 。 そして 、 離れて いた 俺 やめ ぐみん 、 魔法 を 唱えた アクア まで も が ……。

「 あぶ ……! ちょ 、 お ぼ 、 溺れ ま ……! 「 めぐみ ん 、 めぐみ ー ん ! 摑 まって ろ 、 流さ れる な よ ! 突如 出現 した 水 に 、 その 場 の 全て の 人 が 押し流さ れた 。

膨大な 量 の その 水 は 、 街 の 正門 前 に 盛大な 飛 沫 を 上げ 、 そして 、 街 の 中心 部 へ と 流れて 行く 。

やがて 水 が 引いた その後 に は 、 地面 に ぐったり と 倒れ込む 冒険 者 達 と 、 そして ……。

「 ちょ ……、 ちょ ……っ、 何 を 考えて いる のだ 貴 様 ……。 ば 、 馬鹿な の か ? 大 馬鹿な の か 貴 様 は ……!?」

同じく 、 ぐったり して いた ベルディア が 、 ヨロヨロ し ながら 立ち上がった 。

ベルディア の 意見 に 激しく 同意 したい が 、 今 は そんな 事 を 言って いる 場合 で も ない 。 今 が チャンス だ 、 この 絶好 の ……、

「 今 が チャンス よ 、 この 私 の 凄い 活躍 で あいつ が 弱って る 、 この 絶好 の 機会 に 何とか なさい な カズマ ! 早く 行って 。 ほら 、 早く 行って ! こん の アマー !

こいつ は 後 で 、 公衆 の 面前 で 泣く まで スティール で 剝 いて やろう と 心 に 決める と 、 俺 は ベルディア に 片手 を 突き出し ……!

「 今度 こそ 、 お前 の 武器 を 奪って やる よ ! これ でも 喰 ら え ぇ ! 「 やって みろ ! 弱体 化 した と は 言え 、 駆け出し 冒険 者 の スティール ごとき で 俺 の 武器 は 盗 ら せ は せ ぬ わ ! 俺 と 対峙 した ベルディア は 、 俺 に 向けて 叫び ながら 、 再度 自ら の 首 を 空 高く 投げ 、 両手 で 大 剣 を 構えて 精一杯 の 威厳 を 放つ 。

流石 は 魔 王 の 幹部 の 一 人 。 弱って いる 筈 な のに 、 こうして 対峙 する だけ で 足 が 震えて き そうに なる 。

そんな 、 魔 王 の 幹部 に ……!

「『 スティール 』 ッッッ ! 俺 は 、 全 魔力 を 込めた スティール を 炸裂 さ せた !

それ と 同時に 、 硬くて 冷たい 手応え と 共に 、 ずしり と した 重 さ が 両手 に 伝わった 。

思わず 、 やった か ? と 、 フラグ に なる 様 な 事 を 考えて しまう 。

きっと 、 それ が いけなかった のだろう 。

「「 ああ …………」」

周囲 の 冒険 者 達 から 失望 の 声 が 上がった 。

ベルディア を 見る と 、 剣 を 両手 で 握り締めて いる 。

そのまま 、 俺 に 向けて あの 凄ま じい 斬 撃 を ……。

………… 放つ 事 は 無く 、 そのまま ぽつんと 突っ立って いた 。

………………?

その 場 の 皆 が 、 何 が 起こった の か 分から ず 、 シンと 静まり返って いる と 。

困った 様 な 、 恐る恐る と いった 感じ の 、 小さな 声 が した 。

「 あ 、 あの …………」

それ は ベルディア の 声 だった 。

ベルディア は 、 か細い 声 を 震わせ ながら 。

「 あ 、 あの ……。 ………… 首 、 返して もらえません かね …………? 俺 の 両手 の 間 で 、 ベルディア の 頭 が 呟いた 。

……………………。

「 おい お前 ら 、 サッカー しよ ー ぜ ! サッカーって の は なあ ああ あぁ ! 手 を 使わ ず 、 足 だけ で ボール を 扱う 遊び だ よ おお おお ! 俺 は 冒険 者 達 の 前 に 、 ベルディア の 頭 を 蹴り込んだ !

「 な ああ ああ ああ ! ちょ 、 お いっ、 や 、 やめっ!?」 蹴られて 転がる ベルディア の 頭 は 、 今 まで 焦れて 待って いた 冒険 者 達 の 格好の オモチャ に さ れた 。 「 ひ ゃは は は は ! これ おもし れ ー ! 「 おい 、 こっち こっち ! こっち に も パース ! 「 やめっ!? ちょ 、 いだ だ だ 、 やめ えっ!?」 頭 を 蹴ら れる ベルディア の 、 体 の 方 は 片手 に 剣 を 握った まま 、 前 が 見え ず に うろたえて いる 。 「 おい ダクネス 。 一 太刀 食らわ せたい んだ ろ ? 俺 は 落ちて いた 大 剣 を 拾い上げ 、 ずぶ濡れ で 近寄って くる ダクネス に 渡して やる と 、 荒い 息 を 吐き ながら あちこち から 血 と 水 を 滴ら せて いた ダクネス が 、 それ を 構えて ベルディア の 体 の 前 に ゆら り と 立った 。

その 間 に 、 俺 は アクア に ちょいちょい と 手招き を する 。

羽衣 の 裾 を 絞って いた アクア が それ に 気づき 、 ば たば た と こちら に 駆けて 来る 中 。

ダクネス は 、 大 剣 を 大きく 振り上げ ……!

「 これ はっ! お前 に 殺さ れた 、 私 が 世話に なった あいつ ら の 分 だ ! 何度 も 斬り つける つもり は ない ! まとめて 、 受け取れ えっ!!」 大 剣 を 思い切り 振り下ろした 。 「 ぐ は あっ!?」 遠く で 蹴り 転がされて いた ベルディア の 頭 が 、 人だかり の 中 から くぐもった 声 を 上げた 。 不器用 ながら も 力 は 強い ダクネス の 一撃 は 、 ベルディア の 黒い 鎧 を 打ち砕き 、 胸元 に ざっく り と 大きな 傷 を 与える 。 確か 、 ベルディア は こう 言って いた 。

魔 王様 の 加護 を 受けた この 鎧 、 と 。

「 おし 。 アクア 、 後 は 頼む 」

「 任さ れた わ ! 鎧 の 一部 が 砕け 、 しかも 水 を 浴びて 弱体 化 中 の ベルディア へ 、 アクア の 片手 が 向け られた 。

「『 セイクリッド ・ ターンアンデッド 』 ー ! 「 ちょ 、 待っ……! ぎ ゃあ ああ ああ あー ! アクア の 魔法 を 受けた ベルディア の 悲鳴 が 、 冒険 者 達 の 足元 から 聞こえる 。

流石 に 今度 の ターンアンデッド は 効いた みたいだ 。

ベルディア の 身体 が 白い 光 に 包まれて 、 やがて 薄く なり 、 消えて いく 。 ベルディア の 首 も 消えた の か 、 サッカー を 楽しんで いた 冒険 者 達 が どよめいて いた 。

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (22) この すばらしい せかい に しゅくふく を||だおんな かみさま Segne diese wunderbare Welt! Oh, Göttin der Verdammten (22) Bless this wonderful world! Oh, Goddess of the Waste (22) ¡Bendice este maravilloso mundo! Oh, Diosa de los Condenados (22) Bénissez ce monde merveilleux ! Oh, déesse des damnés (22) Abençoa este mundo maravilhoso! Oh, Deusa dos Malditos (22) 为这个美好的世界送上祝福!啊,没用的女神(22) 為這個美好的世界送上祝福!啊,沒用的女神(22)

俺 の スティール ぐらい で は ……。 おれ|||||

…… と 、 ベルディア が 、 俺 に 呪い を 掛ける より 早く 。 |||おれ||まじない||かける||はやく ...... and faster than Verdia can put a curse on me.

「 私 の 仲間 に 手 を 出す な ! わたくし||なかま||て||だす| 普段 は クール な ダクネス が 、 珍しく 感情 を 表 に 出して 、 叫ぶ と 同時 、 当たら ない 重い 大 剣 を 投げ捨てて 、 ベルディア に 向かって 肩 口 から 体当たり した 。 ふだん||||||めずらしく|かんじょう||ひょう||だして|さけぶ||どうじ|あたら||おもい|だい|けん||なげすてて|||むかって|かた|くち||たいあたり|

だが ベルディア は 、 凍った 足場 に も かかわら ず それ すら も 易 々 と 身 を かわし 、 余裕 たっぷり に 大 剣 を 握り締める 。 |||こおった|あしば||||||||やす|||み|||よゆう|||だい|けん||にぎりしめる 然而,雖然立足點已結冰,但貝爾迪亞卻輕鬆躲過,輕鬆握住大劍。

ダクネス は 飛びかかる ため に 、 重い 剣 を 投げて しまった 。 ||とびかかる|||おもい|けん||なげて| 達克尼斯丟出重劍,準備撲上去。

つまり 、 ベルディア の 剣 から 身 を 守る 物 が 無い 。 |||けん||み||まもる|ぶつ||ない In other words, they have nothing to protect themselves from Verdia's sword.

気 が 付く と 、 俺 は 周り に 叫んで いた 。 き||つく||おれ||まわり||さけんで|

「 盗賊 、 頼む ー ! とうぞく|たのむ|- 万 に 一 つ 、 こいつ から 剣 を 奪っち まえば 俺 達 の 勝ち だ ! よろず||ひと||||けん||だつ っち||おれ|さとる||かち| スティール 使える 奴 は 協力 して くれっ! |つかえる|やつ||きょうりょく||くれ っ Those of you who can use steel, please help us! もしかしたら 、 俺 より も レベル が 高く 、 運 が 強い 奴 が いる かも 知れ ない 。 |おれ|||れべる||たかく|うん||つよい|やつ||||しれ| Maybe there is someone out there with a higher level of skill and more luck than me.

いつの間にか 潜伏 スキル で 近寄って 来て いた 盗賊 達 が 、 俺 の 呼びかけ に 、 そこかしこ から 姿 を 現した 。 いつのまにか|せんぷく|||ちかよって|きて||とうぞく|さとる||おれ||よびかけ||||すがた||あらわした

「「「『 スティール 』 ッ ! 」」」

だが 、 次々 と 仕掛けられる スティール は 効果 を 見せ ず 。 |つぎつぎ||しかけ られる|||こうか||みせ| ベルディア は 、 もはや 群がる 俺 達 を 気 に する 様子 も なく 、 無防備に なった ダクネス へ と 剣 を 構え ……、 そして 、 持って いた 自分 の 首 を 再び 高々 と 放 り 上げた 。 |||むらがる|おれ|さとる||き|||ようす|||むぼうびに|||||けん||かまえ||もって||じぶん||くび||ふたたび|たかだか||はな||あげた Beldia, no longer seeming to care about the crowd, raised her sword to Daknes, who was now defenseless, ......, and raised her head again.

「「 ああっ!?」」 それ を 見た 冒険 者 達 から 悲鳴 が 上がる 。 ああ っ|||みた|ぼうけん|もの|さとる||ひめい||あがる ベルディア が 首 を 投げた 後 は 、 両手 を 使って の 、 あの 凄ま じい 連 撃 が 始まる から だ 。 ||くび||なげた|あと||りょうて||つかって|||すごま||れん|う||はじまる||

「…… くっ……! それ を 見た ダクネス が 、 小さく 呻く 。 ||みた|||ちいさく|うめく

や ばい や ばい や ばい や ばい !

こんな 時 どう すれば いい !? |じ||| What do I do in a situation like this?

俺 に は 特殊な 力 も 無ければ 秘め られた 才能 も 無い 。 おれ|||とくしゅな|ちから||なければ|ひめ||さいのう||ない I have no special powers or hidden talents. 我沒有特殊的能力或隱藏的才能。

人 に 胸 を 張って 誇れる ような もの も 無ければ 、 こんな 場面 で 役立つ 技術 も 無い 。 じん||むね||はって|ほこれる||||なければ||ばめん||やくだつ|ぎじゅつ||ない 如果你沒有值得驕傲的事情,你就沒有在這種情況下發揮作用的技能。

ある の は 人 より 恵まれた 運 の 良 さ 。 |||じん||めぐまれた|うん||よ| Some are more fortunate than others.

後 は 、 子供 の 頃 から 培って きた ゲーム の 知識 。 あと||こども||ころ||つちかって||げーむ||ちしき

毎日 ゲーム に ハマって 怠けて いた ツケ が 、 こんな ところ で 回って きた 。 まいにち|げーむ||はま って|なまけて||つけ|||||まわって| 我每天都沉迷于游戏中并且很懒惰,但是我却在这样的地方转过身。 大喜び で 渡って 来た この 異 世界 で 、 このまま 何も 出来 ず に 終わる の か ? おおよろこび||わたって|きた||い|せかい|||なにも|でき|||おわる|| Will I end up in this other world, which I crossed over to with great joy, without being able to do anything about it?

「 ダクネス が ! カズマ 、 ダクネス が ! 俺 の 後ろ で めぐみ ん が 悲痛に 叫ぶ 。 おれ||うしろ|||||ひつうに|さけぶ

思い出せ ! おもいだせ 相手 は デュラハン だ 、 ロールプレイングゲーム で は 何 が 弱点 だった ? あいて|||||||なん||じゃくてん|

俺 の 取り柄 と 言ったら 、 ネット ゲーム の 対人 戦 で 、 相手 が 嫌がる 攻撃 方法 を 即座に 見抜く 事 ぐらい だ 。 おれ||とりえ||いったら|ねっと|げーむ||たいじん|いくさ||あいて||いやがる|こうげき|ほうほう||そくざに|みぬく|こと||

あいつ を よく 観察 しろ 。 |||かんさつ|

…… 何で あいつ は 、 俺 の 出した 水 を 大袈裟に 避けた ? なんで|||おれ||だした|すい||おおげさに|さけた

…………。

…… 流れる 水 。 ながれる|すい

それ は 、 メジャーアンデッドモンスター 、 ヴァンパイア も 苦手 と する 物 。 |||||にがて|||ぶつ

なら 、 あの デュラハン は ?

「 なかなか に 楽しめた よ クルセイダー ! ||たのしめた|| It was quite enjoyable, Crusader! 元 騎士 と して 、 貴 公 と 手 合わせ 出来た 事 に 魔 王様 と 邪 神 に 感謝 を 捧げよう ! もと|きし|||とうと|おおやけ||て|あわせ|できた|こと||ま|おうさま||じゃ|かみ||かんしゃ||ささげよう 身為前騎士,我要感謝魔王和邪神允許我與你們聯手! さあ 、 これ で ……! 「『 クリエイト ・ ウォーター 』 ッッッ ! 「!?」

正に 今 、 ダクネス に 斬り かかろう と した ベルディア は ……。 まさに|いま|||きり|||||

ダクネス に 突っ込む 事 は せ ず 、 その 場 に 足 を 止め 。 ||つっこむ|こと|||||じょう||あし||とどめ He does not run into Daknes, but stops where he is.

結局 、 攻撃 する 事 無く 落ちて きた 自分 の 首 を 受け止めた 。 けっきょく|こうげき||こと|なく|おちて||じぶん||くび||うけとめた

「………… カズマ 、 その ……。 私 は 今 、 結構 真面目に 戦って いる のだ が ……」 わたくし||いま|けっこう|まじめに|たたかって||| I'm fighting a pretty serious battle right now. ......"

代わり に 、 更に ずぶ濡れ に さ れた ダクネス が 恨めし げ に 言って くる 。 かわり||さらに|ずぶぬれ||||||うらめし|||いって|

本来 なら 謝る 場面 だ が 、 今 は それ どころ じゃ ない 。 ほんらい||あやまる|ばめん|||いま|||||

俺 は 大声 で 叫び を 上げた 。 おれ||おおごえ||さけび||あげた

「 水 だ ああ ああ ああ あーっ! すい|||||あー っ 5.

「『 クリエイト ・ ウォーター 』! 『 クリエイト ・ ウォーター 』! 『 クリエイト ・ ウォーター 』 ッッッッッ ! 「 く ぬっ! |ぬ っ おおっ? おお っ っとっ! っと っ 俺 を 筆頭 に 、 そこかしこ の 魔法使い 達 が 魔法 を 唱える 。 おれ||ひっとう||||まほうつかい|さとる||まほう||となえる

頭上 から 次々 と 浴びせられる 水 を 、 ベルディア は これ でも か と 躱 して いた 。 ずじょう||つぎつぎ||あびせ られる|すい||||||||た|| くそ 、 弱点っぽい の が 分かった のに 、 そもそも 攻撃 が 当たら ない ! |じゃくてん っぽい|||わかった|||こうげき||あたら| 他の 魔法使い 達 に も 焦り が 見える 。 たの|まほうつかい|さとる|||あせり||みえる The other wizards are also looking impatient.

このまま で は 、 ベルディア に 一 矢 報いる 前 に 皆 の 魔力 が 尽き そうだ 。 |||||ひと|や|むくいる|ぜん||みな||まりょく||つき|そう だ

と 、 そんな 中 。 ||なか

「 ねえ 、 一体 何の 騒ぎ な の ? |いったい|なんの|さわぎ|| なんで 魔 王 の 幹部 と 水 遊び なんて やって る の ? |ま|おう||かんぶ||すい|あそび|||| この 私 が 珍しく 働いて る 間 に 、 カズマったら 何 を 遊んで いる の ? |わたくし||めずらしく|はたらいて||あいだ||カズマ ったら|なん||あそんで|| バカな の ? ばかな| Are you stupid? こいつ 、 引っ叩いて やろう か 。 |ひ っ たたいて|| 必死で 水 魔法 を 唱える 俺 に 、 今 の 今 まで どこ か に 行って いた アクア が 、 トコトコ と こちら に 歩き ながら とぼけた 事 を 言って きた 。 ひっしで|すい|まほう||となえる|おれ||いま||いま|||||おこなって||||||||あるき|||こと||いって|

「 水 だ よ 水 ! すい|||すい あいつ は 水 が 弱点 な んだ よ ! ||すい||じゃくてん||| お前 、 仮にも 一応 は かろうじて と は 言え 、 水 の 女神 な んだろう が ! おまえ|かりにも|いちおう|||||いえ|すい||めがみ||| それとも やっぱり 、 お前 は なん ちゃって 女神 な の ? ||おまえ|||ちゃ って|めがみ|| Or are you just another goddess after all? 水 の 一 つ も 出せ ない の か よ !?」 すい||ひと|||だせ||||

「!? あんた 、 そろそろ 罰 の 一 つ も 当てる わ よ 無礼 者 ! ||ばち||ひと|||あてる|||ぶれい|もの 一応 でも かろうじて でも なん ちゃって でも なく 、 正真正銘 の 水 の 女神 です から ! いちおう|||||ちゃ って|||しょうしんしょうめい||すい||めがみ|| 水 ? すい 水 で すって ? すい|| あんた の 出す 貧弱な もの じゃ なく 、 洪水 クラス の 水 だって 出せます から ! ||だす|ひんじゃくな||||こうずい|くらす||すい||だせ ます| 謝って ! あやまって 水 の 女神 様 を なん ちゃって 女神って 言った 事 、 ちゃんと 謝って ! すい||めがみ|さま|||ちゃ って|めがみ って|いった|こと||あやまって Please apologize for calling the water goddess "just a little goddess! 出せる の か よ ! だせる|||

いや 、 出せる の なら 早く やれよ ! |だせる|||はやく|

「 後 で いくら でも 謝って やる から 、 出 せる ん なら とっとと 出せよ この 駄 女神 が ! あと||||あやまって|||だ|||||だせよ||だ|めがみ| I'll apologize all you want later, so if you can get it out, get it out already, you goddamned goddess! 「 わ ああ ああ ーっ! |||- っ 今 、 駄 女神って 言った ! いま|だ|めがみ って|いった あんた 見て なさい よ 、 女神 の 本気 を 見せて やる から ! |みて|||めがみ||ほんき||みせて|| 売り言葉 に 買い 言葉 。 うりことば||かい|ことば

俺 の 言葉 に 、 アクア が 一 歩 前 に 出た 。 おれ||ことば||||ひと|ふ|ぜん||でた

その アクア の 周囲 に 、 霧 の 様 な 物 が 漂い …………。 |||しゅうい||きり||さま||ぶつ||ただよい

……………… えっ? 「 この 雑魚 ども め 、 貴 様 ら の 出せる 程度 の 水 など 、 この 俺 に は ……? |ざこ|||とうと|さま|||だせる|ていど||すい|||おれ|| ベルディア が 、 ふと アクア を 見て 動き を 止める 。 |||||みて|うごき||とどめる

流石 は 魔 王 の 幹部 と いった 所 だろう か 。 さすが||ま|おう||かんぶ|||しょ||

アクア が これ から やろう と する 事 に 、 不穏な 気配 を 感じた のだろう 。 |||||||こと||ふおんな|けはい||かんじた|

と いう か 、 周囲 に いる 魔法 を 使える 連中 も 、 どこ と 無く 不安 気 な 様子 で アクア を 見て いた 。 |||しゅうい|||まほう||つかえる|れんちゅう||||なく|ふあん|き||ようす||||みて|

アクア が 、 そんな 周囲 の 様子 を 気 に も 留め ず ぼそぼそ と 呟いた 。 |||しゅうい||ようす||き|||とどめ||||つぶやいた

「 この世 に 在る 我 が 眷属 よ ……」 このよ||ある|われ||けんぞく|

アクア の 周り に 現れて いた 霧 が 、 小さな 水 の 玉 と なって 辺り を 漂う 。 ||まわり||あらわれて||きり||ちいさな|すい||たま|||あたり||ただよう The fog that had appeared around Aqua turned into small balls of water that floated around.

その 小さな 水 の 玉 の 一つ一つ に 、 ギュッと 魔力 が 凝縮 されて いる の が 感じ取れる 。 |ちいさな|すい||たま||ひとつひとつ||ぎゅっと|まりょく||ぎょうしゅく|さ れて||||かんじとれる 「 水 の 女神 、 アクア が 命ず …………」 すい||めがみ|||めいず

…… 嫌な 予感 が する 。 いやな|よかん|| ...... I have a bad feeling about this.

辺り の 空気 が ビリビリ と 震える 、 この 感じ 。 あたり||くうき||びりびり||ふるえる||かんじ

この 不穏な 空気 は 、 めぐみ ん が 爆裂 魔法 を 唱える 時 の もの に 似て いる 。 |ふおんな|くうき|||||ばくれつ|まほう||となえる|じ||||にて|

つまり 、 それ ぐらい に ヤバ そうな 魔法 が 使わ れよう と して いる わけで ……! |||||そう な|まほう||つかわ||||| In other words, magic that seems to be dangerous is about to be used ...!

その 不穏な 空気 は 、 対峙 する ベルディア も 感じて いた のだろう 。 |ふおんな|くうき||たいじ||||かんじて||

ベルディア は 、 躊躇 する 事 も 無く 潔く アクア に 背 を 向けて 、 素早く 逃げよう と ……、 ||ちゅうちょ||こと||なく|いさぎよく|||せ||むけて|すばやく|にげよう| Without hesitation, Verdia gracefully turns her back on Aqua and tries to escape quickly. ......

…… した ところ に 、 ダクネス が その 前 に 立ち塞がった ! ||||||ぜん||たちふさがった

アクア は 両手 を 広げる と 。 ||りょうて||ひろげる|

「『 セイクリッド ・ クリエイト ・ ウォーター 』! 水 を 生み出す 魔法 を 唱えた 。 すい||うみだす|まほう||となえた

6.

確かに 、 アクア は 言った 。 たしかに|||いった

洪水 クラス の 水 だって 出す 事 が 出来る と 。 こうずい|くらす||すい||だす|こと||できる|

「 ちょっ……! ちょ っ 待っ…………! ま っ 「 ぎ ゃ ー ! ||- 水 、 水 が ああ ああ あー ! すい|すい|||| 目標 と した ベルディア を 始め 、 周囲 に いた ダクネス や 冒険 者 。 もくひょう|||||はじめ|しゅうい|||||ぼうけん|もの そして 、 離れて いた 俺 やめ ぐみん 、 魔法 を 唱えた アクア まで も が ……。 |はなれて||おれ|||まほう||となえた||||

「 あぶ ……! ちょ 、 お ぼ 、 溺れ ま ……! |||おぼれ| 「 めぐみ ん 、 めぐみ ー ん ! |||-| 摑 まって ろ 、 流さ れる な よ ! |||ながさ||| 突如 出現 した 水 に 、 その 場 の 全て の 人 が 押し流さ れた 。 とつじょ|しゅつげん||すい|||じょう||すべて||じん||おしながさ|

膨大な 量 の その 水 は 、 街 の 正門 前 に 盛大な 飛 沫 を 上げ 、 そして 、 街 の 中心 部 へ と 流れて 行く 。 ぼうだいな|りょう|||すい||がい||せいもん|ぜん||せいだいな|と|まつ||あげ||がい||ちゅうしん|ぶ|||ながれて|いく

やがて 水 が 引いた その後 に は 、 地面 に ぐったり と 倒れ込む 冒険 者 達 と 、 そして ……。 |すい||ひいた|そのご|||じめん||||たおれこむ|ぼうけん|もの|さとる||

「 ちょ ……、 ちょ ……っ、 何 を 考えて いる のだ 貴 様 ……。 |||なん||かんがえて|||とうと|さま ば 、 馬鹿な の か ? |ばかな|| 大 馬鹿な の か 貴 様 は ……!?」 だい|ばかな|||とうと|さま|

同じく 、 ぐったり して いた ベルディア が 、 ヨロヨロ し ながら 立ち上がった 。 おなじく|||||||||たちあがった

ベルディア の 意見 に 激しく 同意 したい が 、 今 は そんな 事 を 言って いる 場合 で も ない 。 ||いけん||はげしく|どうい|し たい||いま|||こと||いって||ばあい||| While I strongly agree with Verdia's opinion, now is not the time to be talking about such things. 今 が チャンス だ 、 この 絶好 の ……、 いま||ちゃんす|||ぜっこう|

「 今 が チャンス よ 、 この 私 の 凄い 活躍 で あいつ が 弱って る 、 この 絶好 の 機会 に 何とか なさい な カズマ ! いま||ちゃんす|||わたくし||すごい|かつやく||||よわって|||ぜっこう||きかい||なんとか||| 早く 行って 。 はやく|おこなって ほら 、 早く 行って ! |はやく|おこなって こん の アマー !

こいつ は 後 で 、 公衆 の 面前 で 泣く まで スティール で 剝 いて やろう と 心 に 決める と 、 俺 は ベルディア に 片手 を 突き出し ……! ||あと||こうしゅう||めんぜん||なく||||||||こころ||きめる||おれ||||かたて||つきだし

「 今度 こそ 、 お前 の 武器 を 奪って やる よ ! こんど||おまえ||ぶき||うばって|| これ でも 喰 ら え ぇ ! ||しょく||| 「 やって みろ ! 弱体 化 した と は 言え 、 駆け出し 冒険 者 の スティール ごとき で 俺 の 武器 は 盗 ら せ は せ ぬ わ ! じゃくたい|か||||いえ|かけだし|ぼうけん|もの|||||おれ||ぶき||ぬす|||||| 俺 と 対峙 した ベルディア は 、 俺 に 向けて 叫び ながら 、 再度 自ら の 首 を 空 高く 投げ 、 両手 で 大 剣 を 構えて 精一杯 の 威厳 を 放つ 。 おれ||たいじ||||おれ||むけて|さけび||さいど|おのずから||くび||から|たかく|なげ|りょうて||だい|けん||かまえて|せいいっぱい||いげん||はなつ

流石 は 魔 王 の 幹部 の 一 人 。 さすが||ま|おう||かんぶ||ひと|じん 弱って いる 筈 な のに 、 こうして 対峙 する だけ で 足 が 震えて き そうに なる 。 よわって||はず||||たいじ||||あし||ふるえて||そう に|

そんな 、 魔 王 の 幹部 に ……! |ま|おう||かんぶ|

「『 スティール 』 ッッッ ! 俺 は 、 全 魔力 を 込めた スティール を 炸裂 さ せた ! おれ||ぜん|まりょく||こめた|||さくれつ||

それ と 同時に 、 硬くて 冷たい 手応え と 共に 、 ずしり と した 重 さ が 両手 に 伝わった 。 ||どうじに|かたくて|つめたい|てごたえ||ともに||||おも|||りょうて||つたわった

思わず 、 やった か ? おもわず|| と 、 フラグ に なる 様 な 事 を 考えて しまう 。 ||||さま||こと||かんがえて|

きっと 、 それ が いけなかった のだろう 。

「「 ああ …………」」

周囲 の 冒険 者 達 から 失望 の 声 が 上がった 。 しゅうい||ぼうけん|もの|さとる||しつぼう||こえ||あがった

ベルディア を 見る と 、 剣 を 両手 で 握り締めて いる 。 ||みる||けん||りょうて||にぎりしめて|

そのまま 、 俺 に 向けて あの 凄ま じい 斬 撃 を ……。 |おれ||むけて||すごま||き|う|

………… 放つ 事 は 無く 、 そのまま ぽつんと 突っ立って いた 。 はなつ|こと||なく|||つったって|

………………?

その 場 の 皆 が 、 何 が 起こった の か 分から ず 、 シンと 静まり返って いる と 。 |じょう||みな||なん||おこった|||わから||しんと|しずまりかえって||

困った 様 な 、 恐る恐る と いった 感じ の 、 小さな 声 が した 。 こまった|さま||おそるおそる|||かんじ||ちいさな|こえ||

「 あ 、 あの …………」

それ は ベルディア の 声 だった 。 ||||こえ|

ベルディア は 、 か細い 声 を 震わせ ながら 。 ||かぼそい|こえ||ふるわせ|

「 あ 、 あの ……。 ………… 首 、 返して もらえません かね …………? くび|かえして|もらえ ませ ん| 俺 の 両手 の 間 で 、 ベルディア の 頭 が 呟いた 。 おれ||りょうて||あいだ||||あたま||つぶやいた

……………………。

「 おい お前 ら 、 サッカー しよ ー ぜ ! |おまえ||さっかー||-| サッカーって の は なあ ああ あぁ ! さっかー って||||| 手 を 使わ ず 、 足 だけ で ボール を 扱う 遊び だ よ おお おお ! て||つかわ||あし|||ぼーる||あつかう|あそび|||| 俺 は 冒険 者 達 の 前 に 、 ベルディア の 頭 を 蹴り込んだ ! おれ||ぼうけん|もの|さとる||ぜん||||あたま||けりこんだ

「 な ああ ああ ああ ! ちょ 、 お いっ、 や 、 やめっ!?」 蹴られて 転がる ベルディア の 頭 は 、 今 まで 焦れて 待って いた 冒険 者 達 の 格好の オモチャ に さ れた 。 ||||やめ っ|けら れて|ころがる|||あたま||いま||じれて|まって||ぼうけん|もの|さとる||かっこうの|おもちゃ||| 「 ひ ゃは は は は ! これ おもし れ ー ! |||- 「 おい 、 こっち こっち ! こっち に も パース ! 「 やめっ!? ちょ 、 いだ だ だ 、 やめ えっ!?」 頭 を 蹴ら れる ベルディア の 、 体 の 方 は 片手 に 剣 を 握った まま 、 前 が 見え ず に うろたえて いる 。 やめ っ|||||||あたま||けら||||からだ||かた||かたて||けん||にぎった||ぜん||みえ|||| 「 おい ダクネス 。 一 太刀 食らわ せたい んだ ろ ? ひと|たち|くらわ||| You want to take a swing at him, don't you? 俺 は 落ちて いた 大 剣 を 拾い上げ 、 ずぶ濡れ で 近寄って くる ダクネス に 渡して やる と 、 荒い 息 を 吐き ながら あちこち から 血 と 水 を 滴ら せて いた ダクネス が 、 それ を 構えて ベルディア の 体 の 前 に ゆら り と 立った 。 おれ||おちて||だい|けん||ひろいあげ|ずぶぬれ||ちかよって||||わたして|||あらい|いき||はき||||ち||すい||したたら|||||||かまえて|||からだ||ぜん|||||たった

その 間 に 、 俺 は アクア に ちょいちょい と 手招き を する 。 |あいだ||おれ||||||てまねき||

羽衣 の 裾 を 絞って いた アクア が それ に 気づき 、 ば たば た と こちら に 駆けて 来る 中 。 はごろも||すそ||しぼって||||||きづき|||||||かけて|くる|なか

ダクネス は 、 大 剣 を 大きく 振り上げ ……! ||だい|けん||おおきく|ふりあげ

「 これ はっ! お前 に 殺さ れた 、 私 が 世話に なった あいつ ら の 分 だ ! おまえ||ころさ||わたくし||せわに|||||ぶん| 你殺了他們,我來對付他們! 何度 も 斬り つける つもり は ない ! なんど||きり|||| 我無意一次又一次地砍你! まとめて 、 受け取れ えっ!!」 大 剣 を 思い切り 振り下ろした 。 |うけとれ||だい|けん||おもいきり|ふりおろした 一下子就全部拿下來!!」他用力揮下大劍。 「 ぐ は あっ!?」 遠く で 蹴り 転がされて いた ベルディア の 頭 が 、 人だかり の 中 から くぐもった 声 を 上げた 。 |||とおく||けり|ころがさ れて||||あたま||ひとだかり||なか|||こえ||あげた 不器用 ながら も 力 は 強い ダクネス の 一撃 は 、 ベルディア の 黒い 鎧 を 打ち砕き 、 胸元 に ざっく り と 大きな 傷 を 与える 。 ぶきよう|||ちから||つよい|||いちげき||||くろい|よろい||うちくだき|むなもと||ざ っく|||おおきな|きず||あたえる 確か 、 ベルディア は こう 言って いた 。 たしか||||いって|

魔 王様 の 加護 を 受けた この 鎧 、 と 。 ま|おうさま||かご||うけた||よろい|

「 おし 。 アクア 、 後 は 頼む 」 |あと||たのむ

「 任さ れた わ ! まかさ|| 鎧 の 一部 が 砕け 、 しかも 水 を 浴びて 弱体 化 中 の ベルディア へ 、 アクア の 片手 が 向け られた 。 よろい||いちぶ||くだけ||すい||あびて|じゃくたい|か|なか||||||かたて||むけ|

「『 セイクリッド ・ ターンアンデッド 』 ー ! ||- 「 ちょ 、 待っ……! |ま っ ぎ ゃあ ああ ああ あー ! アクア の 魔法 を 受けた ベルディア の 悲鳴 が 、 冒険 者 達 の 足元 から 聞こえる 。 ||まほう||うけた|||ひめい||ぼうけん|もの|さとる||あしもと||きこえる

流石 に 今度 の ターンアンデッド は 効いた みたいだ 。 さすが||こんど||||きいた|

ベルディア の 身体 が 白い 光 に 包まれて 、 やがて 薄く なり 、 消えて いく 。 ||からだ||しろい|ひかり||つつま れて||うすく||きえて| ベルディア の 首 も 消えた の か 、 サッカー を 楽しんで いた 冒険 者 達 が どよめいて いた 。 ||くび||きえた|||さっかー||たのしんで||ぼうけん|もの|さとる|||