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この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (KonoSuba), この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (18)

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (18)

「 撃って いい です か ? あの 苦労 知ら ず の 、 スカ した エリート 顔 に 、 爆裂 魔法 を 撃って も いい です か ? おっと 、 大 不評 です よ ミツルギ さん 。

と 、 アクア が 俺 の 服 の 裾 を 引っ張った 。

「 ねえ カズマ 。 もう ギルド に 行こう ? 私 が 魔 剣 を あげて おいて なんだ けど 、 あの 人 に は 関わら ない 方 が いい 気 が する わ 」

正直 腹 の 立つ 男 で は ある が 、 ここ は アクア の 言う 通り に 立ち去る べき か 。

「 えー と 。 俺 の 仲間 は 満場 一致 で あなた の パーティー に は 行き たく ない みたいです 。 俺 達 は クエスト の 完了 報告 が ある から 、 これ で ……」

俺 は そう 言う と 、 馬 を 引いて オリ を 引き 、 立ち去ろう と した 。

………………。

「…… ど いて くれます ? 俺 の 前 に 立ち塞がる ミツルギ に 、 俺 は イライラ し ながら 告げる 。

どう しよう 、 人 の 話 を 聞か ない 系 だ 。

「 悪い が 、 僕 に 魔 剣 と いう 力 を 与えて くれた アクア 様 を 、 こんな 境遇 の 中 に 放って は おけ ない 。 君 に は この 世界 は 救え ない 。 魔 王 を 倒す の は この 僕 だ 。 アクア 様 は 、 僕 と 一緒に 来た 方 が 絶対 に いい 。 …… 君 は 、 この 世界 に 持ってこられる モノ と して 、 アクア 様 を 選んだ と いう 事 だ よ ね ? 「…… そ ー だ よ 」

漫画 で よく ある 流れ と して 、 この後 の 展開 が 目 に 見える 。

この後 、 こいつ 、 絶対 …………!

「 なら 、 僕 と 勝負 を し ない か ? アクア 様 を 、 持ってこられる 『 者 』 と して 指定 した んだろう ? 僕 が 勝ったら アクア 様 を 譲って くれ 。 君 が 勝ったら 、 何でも 一 つ 、 言う 事 を 聞こう じゃ ない か 」

「 よし 乗った !! じゃあ 行く ぞ ! 正に 予想 通り 。

いい加減 、 我慢 が 限界 に きて いた 俺 は 、 一 も 二 も 無く 襲い掛かった 。

俺 は 左手 を ワキワキ さ せて 、 右手 で 小 剣 を 鞘 ごと 引き抜き 、 殴り かかる 。

先手 必勝 、 卑怯 も クソ も ある か !

魔剣 持ち の 高 レベル の ソードマスター 様 が 、 貧弱 装備 の 駆け出し 冒険 者 に 勝負 を 挑む 方 が 卑怯って もんだ ! ミツルギ も 、 まさか 話 を 持ちかけ 、 返事 と 同時に 斬り かから れる と は 思って も い なかった のだろう 。

「 えっ!? ちょっ! 待っ……!?」 慌てた ミツルギ だ が 、 そこ は 流石 に 高 レベル 冒険 者 。 咄嗟に 腰 の 魔 剣 を 抜く と 、 それ を 横 に して 俺 の 小 剣 を 受け止め に 入る 。

俺 の 右手 の 小 剣 が 魔 剣 に 当たる 寸前 に 、 俺 は 左手 を 突き出して ……!

「『 スティール 』 ッッッッ ! 叫ぶ と 同時に 、 左手 に ずしり と した 剣 の 重み を 感じる 。

おっと 、 いきなり 当たり を 引いた みたいだ 。

俺 の 小 剣 を 受け止めよう と して いた ミツルギ の 手 から は 、 その 受け止めよう と して 掲げて いた 魔 剣 が 消えうせて いた 。

「「「 はっ? 」」」

その 間 の 抜けた 声 は 誰 の 物 か 。

俺 以外 の その 場 の 全員 の 声 だった の かも 知れ ない 。

窃盗 スキル を 組み込んだ 攻撃 に 、 ミツルギ は 成す 術 も 無く 、 俺 が 振り下ろした 小 剣 で 頭 を 思い切り 強打 さ れた 。

「 卑怯 者 ! 卑怯 者 卑怯 者 卑怯 者 ーっ! 「 あんた 最低 ! 最低 よ 、 この 卑怯 者 ! 正々堂々と 勝負 し なさい よ ! ミツルギ の 仲間 の 、 二 人 の 少女 に よる 俺 へ の 罵 倒 。

俺 は 、 それ を 甘んじて 聞いて いた 。

鞘 越し と は いえ 、 重い ショートソード で 頭部 を 強打 さ れた ミツルギ は 、 面白い 格好で 白 目 を 剝 いて 倒れて いる 。

抗議 する 二 人 の 取り巻き に 、 俺 は 一方的に 宣言 した 。

「 俺 の 勝ちって 事 で 。 こいつ 、 負けたら 何でも 一 つ 言う 事 聞くって 言って たな ? それ じゃあ 、 この 魔 剣 を 貰って いきます ね 」 その 言葉 に 取り巻き の 一 人 が いきり立つ 。 「 なっ!? バ 、 バカ 言って んじゃ ない わ よ ! それ に 、 その 魔 剣 は キョウヤ に しか 使いこなせ ない わ 。 魔 剣 は 持ち主 を 選ぶ の よ 。 既に その 剣 は 、 キョウヤ を 持ち主 と 認めた の よ ? あんた に は 、 魔 剣 の 加護 は 効果 が ない わ ! 自信 たっぷり に 言って くる 少女 の 言葉 に 、 俺 は アクア の 方 を 振り向いた 。

「…… マジ で ? この 戦 利 品 、 俺 に は 使え ない の か ? せっかく 強力な 装備 を 巻き上げた と 思った んだ けど 」

「 マジ です 。 残念だ けど 、 魔 剣 グラム は あの 痛い 人 専用 よ 。 装備 する と 人 の 限界 を 超えた 膂力 が 手 に 入り 、 石 だろう が 鉄 だろう が サックリ 斬 れる 魔 剣 だ けれど 。 カズマ が 使ったって 普通の 剣 よ 」 なんて こった ……。 でも まあ せっかく だし 貰って おこう か 。

「 じゃあ な 。 そい つ が 起きたら 、 これ は お前 が 持ちかけた 勝負 なんだ から 恨みっこ 無し だって 言っと いて くれ 。 …… それ じゃ アクア 、 ギルド に 報告 に 行こう ぜ 」

言って 踵 を 返す 俺 に 、 ミツルギ の 仲間 の 少女 が 武器 を 構えた 。

「 ちょ ちょ ちょ 、 ちょっと あんた 待ち なさい よっ! 「 キョウヤ の 魔 剣 、 返して 貰う わ よ 。 こんな 勝ち 方 、 私 達 は 認め ない ! その 二 人 の 少女 に 、 俺 は 手 を ワキワキ さ せて 見せつけた 。

「 別に いい けど 、 真 の 男女 平等 主義 者 な 俺 は 、 女の子 相手 でも ドロップ キック を 食らわ せられる 公平な 男 。 手加減 して もらえる と 思う な よ ? と 言う か 女 相手 なら 、 この 公衆 の 面前 で 俺 の スティール が 炸裂 する ぞ 」

俺 の 手 を 見た 二 人 の 少女 は 、 違う 意味 で の 身 の 危険 を 感じ取った の か 、 不安 気 な 表情 で 後 ず さった 。

「「「 うわ あ …………」」」

そんな 俺 に 、 軽く ひいて いる 仲間 の 視線 が 痛い です 。

俺 達 は 借りて いた オリ を 引きずって 、 ようやく ギルド へ と 帰って 来た 。

報酬 は 全部 アクア に やる と 決まった ので 、 クエスト の 完了 報告 は アクア 達 に 任せ 、 俺 は と いえば 、 馬 を 返す ついで に 、 戦 利 品 の 魔 剣 を 手 に ある 所 に 寄った 後 、 皆 より 遅れて 冒険 者 ギルド の 前 へ と やって 来た 。

………… の 、 だが ……。

「 な 、 何で よ おお おお おっ! ギルド の 中 から 喧 しい アクア の 声 が 聞こえて きた 。

あいつ は 、 とにかく 騒ぎ を 起こさ ない と 気 が 済まない のだろう か 。

中 に 入る と 、 そこ で は 、 涙 目 に なった アクア が 職員 に 摑 み かかって いた 。

「 だ から 、 借りた オリ は 私 が 壊した んじゃ ないって 言って る でしょ !? ミツルギって 人 が オリ を 捻じ曲げた んだって ば ! それ を 、 何で 私 が 弁償 し なきゃ いけない の よ ! なるほど 、 そう いえば 勝手に オリ を 曲げて 、 アクア を 助けよう と した んだっけ 。 代わり に アクア が 、 壊れた オリ の 請求 を 受けて いる らしい 。

しばらく 粘って いた アクア だった が 、 やがて 諦めた の か 、 報酬 を 貰って 俺 達 の テーブル へ トボトボ と やって 来る 。

「…… 今回 の 報酬 、 壊した オリ の お 金 を 引いて 、 十万 エリス だって ……。 あの オリ 、 特別な 金属 と 製法 で 作られて る から 、 二十万 も する んだって さ ……」 しょんぼり して いる アクア に 、 流石 に ちょっと 同情 した 。 ミツルギ に 関して は 、 アクア は とんだ とばっちり だ 。

「 あの 男 、 今度 会ったら 絶対 ゴッドブロー を 食らわ せて やる わっ! そして オリ の 弁償 代 払わ せて やる から !!」

アクア が 、 席 に 着いて メニュー を ギリギリ と 握りしめ ながら 歯ぎしり する 。

俺 と して は 、 もう あいつ に は 会い たく ない んです が 。

…… と 、 アクア が 未 だ 悔し げ に 喚 く 中 。

「 ここ に いた の かっ! 探した ぞ 、 佐藤 和 真 ! ギルド の 入り口 に 、 丁度 話題 の ミツルギ が 、 取り巻き の 少女 二 人 を 連れて 立って いた 。

教えて も いない 俺 の フル ネーム を いきなり 叫んだ ミツルギ は 、 俺 達 の いる テーブル に ツカツカ と 歩み寄り 、 バン と テーブル に 手 を 叩きつける 。 「 佐藤 和 真 ! 君 の 事 は 、 ある 盗賊 の 女の子 に 聞いたら すぐに 教えて くれた よ 。 ぱん つ 脱が せ 魔 だって ね 。 他 に も 、 女の子 を 粘液 まみれ に する の が 趣味 な 男 だ と か 、 色々な 人 の 噂 に なって いた よ 。 鬼畜 の カズマ だって ね 」

「 おい 待て 、 誰 が それ 広めて た の か 詳しく 」

盗賊 に は 心当たり は ある が 、 他 が 問題 だ 。

俺 の 知ら ない 所 で 、 鬼畜 だの と あら ぬ 噂 が ……!

真剣な 表情 で 俺 に 詰め寄る ミツルギ の 前 に 、 アクア が ゆら り と 立ち塞がる 。

「…… アクア 様 。 僕 は この 男 から 魔 剣 を 取り返し 、 必ず 魔 王 を 倒す と 誓います 。 ですから ……。 ですから この 僕 と 、 同じ パーティー ぐ ぶ えっ!?」 「「 ああっ!? キョウヤ ! 」」

アクア に 無言 で ぶん 殴ら れ 、 ミツルギ が 吹っ飛んだ 。

床 に 転がる ミツルギ に 、 慌てて 仲間 の 少女 達 が 駆け寄る 。

なぜ 殴ら れた の か 分から ない と いった 表情 の ミツルギ に 、 アクア は ツカツカ と 詰め寄り その 胸ぐら を 摑 み上げる と 。

「 ちょっと あんた オリ 壊した お 金 払い なさい よ ! おかげ で 私 が 弁償 する 事 に なった んだ から ね ! 三十万 よ 三十万 、 あの オリ 特別な 金属 と 製法 で 出来て る から 高い ん だって さ ! ほら 、 とっとと 払い なさい よっ! さっき 、 あの オリ は 二十万って 言って なかった か ? ミツルギ は 殴ら れた 所 を 押さえ 、 尻餅 を ついた 体勢 で 、 アクア に 気圧され ながら 素直に サイフ から 金 を 出す 。

ミツルギ から 金 を 受け取り 、 アクア は ホクホク し ながら 再び メニュー を 手 に 取った 。

気 を 取り 直した ミツルギ が 、 上機嫌で メニュー を 片手 に 店員 を 呼ぶ アクア を 気 に し ながら 、 俺 に 悔し そうに 言う 。

「…… あんな やり 方 でも 、 僕 の 負け は 負け だ 。 そして 何でも 言う 事 を 聞く と 言った 手前 、 こんな 事 を 頼む の は 虫 が いい の も 理解 して いる 。 …… だが 、 頼む ! 魔 剣 を 返して は くれ ない か ? あれ は 君 が 持って いて も 役 に は 立た ない 物 だ 。 君 が 使って も 、 そこら の 剣 より は 斬 れる 、 その 程度 の 威力 しか 出 ない 。 …… どう だろう ? 剣 が 欲しい の なら 、 店 で 一 番 良い 剣 を 買って あげて も いい 。 …… 返して は くれ ない か ? 本人 自ら 言って いる が 、 また 随分 と 虫 の いい 話 だ 。

いくら いら ない 子 と は いえ 、 アクア は 、 一応 この 世界 へ の 移住 特典 と して 俺 に くっついて きた おまけ な わけだ 。

それ は つまり 、 俺 も ミツルギ の 持つ 魔 剣 相当 の 特典 を 賭けた と いう 事 に なる 。

アクア が 魔 剣 に 相当 して いる の か と 言わ れれば 、 黙る しか ない が 。

「 私 を 勝手に 景品 に して おいて 、 負けたら 良い 剣 を 買って あげる から 魔 剣 返してって 、 虫 が 良い と は 思わ ない の ? それとも 、 私 の 価値 は お 店 で 一 番 高い 剣 と 同等って 言いたい の ? 無礼 者 、 無礼 者 ! 仮にも 神様 を 賭け の 対象 に するって 何 考えて る んです か ? 顔 も 見 たく ない ので あっち へ 行って 。 ほら 早く 、 あっち へ 行って ! メニュー 片手 に シッシ と 手 を 振る アクア の 言葉 に 、 ミツルギ の 顔 が 青ざめた 。

まあ 、 勝手に 話 を 進め られた 挙げ句 に これ で は アクア が 怒る の も 無理 は ない が 。

「 ま まま 、 待って ください アクア 様 ! 別に あなた を 安く 見て いた 訳 で は ……っ! 慌てる ミツルギ に 、 めぐみ ん が クイクイ と ミツルギ の 袖 を 引く 。

「……? なに か な 、 お 嬢ちゃん ……、 ん ? ミツルギ の 注意 を 引いた めぐみ ん は 、 そのまま 俺 を 指 で 差す 。

正確に は 、 俺 の 腰 の 辺り を 。

「…… まず 、 この 男 が 既に 魔 剣 を 持って いない 件 に ついて 」 「!?」 言われて 気づいた ミツルギ が 、 「 さ 、 佐藤 和 真 ! 魔 剣 は !? ぼ ぼ ぼ 、 僕 の 魔 剣 は どこ へ やった !?」

顔 中 に 脂汗 を 浮かべて 俺 に 縋りつく 。

俺 は 一言 。

「 売った 」

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (18) この すばらしい せかい に しゅくふく を||だおんな かみさま Bless this wonderful world! Oh, Goddess of the Waste (18) Che sia benedetto questo mondo meraviglioso! Ah, la dea viziata (18) Abençoa este mundo maravilhoso! Oh, Deusa dos Malditos (18) 為這個美好的世界送上祝福!啊,無用的女神(18)

「 撃って いい です か ? うって||| "Can I shoot you? あの 苦労 知ら ず の 、 スカ した エリート 顔 に 、 爆裂 魔法 を 撃って も いい です か ? |くろう|しら|||||えりーと|かお||ばくれつ|まほう||うって|||| Is it okay if I shoot explosion magic at that effortless, spunky elite face? 我對著那個沒吃過苦、悶悶不樂的精英射出爆炸咒可以嗎? おっと 、 大 不評 です よ ミツルギ さん 。 |だい|ふひょう|||| Oops, it's very unpopular, Mitsurugi-san.

と 、 アクア が 俺 の 服 の 裾 を 引っ張った 。 |||おれ||ふく||すそ||ひっぱった And Aqua pulled the hem of my clothes.

「 ねえ カズマ 。 もう ギルド に 行こう ? |ぎるど||いこう Shall we go to the guild now? 私 が 魔 剣 を あげて おいて なんだ けど 、 あの 人 に は 関わら ない 方 が いい 気 が する わ 」 わたくし||ま|けん|||||||じん|||かかわら||かた|||き||| I gave you the magic sword, but I feel like I shouldn't get involved with that person."

正直 腹 の 立つ 男 で は ある が 、 ここ は アクア の 言う 通り に 立ち去る べき か 。 しょうじき|はら||たつ|おとこ|||||||||いう|とおり||たちさる|| To be honest, I'm an angry man, but should I leave here as Aqua says?

「 えー と 。 "Um. 俺 の 仲間 は 満場 一致 で あなた の パーティー に は 行き たく ない みたいです 。 おれ||なかま||まんじょう|いっち||||ぱーてぃー|||いき||| My friends are unanimous in not wanting to go to your party. 俺 達 は クエスト の 完了 報告 が ある から 、 これ で ……」 おれ|さとる||||かんりょう|ほうこく||||| We have a quest completion report, so with this..."

俺 は そう 言う と 、 馬 を 引いて オリ を 引き 、 立ち去ろう と した 。 おれ|||いう||うま||ひいて|||ひき|たちさろう|| When I said that, I pulled the horse, pulled the cage, and tried to leave.

………………。 ……………….

「…… ど いて くれます ? ||くれ ます "... can you take me? 俺 の 前 に 立ち塞がる ミツルギ に 、 俺 は イライラ し ながら 告げる 。 おれ||ぜん||たちふさがる|||おれ||いらいら|||つげる I tell Mitsurugi, who stands in my way, annoyed.

どう しよう 、 人 の 話 を 聞か ない 系 だ 。 ||じん||はなし||きか||けい| What should I do, I'm the type that doesn't listen to people.

「 悪い が 、 僕 に 魔 剣 と いう 力 を 与えて くれた アクア 様 を 、 こんな 境遇 の 中 に 放って は おけ ない 。 わるい||ぼく||ま|けん|||ちから||あたえて|||さま|||きょうぐう||なか||はなって||| "I'm sorry, but I can't leave Aqua-sama, who gave me the power of a magic sword, in a situation like this. 君 に は この 世界 は 救え ない 。 きみ||||せかい||すくえ| You can't save this world. 魔 王 を 倒す の は この 僕 だ 。 ま|おう||たおす||||ぼく| アクア 様 は 、 僕 と 一緒に 来た 方 が 絶対 に いい 。 |さま||ぼく||いっしょに|きた|かた||ぜったい|| …… 君 は 、 この 世界 に 持ってこられる モノ と して 、 アクア 様 を 選んだ と いう 事 だ よ ね ? きみ|||せかい||もってこ られる|もの||||さま||えらんだ|||こと||| ...... You chose Aqua as the object you can bring to this world, right? 「…… そ ー だ よ 」 |-||

漫画 で よく ある 流れ と して 、 この後 の 展開 が 目 に 見える 。 まんが||||ながれ|||このあと||てんかい||め||みえる

この後 、 こいつ 、 絶対 …………! このあと||ぜったい

「 なら 、 僕 と 勝負 を し ない か ? |ぼく||しょうぶ|||| アクア 様 を 、 持ってこられる 『 者 』 と して 指定 した んだろう ? |さま||もってこ られる|もの|||してい|| 僕 が 勝ったら アクア 様 を 譲って くれ 。 ぼく||かったら||さま||ゆずって| 君 が 勝ったら 、 何でも 一 つ 、 言う 事 を 聞こう じゃ ない か 」 きみ||かったら|なんでも|ひと||いう|こと||きこう||| If you win, let's listen to one thing you say."

「 よし 乗った !! じゃあ 行く ぞ ! |のった||いく| "Okay, I got on!! Then let's go! 正に 予想 通り 。 まさに|よそう|とおり Exactly as expected.

いい加減 、 我慢 が 限界 に きて いた 俺 は 、 一 も 二 も 無く 襲い掛かった 。 いいかげん|がまん||げんかい||||おれ||ひと||ふた||なく|おそいかかった Anyway, my patience had reached its limit, so I attacked without a second thought.

俺 は 左手 を ワキワキ さ せて 、 右手 で 小 剣 を 鞘 ごと 引き抜き 、 殴り かかる 。 おれ||ひだりて|||||みぎて||しょう|けん||さや||ひきぬき|なぐり|

先手 必勝 、 卑怯 も クソ も ある か ! せんて|ひっしょう|ひきょう||くそ|||

魔剣 持ち の 高 レベル の ソードマスター 様 が 、 貧弱 装備 の 駆け出し 冒険 者 に 勝負 を 挑む 方 が 卑怯って もんだ ! ま けん|もち||たか|れべる|||さま||ひんじゃく|そうび||かけだし|ぼうけん|もの||しょうぶ||いどむ|かた||ひきょう って| ミツルギ も 、 まさか 話 を 持ちかけ 、 返事 と 同時に 斬り かから れる と は 思って も い なかった のだろう 。 |||はなし||もちかけ|へんじ||どうじに|きり|||||おもって|||| Mitsurugi probably never thought that he would be approached and slashed at the same time as he replied.

「 えっ!? ちょっ! |ちょ っ 待っ……!?」 慌てた ミツルギ だ が 、 そこ は 流石 に 高 レベル 冒険 者 。 ま っ|あわてた||||||さすが||たか|れべる|ぼうけん|もの 咄嗟に 腰 の 魔 剣 を 抜く と 、 それ を 横 に して 俺 の 小 剣 を 受け止め に 入る 。 とっさに|こし||ま|けん||ぬく||||よこ|||おれ||しょう|けん||うけとめ||はいる

俺 の 右手 の 小 剣 が 魔 剣 に 当たる 寸前 に 、 俺 は 左手 を 突き出して ……! おれ||みぎて||しょう|けん||ま|けん||あたる|すんぜん||おれ||ひだりて||つきだして

「『 スティール 』 ッッッッ ! 叫ぶ と 同時に 、 左手 に ずしり と した 剣 の 重み を 感じる 。 さけぶ||どうじに|ひだりて|||||けん||おもみ||かんじる

おっと 、 いきなり 当たり を 引いた みたいだ 。 ||あたり||ひいた|

俺 の 小 剣 を 受け止めよう と して いた ミツルギ の 手 から は 、 その 受け止めよう と して 掲げて いた 魔 剣 が 消えうせて いた 。 おれ||しょう|けん||うけとめよう||||||て||||うけとめよう|||かかげて||ま|けん||きえうせて|

「「「 はっ? 」」」

その 間 の 抜けた 声 は 誰 の 物 か 。 |あいだ||ぬけた|こえ||だれ||ぶつ| 那段时间失去了谁的声音?

俺 以外 の その 場 の 全員 の 声 だった の かも 知れ ない 。 おれ|いがい|||じょう||ぜんいん||こえ||||しれ| It might have been the voices of everyone there except me.

窃盗 スキル を 組み込んだ 攻撃 に 、 ミツルギ は 成す 術 も 無く 、 俺 が 振り下ろした 小 剣 で 頭 を 思い切り 強打 さ れた 。 せっとう|||くみこんだ|こうげき||||なす|じゅつ||なく|おれ||ふりおろした|しょう|けん||あたま||おもいきり|きょうだ||

「 卑怯 者 ! ひきょう|もの 卑怯 者 卑怯 者 卑怯 者 ーっ! ひきょう|もの|ひきょう|もの|ひきょう|もの|- っ 「 あんた 最低 ! |さいてい 最低 よ 、 この 卑怯 者 ! さいてい|||ひきょう|もの 正々堂々と 勝負 し なさい よ ! せいせいどうどうと|しょうぶ||| ミツルギ の 仲間 の 、 二 人 の 少女 に よる 俺 へ の 罵 倒 。 ||なかま||ふた|じん||しょうじょ|||おれ|||ののし|たお

俺 は 、 それ を 甘んじて 聞いて いた 。 おれ||||あまんじて|きいて|

鞘 越し と は いえ 、 重い ショートソード で 頭部 を 強打 さ れた ミツルギ は 、 面白い 格好で 白 目 を 剝 いて 倒れて いる 。 さや|こし||||おもい|||とうぶ||きょうだ|||||おもしろい|かっこうで|しろ|め||||たおれて|

抗議 する 二 人 の 取り巻き に 、 俺 は 一方的に 宣言 した 。 こうぎ||ふた|じん||とりまき||おれ||いっぽうてきに|せんげん|

「 俺 の 勝ちって 事 で 。 おれ||かち って|こと| こいつ 、 負けたら 何でも 一 つ 言う 事 聞くって 言って たな ? |まけたら|なんでも|ひと||いう|こと|きく って|いって| それ じゃあ 、 この 魔 剣 を 貰って いきます ね 」 その 言葉 に 取り巻き の 一 人 が いきり立つ 。 |||ま|けん||もらって|いき ます|||ことば||とりまき||ひと|じん||いきりたつ 「 なっ!? バ 、 バカ 言って んじゃ ない わ よ ! な っ||ばか|いって|||| それ に 、 その 魔 剣 は キョウヤ に しか 使いこなせ ない わ 。 |||ま|けん|||||つかいこなせ|| 魔 剣 は 持ち主 を 選ぶ の よ 。 ま|けん||もちぬし||えらぶ|| 既に その 剣 は 、 キョウヤ を 持ち主 と 認めた の よ ? すでに||けん||||もちぬし||みとめた|| あんた に は 、 魔 剣 の 加護 は 効果 が ない わ ! |||ま|けん||かご||こうか||| 自信 たっぷり に 言って くる 少女 の 言葉 に 、 俺 は アクア の 方 を 振り向いた 。 じしん|||いって||しょうじょ||ことば||おれ||||かた||ふりむいた

「…… マジ で ? この 戦 利 品 、 俺 に は 使え ない の か ? |いくさ|り|しな|おれ|||つかえ||| せっかく 強力な 装備 を 巻き上げた と 思った んだ けど 」 |きょうりょくな|そうび||まきあげた||おもった||

「 マジ です 。 残念だ けど 、 魔 剣 グラム は あの 痛い 人 専用 よ 。 ざんねんだ||ま|けん|ぐらむ|||いたい|じん|せんよう| 装備 する と 人 の 限界 を 超えた 膂力 が 手 に 入り 、 石 だろう が 鉄 だろう が サックリ 斬 れる 魔 剣 だ けれど 。 そうび|||じん||げんかい||こえた|りょりょく||て||はいり|いし|||くろがね||||き||ま|けん|| カズマ が 使ったって 普通の 剣 よ 」 なんて こった ……。 ||つかった って|ふつうの|けん||| でも まあ せっかく だし 貰って おこう か 。 ||||もらって||

「 じゃあ な 。 そい つ が 起きたら 、 これ は お前 が 持ちかけた 勝負 なんだ から 恨みっこ 無し だって 言っと いて くれ 。 |||おきたら|||おまえ||もちかけた|しょうぶ|||うらみ っこ|なし||げん っと|| If that happens, tell me that this is a game you've come up with and that you don't have a grudge. …… それ じゃ アクア 、 ギルド に 報告 に 行こう ぜ 」 |||ぎるど||ほうこく||いこう|

言って 踵 を 返す 俺 に 、 ミツルギ の 仲間 の 少女 が 武器 を 構えた 。 いって|かかと||かえす|おれ||||なかま||しょうじょ||ぶき||かまえた

「 ちょ ちょ ちょ 、 ちょっと あんた 待ち なさい よっ! |||||まち|| 「 キョウヤ の 魔 剣 、 返して 貰う わ よ 。 ||ま|けん|かえして|もらう|| こんな 勝ち 方 、 私 達 は 認め ない ! |かち|かた|わたくし|さとる||みとめ| その 二 人 の 少女 に 、 俺 は 手 を ワキワキ さ せて 見せつけた 。 |ふた|じん||しょうじょ||おれ||て|||||みせつけた

「 別に いい けど 、 真 の 男女 平等 主義 者 な 俺 は 、 女の子 相手 でも ドロップ キック を 食らわ せられる 公平な 男 。 べつに|||まこと||だんじょ|びょうどう|しゅぎ|もの||おれ||おんなのこ|あいて||どろっぷ|きっく||くらわ|せら れる|こうへいな|おとこ 手加減 して もらえる と 思う な よ ? てかげん||||おもう|| と 言う か 女 相手 なら 、 この 公衆 の 面前 で 俺 の スティール が 炸裂 する ぞ 」 |いう||おんな|あいて|||こうしゅう||めんぜん||おれ||||さくれつ||

俺 の 手 を 見た 二 人 の 少女 は 、 違う 意味 で の 身 の 危険 を 感じ取った の か 、 不安 気 な 表情 で 後 ず さった 。 おれ||て||みた|ふた|じん||しょうじょ||ちがう|いみ|||み||きけん||かんじとった|||ふあん|き||ひょうじょう||あと||

「「「 うわ あ …………」」」

そんな 俺 に 、 軽く ひいて いる 仲間 の 視線 が 痛い です 。 |おれ||かるく|||なかま||しせん||いたい| It hurts me to look at my friends who are lightly pulling.

俺 達 は 借りて いた オリ を 引きずって 、 ようやく ギルド へ と 帰って 来た 。 おれ|さとる||かりて||||ひきずって||ぎるど|||かえって|きた

報酬 は 全部 アクア に やる と 決まった ので 、 クエスト の 完了 報告 は アクア 達 に 任せ 、 俺 は と いえば 、 馬 を 返す ついで に 、 戦 利 品 の 魔 剣 を 手 に ある 所 に 寄った 後 、 皆 より 遅れて 冒険 者 ギルド の 前 へ と やって 来た 。 ほうしゅう||ぜんぶ|||||きまった||||かんりょう|ほうこく|||さとる||まかせ|おれ||||うま||かえす|||いくさ|り|しな||ま|けん||て|||しょ||よった|あと|みな||おくれて|ぼうけん|もの|ぎるど||ぜん||||きた

………… の 、 だが ……。

「 な 、 何で よ おお おお おっ! |なんで||||お っ ギルド の 中 から 喧 しい アクア の 声 が 聞こえて きた 。 ぎるど||なか||けん||||こえ||きこえて|

あいつ は 、 とにかく 騒ぎ を 起こさ ない と 気 が 済まない のだろう か 。 |||さわぎ||おこさ|||き||すまない||

中 に 入る と 、 そこ で は 、 涙 目 に なった アクア が 職員 に 摑 み かかって いた 。 なか||はいる|||||なみだ|め|||||しょくいん|||||

「 だ から 、 借りた オリ は 私 が 壊した んじゃ ないって 言って る でしょ !? ミツルギって 人 が オリ を 捻じ曲げた んだって ば ! ||かりた|||わたくし||こわした||ない って|いって|||ミツルギ って|じん||||ねじまげた|ん だって| それ を 、 何で 私 が 弁償 し なきゃ いけない の よ ! ||なんで|わたくし||べんしょう||||| なるほど 、 そう いえば 勝手に オリ を 曲げて 、 アクア を 助けよう と した んだっけ 。 |||かってに|||まげて|||たすけよう|||んだ っけ 代わり に アクア が 、 壊れた オリ の 請求 を 受けて いる らしい 。 かわり||||こぼれた|||せいきゅう||うけて||

しばらく 粘って いた アクア だった が 、 やがて 諦めた の か 、 報酬 を 貰って 俺 達 の テーブル へ トボトボ と やって 来る 。 |ねばって||||||あきらめた|||ほうしゅう||もらって|おれ|さとる||てーぶる||とぼとぼ|||くる

「…… 今回 の 報酬 、 壊した オリ の お 金 を 引いて 、 十万 エリス だって ……。 こんかい||ほうしゅう|こわした||||きむ||ひいて|じゅうまん|| あの オリ 、 特別な 金属 と 製法 で 作られて る から 、 二十万 も する んだって さ ……」 しょんぼり して いる アクア に 、 流石 に ちょっと 同情 した 。 ||とくべつな|きんぞく||せいほう||つくら れて|||にじゅうまん|||ん だって|||||||さすが|||どうじょう| ミツルギ に 関して は 、 アクア は とんだ とばっちり だ 。 ||かんして|||||| 关于三木,水是完美的。

「 あの 男 、 今度 会ったら 絶対 ゴッドブロー を 食らわ せて やる わっ! |おとこ|こんど|あったら|ぜったい|||くらわ|||わ っ そして オリ の 弁償 代 払わ せて やる から !!」 |||べんしょう|だい|はらわ|||

アクア が 、 席 に 着いて メニュー を ギリギリ と 握りしめ ながら 歯ぎしり する 。 ||せき||ついて|めにゅー||ぎりぎり||にぎりしめ||はぎしり|

俺 と して は 、 もう あいつ に は 会い たく ない んです が 。 おれ||||||||あい||||

…… と 、 アクア が 未 だ 悔し げ に 喚 く 中 。 |||み||くやし|||かん||なか

「 ここ に いた の かっ! ||||か っ 探した ぞ 、 佐藤 和 真 ! さがした||さとう|わ|まこと ギルド の 入り口 に 、 丁度 話題 の ミツルギ が 、 取り巻き の 少女 二 人 を 連れて 立って いた 。 ぎるど||いりぐち||ちょうど|わだい||||とりまき||しょうじょ|ふた|じん||つれて|たって|

教えて も いない 俺 の フル ネーム を いきなり 叫んだ ミツルギ は 、 俺 達 の いる テーブル に ツカツカ と 歩み寄り 、 バン と テーブル に 手 を 叩きつける 。 おしえて|||おれ||ふる|ねーむ|||さけんだ|||おれ|さとる|||てーぶる||||あゆみより|ばん||てーぶる||て||たたきつける 「 佐藤 和 真 ! さとう|わ|まこと 君 の 事 は 、 ある 盗賊 の 女の子 に 聞いたら すぐに 教えて くれた よ 。 きみ||こと|||とうぞく||おんなのこ||きいたら||おしえて|| ぱん つ 脱が せ 魔 だって ね 。 ||だつ が||ま|| They say she's a panty-removal demon. 他 に も 、 女の子 を 粘液 まみれ に する の が 趣味 な 男 だ と か 、 色々な 人 の 噂 に なって いた よ 。 た|||おんなのこ||ねんえき||||||しゅみ||おとこ||||いろいろな|じん||うわさ|||| 鬼畜 の カズマ だって ね 」 きちく||||

「 おい 待て 、 誰 が それ 広めて た の か 詳しく 」 |まて|だれ|||ひろめて||||くわしく "Hey, wait a minute, who's been spreading the word?"

盗賊 に は 心当たり は ある が 、 他 が 問題 だ 。 とうぞく|||こころあたり||||た||もんだい|

俺 の 知ら ない 所 で 、 鬼畜 だの と あら ぬ 噂 が ……! おれ||しら||しょ||きちく|||||うわさ|

真剣な 表情 で 俺 に 詰め寄る ミツルギ の 前 に 、 アクア が ゆら り と 立ち塞がる 。 しんけんな|ひょうじょう||おれ||つめよる|||ぜん|||||||たちふさがる

「…… アクア 様 。 |さま 僕 は この 男 から 魔 剣 を 取り返し 、 必ず 魔 王 を 倒す と 誓います 。 ぼく|||おとこ||ま|けん||とりかえし|かならず|ま|おう||たおす||ちかい ます ですから ……。 ですから この 僕 と 、 同じ パーティー ぐ ぶ えっ!?」 「「 ああっ!? キョウヤ ! ||ぼく||おなじ|ぱーてぃー||||ああ っ| 」」

アクア に 無言 で ぶん 殴ら れ 、 ミツルギ が 吹っ飛んだ 。 ||むごん|||なぐら||||ふっとんだ

床 に 転がる ミツルギ に 、 慌てて 仲間 の 少女 達 が 駆け寄る 。 とこ||ころがる|||あわてて|なかま||しょうじょ|さとる||かけよる

なぜ 殴ら れた の か 分から ない と いった 表情 の ミツルギ に 、 アクア は ツカツカ と 詰め寄り その 胸ぐら を 摑 み上げる と 。 |なぐら||||わから||||ひょうじょう||||||||つめより||むなぐら|||みあげる|

「 ちょっと あんた オリ 壊した お 金 払い なさい よ ! |||こわした||きむ|はらい|| おかげ で 私 が 弁償 する 事 に なった んだ から ね ! ||わたくし||べんしょう||こと||||| 三十万 よ 三十万 、 あの オリ 特別な 金属 と 製法 で 出来て る から 高い ん だって さ ! さんじゅうまん||さんじゅうまん|||とくべつな|きんぞく||せいほう||できて|||たかい||| ほら 、 とっとと 払い なさい よっ! ||はらい|| さっき 、 あの オリ は 二十万って 言って なかった か ? ||||にじゅうまん って|いって|| ミツルギ は 殴ら れた 所 を 押さえ 、 尻餅 を ついた 体勢 で 、 アクア に 気圧され ながら 素直に サイフ から 金 を 出す 。 ||なぐら||しょ||おさえ|しりもち|||たいせい||||けおされ||すなおに|||きむ||だす

ミツルギ から 金 を 受け取り 、 アクア は ホクホク し ながら 再び メニュー を 手 に 取った 。 ||きむ||うけとり|||ほくほく|||ふたたび|めにゅー||て||とった

気 を 取り 直した ミツルギ が 、 上機嫌で メニュー を 片手 に 店員 を 呼ぶ アクア を 気 に し ながら 、 俺 に 悔し そうに 言う 。 き||とり|なおした|||じょうきげんで|めにゅー||かたて||てんいん||よぶ|||き||||おれ||くやし|そう に|いう

「…… あんな やり 方 でも 、 僕 の 負け は 負け だ 。 ||かた||ぼく||まけ||まけ| そして 何でも 言う 事 を 聞く と 言った 手前 、 こんな 事 を 頼む の は 虫 が いい の も 理解 して いる 。 |なんでも|いう|こと||きく||いった|てまえ||こと||たのむ|||ちゅう|||||りかい|| 在我说我会听到任何声音之前,我了解到要求这种事情是一种好昆虫。 …… だが 、 頼む ! |たのむ 魔 剣 を 返して は くれ ない か ? ま|けん||かえして|||| あれ は 君 が 持って いて も 役 に は 立た ない 物 だ 。 ||きみ||もって|||やく|||たた||ぶつ| 君 が 使って も 、 そこら の 剣 より は 斬 れる 、 その 程度 の 威力 しか 出 ない 。 きみ||つかって||||けん|||き|||ていど||いりょく||だ| …… どう だろう ? 剣 が 欲しい の なら 、 店 で 一 番 良い 剣 を 買って あげて も いい 。 けん||ほしい|||てん||ひと|ばん|よい|けん||かって||| …… 返して は くれ ない か ? かえして|||| 本人 自ら 言って いる が 、 また 随分 と 虫 の いい 話 だ 。 ほんにん|おのずから|いって||||ずいぶん||ちゅう|||はなし|

いくら いら ない 子 と は いえ 、 アクア は 、 一応 この 世界 へ の 移住 特典 と して 俺 に くっついて きた おまけ な わけだ 。 |||こ||||||いちおう||せかい|||いじゅう|とくてん|||おれ||||||

それ は つまり 、 俺 も ミツルギ の 持つ 魔 剣 相当 の 特典 を 賭けた と いう 事 に なる 。 |||おれ||||もつ|ま|けん|そうとう||とくてん||かけた|||こと|| In other words, I also bet on the benefits of Mitsurugi's magic sword.

アクア が 魔 剣 に 相当 して いる の か と 言わ れれば 、 黙る しか ない が 。 ||ま|けん||そうとう||||||いわ||だまる|||

「 私 を 勝手に 景品 に して おいて 、 負けたら 良い 剣 を 買って あげる から 魔 剣 返してって 、 虫 が 良い と は 思わ ない の ? わたくし||かってに|けいひん||||まけたら|よい|けん||かって|||ま|けん|かえして って|ちゅう||よい|||おもわ|| "I'll give me a free gift, and if I lose, I'll buy a good sword, so I'll return the magic sword, don't you think the insects are good? それとも 、 私 の 価値 は お 店 で 一 番 高い 剣 と 同等って 言いたい の ? |わたくし||かち|||てん||ひと|ばん|たかい|けん||どうとう って|いい たい| 無礼 者 、 無礼 者 ! ぶれい|もの|ぶれい|もの 仮にも 神様 を 賭け の 対象 に するって 何 考えて る んです か ? かりにも|かみさま||かけ||たいしょう||する って|なん|かんがえて||| 顔 も 見 たく ない ので あっち へ 行って 。 かお||み||||あっ ち||おこなって ほら 早く 、 あっち へ 行って ! |はやく|あっ ち||おこなって メニュー 片手 に シッシ と 手 を 振る アクア の 言葉 に 、 ミツルギ の 顔 が 青ざめた 。 めにゅー|かたて||||て||ふる|||ことば||||かお||あおざめた

まあ 、 勝手に 話 を 進め られた 挙げ句 に これ で は アクア が 怒る の も 無理 は ない が 。 |かってに|はなし||すすめ||あげく|||||||いかる|||むり|||

「 ま まま 、 待って ください アクア 様 ! ||まって|||さま 別に あなた を 安く 見て いた 訳 で は ……っ! べつに|||やすく|みて||やく||| 慌てる ミツルギ に 、 めぐみ ん が クイクイ と ミツルギ の 袖 を 引く 。 あわてる||||||||||そで||ひく

「……? なに か な 、 お 嬢ちゃん ……、 ん ? ||||じょうちゃん| ミツルギ の 注意 を 引いた めぐみ ん は 、 そのまま 俺 を 指 で 差す 。 ||ちゅうい||ひいた|||||おれ||ゆび||さす

正確に は 、 俺 の 腰 の 辺り を 。 せいかくに||おれ||こし||あたり|

「…… まず 、 この 男 が 既に 魔 剣 を 持って いない 件 に ついて 」 「!?」 ||おとこ||すでに|ま|けん||もって||けん|| "... First of all, about the case where this man no longer has a magic sword." "!?" 言われて 気づいた ミツルギ が 、 「 さ 、 佐藤 和 真 ! いわ れて|きづいた||||さとう|わ|まこと 魔 剣 は !? ぼ ぼ ぼ 、 僕 の 魔 剣 は どこ へ やった !?」 ま|けん|||||ぼく||ま|けん||||

顔 中 に 脂汗 を 浮かべて 俺 に 縋りつく 。 かお|なか||あぶらあせ||うかべて|おれ||すがりつく

俺 は 一言 。 おれ||いちげん

「 売った 」 うった