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2 - Harry Potter, 18.1 ドビー の ご ほうび - Dobby 's Reward

18.1 ドビー の ご ほうび - Dobby 's Reward

第 18 章 ドビー の ご ほうび - Dobby ' s Reward

ハリー 、 ロン 、 ジニー 、 ロックハート が 、 泤 まみれ の ネトネト で ( ハリー は その 上 血まみれ で ) 戸口 に 立つ と 、 一瞬 沈黙 が 流れた 。

そして 叫び声 が あがった 。

「 ジニー !」

ウィーズリー 夫人 だった 。

暖炉 の 前 に 座りこんで 、 泣き 続けて いた ウィーズリー 夫人 が 飛び上がって ジニー に 駆け寄 り 、 ウィーズリー 氏 も すぐ あと に 続いた 。

二 人 は 娘 に 飛びついて 抱きしめた 。

しかし 、 ハリー の 目 は 、 ウィーズリー 親子 を 通り越した むこう を 見て いた 。

ダンブルドア 先生 が 暖炉 の そば に マクゴナガル 先生 と 並んで 立ち 、 ニッコリ して いる 。

マクゴナガル 先生 は 胸 を 押さえて 、 スーッ と 大きく 深呼吸 し 、 落ち着こう と して いた 。 フォークス は ハリー の 耳元 を ヒュッ と かすめ 、 ダンブルドア の 肩 に 止まった 。

それ と 同時に 、 ハリー も ロン も ウィーズリー 夫人 に きつく 抱きしめられて いた 。 「 あなた たち が あの 子 を 助けて くれた ! あの 子 の 命 を ! どう やって 助けた の ?」 「 私 たち 全員 が それ を 知りたい と 思って います よ 」 マクゴナガル 先生 が ポツリ と 言った 。 ウィーズリー 夫人 が ハリー から 腕 を 離した 。 ハリー は ちょっと 躊躇 した が 、 デスク まで 歩 い て 行き 、「 組 分け 帽子 」 と ルビー の ちりばめられた 剣 、 それ に リドル の 日記 の 残骸 を その 上 に 置いた 。 ハリー は 一部始終 を 語り はじめた 。

十五 分 も 話したろう か 、 聞き手 は 魅せられた ように シーン と して 聞き入った 。

姿 なき声 を 聞いた こと 、 それ が 水道 パイプ の 中 を 通る バジリスク だ と 、 ハーマイオニー が 遂 に 気づいた こと 、 ロン と 二 人 で クモ を 追って 森 に 入った こと 、 アラゴグ が 、 バジリスク の 最後 の 犠牲 者 が どこ で 死んだ か を 話して くれた こと 、「 嘆き の マートル 」 が その 犠牲 者 で は ない か 、 そして 、 トイレ の どこ か に 、「 秘密の 部屋 」 の 入口 が ある ので は ない か と ハリー が 考えた こと ......。

「 そう でした か 」 マクゴナガル 先生 は 、 ハリー が ちょっと 息 を 継いだ とき に 、 先 を 促す ように 言った 。

「 それ で 入口 を 見つけた わけです ね ―― その 間 、 約 百 の 校則 を 粉々に 破った と 言って おき ま しょう ―― でも ポッター 、 いったい全体 どう やって 、 全員 生きて その 部屋 を 出られた と い う のです か ?」 さんざん 話して 声 が かすれて きた が 、 ハリー は 話 を 続けた 。 フォークス が ちょうど よい とき に 現れた こと 、「 組 分け 帽子 」 が 、 剣 を ハリー に くれた こ と 。

しかし 、 ここ で ハリー は 言葉 を 途 切ら せた 。 それ まで は リドル の 日記 の こと ―― ジニー の こ と ―― に 触れ ない ように して きた 。

ジニー は 、 ウィーズリー おばさん の 肩 に 頭 を もたせかけて 立って いる 。

まだ 涙 が ポロポロ と 静かに 頬 を 伝って 落ちて いた ―― ジニー が 退学 さ せられたら どうしよう ? 混乱 した 頭 で ハリー は 考えた 。 リドル の 日記 は もう 何も でき ない ......。 ジニー が やった こと は 、 リドル が やら せて いた のだ と 、 どう やって 証明 できる だろう ?

本能 的に 、 ハリー は ダンブルドア を 見た 。

ダンブルドア が かすかに 微笑み 、 暖炉 の 火 が 、 半月 形 の メガネ に チラチラ と 映った 。

「 わし が 一 番 興味 が ある の は 」 ダンブルドア が やさしく 言った 。

「 ヴォルデモート 卿 が 、 どう やって ジニー に 魔法 を かけた か と いう こと じゃ な 。 わし の 個人 的 情報 に よれば 、 ヴォルデモート は 、 現在 アルバニア の 森 に 隠れて いる らしい が 」

―― よかった ―― 暖かい 、 すばらしい 、 うねる ような 安堵 感 が 、 ハリー の 全身 を 包んだ 。 「 な 、 なんで すって ?」 ウィーズリー 氏 が キョトンと した 声 を あげた 。

「『 例の あの 人 』 が ? ジニー に 、 ま 、 魔法 を かけた と ? でも 、 ジニー は そんな ...... ジニー は これ まで そんな ...... それとも ほんとうに ?」

「 この 日記 だった んです 」 ハリー は 急いで そう 言う と 、 日記 を 取り上げ 、 ダンブルドア に 見 せた 。

「 リドル は 十六 歳 の とき に 、 これ を 書きました 」 ダンブルドア は ハリー の 手 から 日記 を 取り 、 長い 折れ曲がった 鼻 の 上 から 日記 を 見下ろし 、 焼け焦げ 、 ブヨブヨ に なった ページ を 熱心に 眺め 回した 。 「 見事じゃ 」 ダンブルドア が 静かに 言った 。 「 たしかに 、 彼 は ホグワーツ 始まって 以来 、 最高の 秀才 だった と 言える じゃ ろう 」

次に ダンブルドア は 、 さっぱり わから ない と いう 顔 を して いる ウィーズリー 一家 の 方 に 向き 直った 。

「 ヴォルデモート 卿 が 、 かつて トム ・ リドル と 呼ばれて いた こと を 知る 者 は 、 ほとんど いな い 。 わし 自身 、 五十 年 前 、 ホグワーツ で トム を 教えた 。 卒業 後 、 トム は 消えて しまった ...... 遠く へ 。 そして あちこち へ 旅 を した ...... 闇 の 魔術 に どっぷり と 沈み 込み 、 魔法 界 で 最も 好ま しから ざる 者 たち と 交わり 、 危険な 変身 を 何度 も へて 、 ヴォルデモート 卿 と して 再び 姿 を 現 した とき に は 、 昔 の 面影 は まったく なかった 。 あの 聡明で ハンサムな 男の子 、 かつて ここ で 首席 だった 子 を 、 ヴォルデモート 郷 と 結びつけて 考える 者 は 、 ほとんど い なかった 」

「 でも 、 ジニー が 」 ウィーズリー 夫人 が 聞いた 。

「 うち の ジニー が 、 その ―― その 人 と ―― なんの 関係 が ?」

「 その 人 の 、 に 、 日記 な の !」 ジニー が しゃくりあげた 。

「 あたし 、 いつも その 日記 に 、 か 、 書いて いた の 。 そ したら 、 その 人 が 、 あたし に 今 学期 中 ずっと 、 返事 を くれた の ――」

「 ジニー !」 ウィーズリー 氏 が 仰天 して 叫んだ 。

「 パパ は おまえ に 、 なんにも 教えて なかった と いう の かい ? パパ が いつも 言って た だろう ? 脳みそ が どこ に ある か 見え ない のに 、 一 人 で 勝手に 考える こと が できる もの は 信用 しちゃ いけないって 、 教えた だろう ? どうして 日記 を パパ か ママ に 見せ なかった の ? そんな 妖し げ な もの は 、 闇 の 魔術 が 詰まって いる こと は はっきり して いる のに !」

「 あたし 、 し 、 知ら なかった 」 ジニー が また しゃくりあげた 。

「 ママ が 準備 して くれた 本 の 中 に これ が あった の 。 あたし 、 誰 か が そこ に 置いて 行って 、 すっかり 忘れて しまった んだろうって 、 そ 、 そう 思った ......」 「 ミス ・ ウィーズリー は すぐに 医務 室 に 行き なさい 」 ダンブルドア が 、 きっぱり した 口調 で ジニー の 話 を 中断 した 。 「 苛酷な 試練 じゃったろう 。 処罰 は なし 。 もっと 年上 の 、 もっと 賢い 魔法使い で さえ 、 ヴォ ルデモート 卿 に たぶらかされて きた のじゃ 」 ダンブルドア は ツカツカ と 出口 まで 歩いて いって 、 ドア を 開けた 。 「 安静に して 、 それ に 、 熱い 湯気 の 出る ような ココア を マグカップ 一杯 飲む が よい 。 わし は つ も それ で 元気 が 出る 」

ダンブルドア は キラキラ 輝く 日 で 優しく ジニー を 見下ろして いた 。

「 マダム ・ ポンフリー は まだ 起きて おる 。 マンドレイク の ジュース を みんな に 飲ま せた とこ ろ で な ―― きっと 、 バジリスク の 犠牲 者 たち が 、 今にも 目 を 覚ます じゃ ろう 」

「 じゃ 、 ハーマイオニー は 大丈夫な んだ !」 ロン が 嬉し そうに 言った 。

「 よかった 」 ハリー も 言った 。

「 回復 不能 の 傷害 は 何も なかった 」 ダンブルドア が 答えた 。

ウィーズリー 夫人 が ジニー を 連れて 出て 行った 。

ウィーズリー 氏 も 、 まだ 動揺 が やま ない 様子 だった が 、 あと に 続いた 。

「 のう 、 ミネルバ 」 ダンブルドア が 、 マクゴナガル 先生 に 向かって 考え 深 げ に 話しかけた 。

「 これ は 一 つ 、 盛大に 祝宴 を 催す 価値 が ある と 思う んじゃ が 。 キッチン に その こと を 知らせ に 行って は くれ まい か ?」

「 わかりました 」 マクゴナガル 先生 は キビキビ と 答え 、 ドア の 方 に 向かった 。 「 ポッター と ウィーズリー の 処置 は 先生 に お まかせ して よろしい です ね ?」

「 もちろん じゃ 」 ダンブルドア が 答えた 。

マクゴナガル 先生 も い なく なり 、 ハリー と ロン は 不安 げ に ダンブルドア 先生 を 見つめた 。

―― マクゴナガル 先生 が 「 処置 は まかせる 」って 、 どういう 意味 なんだろう ? まさか ―― まさか ―― 僕たち 処罰 さ れる なんて こと は ない だろう な ? 「 わし の 記憶 で は 、 君 たち が これ 以上 校則 を 破ったら 、 二 人 を 退 校 処分 に せ ざる を え ない と 言いました な 」 ダンブルドア が 言った 。 ロン は 恐怖 で 口 が パクリ と 開いた 。

「 どうやら 誰 に でも 誤 ち は ある もの じゃ な 。 わし も 前言 撤回 じゃ 」

ダンブルドア は 微笑んで いる 。

「 二 人 と も 『 ホクワーツ 特別 功労 賞 』 が 授与 さ れる 。 それ に ―― そうじゃ な ―― ウム 、 一 人 に つき 二〇〇 点 ずつ グリフィンドール に 与えよう 」

ロン の 顔 が 、 まるで ロック ハート の バレンタイン の 花 の ように 、 明るい ピンク 色 に 染まった 。 口 も 閉じた 。

「 しかし 、 一 人 だけ 、 この 危険な 冒険 の 自分 の 役割 に ついて 、 恐ろしく 物静かな 人 が いる よ う じゃ 」 ダンブルドア が 続けた 。

「 ギルデロイ 、 ずいぶん と 控え目じゃ な 。 どうした ?」

ハリー は びっくり した 。

ロック ハート の こと を すっかり 忘れて いた 。 振り返る と 、 ロックハート は 、 まだ 暖味 な 微笑 を 浮かべて 、 部屋 の 隅 に 立って いた 。

ダンブルドア に 呼びかけられる と 、 ロックハート は 肩 越し に 自分 の 後ろ を 見て 、 誰 が 呼びかけられた の か を 見よう と した 。 「 ダンブルドア 先生 」 ロン が 急いで 言った 。

「『 秘密の 甜屋 』 で 事故 が あって 、 ロックハート 先生 は 」

「 わたし が 、 先生 !」 ロックハート が ちょっと 驚いた ように 言った 。

「 おや まあ 、 わたし は 役立た ず の ダメ 先生 だった でしょう ね ?」

「 ロック ハート 先生 が 『 忘却 術 』 を かけよう と したら 、 杖 が 逆 噴射 した んです 」

ロン は 静かに ダンブルドア に 説明 した 。

「 なんと 」 ダンブルドア は 首 を 振り 、 長い 銀色 の 口 髭 が 小刻みに 震えた 。

「 自ら の 剣 に 貫か れた か 、 ギルデロイ !」

「 剣 ?」 ロックハート が ぼんやり と 言った 。

「 剣 なんか 持って いません よ 。 でも 、 その 子 が 持って います 」 ギルデロイ は ハリー を 指差し た 。 「 その 子 が 剣 を 貸して くれます よ 」 「 ロック ハート 先生 も 医務 室 に 連れて 行って くれ ん かね ?」 ダンブルドア が ロン に 頼んだ 。 「 わし は ハリー と ちょっと 話したい こと が ある ......」 ロック ハート は のんびり と 出て いった 。 ロン は ドア を 閉め ながら 、 ダンブルドア と ハリー を 好奇心 の 目 で チラッ と 見た 。

ダンブルドア は 暖炉 の そば の 椅子 に 腰掛けた 。

「 ハリー 、 お 座り 」 ダンブルドア に 言われて 、 ハリー は 胸騒ぎ を 覚え ながら 椅子 に 座った 。 「 まずは 、 ハリー 、 お 礼 を 言おう 」 ダンブルドア の 目 が また キラキラ と 輝いた 。

「『 秘密の 部屋 』 の 中 で 、 君 は わし に 真 の 信頼 を 示して くれた に 違いない 。

それ で なければ 、 フォークス は 君 の ところ に 呼び寄せられ なかった はずじゃ 」 ダンブルドア は 、 膝 の 上 で 羽 を 休めて いる 不死鳥 を 撫でた 。 ハリー は ダンブルドア に 見つめられ 、 ぎ ご ち なく ニコッ と した 。 「 それ で 、 君 は トム ・ リドル に 会った わけだ 」 ダンブルドア は 考え 深 げ に 言った 。

「 たぶん 、 君 に 並々 なら ぬ 関心 を 示した こと じゃ ろう な ......」

ハリー の 心 に しくしく 突き刺さって いた 何 か が 、 突然 口 を ついで 飛び出した 。

「 ダンブルドア 先生 ...... 僕 が リドル に 似て いるって 彼 が 言った んです 。 不思議に 似通って いるって 、 そう 言った んです ......」 「 ほお 、 そんな こと を ?」 ダンブルドア は ふさふさ した 銀色 の 眉 の 下 から 、 思慮 深い 目 を ハ リー に 向けた 。 「 それ で 、 ハリー 、 君 は どう 思う かね ?」

「 僕 、 あいつ に 似て いる と は 思いません !」 ハリー の 声 は 自分 でも 思いがけない ほど 大きかった 。 「 だって 、 僕 は ―― 僕 は グリフィンドール 生 です 。 僕 は ......」

しかし 、 ハリー は ふと 口 を つぐんだ 。 ずっと もやもや して いた 疑い が また 首 を もたげた 。 「 先生 」 しばらく して また ハリー は 口 を 開いた 。

「『 組 分け 帽子 』 が 言った んです 。 僕 が 、 僕 が スリザリン で うまく やって 行けた だろう にって 。 みんな は 、 しばらく の 間 、 僕 を スリザリン の 継承 者 だ と 思って いました ...... 僕 が 蛇 語 が 話せる から ......」 「 ハリー 」 ダンブルドア が 静かに 言った 。 「 君 は たしかに 蛇 語 を 話せる 。 なぜなら 、 ヴォルデモート 卿 が サラザール ・ スリザリン の 最後 の 子孫 じゃ が ―― 蛇 語 を 話せる から じゃ 。 わし の 考え が だいたい 当たって いる なら 、 ヴォ ルデモート 卿 が 君 に その 傷 を 負わ せた あの 夜 、 自分 の 力 の 一部 を 君 に 移して しまった 。 もちろん 、 そう しよう と 思って した こと で は ない が ......」

「 ヴォルデモート の 一部 が 僕 に ?」 ハリー は 雷 に 打た れた ような 気 が した 。 「 どうも その ようじゃ 」

「 それ じゃ 、 僕 は スリザリン に 入る べき なんだ 」 ハリー は 絶望 的な 目 で ダンブルドア の 顔 を 見つめた 。

「『 組 分け 帽子 』 が 僕 の 中 に ある スリザリン の 力 を 見抜いて 、 それ で ――」

「 君 を グリフィンドール に 入れた のじゃ 」 ダンブルドア は 静かに 言った 。

「 ハリー 、 よく お 聞き 。 サラザール ・ スリザリン が 自ら 選び 抜いた 生徒 は 、 スリザリン が 誇り に 思って いた さまざまな 資質 を 備えて いた 。 君 も たまたま そういう 資質 を 持って おる 。 ス リザリン 自身 の まれに みる 能力 である 蛇 語 ...... 機知 に 富む 才知 ...... 断固たる 決意 ...... やや 規則 を 無視 する 傾向 」

ダンブルドア は また 口 髭 を いたずらっぼく 震わせた 。 「 それ でも 『 組 分け 帽子 』 は 君 を グリフィンドール に 入れた 。 君 は その 理由 を 知って おる 。 考えて ごらん 」

「 帽子 が 僕 を グリフィンドール に 入れた の は 」

ハリー は 打ちのめさ れた ような 声 で 言った 。

「 僕 が スリザリン に 入れ ないでって 頼んだ から に 過ぎ ない んだ ......」 「 その 通り 」 ダンブルドア が また ニッコリ した 。 「 それ だ から こそ 、 君 が トム ・ リドル と 違う 者 だ と いう 証拠 に なる んじゃ 。 ハリー 、 自分 が ほんとうに 何者 か を 示す の は 、 持って いる 能力 で は なく 、 自分 が どのような 選択 を する か と いう こと な んじゃ よ 」

ハリー は 呆然と して 、 身動き も せ ず 椅子 に 座って いた 。


18.1 ドビー の ご ほうび - Dobby 's Reward ||||dobby||reward 18.1 Dobby's Reward - Dobby 's Reward 18.1 Nagroda Dobby'ego - Nagroda Dobby'ego 18.1 Dobbys belöning - Dobbys belöning

第 18 章 ドビー の ご ほうび - Dobby ' s Reward だい|しょう|||||dobby||reward

ハリー 、 ロン 、 ジニー 、 ロックハート が 、 泤 まみれ の ネトネト で ( ハリー は その 上 血まみれ で ) 戸口 に 立つ と 、 一瞬 沈黙 が 流れた 。 ||||||||ねとねと|||||うえ|ちまみれ||とぐち||たつ||いっしゅん|ちんもく||ながれた

そして 叫び声 が あがった 。 |さけびごえ||

「 ジニー !」

ウィーズリー 夫人 だった 。 |ふじん|

暖炉 の 前 に 座りこんで 、 泣き 続けて いた ウィーズリー 夫人 が 飛び上がって ジニー に 駆け寄 り 、 ウィーズリー 氏 も すぐ あと に 続いた 。 だんろ||ぜん||すわりこんで|なき|つづけて|||ふじん||とびあがって|||かけよ|||うじ|||||つづいた

二 人 は 娘 に 飛びついて 抱きしめた 。 ふた|じん||むすめ||とびついて|だきしめた

しかし 、 ハリー の 目 は 、 ウィーズリー 親子 を 通り越した むこう を 見て いた 。 |||め|||おやこ||とおりこした|||みて| But Harry's eyes were looking beyond Weasley's parents and children.

ダンブルドア 先生 が 暖炉 の そば に マクゴナガル 先生 と 並んで 立ち 、 ニッコリ して いる 。 |せんせい||だんろ|||||せんせい||ならんで|たち|にっこり||

マクゴナガル 先生 は 胸 を 押さえて 、 スーッ と 大きく 深呼吸 し 、 落ち着こう と して いた 。 |せんせい||むね||おさえて|||おおきく|しんこきゅう||おちつこう||| フォークス は ハリー の 耳元 を ヒュッ と かすめ 、 ダンブルドア の 肩 に 止まった 。 ||||みみもと|||||||かた||とまった

それ と 同時に 、 ハリー も ロン も ウィーズリー 夫人 に きつく 抱きしめられて いた 。 ||どうじに||||||ふじん|||だきしめ られて| At the same time, both Harry and Ron were tightly hugged by Mrs. Weasley. 「 あなた たち が あの 子 を 助けて くれた ! あの 子 の 命 を ! どう やって 助けた の ?」 「 私 たち 全員 が それ を 知りたい と 思って います よ 」 マクゴナガル 先生 が ポツリ と 言った 。 ||||こ||たすけて|||こ||いのち||||たすけた||わたくし||ぜんいん||||しり たい||おもって|い ます|||せんせい||ぽつり||いった ウィーズリー 夫人 が ハリー から 腕 を 離した 。 |ふじん||||うで||はなした Mrs. Weasley lifted her arm from Harry. ハリー は ちょっと 躊躇 した が 、 デスク まで 歩 い て 行き 、「 組 分け 帽子 」 と ルビー の ちりばめられた 剣 、 それ に リドル の 日記 の 残骸 を その 上 に 置いた 。 |||ちゅうちょ|||ですく||ふ|||いき|くみ|わけ|ぼうし||るびー||ちりばめ られた|けん|||||にっき||ざんがい|||うえ||おいた ハリー は 一部始終 を 語り はじめた 。 ||いちぶしじゅう||かたり|

十五 分 も 話したろう か 、 聞き手 は 魅せられた ように シーン と して 聞き入った 。 じゅうご|ぶん||はなしたろう||ききて||みせられた||しーん|||ききいった

姿 なき声 を 聞いた こと 、 それ が 水道 パイプ の 中 を 通る バジリスク だ と 、 ハーマイオニー が 遂 に 気づいた こと 、 ロン と 二 人 で クモ を 追って 森 に 入った こと 、 アラゴグ が 、 バジリスク の 最後 の 犠牲 者 が どこ で 死んだ か を 話して くれた こと 、「 嘆き の マートル 」 が その 犠牲 者 で は ない か 、 そして 、 トイレ の どこ か に 、「 秘密の 部屋 」 の 入口 が ある ので は ない か と ハリー が 考えた こと ......。 すがた|なきごえ||きいた||||すいどう|ぱいぷ||なか||とおる||||||すい||きづいた||||ふた|じん||くも||おって|しげる||はいった||||||さいご||ぎせい|もの||||しんだ|||はなして|||なげき|||||ぎせい|もの||||||といれ|||||ひみつの|へや||いりぐち||||||||||かんがえた| Hermione finally realized that it was a basilisk passing through the water pipes, that she and Ron had followed the spider into the woods, that Aragog had told them where the last basilisk victim had died, and that Myrtle of Sorrows had been killed by a spider. And somewhere in the bathroom, there's a "secret room." Harry thought there might be an entrance to .......

「 そう でした か 」 マクゴナガル 先生 は 、 ハリー が ちょっと 息 を 継いだ とき に 、 先 を 促す ように 言った 。 ||||せんせい|||||いき||ついだ|||さき||うながす||いった "Is that so?" Dr. McGonagall said that when Harry took a short breath, he urged him to move forward.

「 それ で 入口 を 見つけた わけです ね ―― その 間 、 約 百 の 校則 を 粉々に 破った と 言って おき ま しょう ―― でも ポッター 、 いったい全体 どう やって 、 全員 生きて その 部屋 を 出られた と い う のです か ?」 さんざん 話して 声 が かすれて きた が 、 ハリー は 話 を 続けた 。 ||いりぐち||みつけた||||あいだ|やく|ひゃく||こうそく||こなごなに|やぶった||いって||||||いったいぜんたい|||ぜんいん|いきて||へや||で られた|||||||はなして|こえ|||||||はなし||つづけた "That's why you found the entrance-in the meantime, let's say you broke about a hundred school rules into pieces-but Potter, how on earth did everyone leave the room alive? Did you say that? ”Harry continued talking, although his voice was faint after talking a lot. フォークス が ちょうど よい とき に 現れた こと 、「 組 分け 帽子 」 が 、 剣 を ハリー に くれた こ と 。 ||||||あらわれた||くみ|わけ|ぼうし||けん|||||| The fact that Forks appeared at the right time, the "grouping hat", and the sword in Harry.

しかし 、 ここ で ハリー は 言葉 を 途 切ら せた 。 |||||ことば||と|きら| But here Harry cut off his words. それ まで は リドル の 日記 の こと ―― ジニー の こ と ―― に 触れ ない ように して きた 。 |||||にっき||||||||ふれ|||| Until then, I've tried not to touch Riddle's diary-Ginny's diary.

ジニー は 、 ウィーズリー おばさん の 肩 に 頭 を もたせかけて 立って いる 。 |||||かた||あたま|||たって|

まだ 涙 が ポロポロ と 静かに 頬 を 伝って 落ちて いた ―― ジニー が 退学 さ せられたら どうしよう ? 混乱 した 頭 で ハリー は 考えた 。 |なみだ||ぽろぽろ||しずかに|ほお||つたって|おちて||||たいがく||せら れたら|どう しよう|こんらん||あたま||||かんがえた リドル の 日記 は もう 何も でき ない ......。 ||にっき|||なにも|| Riddle's diary can't do anything anymore ... ジニー が やった こと は 、 リドル が やら せて いた のだ と 、 どう やって 証明 できる だろう ? ||||||||||||||しょうめい||

本能 的に 、 ハリー は ダンブルドア を 見た 。 ほんのう|てきに|||||みた

ダンブルドア が かすかに 微笑み 、 暖炉 の 火 が 、 半月 形 の メガネ に チラチラ と 映った 。 |||ほおえみ|だんろ||ひ||はんつき|かた||めがね||ちらちら||うつった

「 わし が 一 番 興味 が ある の は 」 ダンブルドア が やさしく 言った 。 ||ひと|ばん|きょうみ||||||||いった "I'm most interested in it," Dumbledore said gently.

「 ヴォルデモート 卿 が 、 どう やって ジニー に 魔法 を かけた か と いう こと じゃ な 。 |きょう||||||まほう|||||||| "It's not about how Lord Voldemort cast a spell on Genie. わし の 個人 的 情報 に よれば 、 ヴォルデモート は 、 現在 アルバニア の 森 に 隠れて いる らしい が 」 ||こじん|てき|じょうほう|||||げんざい|||しげる||かくれて|||

―― よかった ―― 暖かい 、 すばらしい 、 うねる ような 安堵 感 が 、 ハリー の 全身 を 包んだ 。 |あたたかい||||あんど|かん||||ぜんしん||つつんだ ――It was good ―― A warm, wonderful, undulating relief wraps Harry's whole body. 「 な 、 なんで すって ?」 ウィーズリー 氏 が キョトンと した 声 を あげた 。 ||||うじ||きょとんと||こえ||

「『 例の あの 人 』 が ? ジニー に 、 ま 、 魔法 を かけた と ? でも 、 ジニー は そんな ...... ジニー は これ まで そんな ...... それとも ほんとうに ?」 れいの||じん|||||まほう||||||||||||||

「 この 日記 だった んです 」 ハリー は 急いで そう 言う と 、 日記 を 取り上げ 、 ダンブルドア に 見 せた 。 |にっき|||||いそいで||いう||にっき||とりあげ|||み|

「 リドル は 十六 歳 の とき に 、 これ を 書きました 」 ダンブルドア は ハリー の 手 から 日記 を 取り 、 長い 折れ曲がった 鼻 の 上 から 日記 を 見下ろし 、 焼け焦げ 、 ブヨブヨ に なった ページ を 熱心に 眺め 回した 。 ||じゅうろく|さい||||||かき ました|||||て||にっき||とり|ながい|おれまがった|はな||うえ||にっき||みおろし|やけこげ||||ぺーじ||ねっしんに|ながめ|まわした 「 見事じゃ 」 ダンブルドア が 静かに 言った 。 みごとじゃ|||しずかに|いった 「 たしかに 、 彼 は ホグワーツ 始まって 以来 、 最高の 秀才 だった と 言える じゃ ろう 」 |かれ|||はじまって|いらい|さいこうの|しゅうさい|||いえる|| "It's true that he was the greatest talent since Hogwarts began."

次に ダンブルドア は 、 さっぱり わから ない と いう 顔 を して いる ウィーズリー 一家 の 方 に 向き 直った 。 つぎに||||||||かお|||||いっか||かた||むき|なおった

「 ヴォルデモート 卿 が 、 かつて トム ・ リドル と 呼ばれて いた こと を 知る 者 は 、 ほとんど いな い 。 |きょう|||とむ|||よば れて||||しる|もの|||| わし 自身 、 五十 年 前 、 ホグワーツ で トム を 教えた 。 |じしん|ごじゅう|とし|ぜん|||とむ||おしえた 卒業 後 、 トム は 消えて しまった ...... 遠く へ 。 そつぎょう|あと|とむ||きえて||とおく| そして あちこち へ 旅 を した ...... 闇 の 魔術 に どっぷり と 沈み 込み 、 魔法 界 で 最も 好ま しから ざる 者 たち と 交わり 、 危険な 変身 を 何度 も へて 、 ヴォルデモート 卿 と して 再び 姿 を 現 した とき に は 、 昔 の 面影 は まったく なかった 。 |||たび|||やみ||まじゅつ||||しずみ|こみ|まほう|かい||もっとも|このま|し から||もの|||まじわり|きけんな|へんしん||なんど||||きょう|||ふたたび|すがた||げん|||||むかし||おもかげ||| And I traveled here and there ... I was completely submerged in the magic of darkness, met with the most unfavorable ones in the magical world, and made many dangerous transformations, again as Lord Voldemort. When it appeared, it had no remnants of the old days. あの 聡明で ハンサムな 男の子 、 かつて ここ で 首席 だった 子 を 、 ヴォルデモート 郷 と 結びつけて 考える 者 は 、 ほとんど い なかった 」 |そうめいで|はんさむな|おとこのこ||||しゅせき||こ|||ごう||むすびつけて|かんがえる|もの|||| Few thought of that intelligent and handsome boy, the one who was once the chief here, in connection with Lord Voldemort. "

「 でも 、 ジニー が 」 ウィーズリー 夫人 が 聞いた 。 ||||ふじん||きいた

「 うち の ジニー が 、 その ―― その 人 と ―― なんの 関係 が ?」 ||||||じん|||かんけい|

「 その 人 の 、 に 、 日記 な の !」 ジニー が しゃくりあげた 。 |じん|||にっき|||||

「 あたし 、 いつも その 日記 に 、 か 、 書いて いた の 。 |||にっき|||かいて|| そ したら 、 その 人 が 、 あたし に 今 学期 中 ずっと 、 返事 を くれた の ――」 |||じん||||いま|がっき|なか||へんじ||| Then, that person gave me a reply throughout the semester. "

「 ジニー !」 ウィーズリー 氏 が 仰天 して 叫んだ 。 ||うじ||ぎょうてん||さけんだ

「 パパ は おまえ に 、 なんにも 教えて なかった と いう の かい ? パパ が いつも 言って た だろう ? 脳みそ が どこ に ある か 見え ない のに 、 一 人 で 勝手に 考える こと が できる もの は 信用 しちゃ いけないって 、 教えた だろう ? どうして 日記 を パパ か ママ に 見せ なかった の ? そんな 妖し げ な もの は 、 闇 の 魔術 が 詰まって いる こと は はっきり して いる のに !」 ぱぱ|||||おしえて||||||ぱぱ|||いって|||のうみそ||||||みえ|||ひと|じん||かってに|かんがえる||||||しんよう||いけない って|おしえた|||にっき||ぱぱ||まま||みせ||||あやし|||||やみ||まじゅつ||つまって||||||| "Did you say that you didn't tell me anything? Did you always say? You can't see where your brain is, but you can trust what you can think of on your own. Did you tell me? Why didn't you show your diary to your dad or mom? It's clear that such a mysterious thing is full of dark magic! "

「 あたし 、 し 、 知ら なかった 」 ジニー が また しゃくりあげた 。 ||しら|||||

「 ママ が 準備 して くれた 本 の 中 に これ が あった の 。 まま||じゅんび|||ほん||なか||||| "I found this in a book that Mom had prepared. あたし 、 誰 か が そこ に 置いて 行って 、 すっかり 忘れて しまった んだろうって 、 そ 、 そう 思った ......」 「 ミス ・ ウィーズリー は すぐに 医務 室 に 行き なさい 」 ダンブルドア が 、 きっぱり した 口調 で ジニー の 話 を 中断 した 。 |だれ|||||おいて|おこなって||わすれて||んだろう って|||おもった|みす||||いむ|しつ||いき||||||くちょう||||はなし||ちゅうだん| 「 苛酷な 試練 じゃったろう 。 かこくな|しれん|じゃ ったろう "It must have been a harsh test. 処罰 は なし 。 しょばつ|| No punishment. もっと 年上 の 、 もっと 賢い 魔法使い で さえ 、 ヴォ ルデモート 卿 に たぶらかされて きた のじゃ 」 ダンブルドア は ツカツカ と 出口 まで 歩いて いって 、 ドア を 開けた 。 |としうえ|||かしこい|まほうつかい|||||きょう||たぶらかさ れて|||||||でぐち||あるいて||どあ||あけた 「 安静に して 、 それ に 、 熱い 湯気 の 出る ような ココア を マグカップ 一杯 飲む が よい 。 あんせいに||||あつい|ゆげ||でる||ここあ|||いっぱい|のむ|| "It's a good idea to rest and drink a mug of hot steaming cocoa. わし は つ も それ で 元気 が 出る 」 ||||||げんき||でる That will make me feel better. "

ダンブルドア は キラキラ 輝く 日 で 優しく ジニー を 見下ろして いた 。 ||きらきら|かがやく|ひ||やさしく|||みおろして| Dumbledore was gently looking down at Genie on a shining day.

「 マダム ・ ポンフリー は まだ 起きて おる 。 ||||おきて| "Madame Pomfrey is still awake. マンドレイク の ジュース を みんな に 飲ま せた とこ ろ で な ―― きっと 、 バジリスク の 犠牲 者 たち が 、 今にも 目 を 覚ます じゃ ろう 」 ||じゅーす||||のま|||||||||ぎせい|もの|||いまにも|め||さます||

「 じゃ 、 ハーマイオニー は 大丈夫な んだ !」 ロン が 嬉し そうに 言った 。 |||だいじょうぶな||||うれし|そう に|いった

「 よかった 」 ハリー も 言った 。 |||いった

「 回復 不能 の 傷害 は 何も なかった 」 ダンブルドア が 答えた 。 かいふく|ふのう||しょうがい||なにも||||こたえた

ウィーズリー 夫人 が ジニー を 連れて 出て 行った 。 |ふじん||||つれて|でて|おこなった

ウィーズリー 氏 も 、 まだ 動揺 が やま ない 様子 だった が 、 あと に 続いた 。 |うじ|||どうよう||||ようす|||||つづいた Weasley also seemed to be upset, but he followed suit.

「 のう 、 ミネルバ 」 ダンブルドア が 、 マクゴナガル 先生 に 向かって 考え 深 げ に 話しかけた 。 |||||せんせい||むかって|かんがえ|ふか|||はなしかけた

「 これ は 一 つ 、 盛大に 祝宴 を 催す 価値 が ある と 思う んじゃ が 。 ||ひと||せいだいに|しゅくえん||もよおす|かち||||おもう|| I think this is worth a grand feast. キッチン に その こと を 知らせ に 行って は くれ まい か ?」 きっちん|||||しらせ||おこなって|||| Would you please go to the kitchen to let me know about it? "

「 わかりました 」 マクゴナガル 先生 は キビキビ と 答え 、 ドア の 方 に 向かった 。 わかり ました||せんせい||きびきび||こたえ|どあ||かた||むかった 「 ポッター と ウィーズリー の 処置 は 先生 に お まかせ して よろしい です ね ?」 ||||しょち||せんせい||||||| "You can leave the treatment of Potter and Weasley to your teacher, right?"

「 もちろん じゃ 」 ダンブルドア が 答えた 。 ||||こたえた

マクゴナガル 先生 も い なく なり 、 ハリー と ロン は 不安 げ に ダンブルドア 先生 を 見つめた 。 |せんせい|||||||||ふあん||||せんせい||みつめた

―― マクゴナガル 先生 が 「 処置 は まかせる 」って 、 どういう 意味 なんだろう ? まさか ―― まさか ―― 僕たち 処罰 さ れる なんて こと は ない だろう な ? |せんせい||しょち|||||いみ||||ぼくたち|しょばつ|||||||| 「 わし の 記憶 で は 、 君 たち が これ 以上 校則 を 破ったら 、 二 人 を 退 校 処分 に せ ざる を え ない と 言いました な 」 ダンブルドア が 言った 。 ||きおく|||きみ||||いじょう|こうそく||やぶったら|ふた|じん||しりぞ|こう|しょぶん||||||||いい ました||||いった "In my memory, I said that if you broke any more school rules, you would have to leave the two," Dumbledore said. ロン は 恐怖 で 口 が パクリ と 開いた 。 ||きょうふ||くち||||あいた

「 どうやら 誰 に でも 誤 ち は ある もの じゃ な 。 |だれ|||ご|||||| "Apparently everyone has a mistake. わし も 前言 撤回 じゃ 」 ||ぜんげん|てっかい| I also withdrew my previous statement. "

ダンブルドア は 微笑んで いる 。 ||ほおえんで|

「 二 人 と も 『 ホクワーツ 特別 功労 賞 』 が 授与 さ れる 。 ふた|じん||||とくべつ|こうろう|しょう||じゅよ|| それ に ―― そうじゃ な ―― ウム 、 一 人 に つき 二〇〇 点 ずつ グリフィンドール に 与えよう 」 ||そう じゃ|||ひと|じん|||ふた|てん||||あたえよう And ――That's right ―― Umm, let's give 200 points to Gryffindor for each person. "

ロン の 顔 が 、 まるで ロック ハート の バレンタイン の 花 の ように 、 明るい ピンク 色 に 染まった 。 ||かお|||ろっく|はーと||ばれんたいん||か|||あかるい|ぴんく|いろ||そまった 口 も 閉じた 。 くち||とじた

「 しかし 、 一 人 だけ 、 この 危険な 冒険 の 自分 の 役割 に ついて 、 恐ろしく 物静かな 人 が いる よ う じゃ 」 ダンブルドア が 続けた 。 |ひと|じん|||きけんな|ぼうけん||じぶん||やくわり|||おそろしく|ものしずかな|じん||||||||つづけた "But only one person is horribly quiet about his role in this dangerous adventure," Dumbledore continued.

「 ギルデロイ 、 ずいぶん と 控え目じゃ な 。 |||ひかえめじゃ| "Gilderoi, it's pretty modest. どうした ?」

ハリー は びっくり した 。

ロック ハート の こと を すっかり 忘れて いた 。 ろっく|はーと|||||わすれて| 振り返る と 、 ロックハート は 、 まだ 暖味 な 微笑 を 浮かべて 、 部屋 の 隅 に 立って いた 。 ふりかえる|||||だんあじ||びしょう||うかべて|へや||すみ||たって|

ダンブルドア に 呼びかけられる と 、 ロックハート は 肩 越し に 自分 の 後ろ を 見て 、 誰 が 呼びかけられた の か を 見よう と した 。 ||よびかけ られる||||かた|こし||じぶん||うしろ||みて|だれ||よびかけ られた||||みよう|| 「 ダンブルドア 先生 」 ロン が 急いで 言った 。 |せんせい|||いそいで|いった

「『 秘密の 甜屋 』 で 事故 が あって 、 ロックハート 先生 は 」 ひみつの|てんや||じこ||||せんせい|

「 わたし が 、 先生 !」 ロックハート が ちょっと 驚いた ように 言った 。 ||せんせい||||おどろいた||いった

「 おや まあ 、 わたし は 役立た ず の ダメ 先生 だった でしょう ね ?」 ||||やくだた|||だめ|せんせい||| "Well, I was a useless, useless teacher, right?"

「 ロック ハート 先生 が 『 忘却 術 』 を かけよう と したら 、 杖 が 逆 噴射 した んです 」 ろっく|はーと|せんせい||ぼうきゃく|じゅつ|||||つえ||ぎゃく|ふんしゃ||

ロン は 静かに ダンブルドア に 説明 した 。 ||しずかに|||せつめい|

「 なんと 」 ダンブルドア は 首 を 振り 、 長い 銀色 の 口 髭 が 小刻みに 震えた 。 |||くび||ふり|ながい|ぎんいろ||くち|ひげ||こきざみに|ふるえた

「 自ら の 剣 に 貫か れた か 、 ギルデロイ !」 おのずから||けん||つらぬか||| "Did you pierce your own sword, Gilderoi!"

「 剣 ?」 ロックハート が ぼんやり と 言った 。 けん|||||いった

「 剣 なんか 持って いません よ 。 けん||もって|いま せ ん| "I don't have a sword. でも 、 その 子 が 持って います 」 ギルデロイ は ハリー を 指差し た 。 ||こ||もって|い ます|||||ゆびさし| 「 その 子 が 剣 を 貸して くれます よ 」 「 ロック ハート 先生 も 医務 室 に 連れて 行って くれ ん かね ?」 ダンブルドア が ロン に 頼んだ 。 |こ||けん||かして|くれ ます||ろっく|はーと|せんせい||いむ|しつ||つれて|おこなって||||||||たのんだ 「 わし は ハリー と ちょっと 話したい こと が ある ......」 ロック ハート は のんびり と 出て いった 。 |||||はなし たい||||ろっく|はーと||||でて| "I need to have a quick word with Harry ......" Lockhart left at a leisurely pace. ロン は ドア を 閉め ながら 、 ダンブルドア と ハリー を 好奇心 の 目 で チラッ と 見た 。 ||どあ||しめ||||||こうきしん||め||||みた

ダンブルドア は 暖炉 の そば の 椅子 に 腰掛けた 。 ||だんろ||||いす||こしかけた

「 ハリー 、 お 座り 」 ダンブルドア に 言われて 、 ハリー は 胸騒ぎ を 覚え ながら 椅子 に 座った 。 ||すわり|||いわ れて|||むなさわぎ||おぼえ||いす||すわった "Harry, sit down," Dumbledore said, and Harry sat in a chair, remembering the turmoil. 「 まずは 、 ハリー 、 お 礼 を 言おう 」 ダンブルドア の 目 が また キラキラ と 輝いた 。 |||れい||いおう|||め|||きらきら||かがやいた

「『 秘密の 部屋 』 の 中 で 、 君 は わし に 真 の 信頼 を 示して くれた に 違いない 。 ひみつの|へや||なか||きみ||||まこと||しんらい||しめして|||ちがいない "In the'Secret Room', you must have shown me true trust.

それ で なければ 、 フォークス は 君 の ところ に 呼び寄せられ なかった はずじゃ 」 ダンブルドア は 、 膝 の 上 で 羽 を 休めて いる 不死鳥 を 撫でた 。 |||||きみ||||よびよせ られ|||||ひざ||うえ||はね||やすめて||ふしちょう||なでた Otherwise, Forks wouldn't have been summoned to you. "Dumbledore stroked the phoenix resting its wings on his lap. ハリー は ダンブルドア に 見つめられ 、 ぎ ご ち なく ニコッ と した 。 ||||みつめ られ||||||| Harry was stared at Dumbledore and smiled awkwardly. 「 それ で 、 君 は トム ・ リドル に 会った わけだ 」 ダンブルドア は 考え 深 げ に 言った 。 ||きみ||とむ|||あった||||かんがえ|ふか|||いった "That's why you met Tom Riddle," Dumbledore said deeply.

「 たぶん 、 君 に 並々 なら ぬ 関心 を 示した こと じゃ ろう な ......」 |きみ||なみなみ|||かんしん||しめした|||| "Maybe it's an extraordinary interest in you ..."

ハリー の 心 に しくしく 突き刺さって いた 何 か が 、 突然 口 を ついで 飛び出した 。 ||こころ|||つきささって||なん|||とつぜん|くち|||とびだした Something that was piercing Harry's heart suddenly popped out of his mouth.

「 ダンブルドア 先生 ...... 僕 が リドル に 似て いるって 彼 が 言った んです 。 |せんせい|ぼく||||にて|いる って|かれ||いった| "Dumbledore ... he said I'm like Riddle. 不思議に 似通って いるって 、 そう 言った んです ......」 「 ほお 、 そんな こと を ?」 ダンブルドア は ふさふさ した 銀色 の 眉 の 下 から 、 思慮 深い 目 を ハ リー に 向けた 。 ふしぎに|にかよって|いる って||いった||||||||||ぎんいろ||まゆ||した||しりょ|ふかい|め|||||むけた 「 それ で 、 ハリー 、 君 は どう 思う かね ?」 |||きみ|||おもう|

「 僕 、 あいつ に 似て いる と は 思いません !」 ハリー の 声 は 自分 でも 思いがけない ほど 大きかった 。 ぼく|||にて||||おもい ませ ん|||こえ||じぶん||おもいがけない||おおきかった "I don't think I'm like him!" Harry's voice was unexpectedly loud. 「 だって 、 僕 は ―― 僕 は グリフィンドール 生 です 。 |ぼく||ぼく|||せい| 僕 は ......」 ぼく|

しかし 、 ハリー は ふと 口 を つぐんだ 。 ||||くち|| However, Harry suddenly closed his mouth. ずっと もやもや して いた 疑い が また 首 を もたげた 。 ||||うたがい|||くび|| The suspicion that he had been hazy for a long time raised his head again. 「 先生 」 しばらく して また ハリー は 口 を 開いた 。 せんせい||||||くち||あいた

「『 組 分け 帽子 』 が 言った んです 。 くみ|わけ|ぼうし||いった| 僕 が 、 僕 が スリザリン で うまく やって 行けた だろう にって 。 ぼく||ぼく||||||いけた||に って I thought I could have done well with Slytherin. みんな は 、 しばらく の 間 、 僕 を スリザリン の 継承 者 だ と 思って いました ...... 僕 が 蛇 語 が 話せる から ......」 「 ハリー 」 ダンブルドア が 静かに 言った 。 ||||あいだ|ぼく||||けいしょう|もの|||おもって|い ました|ぼく||へび|ご||はなせる|||||しずかに|いった 「 君 は たしかに 蛇 語 を 話せる 。 きみ|||へび|ご||はなせる なぜなら 、 ヴォルデモート 卿 が サラザール ・ スリザリン の 最後 の 子孫 じゃ が ―― 蛇 語 を 話せる から じゃ 。 ||きょう|||||さいご||しそん|||へび|ご||はなせる|| Because Lord Voldemort is the last descendant of Salazar Slytherin-because he can speak the parseltongue. わし の 考え が だいたい 当たって いる なら 、 ヴォ ルデモート 卿 が 君 に その 傷 を 負わ せた あの 夜 、 自分 の 力 の 一部 を 君 に 移して しまった 。 ||かんがえ|||あたって|||||きょう||きみ|||きず||おわ|||よ|じぶん||ちから||いちぶ||きみ||うつして| If my thoughts were mostly right, Sir Voldemote transferred some of his power to you that night when he inflicted your wounds on you. もちろん 、 そう しよう と 思って した こと で は ない が ......」 ||||おもって|||||| Of course, I didn't mean to do that ... "

「 ヴォルデモート の 一部 が 僕 に ?」 ハリー は 雷 に 打た れた ような 気 が した 。 ||いちぶ||ぼく||||かみなり||うた|||き|| 「 どうも その ようじゃ 」 "That's right."

「 それ じゃ 、 僕 は スリザリン に 入る べき なんだ 」 ハリー は 絶望 的な 目 で ダンブルドア の 顔 を 見つめた 。 ||ぼく||||はいる|||||ぜつぼう|てきな|め||||かお||みつめた

「『 組 分け 帽子 』 が 僕 の 中 に ある スリザリン の 力 を 見抜いて 、 それ で ――」 くみ|わけ|ぼうし||ぼく||なか|||||ちから||みぬいて||

「 君 を グリフィンドール に 入れた のじゃ 」 ダンブルドア は 静かに 言った 。 きみ||||いれた||||しずかに|いった "You put you in Gryffindor," Dumbledore said quietly.

「 ハリー 、 よく お 聞き 。 |||きき "Harry, listen carefully. サラザール ・ スリザリン が 自ら 選び 抜いた 生徒 は 、 スリザリン が 誇り に 思って いた さまざまな 資質 を 備えて いた 。 |||おのずから|えらび|ぬいた|せいと||||ほこり||おもって|||ししつ||そなえて| Salazar Slytherin's own selection of students possessed the various qualities that Slytherin was proud of. 君 も たまたま そういう 資質 を 持って おる 。 きみ||||ししつ||もって| You happen to have that kind of qualification. ス リザリン 自身 の まれに みる 能力 である 蛇 語 ...... 機知 に 富む 才知 ...... 断固たる 決意 ...... やや 規則 を 無視 する 傾向 」 ||じしん||||のうりょく||へび|ご|きち||とむ|さい ち|だんこたる|けつい||きそく||むし||けいこう Slytherin's own rare ability, the parseltongue ...... witty and witty ...... decisive determination ...... a tendency to ignore some rules. "

ダンブルドア は また 口 髭 を いたずらっぼく 震わせた 。 |||くち|ひげ||いたずら っ ぼく|ふるわせた Dumbledore also quivered his beard mischievously. 「 それ でも 『 組 分け 帽子 』 は 君 を グリフィンドール に 入れた 。 ||くみ|わけ|ぼうし||きみ||||いれた 君 は その 理由 を 知って おる 。 きみ|||りゆう||しって| 考えて ごらん 」 かんがえて| Think about it.

「 帽子 が 僕 を グリフィンドール に 入れた の は 」 ぼうし||ぼく||||いれた||

ハリー は 打ちのめさ れた ような 声 で 言った 。 ||うちのめさ|||こえ||いった

「 僕 が スリザリン に 入れ ないでって 頼んだ から に 過ぎ ない んだ ......」 「 その 通り 」 ダンブルドア が また ニッコリ した 。 ぼく||||いれ|ないで って|たのんだ|||すぎ||||とおり||||にっこり| "It's just because I asked him not to enter Slytherin ..." "That's right." Dumbledore smiled again. 「 それ だ から こそ 、 君 が トム ・ リドル と 違う 者 だ と いう 証拠 に なる んじゃ 。 ||||きみ||とむ|||ちがう|もの||||しょうこ||| ハリー 、 自分 が ほんとうに 何者 か を 示す の は 、 持って いる 能力 で は なく 、 自分 が どのような 選択 を する か と いう こと な んじゃ よ 」 |じぶん|||なにもの|||しめす|||もって||のうりょく||||じぶん|||せんたく||||||||| Harry, it's not the abilities you have, but the choices you make that really indicate who you are. "

ハリー は 呆然と して 、 身動き も せ ず 椅子 に 座って いた 。 ||ぼうぜんと||みうごき||||いす||すわって| Harry was stunned and sat in a chair without moving.