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2 - Harry Potter, 17.1.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin

17.1.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin

第 17 章 スリザリン の 継承 者 - The Heir of Slytherin

ハリー は 細長く 奥 へ と 延びる 、 薄 明り の 部屋 の 端に 立って いた 。

またしても ヘビ が 絡み合う 彫刻 を 施した 石 の 柱 が 、 上へ上へ と そびえ 、 暗闇 に 吸い込まれて 見え ない 天井 を 支え 、 妖しい 緑 が かった 幽明 の 中 に 、 黒々 と した 影 を 落として いた 。 早鐘 の ように 鳴る 胸 を 押さえ 、 ハリー は 凍る ような 静けさ に 耳 を すませて いた ―― バジリス ク は 、 柱 の 影 の 暗い 片隅 に 潜んで いる のだろう か ? ジニー は どこ に いる のだろう ?

杖 を 取り出し 、 ハリー は 左右 一 対 に なった 、 ヘビ の 柱 の 間 を 前進 した 。

一歩一歩 そっと 踏み出す 足音 が 、 薄暗い 壁 に 反響 した 。 目 を 細めて 、 わずかな 動き でも あれ ば 、 すぐに 閉じられる ように した 。 彫物 の ヘビ の 虚 ろ な 眼下 が 、 ハリー の 姿 を ずっと 追って いる ような 気 が する 。 一 度 なら ず 、 ヘビ の 目 が ギロリ と 動いた ような 気 が して 、 胃 が ざわざわ した 。

最後 の 一 対 の 柱 の ところ まで 来る と 、 部屋 の 天井 に 届く ほど 高く そびえる 石像 が 、 壁 を 背 に 立って いる の が 目 に 入った 。

巨大な 石像 の 顔 を 、 ハリー は 首 を 伸ばして 見上げた 。

年老いた 猿 の ような 顔 に 、 細長い 顎 髭 が 、 その 魔法使い の 流れる ような 石 の ローブ の 裾 の あたり まで 延び 、 その 下 に 灰色 の 巨大な 足 が 二 本 、 滑らかな 床 を 踏みしめて いる 。 そして 、 足 の 間 に 、 燃える ような 赤毛 の 、 黒い ローブ の 小さな 姿 が 、 うつぶせ に 横たわって いた 。

「 ジニー !」 小声 で 叫び 、 ハリー は その 姿 の そば に 駆け寄り 、 膝 を ついて 名 を 呼んだ 。

「 ジニー ! 死んじゃ だめだ ! 頼む から 死な ないで くれ !」

ハリー は 杖 を 脇 に 投げ捨て 、 ジニー の 肩 を しっかり つかんで 仰向け に した 。

ジニー の 顔 は 大理石 の ように 白く 冷たかった し 、 目 は 固く 閉じられて いた が 、 石 に されて は い なかった 。 しかし 、 それ なら ジニー は もう ......。

「 ジニー 、 お 願い だ 。 日 を 覚まして 」

ハリー は ジニー を 揺さぶり 、 必死で 呟いた 。 ジニー の 頭 は だらり と 空しく 垂れ 、 グラグラ と 揺すら れる まま に 動いた 。

「 その 子 は 目 を 覚まし は し ない 」 物静かな 声 が した 。

ハリー は ぎくりと して 、 膝 を ついた まま 振り返った 。

背 の 高い 、 黒 髪 の 尐年 が 、 すぐ そば の 柱 に もたれて こちら を 見て いた 。 まるで 曇り ガラス の むこうに いる かのように 、 輪郭 が 奇妙に ぼやけて いる 。 しかし 、 まざれ も なく あの 人物 だ 。

「 トム ―― トム ・ リドル ?」

ハリー の 顔 から 目 を 離さ ず 、 リドル は 領 いた 。

「 目 を 覚まさ ないって 、 どういう こと ?」 ハリー は 絶望 的に なった 。 「 ジニー は まさか ―― まさか ――?」

「 その 子 は まだ 生きて いる 。 しかし 、 かろうじて だ 」

ハリー は リドル を じっと 見つめた 。 トム ・ リドル が ホグワーツ に いた の は 五十 年 前 だ 。

それなのに 、 リドル が そこ に 立って いる 。 薄 気味の 悪い ぼんやり した 光 が 、 その 姿 の 周り に 漂って いる 。

十六 歳 の まま 、 一 日 も 日 が たって いない かのように 。

「 君 は ゴースト な の ?」 ハリー は わけ が わから なかった 。

「 記憶 だ よ 」 リドル が 静かに 言った 。

「 日記 の 中 に 、 五十 年間 残されて いた 記憶 だ 」 リドル は 、 石像 の 巨大な 足 の 指 の あたり の 床 を 指差した 。 ハリー が 「 嘆き の マートル 」 の ト イレ で 見つけた 小さな 黒い 日記 が 、 開か れた まま 置いて あった 。

一瞬 、 ハリー は いったい どうして ここ に ある んだろう と 不思議に 思った が ―― いや 、 もっと 緊急に しなければ なら ない こと が ある 。 「 トム 、 助けて くれ ない か 」 ハリー は ジニー の 頭 を もう 一 度 持ち上げ ながら 言った 。

「 ここ から ジニー を 運び出さ なけりゃ 。 バジリスク が いる んだ ......。 どこ に いる か は わから ない けど 、 今にも 出て くる かも しれ ない 。 お 願い 、 手伝って ......」

リドル は 動か ない 。

ハリー は 汗だくに なって 、 やっと ジニー の 体 を 半分 床 から 持ち上げ 、 杖 を 拾う の に もう 一 度 体 を かがめた 。

杖 が ない 。

「 君 、 知ら ない か な 、 僕 の ――」

ハリー が 見上げる と 、 リドル は まだ ハリー を 見つめて いた ―― すらりと した 指 で ハリー の 杖 を くるくる 弄んで いる 。

「 ありがとう 」 ハリー は 手 を 、 杖 の 方 に 伸ばした 。

リドル が 口元 を きゅっと 上げて 微笑んだ 。 じっと ハリー を 見つめ 続けた まま 、 所在な げ に 杖 を クルクル 回し 続けて いる 。

「 聞いて る の か 」 ハリー は 急き立てる ように 言った 。

ぐったり して いる ジニー の 重み で 、 膝 が がくり と なり そうだった 。

「 ここ を 出 なきゃ いけない んだ よ ! もしも バジリスク が 来たら ......」

「 呼ば れる まで は 、 来やしない 」 リドル が 落ち着き払って 言った 。

ハリー は ジニー を また 床 に 下ろした 。 もう 支えて いる こと が でき なかった 。

「 なん だって ? さあ 、 杖 を よこして よ 。 必要に なる かも しれ ない んだ 」

リドル の 微笑 が ますます 広がった 。

「 君 に は 必要に は なら ない よ 」 ハリー は リドル を じっと 見た 。

「 どういう こと ? 必要に は なら ないって ?」 「 僕 は この とき を ずっと 待って いた んだ 。 ハリー ・ ポッター 。 君 に 会える チャンス を ね 。 君 と 話す の を ね 」

「 いいかげんに して くれ 」 ハリー は いよいよ 我慢 でき なり なった 。

「 君 に は わかって いない ようだ 。 今 、 僕たち は 『 秘密の 部屋 』 の 中 に いる んだ よ 。 話 なら あ と で できる 」

「 今 、 話す んだ よ 」 リドル は 相変わらず 笑い を 浮かべた まま 、 ハリー の 杖 を ポケット に し まい込んだ 。 ハリー は 驚いて リドル を 見た 。 たしかに 、 何 か おかしな こと が 起こって いる 。 「 ジニー は どうして こんなふうに なった の ?」 ハリー が ゆっくり と 切り出した 。 「 そう 、 それ は おもしろい 質問 だ 」 リドル が 愛想 よく 言った 。

「 しかも 話せば 長く なる ジニー ・ ウィーズリー が こんなふうに なった ほんとうの 原因 は 、 誰 な の か わから ない 目 に 見え ない 人物 に 心 を 開き 、 自分 の 秘密 を 洗いざらい 打ち明けた こと だ 」

「 言って いる こと が わから ない けど ?」

「 あの 日記 は 、 僕 の 日記 だ 。 ジニー の お チビ さん は 何 ヶ月 も 何 ヶ月 も その 日記 に バカバカし い 心配事 や 悩み を 書き 続けた 。 兄さん たち が からかう 、 お下がり の 本 や ローブ で 学校 に 行か なきゃ なら ない 、 それ に ――」 リドル の 目 が キラッ と 光った 。

「 有名な 、 素敵な 、 偉大な ハリー ・ ポッター が 、 自分 の こと を 好いて くれる こと は 絶対 に な い だろう と か ......」

こうして 話し ながら も 、 リドル の 目 は 、 一瞬 も ハリー の 顔 から 離れ なかった 。 むさぼる ような 視線 だった 。

「 十一 歳 の 小 娘 の たわいない 悩み 事 を 聞いて あげる の は 、 まったく うんざり だった よ 」 リド ル の 話 は 続く 。

「 でも 僕 は 辛抱強く 返事 を 書いた 。 同情 して やった し 、 親切に も して やった 。 ジニー は もう 夢中に なった 。 『 トム 、 あなた ぐらい 、 あたし の こと を わかって くれる 人 は いない わ ...... な ん でも 打ち明けられる この 日記 が あって どんなに 嬉しい か ...... まるで ポケット の 中 に 入れて 運べる 友だち が いる みたい ......』」 リドル は 声 を あげて 笑った 。 似つかわしく ない 、 冷たい 甲高い 笑い だった 。

ハリー は 背筋 が ゾクッ と した 。

「 自分 で 言う の も どう か と 思う けど 、 ハリー 、 僕 は 必要 と なれば 、 いつでも 誰 でも 惹きつける こと が できた 。 だから ジニー は 、 僕 に 心 を 打ち明ける こと で 、 自分 の 魂 を 僕 に 注ぎ込んだ んだ 。 ジニー の 魂 、 それ こそ 僕 の 欲しい もの だった 。 僕 は ジニー の 心 の 深層 の 恐れ 、 暗い 秘密 を 餌食 に して 、 だんだん 強く なった 。 お チビ ちゃん と は 比較 に なら ない ぐらい 強力に なった 。 十分に 力 が 満ちた とき 、 僕 の 秘密 を ウィーズリー の チビ に 尐 し だけ 与え 、 僕 の 魂 を お チ ビ ちゃん に 注ぎ込み はじめた ......」

「 それ は どういう こと ?」 ハリー は 喉 が カラ カラ だった 。 「 まだ 気づか ない の かい ? ハリー ・ ポッター ?」 リドル の 口調 は 柔らかだ 。

「 ジニー ・ ウィーズリー が 『 秘密の 部屋 』 を 開けた 。 学校 の 雄鶏 を 絞め 殺した の も 、 壁 に 脅迫 の 文字 を 書きなぐった の も ジニー 。 『 スリザリン の 蛇 』 を 四 人 の 『 穢 れた 血 』 や スクイプ < でき そこない > の 飼い 猫 に 仕掛けた の も ジニー だ 」 「 まさか 」 ハリー は 呟いた 。

「 その まさか だ 」 リドル は 落ち着き払って いた 。

「 ただし 、 ジニー は 初め の うち 、 自分 が やって いる こと を まったく 自覚 して い なかった 。 お かげ で 、 なかなか おもしろかった 。 しばらく して 日記 に 何 を 書き はじめた か 、 君 に 読ま せて やり たかった よ ...... 前 より ずっと おもしろく なった ...... 。 『 親愛 なる トム ――』」

ハリー の 愕然と した 顔 を 眺め ながら 、 リドル は 空 で 、 読み上げ はじめた 。

『 あたし 、 記憶 喪失 に なった みたい 。 ローブ が 鶏 の 羽 だらけ な のに 、 どうして そう なった の か わから ない の 。 ねえ 、 トム 、 ハロウィーン の 夜 、 自分 が 何 を した か 覚えて ない の 。 でも 、 猫 が 襲われて 、 あたし の ローブ の 前 に ペンキ が べっとり ついて た の 。 ねえ 、 トム 、 パーシー が あたし の 顔色 が よく ないって 、 なんだか 様子 が おかし いって 、 しょっちゅう そう 言う の 。 きっと あたし を 疑って る んだ わ ......。 今日 も また 一 人 襲わ れた のに 、 あたし 、 自分 が どこ に いた か 覚えて ない の 。 トム 、 どう したら いい の ? あたし 、 気 が 狂った んじゃ ない かしら ... ...。 トム 、 きっと みんな を 襲って る の は 、 あたし な んだ わ !」

ハリー は 、 爪 が 手のひら に 食い込む ほど ギュッと 拳 を 握りしめた 。

「 バカな ジニー の チビ が 、 日記 を 信用 し なく なる まで に ずいぶん 時間 が かかった 。 しかし 、 とうとう 変だ と 疑い はじめ 、 捨てよう と した 。 そこ へ 、 ハリー 、 君 が 登場 した 。 君 が 日記 を 見つけた んだ 。 僕 は 最高に 嬉しかった よ 。 こともあろうに 、 君 が 拾って くれた 。 僕 が 会い た い と 思って いた 君 が ......」

「 なぜ 、 どうして 僕 に 会い たかった んだ ?」

怒り が 体中 を 駆け巡り 、 声 を 落ち着か せる こと さえ 難しかった 。

「 そう だ な 。 ジニー が ハリー 、 君 の こと を いろいろ 聞か せて くれた から ね 。 君 の すばらしい 経歴 を だ 」

リドル の 目 が 、 ハリー の 額 の 稲妻 形 の 傷 の あたり を 舐める ように 見た 。 むさぼる ような 表情 が 一層 顕 わに なった 。

「 君 の こと を もっと 知ら なければ 、 できれば 会って 、 話 を しなければ なら ない と 、 僕 に は わ かって いた 。 だから 君 を 信用 さ せる ため 、 あの ウド の 大木 の ハグリッド を 捕まえた 有名な 場 面 を 見せて やろう と 決めた 」

「 ハグリッド は 僕 の 友達 だ 」 ハリー の 声 は ついに ワナ ワナ と 震え だした 。

「 それなのに 、 君 は ハグリッド を 嵌めたんだ 。 そう だろう ! 僕 は 君 が 勘違い した だけ だ と 思って いた のに ......」

リドル は また 甲高い 笑い声 を あげた 。

「 ハリー 、 僕 の 言う こと を 信じる か 、 ハグリッド の を 信じる か 、 二 つ に 一 つ だった 。


17.1.1 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin スリザリン の けいしょう しゃ|the|heir||slytherin 17.1.1 The Heir of Slytherin 17.1.1 Dziedzic Slytherinu - Dziedzic Slytherinu 17.1.1 Slytherins arvtagare - Slytherins arvtagare

第 17 章 スリザリン の 継承 者 - The Heir of Slytherin だい|しょう|||けいしょう|もの|the|heir||slytherin

ハリー は 細長く 奥 へ と 延びる 、 薄 明り の 部屋 の 端に 立って いた 。 ||ほそながく|おく|||のびる|うす|あかり||へや||はしたに|たって|

またしても ヘビ が 絡み合う 彫刻 を 施した 石 の 柱 が 、 上へ上へ と そびえ 、 暗闇 に 吸い込まれて 見え ない 天井 を 支え 、 妖しい 緑 が かった 幽明 の 中 に 、 黒々 と した 影 を 落として いた 。 |へび||からみあう|ちょうこく||ほどこした|いし||ちゅう||うえ へ うえ へ|||くらやみ||すいこま れて|みえ||てんじょう||ささえ|あやしい|みどり|||ゆうめい||なか||くろぐろ|||かげ||おとして| Once again, carved stone pillars with intertwined snakes rise upwards, sucked into the darkness to support the invisible ceiling, and cast a dark shadow in a mysterious greenish ghost. It was. 早鐘 の ように 鳴る 胸 を 押さえ 、 ハリー は 凍る ような 静けさ に 耳 を すませて いた ―― バジリス ク は 、 柱 の 影 の 暗い 片隅 に 潜んで いる のだろう か ? ジニー は どこ に いる のだろう ? はやがね|||なる|むね||おさえ|||こおる||しずけさ||みみ||すま せて|||||ちゅう||かげ||くらい|かたすみ||ひそんで|||||||||

杖 を 取り出し 、 ハリー は 左右 一 対 に なった 、 ヘビ の 柱 の 間 を 前進 した 。 つえ||とりだし|||さゆう|ひと|たい|||へび||ちゅう||あいだ||ぜんしん|

一歩一歩 そっと 踏み出す 足音 が 、 薄暗い 壁 に 反響 した 。 いっぽいっぽ||ふみだす|あしおと||うすぐらい|かべ||はんきょう| 目 を 細めて 、 わずかな 動き でも あれ ば 、 すぐに 閉じられる ように した 。 め||ほそめて||うごき|||||とじ られる|| I squinted my eyes so that even the slightest movement would close it immediately. 彫物 の ヘビ の 虚 ろ な 眼下 が 、 ハリー の 姿 を ずっと 追って いる ような 気 が する 。 ほりもの||へび||きょ|||がんか||||すがた|||おって|||き|| It feels like the hollow eyes of the sculptured snake are following Harry's appearance all the time. 一 度 なら ず 、 ヘビ の 目 が ギロリ と 動いた ような 気 が して 、 胃 が ざわざわ した 。 ひと|たび|||へび||め||||うごいた||き|||い||ざ わざ わ| The snake's eyes seemed to move, and the stomach was noisy.

最後 の 一 対 の 柱 の ところ まで 来る と 、 部屋 の 天井 に 届く ほど 高く そびえる 石像 が 、 壁 を 背 に 立って いる の が 目 に 入った 。 さいご||ひと|たい||ちゅう||||くる||へや||てんじょう||とどく||たかく||せきぞう||かべ||せ||たって||||め||はいった When I reached the last pair of pillars, I saw a stone statue rising high enough to reach the ceiling of the room, standing against the wall.

巨大な 石像 の 顔 を 、 ハリー は 首 を 伸ばして 見上げた 。 きょだいな|せきぞう||かお||||くび||のばして|みあげた Harry stretched his neck and looked up at the face of the giant stone statue.

年老いた 猿 の ような 顔 に 、 細長い 顎 髭 が 、 その 魔法使い の 流れる ような 石 の ローブ の 裾 の あたり まで 延び 、 その 下 に 灰色 の 巨大な 足 が 二 本 、 滑らかな 床 を 踏みしめて いる 。 としおいた|さる|||かお||ほそながい|あご|ひげ|||まほうつかい||ながれる||いし||||すそ||||のび||した||はいいろ||きょだいな|あし||ふた|ほん|なめらかな|とこ||ふみしめて| On an old monkey-like face, an elongated beard extends to the hem of the witch's flowing stone robe, under which two giant gray feet step on the smooth floor. There is. そして 、 足 の 間 に 、 燃える ような 赤毛 の 、 黒い ローブ の 小さな 姿 が 、 うつぶせ に 横たわって いた 。 |あし||あいだ||もえる||あかげ||くろい|||ちいさな|すがた||||よこたわって|

「 ジニー !」 小声 で 叫び 、 ハリー は その 姿 の そば に 駆け寄り 、 膝 を ついて 名 を 呼んだ 。 |こごえ||さけび||||すがた||||かけより|ひざ|||な||よんだ

「 ジニー ! 死んじゃ だめだ ! 頼む から 死な ないで くれ !」 |しんじゃ||たのむ||しな||

ハリー は 杖 を 脇 に 投げ捨て 、 ジニー の 肩 を しっかり つかんで 仰向け に した 。 ||つえ||わき||なげすて|||かた||||あおむけ||

ジニー の 顔 は 大理石 の ように 白く 冷たかった し 、 目 は 固く 閉じられて いた が 、 石 に されて は い なかった 。 ||かお||だいりせき|||しろく|つめたかった||め||かたく|とじ られて|||いし||さ れて||| Ginny's face was white and cold, like marble, and her eyes were tightly closed, but not stoned. しかし 、 それ なら ジニー は もう ......。

「 ジニー 、 お 願い だ 。 ||ねがい| 日 を 覚まして 」 ひ||さまして Wake up the day "

ハリー は ジニー を 揺さぶり 、 必死で 呟いた 。 ||||ゆさぶり|ひっしで|つぶやいた ジニー の 頭 は だらり と 空しく 垂れ 、 グラグラ と 揺すら れる まま に 動いた 。 ||あたま||だ ら り||むなしく|しだれ|ぐらぐら||ゆすら||||うごいた Ginny's head hung loosely and swayed.

「 その 子 は 目 を 覚まし は し ない 」 物静かな 声 が した 。 |こ||め||さまし||||ものしずかな|こえ|| "The boy will not wake up." I heard a quiet voice.

ハリー は ぎくりと して 、 膝 を ついた まま 振り返った 。 ||||ひざ||||ふりかえった

背 の 高い 、 黒 髪 の 尐年 が 、 すぐ そば の 柱 に もたれて こちら を 見て いた 。 せ||たかい|くろ|かみ||尐ねん|||||ちゅう||もた れて|||みて| まるで 曇り ガラス の むこうに いる かのように 、 輪郭 が 奇妙に ぼやけて いる 。 |くもり|がらす||||か の ように|りんかく||きみょうに|| The contours are strangely blurred, as if they were behind frosted glass. しかし 、 まざれ も なく あの 人物 だ 。 |||||じんぶつ| However, he is definitely that person.

「 トム ―― トム ・ リドル ?」 とむ|とむ|

ハリー の 顔 から 目 を 離さ ず 、 リドル は 領 いた 。 ||かお||め||はなさ||||りょう| Keeping an eye on Harry's face, Riddle took control.

「 目 を 覚まさ ないって 、 どういう こと ?」 ハリー は 絶望 的に なった 。 め||さまさ|ない って|||||ぜつぼう|てきに| 「 ジニー は まさか ―― まさか ――?」

「 その 子 は まだ 生きて いる 。 |こ|||いきて| しかし 、 かろうじて だ 」

ハリー は リドル を じっと 見つめた 。 |||||みつめた トム ・ リドル が ホグワーツ に いた の は 五十 年 前 だ 。 とむ||||||||ごじゅう|とし|ぜん|

それなのに 、 リドル が そこ に 立って いる 。 |||||たって| 薄 気味の 悪い ぼんやり した 光 が 、 その 姿 の 周り に 漂って いる 。 うす|ぎみの|わるい|||ひかり|||すがた||まわり||ただよって|

十六 歳 の まま 、 一 日 も 日 が たって いない かのように 。 じゅうろく|さい|||ひと|ひ||ひ||||か の ように As if the day hadn't passed, as if he was sixteen years old.

「 君 は ゴースト な の ?」 ハリー は わけ が わから なかった 。 きみ||ごーすと|||||||| "Are you a ghost?" Harry didn't understand.

「 記憶 だ よ 」 リドル が 静かに 言った 。 きおく|||||しずかに|いった

「 日記 の 中 に 、 五十 年間 残されて いた 記憶 だ 」 にっき||なか||ごじゅう|ねんかん|のこさ れて||きおく| リドル は 、 石像 の 巨大な 足 の 指 の あたり の 床 を 指差した 。 ||せきぞう||きょだいな|あし||ゆび||||とこ||ゆびさした Riddle pointed to the floor around the toes of the giant toes of the statue. ハリー が 「 嘆き の マートル 」 の ト イレ で 見つけた 小さな 黒い 日記 が 、 開か れた まま 置いて あった 。 ||なげき|||||||みつけた|ちいさな|くろい|にっき||あか|||おいて| A small black diary that Harry found in the Moaning Myrtle Toilet was left open.

一瞬 、 ハリー は いったい どうして ここ に ある んだろう と 不思議に 思った が ―― いや 、 もっと 緊急に しなければ なら ない こと が ある 。 いっしゅん||||||||||ふしぎに|おもった||||きんきゅうに|し なければ||||| For a moment, I wondered why Harry was here--no, there is something more urgent. 「 トム 、 助けて くれ ない か 」 ハリー は ジニー の 頭 を もう 一 度 持ち上げ ながら 言った 。 とむ|たすけて||||||||あたま|||ひと|たび|もちあげ||いった "Tom, can you help me?" Harry said, lifting Ginny's head again.

「 ここ から ジニー を 運び出さ なけりゃ 。 ||||はこびださ| バジリスク が いる んだ ......。 どこ に いる か は わから ない けど 、 今にも 出て くる かも しれ ない 。 ||||||||いまにも|でて|||| お 願い 、 手伝って ......」 |ねがい|てつだって

リドル は 動か ない 。 ||うごか|

ハリー は 汗だくに なって 、 やっと ジニー の 体 を 半分 床 から 持ち上げ 、 杖 を 拾う の に もう 一 度 体 を かがめた 。 ||あせだくに|||||からだ||はんぶん|とこ||もちあげ|つえ||ひろう||||ひと|たび|からだ||

杖 が ない 。 つえ|| There is no cane.

「 君 、 知ら ない か な 、 僕 の ――」 きみ|しら||||ぼく| "You don't know, my--"

ハリー が 見上げる と 、 リドル は まだ ハリー を 見つめて いた ―― すらりと した 指 で ハリー の 杖 を くるくる 弄んで いる 。 ||みあげる|||||||みつめて||||ゆび||||つえ|||もてあそんで| When Harry looked up, Riddle was still staring at Harry-with his slender fingers twirling Harry's wand.

「 ありがとう 」 ハリー は 手 を 、 杖 の 方 に 伸ばした 。 |||て||つえ||かた||のばした

リドル が 口元 を きゅっと 上げて 微笑んだ 。 ||くちもと||き ゅっ と|あげて|ほおえんだ Riddle raised his mouth and smiled. じっと ハリー を 見つめ 続けた まま 、 所在な げ に 杖 を クルクル 回し 続けて いる 。 |||みつめ|つづけた||しょざいな|||つえ||くるくる|まわし|つづけて| While staring at Harry, he keeps spinning his wand around wherever he is.

「 聞いて る の か 」 ハリー は 急き立てる ように 言った 。 きいて||||||せきたてる||いった "Are you listening?" Harry said to hurry.

ぐったり して いる ジニー の 重み で 、 膝 が がくり と なり そうだった 。 |||||おもみ||ひざ|||||そう だった The weight of Genie, who was loose, seemed to make her knees crunchy.

「 ここ を 出 なきゃ いけない んだ よ ! もしも バジリスク が 来たら ......」 ||だ||||||||きたら

「 呼ば れる まで は 、 来やしない 」 リドル が 落ち着き払って 言った 。 よば||||らい やしない|||おちつきはらって|いった "I won't give up until I'm called," Riddle calmly said.

ハリー は ジニー を また 床 に 下ろした 。 |||||とこ||おろした もう 支えて いる こと が でき なかった 。 |ささえて||||| I couldn't support them anymore.

「 なん だって ? さあ 、 杖 を よこして よ 。 |||つえ||| "Why? Come on, send me a cane. 必要に なる かも しれ ない んだ 」 ひつように|||||

リドル の 微笑 が ますます 広がった 。 ||びしょう|||ひろがった

「 君 に は 必要に は なら ない よ 」 ハリー は リドル を じっと 見た 。 きみ|||ひつように||||||||||みた "You don't need it," Harry stared at Riddle.

「 どういう こと ? 必要に は なら ないって ?」 ||ひつように|||ない って "What do you mean? It shouldn't be necessary?" 「 僕 は この とき を ずっと 待って いた んだ 。 ぼく||||||まって|| "I've been waiting for this moment. ハリー ・ ポッター 。 君 に 会える チャンス を ね 。 きみ||あえる|ちゃんす|| 君 と 話す の を ね 」 きみ||はなす|||

「 いいかげんに して くれ 」 ハリー は いよいよ 我慢 でき なり なった 。 ||||||がまん||| "Please give it a try." Harry was finally able to put up with it.

「 君 に は わかって いない ようだ 。 きみ||||| "You don't seem to know. 今 、 僕たち は 『 秘密の 部屋 』 の 中 に いる んだ よ 。 いま|ぼくたち||ひみつの|へや||なか|||| 話 なら あ と で できる 」 はなし||||| If it's a story, you can do it later. "

「 今 、 話す んだ よ 」 リドル は 相変わらず 笑い を 浮かべた まま 、 ハリー の 杖 を ポケット に し まい込んだ 。 いま|はなす|||||あいかわらず|わらい||うかべた||||つえ||ぽけっと|||まいこんだ ハリー は 驚いて リドル を 見た 。 ||おどろいて|||みた たしかに 、 何 か おかしな こと が 起こって いる 。 |なん|||||おこって| 「 ジニー は どうして こんなふうに なった の ?」 ハリー が ゆっくり と 切り出した 。 ||||||||||きりだした 「 そう 、 それ は おもしろい 質問 だ 」 リドル が 愛想 よく 言った 。 ||||しつもん||||あいそ||いった

「 しかも 話せば 長く なる ジニー ・ ウィーズリー が こんなふうに なった ほんとうの 原因 は 、 誰 な の か わから ない 目 に 見え ない 人物 に 心 を 開き 、 自分 の 秘密 を 洗いざらい 打ち明けた こと だ 」 |はなせば|ながく||||||||げんいん||だれ||||||め||みえ||じんぶつ||こころ||あき|じぶん||ひみつ||あらいざらい|うちあけた|| "And the real reason why Ginny Weasley became like this, if you talk about it, is that he opened his heart to an invisible person who didn't know who he was and confided his secrets."

「 言って いる こと が わから ない けど ?」 いって|||||| "I don't understand what you're saying?"

「 あの 日記 は 、 僕 の 日記 だ 。 |にっき||ぼく||にっき| ジニー の お チビ さん は 何 ヶ月 も 何 ヶ月 も その 日記 に バカバカし い 心配事 や 悩み を 書き 続けた 。 ||||||なん|かげつ||なん|かげつ|||にっき||ばかばかし||しんぱいごと||なやみ||かき|つづけた 兄さん たち が からかう 、 お下がり の 本 や ローブ で 学校 に 行か なきゃ なら ない 、 それ に ――」 リドル の 目 が キラッ と 光った 。 にいさん||||おさがり||ほん||||がっこう||いか||||||||め||||ひかった My brothers had to make fun of me, I had to go to school with my books and robes, and-- "Riddle's eyes shone.

「 有名な 、 素敵な 、 偉大な ハリー ・ ポッター が 、 自分 の こと を 好いて くれる こと は 絶対 に な い だろう と か ......」 ゆうめいな|すてきな|いだいな||||じぶん||||すいて||||ぜったい|||||| "The famous, lovely, great Harry Potter would never like me ..."

こうして 話し ながら も 、 リドル の 目 は 、 一瞬 も ハリー の 顔 から 離れ なかった 。 |はなし|||||め||いっしゅん||||かお||はなれ| Despite talking in this way, Riddle's eyes did not leave Harry's face for a moment. むさぼる ような 視線 だった 。 ||しせん|

「 十一 歳 の 小 娘 の たわいない 悩み 事 を 聞いて あげる の は 、 まったく うんざり だった よ 」 リド ル の 話 は 続く 。 じゅういち|さい||しょう|むすめ|||なやみ|こと||きいて|||||||||||はなし||つづく "I was totally tired of hearing about the unrelenting worries of my eleven-year-old daughter," Ridol's story continues.

「 でも 僕 は 辛抱強く 返事 を 書いた 。 |ぼく||しんぼうづよく|へんじ||かいた 同情 して やった し 、 親切に も して やった 。 どうじょう||||しんせつに||| I did it with sympathy and kindness. ジニー は もう 夢中に なった 。 |||むちゅうに| Ginny is already crazy. 『 トム 、 あなた ぐらい 、 あたし の こと を わかって くれる 人 は いない わ ...... な ん でも 打ち明けられる この 日記 が あって どんなに 嬉しい か ...... まるで ポケット の 中 に 入れて 運べる 友だち が いる みたい ......』」 とむ|||||||||じん|||||||うちあけ られる||にっき||||うれしい|||ぽけっと||なか||いれて|はこべる|ともだち||| "Tom, no one knows me like you ... How happy I am to have this diary that I can confide in ... I can carry it in my pocket. It looks like I have friends ... "" リドル は 声 を あげて 笑った 。 ||こえ|||わらった 似つかわしく ない 、 冷たい 甲高い 笑い だった 。 につかわしく||つめたい|かんだかい|わらい|

ハリー は 背筋 が ゾクッ と した 。 ||せすじ||||

「 自分 で 言う の も どう か と 思う けど 、 ハリー 、 僕 は 必要 と なれば 、 いつでも 誰 でも 惹きつける こと が できた 。 じぶん||いう||||||おもう|||ぼく||ひつよう||||だれ||じゃく きつける||| "I don't think I should say it myself, but Harry, I was able to attract anyone whenever I needed it. だから ジニー は 、 僕 に 心 を 打ち明ける こと で 、 自分 の 魂 を 僕 に 注ぎ込んだ んだ 。 |||ぼく||こころ||うちあける|||じぶん||たましい||ぼく||そそぎこんだ| So Ginny poured his soul into me by revealing his heart to me. ジニー の 魂 、 それ こそ 僕 の 欲しい もの だった 。 ||たましい|||ぼく||ほしい|| Ginny's soul, that's what I wanted. 僕 は ジニー の 心 の 深層 の 恐れ 、 暗い 秘密 を 餌食 に して 、 だんだん 強く なった 。 ぼく||||こころ||しんそう||おそれ|くらい|ひみつ||えじき||||つよく| I became stronger and stronger as I preyed on the deep fears of Ginny's heart and the dark secrets. お チビ ちゃん と は 比較 に なら ない ぐらい 強力に なった 。 |||||ひかく|||||きょうりょくに| It has become so powerful that it cannot be compared with Ochibi-chan. 十分に 力 が 満ちた とき 、 僕 の 秘密 を ウィーズリー の チビ に 尐 し だけ 与え 、 僕 の 魂 を お チ ビ ちゃん に 注ぎ込み はじめた ......」 じゅうぶんに|ちから||みちた||ぼく||ひみつ|||||||||あたえ|ぼく||たましい|||||||そそぎこみ| When I was full of power, I gave my secret to Weasley's Chibi and began to pour my soul into Chibi-chan ... "

「 それ は どういう こと ?」 ハリー は 喉 が カラ カラ だった 。 ||||||のど||から|から| "What does that mean?" Harry had a dry throat. 「 まだ 気づか ない の かい ? ハリー ・ ポッター ?」 リドル の 口調 は 柔らかだ 。 |きづか||||||||くちょう||やわらかだ

「 ジニー ・ ウィーズリー が 『 秘密の 部屋 』 を 開けた 。 |||ひみつの|へや||あけた 学校 の 雄鶏 を 絞め 殺した の も 、 壁 に 脅迫 の 文字 を 書きなぐった の も ジニー 。 がっこう||おんどり||しめ|ころした|||かべ||きょうはく||もじ||かきなぐった||| 『 スリザリン の 蛇 』 を 四 人 の 『 穢 れた 血 』 や スクイプ < でき そこない > の 飼い 猫 に 仕掛けた の も ジニー だ 」 ||へび||よっ|じん||あい||ち||||||かい|ねこ||しかけた|||| It's also Ginny who set the Slytherin's Snake on the four'Dirty Blood'and the squip's <bad> cats. " 「 まさか 」 ハリー は 呟いた 。 |||つぶやいた

「 その まさか だ 」 リドル は 落ち着き払って いた 。 |||||おちつきはらって|

「 ただし 、 ジニー は 初め の うち 、 自分 が やって いる こと を まったく 自覚 して い なかった 。 |||はじめ|||じぶん|||||||じかく||| "However, at the beginning, Ginny was completely unaware of what he was doing. お かげ で 、 なかなか おもしろかった 。 It was funny and very interesting. しばらく して 日記 に 何 を 書き はじめた か 、 君 に 読ま せて やり たかった よ ...... 前 より ずっと おもしろく なった ...... 。 ||にっき||なん||かき|||きみ||よま|||||ぜん|||| After a while, I wanted to let you read what I started writing in my diary ... It's much more interesting than before ... 『 親愛 なる トム ――』」 しんあい||とむ

ハリー の 愕然と した 顔 を 眺め ながら 、 リドル は 空 で 、 読み上げ はじめた 。 ||がくぜんと||かお||ながめ||||から||よみあげ| Looking at Harry's stunned face, Riddle was empty and began to read aloud.

『 あたし 、 記憶 喪失 に なった みたい 。 |きおく|そうしつ||| "I feel like I've lost my memory. ローブ が 鶏 の 羽 だらけ な のに 、 どうして そう なった の か わから ない の 。 ||にわとり||はね||||||||||| ねえ 、 トム 、 ハロウィーン の 夜 、 自分 が 何 を した か 覚えて ない の 。 |とむ|||よ|じぶん||なん||||おぼえて|| でも 、 猫 が 襲われて 、 あたし の ローブ の 前 に ペンキ が べっとり ついて た の 。 |ねこ||おそわ れて|||||ぜん||ぺんき||||| But the cat was attacked and the paint was sticking in front of my robe. ねえ 、 トム 、 パーシー が あたし の 顔色 が よく ないって 、 なんだか 様子 が おかし いって 、 しょっちゅう そう 言う の 。 |とむ|||||かおいろ|||ない って||ようす||||||いう| Hey, Tom, Percy often says that my complexion isn't good, and that something isn't right. きっと あたし を 疑って る んだ わ ......。 |||うたがって||| I'm sure I'm suspicious ... 今日 も また 一 人 襲わ れた のに 、 あたし 、 自分 が どこ に いた か 覚えて ない の 。 きょう|||ひと|じん|おそわ||||じぶん||||||おぼえて|| I was attacked by one person again today, but I don't remember where I was. トム 、 どう したら いい の ? あたし 、 気 が 狂った んじゃ ない かしら ... ...。 とむ||||||き||くるった||| トム 、 きっと みんな を 襲って る の は 、 あたし な んだ わ !」 とむ||||おそって|||||||

ハリー は 、 爪 が 手のひら に 食い込む ほど ギュッと 拳 を 握りしめた 。 ||つめ||てのひら||くいこむ||ぎゅっと|けん||にぎりしめた

「 バカな ジニー の チビ が 、 日記 を 信用 し なく なる まで に ずいぶん 時間 が かかった 。 ばかな|||||にっき||しんよう|||||||じかん|| "It took a long time for the stupid Ginny Chibi to lose faith in his diary. しかし 、 とうとう 変だ と 疑い はじめ 、 捨てよう と した 。 ||へんだ||うたがい||すてよう|| However, I finally suspected it was strange and tried to throw it away. そこ へ 、 ハリー 、 君 が 登場 した 。 |||きみ||とうじょう| 君 が 日記 を 見つけた んだ 。 きみ||にっき||みつけた| 僕 は 最高に 嬉しかった よ 。 ぼく||さいこうに|うれしかった| こともあろうに 、 君 が 拾って くれた 。 |きみ||ひろって| Whatever the case, you picked it up. 僕 が 会い た い と 思って いた 君 が ......」 ぼく||あい||||おもって||きみ| You who I wanted to meet ... "

「 なぜ 、 どうして 僕 に 会い たかった んだ ?」 ||ぼく||あい||

怒り が 体中 を 駆け巡り 、 声 を 落ち着か せる こと さえ 難しかった 。 いかり||たいちゅう||かけめぐり|こえ||おちつか||||むずかしかった Anger ran all over my body, and it was even difficult to calm my voice.

「 そう だ な 。 ジニー が ハリー 、 君 の こと を いろいろ 聞か せて くれた から ね 。 |||きみ|||||きか|||| Ginny told me a lot about you, Harry. 君 の すばらしい 経歴 を だ 」 きみ|||けいれき||

リドル の 目 が 、 ハリー の 額 の 稲妻 形 の 傷 の あたり を 舐める ように 見た 。 ||め||||がく||いなずま|かた||きず||||なめる||みた Riddle's eyes looked like he was licking around the lightning-shaped wound on Harry's forehead. むさぼる ような 表情 が 一層 顕 わに なった 。 ||ひょうじょう||いっそう|あきら|| A devouring expression became even more apparent.

「 君 の こと を もっと 知ら なければ 、 できれば 会って 、 話 を しなければ なら ない と 、 僕 に は わ かって いた 。 きみ|||||しら|||あって|はなし||し なければ||||ぼく||||| "I knew that if I didn't know more about you, I would have to meet and talk to him if possible. だから 君 を 信用 さ せる ため 、 あの ウド の 大木 の ハグリッド を 捕まえた 有名な 場 面 を 見せて やろう と 決めた 」 |きみ||しんよう|||||うど||たいぼく||||つかまえた|ゆうめいな|じょう|おもて||みせて|||きめた So, in order to trust you, I decided to show you the famous place where Hagrid of the big tree of Udo was caught. "

「 ハグリッド は 僕 の 友達 だ 」 ハリー の 声 は ついに ワナ ワナ と 震え だした 。 ||ぼく||ともだち||||こえ|||わな|わな||ふるえ|

「 それなのに 、 君 は ハグリッド を 嵌めたんだ 。 |きみ||||かん め たん だ "But you put on Hagrid. そう だろう ! 僕 は 君 が 勘違い した だけ だ と 思って いた のに ......」 ||ぼく||きみ||かんちがい|||||おもって|| That's right! I thought you just made a mistake ... "

リドル は また 甲高い 笑い声 を あげた 。 |||かんだかい|わらいごえ||

「 ハリー 、 僕 の 言う こと を 信じる か 、 ハグリッド の を 信じる か 、 二 つ に 一 つ だった 。 |ぼく||いう|||しんじる|||||しんじる||ふた|||ひと|| "Harry, believe in what I say, or believe in Hagrid, one in two.