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2 - Harry Potter, 12.1 ポリジュース薬 - The Polyjuice Potion

12.1 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion

第 12 章 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion

二 人 は 石 の 螺旋 階段 の 一 番 上 で 降り 、 マクゴナガル 先生 が 扉 を 叩いた 。

音 も なり 扉 が 開き 、 二 人 は 中 に 入った 。

マクゴナガル 先生 は 待って い なさい と 、 ハリー を そこ に 一 人 残し 、 どこ か に 行った 。

ハリー は あたり を 見回した 。 今 学期 に なって ハリー は いろいろな 先生 の 部屋 に 入った が 、 ダ ンブルドア の 校長 室 が 、 ダントツ に 一 番 おもしろい 。

学校 から まもなく 放り出さ れる ので は ない か と 、 恐怖 で 縮み上がって い なかったら 、 きっと ハリー は 、 こんなふうに 、 じっくり と 部屋 を 眺める チャンス が できて 、 とても 嬉しかった こ と だろう 。

そこ は 広くて 美しい 円形 の 部屋 で 、 おかしな 小さな 物音 で 満ち 溢れて いた 。

紡 錘形 の 華奢 な 脚 が ついた テーブル の 上 に は 、 奇妙な 銀 の 道具 が 立ち 並び 、 クルクル 回り な がら ポッポッ と 小さな 煙 を 吐いて いる 。

壁 に は 歴代 の 校長 先生 の 写真 が 掛かって いた が 、 額縁 の 中 で みんな すやすや 眠って いた 。

大きな 鈎爪 脚 の 机 も あり 、 その 後ろ の 棚 に は 、 みすぼらしい ポロポロ の 三角 帽子 が 載って い る ――「 組 分け 帽子 」 だ 。

ハリー は 眠って いる 壁 の 校長 先生 たち を そ ーっと 見渡した 。 帽子 を 取って 、 もう 一 度 かぶって みて も 、 かまわ ない だろう か ? ハリー は ためらった 。 かまわ ない だろう 。 ...... 確認 する だけ な んだ 。 僕 の 組 分け は 正しかった の か どう かって ―― 。 ハリー は そっと 机 の 後ろ に 回り込み 、 棚 から 帽子 を 取り上げ 、 そろそろ と かぶった 。 帽子 が 大き 過ぎて 、 前 の とき も そう だった が 、 今度 も 、 目 の 上 まで 滑り落ちて きた 。 ハリー は 帽子 の 内側 の 闇 を 見つめて 、 待った 。

すると 、 かすかな 声 が ハリー の 耳 に ささやいた 。

「 何 か 、 思いつめて いる ね ? ハリー ・ ポッター 」

「 え ぇ 、 そう です 」 ハリー は 口ごもった 。

「 あの ―― おじゃま して ごめんなさい ―― お 聞き したい こと が あって ――」 「 わたし が 君 を 組 分け した 寮 が 、 まちがい で は ない か と 気 に して る ね 」 帽子 は さらりと 言った 。 「 さよう ...... 君 の 組 分け は 特に 難しかった 。 しかし 、 わたし が 前 に 言った 言葉 は 今 も 変わら ない 」 ハリー は 心 が 躍った 。

「―― 君 は スリザリン で うまく やれる 可能 性 が ある 」

ハリー の 胃袋 が ズシン と 落ち込んだ 。

帽子 の てっぺん を つかんで ぐ いっと 脱ぐ と 、 薄汚れて くたびれた 帽子 が 、 だ ら り と ハリー の 手 から ぶら下がって いた 。

気分 が 悪く なり 、 ハリー は 帽子 を 棚 に 押し戻した 。

「 あなた は まちがって いる 」 動か ず 物 言わ ぬ 帽子 に 向かって 、 ハリー は 声 を 出して 話しかけ た 。

帽子 は じっと して いる 。

ハリー は 帽子 を 見つめ ながら あと ず きり した 。

ふと 、 奇妙な ゲッゲッ と いう 音 が 聞こえて 、 ハリー は くるり と 振り返った 。

ハリー は 、 一 人きり で は なかった 。

扉 の 裏側 に 金色 の 止まり木 が あり 、 羽 を 半分 むしら れた 七面鳥 の ような よ ぼ よ ぼ の 鳥 が 止 まって いた 。

ハリー が じっと 見つめる と 、 鳥 は また ゲッゲッ と 声 を あげ ながら 邪悪な 目つき で 見返した 。

ハリー は 鳥 が 重い 病気 で は ない か と 思った 。

目 は どんより と し 、 ハリー が 見て いる 間 に も また 尾 羽 が 二 、 三 本 抜け落ちた 。

―― ダンブルドア の ペット の 鳥 が 、 僕 の 他 に は 誰 も いない この 部屋 で 死んで しまったら 、 万 事 休す だ 、 僕 は もう ダメだ ―― そう 思った 途端 、 鳥 が 炎 に 包ま れた 。 ハリー は 驚いて 叫び声 を あげ 、 あと ず きり して 机 に ぶつかった 。

どこ か に コップ 一 杯 の 水 で も ない か と 、 ハリー は 夢中で 周り を 見回した 。 が 、 どこ に も 見当 たら ない 。

その 間 に 鳥 は 火 の 玉 と なり 、 一声 鋭く 鳴いた か と 思う と 、 次の 瞬間 、 跡形 も なくなって し まった 。

一 振り の 灰 が 床 の 上 で ブスブス と 煙 を 上げて いる だけ だった 。 校長 室 の ドア が 開いた 。 ダンブルドア が 陰 鬱 な 顔 を して 現れた 。

「 先生 」 ハリー は あえぎ ながら 言った 。

「 先生 の 鳥 が ―― 僕 、 何も でき なくて ―― 急に 火 が ついた んです ――」

驚いた こと に 、 ダンブルドア は 微笑んだ 。

「 そろそろ だった のじゃ 。 あれ は このごろ 惨めな 様子 だった ので な 、 早く すませて しまう よ うに と 、 何度 も 言い聞かせて おった んじゃ 」

ハリー が ポカン と して いる ので 、 ダンブルドア が クスクス 笑った 。

「 ハリー 、 フォークス は 不死鳥 じゃ よ 。 死ぬ とき が 来る と 炎 と なって 燃え上がる 。 そして 灰 の 中 から 蘇る のじゃ 。 見て て ごらん ......」

ハリー が 見下ろす と 、 ちょうど 小さな くしゃくしゃの 雛 が 灰 の 中 から 頭 を 突き出して いる と ころ だった 。

雛 も 老 鳥 の とき と 同じ ぐらい 醜かった 。

「 ちょうど 『 燃焼 日 』 に あれ の 姿 を 見る こと に なって 、 残念じゃった の 」 ダンブルドア は 事務 机 に 座り ながら 言った 。

「 あれ は いつも は 実に 美しい 鳥 な んじゃ 。 羽 は 見事な 赤 と 金色 で な 。 うっとり する ような 生 物 じゃ よ 、 不死鳥 と いう の は 。 驚く ほど の 重い 荷 を 運び 、 涙 に は 癒し の 力 が あり 、 ペット と して は 忠実な こと この上 ない 」

フォークス の 火事 騒ぎ の ショック で 、 ハリー は 自分 が なぜ ここ に いる の か を 忘れて いた 。

一挙に 思い出した の は 、 ダンブルドア が 机 に 座り 、 背もたれ の 高い 椅子 に 腰掛け 、 明るい ブ ルー の 瞳 で 、 すべて を 見 透 す ような まなざし を ハリー に 向けた とき だ 。

ダンブルドア が 次の 言葉 を 話し出す 前 に 、 バーン と どえらい 音 を たてて 扉 が 勢い よく 開き 、 ハグリッド が 飛び込んで きた 。

目 を 血走ら せ 、 真っ黒な も じゃ も じゃ 頭 の 上 に バラクラバ 頭巾 を チョコン と 載せて 、 手 に は 鶏 の 死骸 を まだ ブラブラ さ せて いる 。

「 ハリー じゃ ねえ です 。 ダンブルドア 先生 」 ハグリッド が 急き込んで 言った 。

「 俺 は ハリー と 話して た です 。 この 子 が 発見 さ れる ほんの 数 秒 前 の こって す 。 先生 さま 、 ハ リー に は そんな 時間 は ねえ です ......」

ダンブルドア は 何 か 言おう と した が 、 ハグリッド が 喚 き 続けて いた 。 興奮 して 鶏 を 振り回す ので 、 そこら 中 に 羽 が 飛び散った 。

「...... ハリー の はず が ねえ です 。 俺 は 魔法 省 の 前 で 証言 し たって よう が す ......」 「 ハグリッド 、 わし は ――」 「...... 先生 さま 、 まちがって なさる 。 俺 は 知っと る です 。 ハリー は 絶対 そんな ――」 「 ハグリッド !」 ダンブルドア は 大きな 声 で 言った 。 「 わし は ハリー が みんな を 襲った と は 考えて おら ん よ 」 「...... ヘッ 」 手 に 持った 鶏 が ぐ に ゃり と 垂れ下がった 。

「............ へい 。 俺 は 外 で 待ってます だ 。 校長 先生 」

そして 、 ハグリッド は きまり 悪 そうに ドシンドシン と 出て 行った 。

「 先生 、 僕 じゃ ない と お 考え な のです か ?」

ハリー は 祈る ように 繰り返した 。 ダンブルドア は 机 の 上 に 散らばった 、 鶏 の 羽 を 払いのけて いた 。

「 そう じゃ よ 、 ハリー 」 ダンブルドア は そう 言い ながら も 、 また 陰 鬱 な 顔 を した 。 「 しかし 、 君 に は 話したい こと が ある のじゃ 」 ダンブルドア は 長い 指 の 先 を 合わせ 、 何事 か 考え ながら ハリー を じっと 見て いた 。 ハリー は 落ち着か ない 気持 で じっと 待った 。 「 ハリー 、 まず 、 君 に 聞いて おか ねば なら ん 。 わし に 何 か 言いたい こと は ない か の ?」 やわらかな 口調 だった 。 「 どんな こと でも よい 」

ハリー は 何 を 言って よい か わから なかった 。 マルフォイ の 叫び を 思い出した 。

「 次 は おまえたち の 番 だ ぞ 、『 穢 れた 血 』 め !」 それ から 、「 嘆き の マートル 」 の トイレ で フツ フツ 煮えて いる ポリジュース 薬 。

さらに 、 ハリー が 二 回 も 聞いた 正体 の 見え ない 声 。 ロン が 言った こと を 思い出した 。

「 誰 に も 聞こえ ない 声 が 聞こえる の は 、 魔法 界 でも 狂気 の 始まり だって 思われて る 」 そして 、 みんな が 自分 の こと を なんと 言って いた か を 思い浮かべた 。

自分 は サラザール ・ スリザリン と なんらか の 関わり が ある ので は ない か と いう 恐れ が つ のって いる こと ...... 。 「 いいえ 。 先生 、 何も ありません 」 ハリー が 答えた 。 ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 の 二 人 が 一度に 襲わ れた 事件 で 、 これ まで の よう に 単なる 不安 感 で は すまなく なり 、 パニック 状態 が 起こった 。

奇妙な こと に 、 一 番 不安 を 煽った の は ニック の 運命 だった 。 ゴースト に あんな こと が 出来る なんて 、 いったい 何者 な の か と 、 寄る と 触る と その 話 だった 。 もう 死んで いる 者 に 危害 を 加 える なんて 、 どんな 恐ろしい 力 を 持って いる んだろう ! クリスマス に 帰宅 しよう と 、 生徒 た ち が なだれ を 打って ホグワーツ 特急 の 予約 を 入れた 。

「 この 調子 じゃ 、 居残る の は 僕たち だけ に なり そう 」 ロン が ハリー と ハーマイオニー に 言った 。 「 僕たち と 、 マルフォイ 、 クラップ 、 ゴイル だ 。 こりゃ 楽しい 休暇 に なる ぞ 」

クラップ と ゴイル は 、 常に マルフォイ の やる 通り に 行動 した ので 、 居残り 組 に 名前 を 書 い た 。

ほとんど みんな い なく なる こと が 、 ハリー に は むしろ 嬉しかった 。 廊下 で ハリー に 出会う と 、 まるで ハリー が 牙 を 生やしたり 、 毒 を 吐き出したり する と 思って いる か の ように 、 みんな ハリー を 避けて 通った 。 ハリー が そば を 通る と 、 指差して は 「 シーッ 」 と 言ったり 、 ヒソヒソ 声 に なったり 、 もう ハリー は うんざり だった 。

フレッド と ジョージ に して みれば 、 こんな おもしろい こと は ない らしい 。

二 人 で わざわざ ハリー の 前 に 立って 、 廊下 を 行進 し 、「 した ー に 、 下 に 、 まっこ と 邪悪な 魔 法 使い 、 スリザリン の 継承 者 様 の お 通り だ ......」 と 先触れ した 。 パーシー は この ふざけ を まったく 認め なかった 。

「 笑いごと じゃ ない ぞ 」 パーシー は 冷たく 言った 。

「 おい 、 パーシー 、 どけよ 。 ハリー 様 は 、 はやく 行か ねば なら ぬ 」 と フレッド 。

「 そう だ と も 。 牙 を むき 出した 召使 と お茶 を お 飲み に なる ので 、『 秘密の 部屋 』 に お 急ぎ な のだ 」

ジョージ が 嬉し そうに クックッ と 笑った 。

ジニー も 冗談 だ と は 思って い なかった 。

フレッド が ハリー に 「 次 は 誰 を 襲う つもり か 」 と 大声 で 尋ねたり 、 ジョージ が ハリー と 出 会った とき 、 大きな にんにく の 束 で 追い払う ふり を する と 、 その たび に 、 ジニー は 「 お 願 い 、 やめて 」 と 涙声 に なった 。

ハリー は 気 に して い なかった 。 尐 なく と も フレッド と ジョージ は 、 ハリー が スリザリン の 継 承 者 だ なんて 、 まったく バカげた 考え だ と 思って いる 。 そう 思う と 気 が 楽に なった 。 二 人 の 道化 ぶり を 見る たび 、 ドラコ ・ マルフォイ は イライラ し 、 ますます 不機嫌に なって いく よう だった 。

「 そりゃ 、 ほんとう は 自分 な の だって 言い たくて しょうがない から さ 」 ロン が わけ 知り 顔 で 言った 。

「 あいつ 、 ほら 、 どんな こと だって 、 自分 を 負かす やつ は 憎い んだ 。 なにしろ 君 は 、 やつ の 悪行 の 功績 を 全部 自分 の もの に して る わけだ ろ 」

「 それ に 、 長く は お 待た せ し ない わ 」 ハーマイオニー が 満足げに 言った 。

「 ポリジュース 薬 が まもなく 完成 よ 。 彼 の 口 から 真実 を 聞く 日 も 近い わ 」

とうとう 学期 が 終わり 、 降り積もった 雪 と 同じ ぐらい 深い 静寂 が 城 を 包んだ 。

ハリー に とって は 、 憂轡 どころ か 安らかな 日々 だった 。 ハーマイオニー や ウィーズリー 兄弟 たち と 一緒に 、 グリフィンドール 塔 を 思い通りに できる の は 楽しかった 。

誰 に も 迷惑 を かけ ず に 大きな 音 を 出して 「 爆発 ゲーム 」 を したり 、 秘 か に 決闘 の 練習 を し た 。

フレッド 、 ジョージ 、 ジニー も 、 両親 と 一緒に エジプト に いる 兄 の ビル を 訪ねる より 、 学校 に 残る 方 を 選んだ 。

パーシー は 「 おまえたち の 子供っぽい 行動 は けしからん 」 と 、 グリフィンドール の 談話 室 に は あまり 顔 を 出さ なかった 。

「 クリスマス に 僕 が 居残る の は 、 この 困難な 時期 に 先生 方 の 手助け を する の が 、 監督 生 と し て の 義務 だ から だ 」 と 、 パーシー は もったいぶって 説明 して いた 。

12.1 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion |くすり|the|polyjuice|potion 12.1 The Polyjuice Potion 12.1 Potion de Polyjuice - La potion de Polyjuice 12.1 Eliksir wielosokowy - Eliksir wielosokowy 12.1 Polyjuicedrycken - Polyjuicedrycken 12.1 复方汤剂

第 12 章 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion だい|しょう||くすり|the|polyjuice|potion

二 人 は 石 の 螺旋 階段 の 一 番 上 で 降り 、 マクゴナガル 先生 が 扉 を 叩いた 。 ふた|じん||いし||らせん|かいだん||ひと|ばん|うえ||ふり||せんせい||とびら||たたいた

音 も なり 扉 が 開き 、 二 人 は 中 に 入った 。 おと|||とびら||あき|ふた|じん||なか||はいった The sound was heard and the door opened, and the two went inside.

マクゴナガル 先生 は 待って い なさい と 、 ハリー を そこ に 一 人 残し 、 どこ か に 行った 。 |せんせい||まって||||||||ひと|じん|のこし||||おこなった

ハリー は あたり を 見回した 。 ||||みまわした 今 学期 に なって ハリー は いろいろな 先生 の 部屋 に 入った が 、 ダ ンブルドア の 校長 室 が 、 ダントツ に 一 番 おもしろい 。 いま|がっき||||||せんせい||へや||はいった|||||こうちょう|しつ||だんとつ||ひと|ばん|

学校 から まもなく 放り出さ れる ので は ない か と 、 恐怖 で 縮み上がって い なかったら 、 きっと ハリー は 、 こんなふうに 、 じっくり と 部屋 を 眺める チャンス が できて 、 とても 嬉しかった こ と だろう 。 がっこう|||ほうりださ|||||||きょうふ||ちぢみあがって|||||||||へや||ながめる|ちゃんす||||うれしかった||| If he hadn't shrunk in fear of being thrown out of school soon, Harry would have been very happy to have the chance to take a closer look at the room like this.

そこ は 広くて 美しい 円形 の 部屋 で 、 おかしな 小さな 物音 で 満ち 溢れて いた 。 ||ひろくて|うつくしい|えんけい||へや|||ちいさな|ものおと||みち|あふれて|

紡 錘形 の 華奢 な 脚 が ついた テーブル の 上 に は 、 奇妙な 銀 の 道具 が 立ち 並び 、 クルクル 回り な がら ポッポッ と 小さな 煙 を 吐いて いる 。 つむ|すいかたち||きゃしゃ||あし|||てーぶる||うえ|||きみょうな|ぎん||どうぐ||たち|ならび|くるくる|まわり|||||ちいさな|けむり||はいて|

壁 に は 歴代 の 校長 先生 の 写真 が 掛かって いた が 、 額縁 の 中 で みんな すやすや 眠って いた 。 かべ|||れきだい||こうちょう|せんせい||しゃしん||かかって|||がくぶち||なか||||ねむって|

大きな 鈎爪 脚 の 机 も あり 、 その 後ろ の 棚 に は 、 みすぼらしい ポロポロ の 三角 帽子 が 載って い る ――「 組 分け 帽子 」 だ 。 おおきな|かぎつめ|あし||つくえ||||うしろ||たな||||ぽろぽろ||さんかく|ぼうし||のって|||くみ|わけ|ぼうし|

ハリー は 眠って いる 壁 の 校長 先生 たち を そ ーっと 見渡した 。 ||ねむって||かべ||こうちょう|せんせい||||- っと|みわたした 帽子 を 取って 、 もう 一 度 かぶって みて も 、 かまわ ない だろう か ? ハリー は ためらった 。 ぼうし||とって||ひと|たび|||||||||| かまわ ない だろう 。 I guess it doesn't matter. ...... 確認 する だけ な んだ 。 かくにん|||| ...... I just want to make sure. 僕 の 組 分け は 正しかった の か どう かって ―― 。 ぼく||くみ|わけ||ただしかった|||| ハリー は そっと 机 の 後ろ に 回り込み 、 棚 から 帽子 を 取り上げ 、 そろそろ と かぶった 。 |||つくえ||うしろ||まわりこみ|たな||ぼうし||とりあげ||| 帽子 が 大き 過ぎて 、 前 の とき も そう だった が 、 今度 も 、 目 の 上 まで 滑り落ちて きた 。 ぼうし||おおき|すぎて|ぜん|||||||こんど||め||うえ||すべりおちて| ハリー は 帽子 の 内側 の 闇 を 見つめて 、 待った 。 ||ぼうし||うちがわ||やみ||みつめて|まった

すると 、 かすかな 声 が ハリー の 耳 に ささやいた 。 ||こえ||||みみ||

「 何 か 、 思いつめて いる ね ? ハリー ・ ポッター 」 なん||おもいつめて||||

「 え ぇ 、 そう です 」 ハリー は 口ごもった 。 ||||||くちごもった

「 あの ―― おじゃま して ごめんなさい ―― お 聞き したい こと が あって ――」 |||||きき|し たい||| 「 わたし が 君 を 組 分け した 寮 が 、 まちがい で は ない か と 気 に して る ね 」 帽子 は さらりと 言った 。 ||きみ||くみ|わけ||りょう||||||||き|||||ぼうし|||いった "I'm wondering if the dormitory I've grouped you in is wrong," said the hat. 「 さよう ...... 君 の 組 分け は 特に 難しかった 。 |きみ||くみ|わけ||とくに|むずかしかった I was particularly difficult with your pairings. ...... Your grouping was particularly difficult. しかし 、 わたし が 前 に 言った 言葉 は 今 も 変わら ない 」 ハリー は 心 が 躍った 。 |||ぜん||いった|ことば||いま||かわら||||こころ||おどった But the words I said before are still the same. "Harry was thrilled.

「―― 君 は スリザリン で うまく やれる 可能 性 が ある 」 きみ||||||かのう|せい|| You have the potential to do well in Slytherin.

ハリー の 胃袋 が ズシン と 落ち込んだ 。 ||いぶくろ||||おちこんだ

帽子 の てっぺん を つかんで ぐ いっと 脱ぐ と 、 薄汚れて くたびれた 帽子 が 、 だ ら り と ハリー の 手 から ぶら下がって いた 。 ぼうし|||||||ぬぐ||うすよごれて||ぼうし||||||||て||ぶらさがって| I grabbed the top of the hat and took it off, and a dingy and tired hat hung loosely from Harry's hand.

気分 が 悪く なり 、 ハリー は 帽子 を 棚 に 押し戻した 。 きぶん||わるく||||ぼうし||たな||おしもどした

「 あなた は まちがって いる 」 動か ず 物 言わ ぬ 帽子 に 向かって 、 ハリー は 声 を 出して 話しかけ た 。 ||||うごか||ぶつ|いわ||ぼうし||むかって|||こえ||だして|はなしかけ| "You're wrong." Harry spoke aloud to his unmoving, silent hat.

帽子 は じっと して いる 。 ぼうし|||| The hat is still.

ハリー は 帽子 を 見つめ ながら あと ず きり した 。 ||ぼうし||みつめ||||| Harry was staring at his hat and screaming.

ふと 、 奇妙な ゲッゲッ と いう 音 が 聞こえて 、 ハリー は くるり と 振り返った 。 |きみょうな||||おと||きこえて|||||ふりかえった

ハリー は 、 一 人きり で は なかった 。 ||ひと|ひときり|||

扉 の 裏側 に 金色 の 止まり木 が あり 、 羽 を 半分 むしら れた 七面鳥 の ような よ ぼ よ ぼ の 鳥 が 止 まって いた 。 とびら||うらがわ||きんいろ||とまりぎ|||はね||はんぶん|||しちめんちょう||||||||ちょう||や||

ハリー が じっと 見つめる と 、 鳥 は また ゲッゲッ と 声 を あげ ながら 邪悪な 目つき で 見返した 。 |||みつめる||ちょう|||||こえ||||じゃあくな|めつき||みかえした As Harry stared, the bird looked back with an evil look, screaming again.

ハリー は 鳥 が 重い 病気 で は ない か と 思った 。 ||ちょう||おもい|びょうき||||||おもった

目 は どんより と し 、 ハリー が 見て いる 間 に も また 尾 羽 が 二 、 三 本 抜け落ちた 。 め|||||||みて||あいだ||||お|はね||ふた|みっ|ほん|ぬけおちた

―― ダンブルドア の ペット の 鳥 が 、 僕 の 他 に は 誰 も いない この 部屋 で 死んで しまったら 、 万 事 休す だ 、 僕 は もう ダメだ ―― そう 思った 途端 、 鳥 が 炎 に 包ま れた 。 ||ぺっと||ちょう||ぼく||た|||だれ||||へや||しんで||よろず|こと|きゅうす||ぼく|||だめだ||おもった|とたん|ちょう||えん||つつま| ハリー は 驚いて 叫び声 を あげ 、 あと ず きり して 机 に ぶつかった 。 ||おどろいて|さけびごえ|||||||つくえ|| Harry was surprised and screamed, and then slammed into the desk.

どこ か に コップ 一 杯 の 水 で も ない か と 、 ハリー は 夢中で 周り を 見回した 。 |||こっぷ|ひと|さかずき||すい||||||||むちゅうで|まわり||みまわした が 、 どこ に も 見当 たら ない 。 ||||けんとう|| But I can't find it anywhere.

その 間 に 鳥 は 火 の 玉 と なり 、 一声 鋭く 鳴いた か と 思う と 、 次の 瞬間 、 跡形 も なくなって し まった 。 |あいだ||ちょう||ひ||たま|||ひとこえ|するどく|ないた|||おもう||つぎの|しゅんかん|あとかた|||| Meanwhile, the bird had turned into a ball of fire, and one moment it was singing sharply, and the next, there was no trace of it.

一 振り の 灰 が 床 の 上 で ブスブス と 煙 を 上げて いる だけ だった 。 ひと|ふり||はい||とこ||うえ||||けむり||あげて||| 校長 室 の ドア が 開いた 。 こうちょう|しつ||どあ||あいた The door of the principal's room has opened. ダンブルドア が 陰 鬱 な 顔 を して 現れた 。 ||かげ|うつ||かお|||あらわれた Dumbledore appeared with a gloomy face.

「 先生 」 ハリー は あえぎ ながら 言った 。 せんせい|||||いった

「 先生 の 鳥 が ―― 僕 、 何も でき なくて ―― 急に 火 が ついた んです ――」 せんせい||ちょう||ぼく|なにも|||きゅうに|ひ|||

驚いた こと に 、 ダンブルドア は 微笑んだ 。 おどろいた|||||ほおえんだ To my surprise, Dumbledore smiled.

「 そろそろ だった のじゃ 。 あれ は このごろ 惨めな 様子 だった ので な 、 早く すませて しまう よ うに と 、 何度 も 言い聞かせて おった んじゃ 」 |||みじめな|ようす||||はやく|すま せて|||||なんど||いいきかせて|| It looked miserable these days, so I told him many times that I should do it sooner. "

ハリー が ポカン と して いる ので 、 ダンブルドア が クスクス 笑った 。 |||||||||くすくす|わらった

「 ハリー 、 フォークス は 不死鳥 じゃ よ 。 |||ふしちょう|| 死ぬ とき が 来る と 炎 と なって 燃え上がる 。 しぬ|||くる||えん|||もえあがる そして 灰 の 中 から 蘇る のじゃ 。 |はい||なか||よみがえる| 見て て ごらん ......」 みて||

ハリー が 見下ろす と 、 ちょうど 小さな くしゃくしゃの 雛 が 灰 の 中 から 頭 を 突き出して いる と ころ だった 。 ||みおろす|||ちいさな||ひな||はい||なか||あたま||つきだして||||

雛 も 老 鳥 の とき と 同じ ぐらい 醜かった 。 ひな||ろう|ちょう||||おなじ||みにくかった

「 ちょうど 『 燃焼 日 』 に あれ の 姿 を 見る こと に なって 、 残念じゃった の 」 |ねんしょう|ひ||||すがた||みる||||ざんねんじゃ った| "It was a pity that I just saw that on'Burning Day'." ダンブルドア は 事務 机 に 座り ながら 言った 。 ||じむ|つくえ||すわり||いった

「 あれ は いつも は 実に 美しい 鳥 な んじゃ 。 ||||じつに|うつくしい|ちょう|| "That is always a really beautiful bird. 羽 は 見事な 赤 と 金色 で な 。 はね||みごとな|あか||きんいろ|| うっとり する ような 生 物 じゃ よ 、 不死鳥 と いう の は 。 |||せい|ぶつ|||ふしちょう|||| 驚く ほど の 重い 荷 を 運び 、 涙 に は 癒し の 力 が あり 、 ペット と して は 忠実な こと この上 ない 」 おどろく|||おもい|に||はこび|なみだ|||いやし||ちから|||ぺっと||||ちゅうじつな||このうえ| Carrying a surprisingly heavy load, tears have healing powers, and are loyal to pets. "

フォークス の 火事 騒ぎ の ショック で 、 ハリー は 自分 が なぜ ここ に いる の か を 忘れて いた 。 ||かじ|さわぎ||しょっく||||じぶん|||||||||わすれて|

一挙に 思い出した の は 、 ダンブルドア が 机 に 座り 、 背もたれ の 高い 椅子 に 腰掛け 、 明るい ブ ルー の 瞳 で 、 すべて を 見 透 す ような まなざし を ハリー に 向けた とき だ 。 いっきょに|おもいだした|||||つくえ||すわり|せもたれ||たかい|いす||こしかけ|あかるい||るー||ひとみ||||み|とおる|||||||むけた||

ダンブルドア が 次の 言葉 を 話し出す 前 に 、 バーン と どえらい 音 を たてて 扉 が 勢い よく 開き 、 ハグリッド が 飛び込んで きた 。 ||つぎの|ことば||はなしだす|ぜん|||||おと|||とびら||いきおい||あき|||とびこんで|

目 を 血走ら せ 、 真っ黒な も じゃ も じゃ 頭 の 上 に バラクラバ 頭巾 を チョコン と 載せて 、 手 に は 鶏 の 死骸 を まだ ブラブラ さ せて いる 。 め||ちばしら||まっくろな|||||あたま||うえ|||ずきん||||のせて|て|||にわとり||しがい|||ぶらぶら|||

「 ハリー じゃ ねえ です 。 It's not Harry. ダンブルドア 先生 」 ハグリッド が 急き込んで 言った 。 |せんせい|||せきこんで|いった

「 俺 は ハリー と 話して た です 。 おれ||||はなして|| この 子 が 発見 さ れる ほんの 数 秒 前 の こって す 。 |こ||はっけん||||すう|びょう|ぜん||| Only a few seconds before this child was discovered. 先生 さま 、 ハ リー に は そんな 時間 は ねえ です ......」 せんせい|||||||じかん||| Sensei, Harry doesn't have that much time ... "

ダンブルドア は 何 か 言おう と した が 、 ハグリッド が 喚 き 続けて いた 。 ||なん||いおう||||||かん||つづけて| 興奮 して 鶏 を 振り回す ので 、 そこら 中 に 羽 が 飛び散った 。 こうふん||にわとり||ふりまわす|||なか||はね||とびちった

「...... ハリー の はず が ねえ です 。 俺 は 魔法 省 の 前 で 証言 し たって よう が す ......」 「 ハグリッド 、 わし は ――」 「...... 先生 さま 、 まちがって なさる 。 おれ||まほう|しょう||ぜん||しょうげん|||||||||せんせい||| It seems I'm testifying in front of the Ministry of Magic ......" Hagrid, I... ...... You are mistaken, sir. 俺 は 知っと る です 。 おれ||ち っと|| ハリー は 絶対 そんな ――」 「 ハグリッド !」 ダンブルドア は 大きな 声 で 言った 。 ||ぜったい|||||おおきな|こえ||いった 「 わし は ハリー が みんな を 襲った と は 考えて おら ん よ 」 ||||||おそった|||かんがえて||| "I don't think Harry has attacked everyone." 「...... ヘッ 」 手 に 持った 鶏 が ぐ に ゃり と 垂れ下がった 。 |て||もった|にわとり||||||たれさがった

「............ へい 。 俺 は 外 で 待ってます だ 。 おれ||がい||まって ます| I'll wait outside. 校長 先生 」 こうちょう|せんせい

そして 、 ハグリッド は きまり 悪 そうに ドシンドシン と 出て 行った 。 ||||あく|そう に|||でて|おこなった

「 先生 、 僕 じゃ ない と お 考え な のです か ?」 せんせい|ぼく|||||かんがえ||| "Sir, do you think I'm not the one?"

ハリー は 祈る ように 繰り返した 。 ||いのる||くりかえした ダンブルドア は 机 の 上 に 散らばった 、 鶏 の 羽 を 払いのけて いた 。 ||つくえ||うえ||ちらばった|にわとり||はね||はらいのけて|

「 そう じゃ よ 、 ハリー 」 ダンブルドア は そう 言い ながら も 、 また 陰 鬱 な 顔 を した 。 |||||||いい||||かげ|うつ||かお|| 「 しかし 、 君 に は 話したい こと が ある のじゃ 」 ダンブルドア は 長い 指 の 先 を 合わせ 、 何事 か 考え ながら ハリー を じっと 見て いた 。 |きみ|||はなし たい|||||||ながい|ゆび||さき||あわせ|なにごと||かんがえ|||||みて| ハリー は 落ち着か ない 気持 で じっと 待った 。 ||おちつか||きもち|||まった Harry waited patiently with a feeling of restlessness. 「 ハリー 、 まず 、 君 に 聞いて おか ねば なら ん 。 ||きみ||きいて|||| "Harry, first of all, I have to ask you. わし に 何 か 言いたい こと は ない か の ?」 やわらかな 口調 だった 。 ||なん||いい たい|||||||くちょう| Do you have anything to say to me? "It was a soft tone. 「 どんな こと でも よい 」 "Anything is fine"

ハリー は 何 を 言って よい か わから なかった 。 ||なん||いって|||| マルフォイ の 叫び を 思い出した 。 ||さけび||おもいだした

「 次 は おまえたち の 番 だ ぞ 、『 穢 れた 血 』 め !」 それ から 、「 嘆き の マートル 」 の トイレ で フツ フツ 煮えて いる ポリジュース 薬 。 つぎ||||ばん|||あい||ち||||なげき||||といれ||ふつ|ふつ|にえて|||くすり "Next is your turn,'dirty blood'!" Then, the polyjuice medicine that is boiled in the toilet of "Moaning Myrtle".

さらに 、 ハリー が 二 回 も 聞いた 正体 の 見え ない 声 。 |||ふた|かい||きいた|しょうたい||みえ||こえ In addition, the invisible voice that Harry heard twice. ロン が 言った こと を 思い出した 。 ||いった|||おもいだした

「 誰 に も 聞こえ ない 声 が 聞こえる の は 、 魔法 界 でも 狂気 の 始まり だって 思われて る 」 だれ|||きこえ||こえ||きこえる|||まほう|かい||きょうき||はじまり||おもわ れて| "It seems that hearing a voice that no one can hear is the beginning of madness in the magical world." そして 、 みんな が 自分 の こと を なんと 言って いた か を 思い浮かべた 。 |||じぶん|||||いって||||おもいうかべた Then I thought about what people had said about me.

自分 は サラザール ・ スリザリン と なんらか の 関わり が ある ので は ない か と いう 恐れ が つ のって いる こと ...... 。 じぶん|||||||かかわり|||||||||おそれ||||| I'm afraid that I have something to do with Salazar Slytherin ... 「 いいえ 。 先生 、 何も ありません 」 ハリー が 答えた 。 せんせい|なにも|あり ませ ん|||こたえた ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 の 二 人 が 一度に 襲わ れた 事件 で 、 これ まで の よう に 単なる 不安 感 で は すまなく なり 、 パニック 状態 が 起こった 。 |||くび|なし|||ふた|じん||いちどに|おそわ||じけん|||||||たんなる|ふあん|かん|||||ぱにっく|じょうたい||おこった Justin and "Nearly Headless Nick" were attacked at the same time, and the mere anxiety that they had in the past was no longer a mere anxiety, and a panic situation occurred.

奇妙な こと に 、 一 番 不安 を 煽った の は ニック の 運命 だった 。 きみょうな|||ひと|ばん|ふあん||あおった|||||うんめい| Oddly enough, it was Nick's fate that fueled the most anxiety. ゴースト に あんな こと が 出来る なんて 、 いったい 何者 な の か と 、 寄る と 触る と その 話 だった 。 ごーすと|||||できる|||なにもの|||||よる||さわる|||はなし| It was a story about who the ghost could do such a thing, and when he approached it, he touched it. もう 死んで いる 者 に 危害 を 加 える なんて 、 どんな 恐ろしい 力 を 持って いる んだろう ! クリスマス に 帰宅 しよう と 、 生徒 た ち が なだれ を 打って ホグワーツ 特急 の 予約 を 入れた 。 |しんで||もの||きがい||か||||おそろしい|ちから||もって|||くりすます||きたく|||せいと||||||うって||とっきゅう||よやく||いれた What terrifying power do they have to harm those who are already dead! To get home for Christmas, the students struck an avalanche and made an appointment for the Hogwarts Express.

「 この 調子 じゃ 、 居残る の は 僕たち だけ に なり そう 」 ロン が ハリー と ハーマイオニー に 言った 。 |ちょうし||いのこる|||ぼくたち|||||||||||いった "In this condition, we're the only ones who will stay," Ron told Harry and Hermione. 「 僕たち と 、 マルフォイ 、 クラップ 、 ゴイル だ 。 ぼくたち||||| こりゃ 楽しい 休暇 に なる ぞ 」 |たのしい|きゅうか|||

クラップ と ゴイル は 、 常に マルフォイ の やる 通り に 行動 した ので 、 居残り 組 に 名前 を 書 い た 。 ||||とわに||||とおり||こうどう|||いのこり|くみ||なまえ||しょ|| Clap and Goyle always acted as Malfoy did, so they wrote their names on the survivors.

ほとんど みんな い なく なる こと が 、 ハリー に は むしろ 嬉しかった 。 |||||||||||うれしかった Harry was rather glad that almost everyone was going to be gone. 廊下 で ハリー に 出会う と 、 まるで ハリー が 牙 を 生やしたり 、 毒 を 吐き出したり する と 思って いる か の ように 、 みんな ハリー を 避けて 通った 。 ろうか||||であう|||||きば||はやしたり|どく||はきだしたり|||おもって||||||||さけて|かよった When I met Harry in the hallway, everyone avoided Harry, as if he thought he would grow fangs and spit out poison. ハリー が そば を 通る と 、 指差して は 「 シーッ 」 と 言ったり 、 ヒソヒソ 声 に なったり 、 もう ハリー は うんざり だった 。 ||||とおる||ゆびさして||||いったり|ひそひそ|こえ|||||||

フレッド と ジョージ に して みれば 、 こんな おもしろい こと は ない らしい 。 ||じょーじ||||||||| For Fred and George, there seems to be nothing interesting like this.

二 人 で わざわざ ハリー の 前 に 立って 、 廊下 を 行進 し 、「 した ー に 、 下 に 、 まっこ と 邪悪な 魔 法 使い 、 スリザリン の 継承 者 様 の お 通り だ ......」 と 先触れ した 。 ふた|じん|||||ぜん||たって|ろうか||こうしん|||-||した||ま っこ||じゃあくな|ま|ほう|つかい|||けいしょう|もの|さま|||とおり|||さきぶれ| The two of us bothered to stand in front of Harry and march through the corridor, saying, "To the bottom, to the bottom, to the wicked magician, the successor of Slytherin ..." I mentioned earlier. パーシー は この ふざけ を まったく 認め なかった 。 ||||||みとめ|

「 笑いごと じゃ ない ぞ 」 パーシー は 冷たく 言った 。 わらいごと||||||つめたく|いった

「 おい 、 パーシー 、 どけよ 。 ハリー 様 は 、 はやく 行か ねば なら ぬ 」 と フレッド 。 |さま|||いか||||| Harry has to go fast, "Fred said.

「 そう だ と も 。 Yes, that's right. 牙 を むき 出した 召使 と お茶 を お 飲み に なる ので 、『 秘密の 部屋 』 に お 急ぎ な のだ 」 きば|||だした|めしつかい||おちゃ|||のみ||||ひみつの|へや|||いそぎ|| I'm going to have a cup of tea with my servant with his fangs bare, so hurry up to the "Secret Room". "

ジョージ が 嬉し そうに クックッ と 笑った 。 じょーじ||うれし|そう に|||わらった George smiled happily.

ジニー も 冗談 だ と は 思って い なかった 。 ||じょうだん||||おもって||

フレッド が ハリー に 「 次 は 誰 を 襲う つもり か 」 と 大声 で 尋ねたり 、 ジョージ が ハリー と 出 会った とき 、 大きな にんにく の 束 で 追い払う ふり を する と 、 その たび に 、 ジニー は 「 お 願 い 、 やめて 」 と 涙声 に なった 。 ||||つぎ||だれ||おそう||||おおごえ||たずねたり|じょーじ||||だ|あった||おおきな|||たば||おいはらう|||||||||||ねがい||||なみだごえ|| Every time Fred asked Harry loudly, "Who are you going to attack next?" or George pretended to chase Harry away with a big bunch of garlic when he met him, Ginny would cry, "Please, stop.

ハリー は 気 に して い なかった 。 ||き|||| Harry didn't care. 尐 なく と も フレッド と ジョージ は 、 ハリー が スリザリン の 継 承 者 だ なんて 、 まったく バカげた 考え だ と 思って いる 。 ||||||じょーじ||||||つ|うけたまわ|もの||||ばかげた|かんがえ|||おもって| そう 思う と 気 が 楽に なった 。 |おもう||き||らくに| It made me feel better to think that way. 二 人 の 道化 ぶり を 見る たび 、 ドラコ ・ マルフォイ は イライラ し 、 ますます 不機嫌に なって いく よう だった 。 ふた|じん||どうけ|||みる|||||いらいら|||ふきげんに|||| Every time Draco Malfoy saw these two clowns, he seemed to get more and more annoyed and grumpy.

「 そりゃ 、 ほんとう は 自分 な の だって 言い たくて しょうがない から さ 」 ロン が わけ 知り 顔 で 言った 。 |||じぶん||||いい||||||||しり|かお||いった "Well, I can't help saying that I'm really myself," Ron said with a familiar face.

「 あいつ 、 ほら 、 どんな こと だって 、 自分 を 負かす やつ は 憎い んだ 。 |||||じぶん||まかす|||にくい| "Hey, hey, no matter what, I hate the one who beats me. なにしろ 君 は 、 やつ の 悪行 の 功績 を 全部 自分 の もの に して る わけだ ろ 」 |きみ||||あくぎょう||こうせき||ぜんぶ|じぶん||||||| After all, you own all the achievements of his wrongdoing. "

「 それ に 、 長く は お 待た せ し ない わ 」 ハーマイオニー が 満足げに 言った 。 ||ながく|||また|||||||まんぞくげに|いった "And I won't wait long," Hermione said with satisfaction.

「 ポリジュース 薬 が まもなく 完成 よ 。 |くすり|||かんせい| 彼 の 口 から 真実 を 聞く 日 も 近い わ 」 かれ||くち||しんじつ||きく|ひ||ちかい|

とうとう 学期 が 終わり 、 降り積もった 雪 と 同じ ぐらい 深い 静寂 が 城 を 包んだ 。 |がっき||おわり|ふりつもった|ゆき||おなじ||ふかい|せいじゃく||しろ||つつんだ The school year was finally over, and the silence was as deep as the snow that had fallen on the castle.

ハリー に とって は 、 憂轡 どころ か 安らかな 日々 だった 。 ||||ゆうくつわ|||やすらかな|ひび| For Harry, it was a peaceful day rather than a melancholy. ハーマイオニー や ウィーズリー 兄弟 たち と 一緒に 、 グリフィンドール 塔 を 思い通りに できる の は 楽しかった 。 |||きょうだい|||いっしょに||とう||おもいどおりに||||たのしかった It was fun to be able to get the Gryffindor Tower to your liking with Hermione and the Weasley brothers.

誰 に も 迷惑 を かけ ず に 大きな 音 を 出して 「 爆発 ゲーム 」 を したり 、 秘 か に 決闘 の 練習 を し た 。 だれ|||めいわく|||||おおきな|おと||だして|ばくはつ|げーむ|||ひ|||けっとう||れんしゅう||| I played an "explosion game" by making a loud noise without causing any inconvenience to anyone, and secretly practiced duels.

フレッド 、 ジョージ 、 ジニー も 、 両親 と 一緒に エジプト に いる 兄 の ビル を 訪ねる より 、 学校 に 残る 方 を 選んだ 。 |じょーじ|||りょうしん||いっしょに|えじぷと|||あに||びる||たずねる||がっこう||のこる|かた||えらんだ Fred, George, and Ginny also chose to stay at school rather than visit their brother Bill in Egypt with their parents.

パーシー は 「 おまえたち の 子供っぽい 行動 は けしからん 」 と 、 グリフィンドール の 談話 室 に は あまり 顔 を 出さ なかった 。 ||||こども っぽい|こうどう||||||だんわ|しつ||||かお||ださ| Percy didn't show up much in Gryffindor's lounge, saying, "Your childish behavior is terrible."

「 クリスマス に 僕 が 居残る の は 、 この 困難な 時期 に 先生 方 の 手助け を する の が 、 監督 生 と し て の 義務 だ から だ 」 と 、 パーシー は もったいぶって 説明 して いた 。 くりすます||ぼく||いのこる||||こんなんな|じき||せんせい|かた||てだすけ|||||かんとく|せい|||||ぎむ||||||||せつめい|| "I'm staying at Christmas because it's my duty as a director to help the teachers during this difficult time," Percy explained.