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2 - Harry Potter, 10.2 狂ったブラッジャー - The Rogue Bludger

10.2 狂ったブラッジャー - The Rogue Bludger

マダム ・ ポンフリー は おかんむり だった 。

「 まっすぐに わたし の ところ に 来る べきでした !」

マダム ・ ポンフリー は 憤慨 して 、 三十 分 前 まで は れっきとした 腕 、 そして 今や 哀れな 骨抜き の 腕 の 残骸 を 持ち上げた 。

「 骨折 なら あっという間 に 治せます が ―― 骨 を 元通りに 生やす と なる と ......」 「 先生 、 できます よ ね ?」 ハリー は すがる 思い だった 。 「 もちろん 、 できます と も 。 でも 、 痚 い です よ 」

マダム ・ ポンフリー は 恐い 顔 で そう 言う と 、 パジャマ を ハリー の 方 に 放って よこした 。

「 今夜 は ここ に 泊まら ない と ......」

ハリー が ロン の 手 を 借りて パジャマ に 着替える 間 、 ハーマイオニー 、 は ベッド の 周り に 張ら れた カーテン の 外 で 待った 。

骨 なし の ゴム の ような 腕 を 袖 に 通す のに 、 かなり 時間 が かかった 。 「 ハーマイオニー 、 これ でも ロック ハート の 肩 を 持つって いう の ? ねぇ ?」 ハリー の 萎えた 指 を 袖口 から 引っ取り出し ながら 、 ロン が カーテン 越し に 話しかけた 。 「 頼み も し ない のに 骨抜き に して くれる なんて 」 「 誰 に だって 、 まちがい は ある わ 。 それ に 、 もう 痚 み は ない んでしょう ? ハリー ?」 「 ああ 」 ハリー が 答えた 。

「 痚 み も ない けど 、 おまけに なんにも 感じ ない よ 」

ハリー が ベッド に 飛び乗る と 、 腕 は 勝手な 方向 に パタパタ はためいた 。

カーテン の むこう から ハーマイオニー と マダム ・ ポンフリー が 現れた 。

マダム ・ ポンフリー は 「 骨 生え 薬 の スケレ ・ グロ 」 と ラベル の 貼って ある 大きな 瓶 を 手 に し て いる 。

「 今夜 は 辛い です よ 」 ビーカー に なみなみ と 湯気 の 立つ 薬 を 注ぎ 、 ハリー に それ を 渡し なが ら 、 マダム ・ ポンフリー が 言った 。

「 骨 を 再生 する の は 荒療治 です 」 スケレ ・ グロ を 飲む こと が すでに 荒療治 だった 。 一口 飲む と 口 の 中 も 喉 も 焼けつく ようで 、 ハリー は 咳込んだり 、 むせたり した 。

マダム ・ ポンフリー は 、「 あんな 危険な スポーツ 」 と か 、「 能 無し の 先生 」 と か 、 文句 を 言 いながら 出て 行き 、 ロン と ハーマイオニー が 残って 、 ハーマイオニー は ハリー が 水 を 飲む の を 手伝った 。

「 とにかく 、 僕たち は 勝った 」 ロン は 顔 中 を ほころばせた 。

「 ものすごい キャッチ だった なあ 。 マルフォイ の あの 顔 ...... 殺して やる !って 顔 だった な 」 「 あの ブラッジャー に 、 マルフォイ が どう やって 仕掛け を した の か 知りたい わ 」 ハーマイオニー が 恨み が まし い 顔 を した 。 「 質問 リスト に 加えて おけば いい よ 。 ポリジュース 薬 を 飲んで から あいつ に 聞く 質問 に ね 」 ハリー は また 横 に なり ながら 言った 。

「 さっき の 薬 より ましな 味 だ と いい んだ けど ......」 「 スリザリン の 連中 の かけら が 入って る のに ? 冗談 言う な よ 」 ロン が 言った 。

その とき 、 医務 室 の ドア が パッと 開き 、 泤 ん こ で び し ょび しょ の グリフィンドール 選手 全員 が ハリー の 見舞い に やってきた 。

「 ハリー 、 もの 凄い 飛び 方 だった ぜ 」 ジョージ が 言った 。

「 たった今 、 マーカス ・ フリント が マルフォイ を 怒鳴りつけて る の を 見た よ 。 なんとか 言って たな ―― スニッチ が 自分 の 頭 の 上 に ある のに 気 が つか なかった の か 、 と か 。 マルフォイ の やつ 、 しゅん と して た よ 」

みんな が ケーキ やら 、 菓子 やら 、 かぼちゃ ジュース やら を 持ち込んで 、 ハリー の ベッド の 周 り に 集まり 、 まさに 楽しい パーティ が 始まろう と して いた 。

その とき 、 マダム ・ ポンフリー が 鼻息 も 荒く 入って きた 。

「 この 子 は 休息 が 必要な んです よ 。 骨 を 三十三 本 も 再生 さ せる んです から 。 出て 行き な さ い ! 出 なさい !」

ハリー は こうして 一 人 ぼっち に なり 、 誰 に も 邪魔 さ れ ず に 、 萎えた 腕 の ズキズキ と いう 痚 み と たっぷり つき合う こと に なった 。 何 時間 も 何 時間 も 過ぎた 。 真っ暗闇の 中 、 ハリー は 急に 目 が 覚めて 、 痚 み で 小さく 悲鳴 を あ げた 。 腕 は 今や 、 大きな 棘 が ギュウギュウ 詰め に なって いる ような 感覚 だった 。

一瞬 、 この 痚 み で 目 が 覚めた のだ と 思った 。 ところが 、 闇 の 中 で 誰 か が ハリー の 額 の 汗 を ス ポンジ で 拭って いる 。

ハリー は 恐怖 で ゾクッ と した 。

「 やめろ !」 ハリー は 大声 を 出した 。 そして ――。

「 ドビー !」

あの 屋 敶 しも べ 妖精 の 、 テニス ・ ボール の ような グリグリ 目玉 が 、 暗闇 を 透かして ハリー を 覗き込んで いた 。

一筋 の 涙 が 、 長い 、 とがった 鼻 を 伝って こぼれた 。 「 ハリー ・ ポッター は 学校 に 戻って きて しまった 」 ドビー が 打ちひしが れた ように 呟いた 。

「 ドビー め が 、 ハリー ・ ポッター に なんべん も なんべん も 警告 した のに 。 あぁ 、 なぜ あなた 様 は ドビー の 申し上げた こと を お 聞き入れ に なら なかった のです か ! 汽車 に 乗り遅れた と き 、 なぜに お 戻り に なら なかった のです か !」

ハリー は 体 を 起こして 、 ドビー の スポンジ を 押しのけた 。

「 なぜ ここ に 来 たんだい 。 ...... それ に 、 どうして 僕 が 汽車 に 乗り遅れた こと を 、 知って る の ?」

ドビー は 唇 を 震わせた 。 ハリー は 突然 、 もしや と 思い当たった 。

「 あれ は 、 君 だった の か !」 ハリー は ゆっくり と 言った 。

「 僕たち が あの 柵 を 通れ ない ように した の は 君 だった んだ 」

「 その 通り で ございます 」 ドビー が 激しく 頷く と 、 耳 が パタパタ はためいた 。

「 ドビー め は 隠れて ハリー ・ ポッター を 待ち構えて おりました 。 そして 入口 を 塞ぎました 。 です から 、 ドビー は あと で 、 自分 の 手 に アイロン を かけ なければ なりません でした ――」 ドビー は 包帯 を 巻いた 十 本 の 長い 指 を ハリー に 見せた 。 「―― でも 、 ドビー は そんな こと は 気 に しません でした 。 これ で ハリー ・ ポッター は 安全だ と 思った から です 。 ハリー ・ ポッター が 別の 方法 で 学校 へ 行く なんて 、 ドビー め は 夢にも 思 いま せ ん でした 」

ドビー は 醜い 頭 を 振り ながら 、 体 を 前後 に 静 すった 。

「 ドビー め は ハリー ・ ポッター が ホグワーツ に 戻った と 聞いた とき 、 あんまり 驚いた ので 、 ご 主人 様 の 夕食 を 焦がして しまった のです ! あんなに ひどく 鞭打た れた の は 、 初めて で ござ いました ......」 ハリー は 枕 に 体 を 戻して 横 に なった 。 「 君 の せい で ロン も 僕 も 退 校 処分 に なる ところ だった んだ 」 ハリー は 声 を 荒 げた 。

「 ドビー 、 僕 の 骨 が 生えて こ ない うち に 、 とっとと 出て いった 方 が いい 。 じゃ ない と 、 君 を 締め 殺して しまう かも しれ ない 」

ドビー は 弱々しく 微笑んだ 。

「 ドビー め は 殺す と いう 脅し に は 慣れっこで ございます 。 お 屋 敶 で は 一 日 五 回 も 脅さ れ ま す 」

ドビー は 、 自分 が 着て いる 汚 らしい 枕 カバー の 端で 鼻 を かんだ 。 その 様子 が あまりに も 哀れで 、 ハリー は 思わず 怒り が 潮 の ように 引いて 行く の を 感じた 。 「 ドビー 、 どうして そんな 物 を 着て いる の ?」 ハリー は 好奇心 から 聞いた 。 「 これ の こと で ございます か ?」 ドビー は 着て いる 枕 カバー を つまんで 見せた 。

「 これ は 、 屋 敶 しも べ 妖精 が 、 奴隷 だ と いう こと を 示して いる ので ございます 。 ドビー め は ご 主人 様 が 衣服 を くださった とき 、 初めて 自由 の 身 に なる ので ございます 。 家族 全員 が ド ビー に は ソックス の 片方 さえ 渡さ ない ように 気 を つける ので ございます 。 もし 渡せば 、 ド ビー は 自由に なり 、 その 屋 敶 から 永久 に い なく なって も よい のです 」

ドビー は 飛び出した 目 を 拭い 、 出し抜けに こう 言った 。

「 ハリー ・ ポッター は どうしても 家 に 帰ら なければ なら ない 。 ドビー め は 考えました 。 ド ビー の ブラッジャー で そう さ せる こと が できる と ――」

「 君 の ブラッジャー ?」 怒り が また こみ上げて きた 。

「 いったい どういう 意味 ? 君 の ブラッジャーって ? 君 が 、 ブラッジャー で 僕 を 殺そう と した の ?」 「 殺す の では ありません 。 めっそう も ない !」 ドビー は 驚愕 した 。 「 ドビー め は 、 ハリー ・ ポッター の 命 を お 助け したい のです ! ここ に 留まる より 、 大怪我 を して 家 に 送り 返さ れる 方 が よい ので ございます ! ドビー め は 、 ハリー ・ ポッター が 家 に 送り 返さ れる 程度 に 怪我 を する ように し たかった のです !」 「 その 程度 の 怪我って 言いたい わけ ?」 ハリー は 怒って いた 。 「 僕 が バラバラに なって 家 に 送り 返さ れる ように し たかった の は 、 いったい なぜ な の か 、 話 せ ない の ?」

「 鳴 呼 、 ハリー ・ ポッター が 、 お わかり くだされば よい のに !」

ドビー は うめき 、 また ポロポロ と ボロ 枕 カバー に 涙 を こぼした 。

「 あなた 様 が 私 ども の ように 、 卑しい 奴隷 の 、 魔法 界 の クズ の ような 者 に とって 、 どんなに 大切な お方 な の か 、 お わかり くださって いれば ! ドビー め は 覚えて おります 。 『 名前 を 呼 ん で は いけない あの 人 』 が 権力 の 頂点 に あった とき の こと を で ございます ! 屋 敶 しも べ 妖精 の 私 ども は 、 害虫 の ように 扱わ れた ので ございます 」

ドビー は 枕 カバー で 、 涙 で 濡れた 顔 を 拭き ながら 、「 もちろん 、 ドビー め は 今 でも そう で ご ざいます 」 と 認めた 。 「 でも 、 あなた 様 が 『 名前 を 呼んで は いけない あの 人 』 に 打ち勝って から と いう もの 、 私 ど も の このような 者 に とって 、 生活 は 全体 に よく なった ので ございます 。 ハリー ・ ポッター が 生き残った 。 闇 の 帝王 の 力 は 打ち砕か れた 。 それ は 新しい 夜明け で ございました 。 暗闇 の 日 に 終わり は 無い と 思って いた 私 ども に とり まして 、 ハリー ・ ポッター は 希望 の 道しるべ の よ う に 輝いた ので ございます ......。 それなのに 、 ホグワーツ で 恐ろしい こと が 起きよう と して いる 。 もう 起こって いる の かも しれません 。 です から 、 ドビー め は ハリー ・ ポッター を ここ に 留まら せる わけに は いか ない のです 。 歴史 が 繰り返さ れよう と して いる のです から 。 また して も 『 秘密の 部屋 』 が 開か れた のです から ――」

ドビー は ハッと 恐怖 で 凍りついた ように なり 、 やにわに ベッド の 脇 机 に あった ハリー の 水差 し を つかみ 、 自分 の 頭 にぶっつけて 、 ひっくり返って 見え なり なって しまった 。 次の 瞬間 、 「 ドビー は 悪い 子 、 とっても 悪い 子 ......」 と ぶつぶつ 言い ながら 、 目 を クラクラ さ せ 、 ド ビー は ベッド の 上 に 這い 戻って きた 。

「 それ じゃ 、『 秘密の 部屋 』 が ほんとに ある んだ ね ?」 ハリー が 呟いた 。 「 そして ―― 君 、 それ が 以前 に も 開か れた こと が あるって 言った ね ? 教えて よ 、 ドビー !」 ドビー の 手 が ソロソロ と 水差し の 方 に 伸びた ので 、 ハリー は その 痩せこけた 手首 を つかんで お 押さえた 。 「 だけど 、 僕 は マグル 出身 じゃ ない のに ―― その 部屋 が どうして 僕 に とって 危険だ と いう の ?」

「 あぁ 。 どうぞ もう 聞か ないで ください まし 。 哀れな ドビー め に もう お 尋ね に なら ないで 」 ドビー は 暗闇 の 中 で 大きな 目 を 見開いて 口ごもった 。

「 闇 の 罠 が ここ に 仕掛けられて います 。 それ が 起こる とき 、 ハリー ・ ポッター は ここ に いて は いけない のです 。 家 に 帰って 。 ハリー ・ ポッター 、 家 に 帰って 。 ハリー ・ ポッター は そ れ に 関わって は いけない ので ございます 。 危険 過ぎます ――」 「 ドビー 、 いったい 誰 が !」 ドビー が また 水差し で 自分 を ぶったり し ない よう 、 手首 を しっかり つかんだ まま 、 ハリー が 聞いた 。 「 今度 は 誰 が それ を 開いた の ! 以前 に 開いた の は 誰 だった の !」

「 ドビー に は 言えません 。 言え ない ので ございます 。 ドビー は 言って は いけない のです !」

しも べ 妖精 は キーキー 叫んだ 。 「 家 に 帰って 。 ハリー ・ ポツター 、 家 に 帰って !」

「 僕 は どこ に も 帰ら ない !」 ハリー は 激しい 口調 で 言った 。

「 僕 の 親友 の 一 人 は マグル 生まれ だ 。 もし 『 部屋 』 が ほんとうに 開か れた の なら 、 彼女 が 真っ先 に やられる ――」

「 ハリー ・ ポッター は 友達 の ため に 自分 の 命 を 危険に さらす !」 ドビー は 悲劇 的な 悦 惚 感 で うめいた 。

「 なんと 気高い ! なんと 勇敢な ! でも 、 ハリー ・ ポッター は 、 まず 自分 を 助け なければ いけ ない 。 そう しなければ 。 ハリー ・ ポッター は 決して ......」

ドビー は 突然 凍りついた ように なり 、 コウモリ の ような 耳 が ピクビク した 。 ハリー に も 聞こ えた 。 外 の 廊下 を こちら に 向かって くる 足音 が する 。

「 ドビー は 行か なければ !」

しも べ 妖精 は 恐怖 に おののき ながら 呟いた 。 パチッ と 大きな 音 が した 途端 、 ハリー の 手 は 空 を つかんで いた 。

ハリー は 再び ベッド に 潜り込み 、 医務 室 の 暗い 入口 の 方 に 目 を 向けた 。 足音 が だんだん 近づ いて くる 。

次の 瞬間 、 ダンブルドア が 後ろ向き で 入って きた 。 長い ウール の ガウン を 着て ナイトキャッ プ を かぶって いる 。

石像 の ような 物 の 片 端 を 持って 運んで いる 。

その すぐ あと 、 マクゴナガル 先生 が 石像 の 足 の 方 を 持って 現れた 。

二 人 は 持って いた もの を ドサリ と ベッド に 降ろした 。

「 マダム ・ ポンフリー を ――」 ダンブルドア が ささやいた 。

マクゴナガル 先生 は ハリー の ベッド の 端 の ところ を 急いで 通り過ぎ 、 姿 が 見え なり なった 。

ハリー は 寝て いる ふり を して じっと 横たわって いた 。

慌 しい 声 が 聞こえて きた と 思う と 、 マクゴナガル 先生 が スイッ と 姿 を 現した 。

その すぐ あと に マダム ・ ポンフリー が 、 ねまき の 上 に カーディガン を 羽織り ながら ついてき た 。

ハリー の 耳 に あっと 息 を 呑 む 声 が 聞こえた 。 「 何 が あった のです か !」

ベッド に 置か れた 石像 の 上 に かがみ 込んで 、 マダム ・ ポンフリー が ささやく ように ダンブル ドア に 尋ねた 。

「 また 襲わ れた のじゃ 。 ミネルバ が この 子 を 階段 の ところ で 見つけて の う 」

「 この 子 の そば に 葡萄 が 一 房 落ちて いました 」 マクゴナガル 先生 の 声 だ 。 「 たぶん この 子 は こっそり ポッター の お 見舞い に 来よう と した のでしょう 」

ハリー は 胃袋 が 引っくり返る 思い だった 。 ゆっくり と 用心深く 、 ハリー は わずかに 身 を 起こ し 、 むこうの ベッド の 石像 を 見よう と した 。

一 条 の 月 明かり が 、 目 を カッ と 見開いた 石像 の 顔 を て 照らし出して いた 。

コリン ・ クリービー だった 。

目 を 大きく 見開き 、 手 を 前 に 突き出して 、 カメラ を 持って いる 。

「 石 に なった のです か !」 マダム ・ ポンフリー が ささやいた 。

「 そうです 」 マクゴナガル 先生 だ 。

「 考えた だけ でも ゾッと します ...... アルバス が ココア を 飲み たく なって 階段 を 下りて いらっしゃら なかったら 、 いったい どう なって いた か と 思う と ......」 三 人 は コリン を じっと 見下ろして いる 。 ダンブルドア は ちょっと 前かがみ に なって コリン の 指 を こじ開ける ように して 、 握りしめて いる カメラ を はずした 。

「 この 子 が 、 襲った 者 の 写真 を 撮って いる と お 思い です か ?」 マクゴナガル 先生 が 熱っぽく 言った 。

ダンブルドア は 何も 言わ ず 、 カメラ の 裏 蓋 を こじ開けた 。

シューッ と 音 を たてて 、 カメラ から 蒸気 が 噴き出した 。

「 なんて こと でしょう !」 マダム ・ ポンフリー が 声 を あげた 。

三 つ 先 の ベッド から ハリー の ところ まで 、 焼けた プラスチック の ツーン と する 臭い が 漂って きた 。

「 溶けて る 」 マダム ・ ポンフリー が 腑 に 落ち ない と いう 顔 を した 。

「 全部 溶けて る ......」 「 アルバス 、 これ は どういう 意味 な のでしょう ?」 マクゴナガル 先生 が 急き込んで 聞いた 。

「 その 意味 は 」 ダンブルドア が 言った 。

「『 秘密の 部屋 』 が 再び 開か れた と いう こと じゃ 」

マダム ・ ポンフリー は ハッと 手 で 口 を 覆い 、 マクゴナガル 先生 は ダンブルドア を じっと 見 た 。

「 でも 、 アルバス ...... いったい ...... 誰 が !」

「 誰 が と いう 問題 で は ない のじゃ 」 ダンブルドア は コリン に 目 を 向けた まま 言った 。

「 問題 は 、 どう やって じゃ よ ......」

ハリー は 薄 明り の 中 で マクゴナガル 先生 の 表情 を 見た 。 マクゴナガル 先生 で さえ 、 ハリー と 同じ ように ダンブルドア の 言った こと が わから ない ようだった 。

10.2 狂ったブラッジャー - The Rogue Bludger くるった ブラッジャー|the|rogue|bludger 10.2 Der schurkische Bludger - Der schurkische Bludger 10.2 The Rogue Bludger 10.2 미친 블러저 - The Rogue Bludger 10.2 Zbójecki tłuczek - Zbójecki tłuczek 10.2 Den ohederlige bluddraren - Den ohederlige bluddraren 10.2 流氓游走球

マダム ・ ポンフリー は おかんむり だった 。

「 まっすぐに わたし の ところ に 来る べきでした !」 |||||くる| "You should have come to me straight away!"

マダム ・ ポンフリー は 憤慨 して 、 三十 分 前 まで は れっきとした 腕 、 そして 今や 哀れな 骨抜き の 腕 の 残骸 を 持ち上げた 。 |||ふんがい||さんじゅう|ぶん|ぜん||||うで||いまや|あわれな|ほねぬき||うで||ざんがい||もちあげた Madame Pomfrey indignantly held up the remains of what had been a real arm thirty minutes earlier, and was now a pathetic, boneless arm.

「 骨折 なら あっという間 に 治せます が ―― 骨 を 元通りに 生やす と なる と ......」 「 先生 、 できます よ ね ?」 ハリー は すがる 思い だった 。 こっせつ||あっというま||なおせ ます||こつ||もとどおりに|はやす||||せんせい|でき ます||||||おもい| "If you have a broken bone, you can heal it in a blink of an eye, but if you want to restore the bones ..." "Teacher, can you?" Harry thought. 「 もちろん 、 できます と も 。 |でき ます|| でも 、 痚 い です よ 」 But it's good."

マダム ・ ポンフリー は 恐い 顔 で そう 言う と 、 パジャマ を ハリー の 方 に 放って よこした 。 |||こわい|かお|||いう||ぱじゃま||||かた||はなって| Madame Pomfrey said with a scary face and threw his pajamas towards Harry.

「 今夜 は ここ に 泊まら ない と ......」 こんや||||とまら|| "I have to stay here tonight ..."

ハリー が ロン の 手 を 借りて パジャマ に 着替える 間 、 ハーマイオニー 、 は ベッド の 周り に 張ら れた カーテン の 外 で 待った 。 ||||て||かりて|ぱじゃま||きがえる|あいだ|||べっど||まわり||はら||かーてん||がい||まった Hermione waited outside the curtains around the bed while Harry helped Ron into his pajamas.

骨 なし の ゴム の ような 腕 を 袖 に 通す のに 、 かなり 時間 が かかった 。 こつ|||ごむ|||うで||そで||とおす|||じかん|| It took me a long time to get my boneless, rubbery arms through the sleeves. 「 ハーマイオニー 、 これ でも ロック ハート の 肩 を 持つって いう の ? ねぇ ?」 ハリー の 萎えた 指 を 袖口 から 引っ取り出し ながら 、 ロン が カーテン 越し に 話しかけた 。 |||ろっく|はーと||かた||もつ って||||||なえた|ゆび||そでぐち||ひ っ とりだし||||かーてん|こし||はなしかけた "Hermione, do you still have a Rock Heart shoulder? Hey?" Ron spoke over the curtain, pulling Harry's withered fingers out of his cuffs. 「 頼み も し ない のに 骨抜き に して くれる なんて 」 「 誰 に だって 、 まちがい は ある わ 。 たのみ|||||ほねぬき|||||だれ|||||| "I don't even ask for it, but it's watering me." "Everyone has a mistake. それ に 、 もう 痚 み は ない んでしょう ? ハリー ?」 「 ああ 」 ハリー が 答えた 。 ||||||||||||こたえた And you don't have any more of that, do you? Harry? "Yeah," Harry answered.

「 痚 み も ない けど 、 おまけに なんにも 感じ ない よ 」 |||||||かんじ|| "I don't have any itch, but I don't feel anything."

ハリー が ベッド に 飛び乗る と 、 腕 は 勝手な 方向 に パタパタ はためいた 。 ||べっど||とびのる||うで||かってな|ほうこう||| When Harry jumped on the bed, his arms flapped in self-directed directions.

カーテン の むこう から ハーマイオニー と マダム ・ ポンフリー が 現れた 。 かーてん|||||||||あらわれた Hermione and Madam Pomfrey appeared from behind the curtains.

マダム ・ ポンフリー は 「 骨 生え 薬 の スケレ ・ グロ 」 と ラベル の 貼って ある 大きな 瓶 を 手 に し て いる 。 |||こつ|はえ|くすり|||||らべる||はって||おおきな|びん||て|||| Madame Pomfrey holds a large bottle labeled "Suchere Gros," a bone-growing medicine.

「 今夜 は 辛い です よ 」 ビーカー に なみなみ と 湯気 の 立つ 薬 を 注ぎ 、 ハリー に それ を 渡し なが ら 、 マダム ・ ポンフリー が 言った 。 こんや||からい|||びーかー||||ゆげ||たつ|くすり||そそぎ|||||わたし|な が|||||いった

「 骨 を 再生 する の は 荒療治 です 」 スケレ ・ グロ を 飲む こと が すでに 荒療治 だった 。 こつ||さいせい||||あらりょうじ|||||のむ||||あらりょうじ| "Regenerating bones is a rough cure." Drinking skeleton guro was already a rough cure. 一口 飲む と 口 の 中 も 喉 も 焼けつく ようで 、 ハリー は 咳込んだり 、 むせたり した 。 ひとくち|のむ||くち||なか||のど||やけつく||||せきこんだり|| When one of the boys takes a sip, his mouth and throat burn, and he coughs and coughs.

マダム ・ ポンフリー は 、「 あんな 危険な スポーツ 」 と か 、「 能 無し の 先生 」 と か 、 文句 を 言 いながら 出て 行き 、 ロン と ハーマイオニー が 残って 、 ハーマイオニー は ハリー が 水 を 飲む の を 手伝った 。 ||||きけんな|すぽーつ|||のう|なし||せんせい|||もんく||げん||でて|いき|||||のこって|||||すい||のむ|||てつだった

「 とにかく 、 僕たち は 勝った 」 ロン は 顔 中 を ほころばせた 。 |ぼくたち||かった|||かお|なか|| Anyway, we won," Ron said, his face beaming.

「 ものすごい キャッチ だった なあ 。 |きゃっち|| マルフォイ の あの 顔 ...... 殺して やる !って 顔 だった な 」 「 あの ブラッジャー に 、 マルフォイ が どう やって 仕掛け を した の か 知りたい わ 」  ハーマイオニー が 恨み が まし い 顔 を した 。 |||かお|ころして|||かお||||||||||しかけ|||||しり たい||||うらみ||||かお|| That face of Malfoy ... I'm gonna kill you! "" I want to know how Malfoy made a gimmick to that bragger. "Hermione gave a grudge. .. 「 質問 リスト に 加えて おけば いい よ 。 しつもん|りすと||くわえて||| "You can add it to your question list. ポリジュース 薬 を 飲んで から あいつ に 聞く 質問 に ね 」 ハリー は また 横 に なり ながら 言った 。 |くすり||のんで||||きく|しつもん||||||よこ||||いった Take your Polyjuice pills and then ask him about it," Harry said as he lay back down again.

「 さっき の 薬 より ましな 味 だ と いい んだ けど ......」 「 スリザリン の 連中 の かけら が 入って る のに ? 冗談 言う な よ 」 ロン が 言った 。 ||くすり|||あじ||||||||れんちゅう||||はいって|||じょうだん|いう|||||いった "I hope it tastes better than the medicine I just mentioned ..." "Is there a piece of the Slytherin guys in it? Don't joke," Ron said.

その とき 、 医務 室 の ドア が パッと 開き 、 泤 ん こ で び し ょび しょ の グリフィンドール 選手 全員 が ハリー の 見舞い に やってきた 。 ||いむ|しつ||どあ||ぱっと|あき|||||||||||せんしゅ|ぜんいん||||みまい|| Just then, the door to the infirmary swung open and all the Gryffindors, soaked to the skin, came to see Harry.

「 ハリー 、 もの 凄い 飛び 方 だった ぜ 」 ジョージ が 言った 。 ||すごい|とび|かた|||じょーじ||いった Harry, that was a great flight," George said.

「 たった今 、 マーカス ・ フリント が マルフォイ を 怒鳴りつけて る の を 見た よ 。 たったいま||||||どなりつけて||||みた| I just saw Marcus Flint yelling at Malfoy. なんとか 言って たな ―― スニッチ が 自分 の 頭 の 上 に ある のに 気 が つか なかった の か 、 と か 。 |いって||||じぶん||あたま||うえ||||き||||||| Somehow I was saying-I wonder if I didn't notice that the snitch was on my head. マルフォイ の やつ 、 しゅん と して た よ 」 Malfoy's guy, I was screaming. "

みんな が ケーキ やら 、 菓子 やら 、 かぼちゃ ジュース やら を 持ち込んで 、 ハリー の ベッド の 周 り に 集まり 、 まさに 楽しい パーティ が 始まろう と して いた 。 ||けーき||かし|||じゅーす|||もちこんで|||べっど||しゅう|||あつまり||たのしい|ぱーてぃ||はじまろう||| Everyone gathered around Harry's bed with cakes, candy, pumpkin juice, and other goodies, and a merry party was about to begin.

その とき 、 マダム ・ ポンフリー が 鼻息 も 荒く 入って きた 。 |||||はないき||あらく|はいって| At that moment, Madame Pomfrey came in sniffling.

「 この 子 は 休息 が 必要な んです よ 。 |こ||きゅうそく||ひつような|| He needs rest. 骨 を 三十三 本 も 再生 さ せる んです から 。 こつ||さんじゅうさん|ほん||さいせい|||| It regenerates 33 bones. 出て 行き な さ い ! 出 なさい !」 でて|いき||||だ|

ハリー は こうして 一 人 ぼっち に なり 、 誰 に も 邪魔 さ れ ず に 、 萎えた 腕 の ズキズキ と いう 痚 み と たっぷり つき合う こと に なった 。 |||ひと|じん|ぼ っち|||だれ|||じゃま|||||なえた|うで|||||||||つきあう||| Harry was thus left alone, unencumbered, to deal with the throbbing in his shriveled arm. 何 時間 も 何 時間 も 過ぎた 。 なん|じかん||なん|じかん||すぎた Hours and hours passed. 真っ暗闇の 中 、 ハリー は 急に 目 が 覚めて 、 痚 み で 小さく 悲鳴 を あ げた 。 まっくらやみの|なか|||きゅうに|め||さめて||||ちいさく|ひめい||| 腕 は 今や 、 大きな 棘 が ギュウギュウ 詰め に なって いる ような 感覚 だった 。 うで||いまや|おおきな|とげ|||つめ|||||かんかく| The arm now felt like a squeeze of big thorns.

一瞬 、 この 痚 み で 目 が 覚めた のだ と 思った 。 いっしゅん|||||め||さめた|||おもった For a moment, I thought this was what had woken me up. ところが 、 闇 の 中 で 誰 か が ハリー の 額 の 汗 を ス ポンジ で 拭って いる 。 |やみ||なか||だれ|||||がく||あせ|||||ぬぐって| However, in the darkness, someone is wiping the sweat on Harry's forehead with a sponge.

ハリー は 恐怖 で ゾクッ と した 。 ||きょうふ||||

「 やめろ !」 ハリー は 大声 を 出した 。 |||おおごえ||だした そして ――。

「 ドビー !」

あの 屋 敶 しも べ 妖精 の 、 テニス ・ ボール の ような グリグリ 目玉 が 、 暗闇 を 透かして ハリー を 覗き込んで いた 。 |や||||ようせい||てにす|ぼーる||||めだま||くらやみ||すかして|||のぞきこんで|

一筋 の 涙 が 、 長い 、 とがった 鼻 を 伝って こぼれた 。 ひとすじ||なみだ||ながい||はな||つたって| A single tear spilled down a long, pointed nose. 「 ハリー ・ ポッター は 学校 に 戻って きて しまった 」 ドビー が 打ちひしが れた ように 呟いた 。 |||がっこう||もどって|||||うちひしが|||つぶやいた

「 ドビー め が 、 ハリー ・ ポッター に なんべん も なんべん も 警告 した のに 。 ||||||||||けいこく|| あぁ 、 なぜ あなた 様 は ドビー の 申し上げた こと を お 聞き入れ に なら なかった のです か ! 汽車 に 乗り遅れた と き 、 なぜに お 戻り に なら なかった のです か !」 |||さま||||もうしあげた||||ききいれ||||||きしゃ||のりおくれた|||||もどり||||| Oh, why didn't you listen to what Dobby said? Why didn't you come back when you missed the train?

ハリー は 体 を 起こして 、 ドビー の スポンジ を 押しのけた 。 ||からだ||おこして|||||おしのけた

「 なぜ ここ に 来 たんだい 。 |||らい| ...... それ に 、 どうして 僕 が 汽車 に 乗り遅れた こと を 、 知って る の ?」 |||ぼく||きしゃ||のりおくれた|||しって|| ...... And why do you know that I missed the train? "

ドビー は 唇 を 震わせた 。 ||くちびる||ふるわせた ハリー は 突然 、 もしや と 思い当たった 。 ||とつぜん|||おもいあたった Harry suddenly came up with the idea.

「 あれ は 、 君 だった の か !」 ハリー は ゆっくり と 言った 。 ||きみ||||||||いった "Is that you?" Harry said slowly.

「 僕たち が あの 柵 を 通れ ない ように した の は 君 だった んだ 」 ぼくたち|||さく||とおれ||||||きみ||

「 その 通り で ございます 」 ドビー が 激しく 頷く と 、 耳 が パタパタ はためいた 。 |とおり|||||はげしく|うなずく||みみ|||

「 ドビー め は 隠れて ハリー ・ ポッター を 待ち構えて おりました 。 |||かくれて||||まちかまえて|おり ました "Dobby was hiding and waiting for Harry Potter. そして 入口 を 塞ぎました 。 |いりぐち||ふさぎ ました です から 、 ドビー は あと で 、 自分 の 手 に アイロン を かけ なければ なりません でした ――」  ドビー は 包帯 を 巻いた 十 本 の 長い 指 を ハリー に 見せた 。 ||||||じぶん||て||あいろん||||なり ませ ん||||ほうたい||まいた|じゅう|ほん||ながい|ゆび||||みせた So Dobby had to iron his hand later-- "Dobby showed Harry ten long, bandaged fingers. 「―― でも 、 ドビー は そんな こと は 気 に しません でした 。 ||||||き||し ませ ん| "-But Dobby didn't care about that. これ で ハリー ・ ポッター は 安全だ と 思った から です 。 |||||あんぜんだ||おもった|| ハリー ・ ポッター が 別の 方法 で 学校 へ 行く なんて 、 ドビー め は 夢にも 思 いま せ ん でした 」 |||べつの|ほうほう||がっこう||いく|||||ゆめにも|おも||||

ドビー は 醜い 頭 を 振り ながら 、 体 を 前後 に 静 すった 。 ||みにくい|あたま||ふり||からだ||ぜんご||せい| Doby shook his ugly head and moved his body back and forth.

「 ドビー め は ハリー ・ ポッター が ホグワーツ に 戻った と 聞いた とき 、 あんまり 驚いた ので 、 ご 主人 様 の 夕食 を 焦がして しまった のです ! あんなに ひどく 鞭打た れた の は 、 初めて で ござ いました ......」  ハリー は 枕 に 体 を 戻して 横 に なった 。 ||||||||もどった||きいた|||おどろいた|||あるじ|さま||ゆうしょく||こがして|||||むちうた||||はじめて|||い ました|||まくら||からだ||もどして|よこ|| Dobby was so surprised when he heard Harry Potter had returned to Hogwarts that he burned his master's dinner! I've never been whipped so severely in my life. ......" Harry lay back down on his pillow. 「 君 の せい で ロン も 僕 も 退 校 処分 に なる ところ だった んだ 」 ハリー は 声 を 荒 げた 。 きみ||||||ぼく||しりぞ|こう|しょぶん||||||||こえ||あら| You could have gotten Ron and me expelled from school," Harry said hoarsely.

「 ドビー 、 僕 の 骨 が 生えて こ ない うち に 、 とっとと 出て いった 方 が いい 。 |ぼく||こつ||はえて||||||でて||かた|| "Dobby, it's better to get out before my bones grow. じゃ ない と 、 君 を 締め 殺して しまう かも しれ ない 」 |||きみ||しめ|ころして|||| If you don't, you may be killed. "

ドビー は 弱々しく 微笑んだ 。 ||よわよわしく|ほおえんだ Dobby smiled weakly.

「 ドビー め は 殺す と いう 脅し に は 慣れっこで ございます 。 |||ころす|||おどし|||なれっこで| お 屋 敶 で は 一 日 五 回 も 脅さ れ ま す 」 |や||||ひと|ひ|いつ|かい||おどさ|||

ドビー は 、 自分 が 着て いる 汚 らしい 枕 カバー の 端で 鼻 を かんだ 。 ||じぶん||きて||きたな||まくら|かばー||はしたで|はな|| Dobby blew his nose at the end of the dirty pillowcase he was wearing. その 様子 が あまりに も 哀れで 、 ハリー は 思わず 怒り が 潮 の ように 引いて 行く の を 感じた 。 |ようす||||あわれで|||おもわず|いかり||しお|||ひいて|いく|||かんじた The situation was so pathetic that Harry involuntarily felt his anger pulling like a tide. 「 ドビー 、 どうして そんな 物 を 着て いる の ?」 ハリー は 好奇心 から 聞いた 。 |||ぶつ||きて|||||こうきしん||きいた "Dobby, why are you wearing such a thing?" Harry asked out of curiosity. 「 これ の こと で ございます か ?」 ドビー は 着て いる 枕 カバー を つまんで 見せた 。 ||||||||きて||まくら|かばー|||みせた

「 これ は 、 屋 敶 しも べ 妖精 が 、 奴隷 だ と いう こと を 示して いる ので ございます 。 ||や||||ようせい||どれい||||||しめして||| This shows that the house bees are slaves. ドビー め は ご 主人 様 が 衣服 を くださった とき 、 初めて 自由 の 身 に なる ので ございます 。 ||||あるじ|さま||いふく||||はじめて|じゆう||み|||| Dobby will be free for the first time when her husband gives her clothes. 家族 全員 が ド ビー に は ソックス の 片方 さえ 渡さ ない ように 気 を つける ので ございます 。 かぞく|ぜんいん||||||そっくす||かたほう||わたさ|||き|||| The whole family is careful not to give Dobby even one of the socks. もし 渡せば 、 ド ビー は 自由に なり 、 その 屋 敶 から 永久 に い なく なって も よい のです 」 |わたせば||||じゆうに|||や|||えいきゅう||||||| If you give it, Dobby will be free and may be permanently gone from the house. "

ドビー は 飛び出した 目 を 拭い 、 出し抜けに こう 言った 。 ||とびだした|め||ぬぐい|だしぬけに||いった Dobby wiped his eyes out and said to him.

「 ハリー ・ ポッター は どうしても 家 に 帰ら なければ なら ない 。 ||||いえ||かえら||| "Harry Potter has to go home. ドビー め は 考えました 。 |||かんがえ ました ド ビー の ブラッジャー で そう さ せる こと が できる と ――」 Dobie's Bludger could do that.

「 君 の ブラッジャー ?」 怒り が また こみ上げて きた 。 きみ|||いかり|||こみあげて|

「 いったい どういう 意味 ? 君 の ブラッジャーって ? 君 が 、 ブラッジャー で 僕 を 殺そう と した の ?」 「 殺す の では ありません 。 ||いみ|きみ||ブラッジャー って|きみ||||ぼく||ころそう||||ころす|||あり ませ ん What the hell does that mean? Your Bludger? Did you try to kill me with your Bludger?" It's not about killing you. めっそう も ない !」 ドビー は 驚愕 した 。 め っ そう|||||きょうがく| 「 ドビー め は 、 ハリー ・ ポッター の 命 を お 助け したい のです ! ここ に 留まる より 、 大怪我 を して 家 に 送り 返さ れる 方 が よい ので ございます ! ドビー め は 、 ハリー ・ ポッター が 家 に 送り 返さ れる 程度 に 怪我 を する ように し たかった のです !」 「 その 程度 の 怪我って 言いたい わけ ?」 ハリー は 怒って いた 。 ||||||いのち|||たすけ|し たい||||とどまる||おおけが|||いえ||おくり|かえさ||かた|||||||||||いえ||おくり|かえさ||ていど||けが||||||||ていど||けが って|いい たい||||いかって| Dobby, I'm trying to save Harry Potter's life! It is better for you to be badly hurt and sent home than to stay here! Dobby, you wanted Harry Potter to be hurt enough to be sent home! "Is that the extent of the damage you mean?" Harry was angry. 「 僕 が バラバラに なって 家 に 送り 返さ れる ように し たかった の は 、 いったい なぜ な の か 、 話 せ ない の ?」 ぼく||ばらばら に||いえ||おくり|かえさ||||||||||||はなし||| "I can't tell you why I wanted to be separated and sent back home?"

「 鳴 呼 、 ハリー ・ ポッター が 、 お わかり くだされば よい のに !」 な|よ|||||||| "Ring, Harry Potter, I wish I could understand!"

ドビー は うめき 、 また ポロポロ と ボロ 枕 カバー に 涙 を こぼした 。 ||||ぽろぽろ|||まくら|かばー||なみだ|| Dobby moaned and spilled tears on the polo and tattered pillowcases.

「 あなた 様 が 私 ども の ように 、 卑しい 奴隷 の 、 魔法 界 の クズ の ような 者 に とって 、 どんなに 大切な お方 な の か 、 お わかり くださって いれば ! ドビー め は 覚えて おります 。 |さま||わたくし||||いやしい|どれい||まほう|かい||くず|||もの||||たいせつな|おかた|||||||||||おぼえて|おり ます If you only knew how much you mean to us lowly slaves, the scum of the wizarding world! I remember you, Dobby. 『 名前 を 呼 ん で は いけない あの 人 』 が 権力 の 頂点 に あった とき の こと を で ございます ! 屋 敶 しも べ 妖精 の 私 ども は 、 害虫 の ように 扱わ れた ので ございます 」 なまえ||よ||||||じん||けんりょく||ちょうてん|||||||||や||||ようせい||わたくし|||がいちゅう|||あつかわ||| This was when 'That Whose Name Shall Not Be Called' was at the top of the heap of power! We, the house servants and fairies, were treated like pests.

ドビー は 枕 カバー で 、 涙 で 濡れた 顔 を 拭き ながら 、「 もちろん 、 ドビー め は 今 でも そう で ご ざいます 」 と 認めた 。 ||まくら|かばー||なみだ||ぬれた|かお||ふき||||||いま|||||ざい ます||みとめた Wiping his tear-stained face with a pillowcase, Dobie admitted, "Of course, I still do. 「 でも 、 あなた 様 が 『 名前 を 呼んで は いけない あの 人 』 に 打ち勝って から と いう もの 、 私 ど も の このような 者 に とって 、 生活 は 全体 に よく なった ので ございます 。 ||さま||なまえ||よんで||||じん||うちかって|||||わたくし|||||もの|||せいかつ||ぜんたい||||| "But since you overcame'that person who shouldn't call your name', life has improved for us as a whole. ハリー ・ ポッター が 生き残った 。 |||いきのこった 闇 の 帝王 の 力 は 打ち砕か れた 。 やみ||ていおう||ちから||うちくだか| The power of the Emperor of Darkness was shattered. それ は 新しい 夜明け で ございました 。 ||あたらしい|よあけ|| It was a new dawn. 暗闇 の 日 に 終わり は 無い と 思って いた 私 ども に とり まして 、 ハリー ・ ポッター は 希望 の 道しるべ の よ う に 輝いた ので ございます ......。 くらやみ||ひ||おわり||ない||おもって||わたくし||||||||きぼう||みちしるべ|||||かがやいた|| For those of us who thought there was no end to the day of darkness, Harry Potter shined as a way of hope ... それなのに 、 ホグワーツ で 恐ろしい こと が 起きよう と して いる 。 |||おそろしい|||おきよう||| Yet, something terrifying is about to happen at Hogwarts. もう 起こって いる の かも しれません 。 |おこって||||しれ ませ ん です から 、 ドビー め は ハリー ・ ポッター を ここ に 留まら せる わけに は いか ない のです 。 ||||||||||とどまら|||||| So, for Dobby, Harry Potter can't stay here. 歴史 が 繰り返さ れよう と して いる のです から 。 れきし||くりかえさ|||||| History is about to repeat itself. また して も 『 秘密の 部屋 』 が 開か れた のです から ――」 |||ひみつの|へや||あか|||

ドビー は ハッと 恐怖 で 凍りついた ように なり 、 やにわに ベッド の 脇 机 に あった ハリー の 水差 し を つかみ 、 自分 の 頭 にぶっつけて 、 ひっくり返って 見え なり なって しまった 。 ||はっと|きょうふ||こおりついた||||べっど||わき|つくえ|||||みずさし||||じぶん||あたま|にぶ っ つけて|ひっくりかえって|みえ||| Dobby suddenly became frozen in horror, grabbed Harry's water bottle on the side desk of his bed, slammed it into his head, and turned it over. 次の 瞬間 、 「 ドビー は 悪い 子 、 とっても 悪い 子 ......」 と ぶつぶつ 言い ながら 、 目 を クラクラ さ せ 、 ド ビー は ベッド の 上 に 這い 戻って きた 。 つぎの|しゅんかん|||わるい|こ||わるい|こ|||いい||め||||||||べっど||うえ||はい|もどって| At the next moment, Dobby crawls back on the bed, mumbling, "Dobby is a bad child, a very bad child ...".

「 それ じゃ 、『 秘密の 部屋 』 が ほんとに ある んだ ね ?」 ハリー が 呟いた 。 ||ひみつの|へや||||||||つぶやいた So there really is a 'Chamber of Secrets' then, is there? Harry muttered. 「 そして ―― 君 、 それ が 以前 に も 開か れた こと が あるって 言った ね ? 教えて よ 、 ドビー !」 ドビー の 手 が ソロソロ と 水差し の 方 に 伸びた ので 、 ハリー は その 痩せこけた 手首 を つかんで お 押さえた 。 |きみ|||いぜん|||あか||||ある って|いった||おしえて|||||て||そろそろ||みずさし||かた||のびた|||||やせこけた|てくび||||おさえた "And you said it's been opened before? Tell me, Dobby!" As Dobby's hand reached for the jug, Harry grabbed the skinny wrist and held it down. 「 だけど 、 僕 は マグル 出身 じゃ ない のに ―― その 部屋 が どうして 僕 に とって 危険だ と いう の ?」 |ぼく|||しゅっしん|||||へや|||ぼく|||きけんだ|||

「 あぁ 。 どうぞ もう 聞か ないで ください まし 。 ||きか||| Please don't ask me anymore. 哀れな ドビー め に もう お 尋ね に なら ないで 」 ドビー は 暗闇 の 中 で 大きな 目 を 見開いて 口ごもった 。 あわれな||||||たずね||||||くらやみ||なか||おおきな|め||みひらいて|くちごもった Poor Dobby, don't ask me again," Dobby mumbled, his eyes wide in the darkness.

「 闇 の 罠 が ここ に 仕掛けられて います 。 やみ||わな||||しかけ られて|い ます "A dark trap is set up here. それ が 起こる とき 、 ハリー ・ ポッター は ここ に いて は いけない のです 。 ||おこる|||||||||| Harry Potter shouldn't be here when that happens. 家 に 帰って 。 いえ||かえって ハリー ・ ポッター 、 家 に 帰って 。 ||いえ||かえって ハリー ・ ポッター は そ れ に 関わって は いけない ので ございます 。 ||||||かかわって|||| Harry Potter is not allowed to be involved in it. 危険 過ぎます ――」 「 ドビー 、 いったい 誰 が !」 ドビー が また 水差し で 自分 を ぶったり し ない よう 、 手首 を しっかり つかんだ まま 、 ハリー が 聞いた 。 きけん|すぎ ます|||だれ|||||みずさし||じぶん||||||てくび|||||||きいた It's too dangerous! - Dobby, who the hell are you? Harry asked, keeping a firm grip on Dobby's wrist to prevent him from hitting himself again with the jug. 「 今度 は 誰 が それ を 開いた の ! 以前 に 開いた の は 誰 だった の !」 こんど||だれ||||あいた||いぜん||あいた|||だれ|| "Who opened it this time? Who opened it before?

「 ドビー に は 言えません 。 |||いえ ませ ん 言え ない ので ございます 。 いえ||| I can't say. ドビー は 言って は いけない のです !」 ||いって||| Dobby is not allowed to say that!

しも べ 妖精 は キーキー 叫んだ 。 ||ようせい|||さけんだ 「 家 に 帰って 。 いえ||かえって ハリー ・ ポツター 、 家 に 帰って !」 ||いえ||かえって

「 僕 は どこ に も 帰ら ない !」 ハリー は 激しい 口調 で 言った 。 ぼく|||||かえら||||はげしい|くちょう||いった

「 僕 の 親友 の 一 人 は マグル 生まれ だ 。 ぼく||しんゆう||ひと|じん|||うまれ| One of my best friends is Muggle-born. もし 『 部屋 』 が ほんとうに 開か れた の なら 、 彼女 が 真っ先 に やられる ――」 |へや|||あか||||かのじょ||まっさき||

「 ハリー ・ ポッター は 友達 の ため に 自分 の 命 を 危険に さらす !」 ドビー は 悲劇 的な 悦 惚 感 で うめいた 。 |||ともだち||||じぶん||いのち||きけんに||||ひげき|てきな|えつ|ぼけ|かん|| Harry Potter would risk his life for his friends! Dobby groaned with tragic infatuation.

「 なんと 気高い ! なんと 勇敢な ! でも 、 ハリー ・ ポッター は 、 まず 自分 を 助け なければ いけ ない 。 |けだかい||ゆうかんな||||||じぶん||たすけ||| "What a noble! How brave! But Harry Potter must first help himself. そう しなければ 。 |し なければ Otherwise. ハリー ・ ポッター は 決して ......」 |||けっして

ドビー は 突然 凍りついた ように なり 、 コウモリ の ような 耳 が ピクビク した 。 ||とつぜん|こおりついた|||こうもり|||みみ||| ハリー に も 聞こ えた 。 |||ききこ| I heard from Harry. 外 の 廊下 を こちら に 向かって くる 足音 が する 。 がい||ろうか||||むかって||あしおと||

「 ドビー は 行か なければ !」 ||いか| "Doby's gotta go!"

しも べ 妖精 は 恐怖 に おののき ながら 呟いた 。 ||ようせい||きょうふ||||つぶやいた パチッ と 大きな 音 が した 途端 、 ハリー の 手 は 空 を つかんで いた 。 ||おおきな|おと|||とたん|||て||から|||

ハリー は 再び ベッド に 潜り込み 、 医務 室 の 暗い 入口 の 方 に 目 を 向けた 。 ||ふたたび|べっど||もぐりこみ|いむ|しつ||くらい|いりぐち||かた||め||むけた Harry crawled into bed again and looked toward the dark entrance to the infirmary. 足音 が だんだん 近づ いて くる 。 あしおと|||ちかづ||

次の 瞬間 、 ダンブルドア が 後ろ向き で 入って きた 。 つぎの|しゅんかん|||うしろむき||はいって| 長い ウール の ガウン を 着て ナイトキャッ プ を かぶって いる 。 ながい|うーる||がうん||きて|||||

石像 の ような 物 の 片 端 を 持って 運んで いる 。 せきぞう|||ぶつ||かた|はし||もって|はこんで| I carry one end of something like a stone statue.

その すぐ あと 、 マクゴナガル 先生 が 石像 の 足 の 方 を 持って 現れた 。 ||||せんせい||せきぞう||あし||かた||もって|あらわれた Immediately after that, Dr. McGonagall appeared with the foot of the stone statue.

二 人 は 持って いた もの を ドサリ と ベッド に 降ろした 。 ふた|じん||もって||||||べっど||おろした

「 マダム ・ ポンフリー を ――」 ダンブルドア が ささやいた 。 Madame Pomfrey," Dumbledore whispered.

マクゴナガル 先生 は ハリー の ベッド の 端 の ところ を 急いで 通り過ぎ 、 姿 が 見え なり なった 。 |せんせい||||べっど||はし||||いそいで|とおりすぎ|すがた||みえ|| Dr. McGonagall hurried past the edge of Harry's bed and was no longer visible.

ハリー は 寝て いる ふり を して じっと 横たわって いた 。 ||ねて||||||よこたわって| Harry lay still, pretending to be asleep.

慌 しい 声 が 聞こえて きた と 思う と 、 マクゴナガル 先生 が スイッ と 姿 を 現した 。 こう||こえ||きこえて|||おもう|||せんせい||||すがた||あらわした I thought I heard a panicked voice, and then Professor McGonagall swooped in.

その すぐ あと に マダム ・ ポンフリー が 、 ねまき の 上 に カーディガン を 羽織り ながら ついてき た 。 |||||||||うえ||||はおり||| Shortly after, Madame Pomfrey followed, wearing a cardigan over her nightgown.

ハリー の 耳 に あっと 息 を 呑 む 声 が 聞こえた 。 ||みみ||あっ と|いき||どん||こえ||きこえた I heard a breathtaking voice in Harry's ears. 「 何 が あった のです か !」 なん||||

ベッド に 置か れた 石像 の 上 に かがみ 込んで 、 マダム ・ ポンフリー が ささやく ように ダンブル ドア に 尋ねた 。 べっど||おか||せきぞう||うえ|||こんで|||||||どあ||たずねた Bending over the stone statue on the bed, Madame Pomfrey whispered to the dumble door.

「 また 襲わ れた のじゃ 。 |おそわ|| ミネルバ が この 子 を 階段 の ところ で 見つけて の う 」 |||こ||かいだん||||みつけて||

「 この 子 の そば に 葡萄 が 一 房 落ちて いました 」 マクゴナガル 先生 の 声 だ 。 |こ||||ぶどう||ひと|ふさ|おちて|い ました||せんせい||こえ| A bunch of grapes fell on the ground beside her," McGonagall's voice said. 「 たぶん この 子 は こっそり ポッター の お 見舞い に 来よう と した のでしょう 」 ||こ||||||みまい||こよう||| "Maybe this kid was trying to sneak out to visit Potter."

ハリー は 胃袋 が 引っくり返る 思い だった 。 ||いぶくろ||ひっくりかえる|おもい| ゆっくり と 用心深く 、 ハリー は わずかに 身 を 起こ し 、 むこうの ベッド の 石像 を 見よう と した 。 ||ようじんぶかく||||み||おこ|||べっど||せきぞう||みよう||

一 条 の 月 明かり が 、 目 を カッ と 見開いた 石像 の 顔 を て 照らし出して いた 。 ひと|じょう||つき|あかり||め||||みひらいた|せきぞう||かお|||てらしだして| The moonlight of Ichijo was shining on the face of the stone statue with its eyes wide open.

コリン ・ クリービー だった 。 It was Colin Creevey.

目 を 大きく 見開き 、 手 を 前 に 突き出して 、 カメラ を 持って いる 。 め||おおきく|みひらき|て||ぜん||つきだして|かめら||もって| He holds the camera with his eyes wide open and his hands sticking out.

「 石 に なった のです か !」 マダム ・ ポンフリー が ささやいた 。 いし||||||||

「 そうです 」 マクゴナガル 先生 だ 。 そう です||せんせい|

「 考えた だけ でも ゾッと します ...... アルバス が ココア を 飲み たく なって 階段 を 下りて いらっしゃら なかったら 、 いったい どう なって いた か と 思う と ......」  三 人 は コリン を じっと 見下ろして いる 。 かんがえた|||ぞっと|し ます|||ここあ||のみ|||かいだん||おりて|||||||||おもう||みっ|じん|||||みおろして| "I'm horrified just to think about it ... I wonder what would have happened if Albus hadn't gone down the stairs because he wanted to drink cocoa ..." I'm looking down at you. ダンブルドア は ちょっと 前かがみ に なって コリン の 指 を こじ開ける ように して 、 握りしめて いる カメラ を はずした 。 |||まえかがみ|||||ゆび||こじあける|||にぎりしめて||かめら|| Dumbledore leans forward a little to pry Colin's fingers open and pulls out the camera he's holding.

「 この 子 が 、 襲った 者 の 写真 を 撮って いる と お 思い です か ?」 マクゴナガル 先生 が 熱っぽく 言った 。 |こ||おそった|もの||しゃしん||とって||||おもい||||せんせい||ねつっぽく|いった

ダンブルドア は 何も 言わ ず 、 カメラ の 裏 蓋 を こじ開けた 。 ||なにも|いわ||かめら||うら|ふた||こじあけた

シューッ と 音 を たてて 、 カメラ から 蒸気 が 噴き出した 。 ||おと|||かめら||じょうき||ふきだした

「 なんて こと でしょう !」 マダム ・ ポンフリー が 声 を あげた 。 ||||||こえ|| "Oh, my God, isn't it? Madame Pomfrey shouted.

三 つ 先 の ベッド から ハリー の ところ まで 、 焼けた プラスチック の ツーン と する 臭い が 漂って きた 。 みっ||さき||べっど||||||やけた|ぷらすちっく|||||くさい||ただよって| From the three beds to Harry, there was a scent of burnt plastic tones.

「 溶けて る 」 マダム ・ ポンフリー が 腑 に 落ち ない と いう 顔 を した 。 とけて|||||ふ||おち||||かお|| "Melting" Madame Pomfrey made a face saying that he couldn't fall into his arms.

「 全部 溶けて る ......」 「 アルバス 、 これ は どういう 意味 な のでしょう ?」 マクゴナガル 先生 が 急き込んで 聞いた 。 ぜんぶ|とけて||||||いみ||||せんせい||せきこんで|きいた

「 その 意味 は 」 ダンブルドア が 言った 。 |いみ||||いった

「『 秘密の 部屋 』 が 再び 開か れた と いう こと じゃ 」 ひみつの|へや||ふたたび|あか|||||

マダム ・ ポンフリー は ハッと 手 で 口 を 覆い 、 マクゴナガル 先生 は ダンブルドア を じっと 見 た 。 |||はっと|て||くち||おおい||せんせい|||||み|

「 でも 、 アルバス ...... いったい ...... 誰 が !」 |||だれ|

「 誰 が と いう 問題 で は ない のじゃ 」 ダンブルドア は コリン に 目 を 向けた まま 言った 。 だれ||||もんだい|||||||||め||むけた||いった It's not a question of who," Dumbledore said, keeping his eyes on Colin.

「 問題 は 、 どう やって じゃ よ ......」 もんだい||||| "The problem is, how do you ..."

ハリー は 薄 明り の 中 で マクゴナガル 先生 の 表情 を 見た 。 ||うす|あかり||なか|||せんせい||ひょうじょう||みた マクゴナガル 先生 で さえ 、 ハリー と 同じ ように ダンブルドア の 言った こと が わから ない ようだった 。 |せんせい|||||おなじ||||いった||||| Even Dr. McGonagall didn't seem to understand what Dumbledore said, just like Harry.