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Fairy Tales, 火鉢の餅

火鉢 の 餅

火鉢 の 餅

むかし むかし 、 ある 山寺 に 、 和尚 さん と とんち の きく 小僧 さん が い ました 。

ある 日 の 事 、 村 の お 百姓 さん が 、 お 寺 に お 餅 を 持って 来 ました 。 「 和尚 さま 、 これ を 、 仏さま に お 供え ください 」 「 これ は これ は 、 ありがたい 。 さっそく 、 仏さま に 供え ましょう 」 お 餅 が 大好きな 和尚 さん は 、 大喜びです 。 そして この お 餅 を 一 人 で 全部 食べよう と 思った 和尚 さん は 、 しばらく する と 小僧 さん を 呼んで 言い ました 。 「 今日 は いい 天気 だ から 、 馬 屋 の 掃除 を して き ておくれ 」 「・・・ はい 」 馬 屋 の 掃除 は 、 昨日 した ばかりです 。 おかしい と 思った 小僧 さん は 、 ( は は ー ん 。 これ は きっと 、 いつも の 様 に 一 人 で お 餅 を 食べる つもりだ な 。 よし 、 確かめて やる ) と 、 裏口 から 中 の 様子 を のぞいて 見る と 、 思った 通り 、 和尚 さん は 火鉢 の 上 に あみ を のせて 、 お 餅 を 焼いて いた のです 。 ( やっぱり だ 。 それにしても 、 おいし そうな お 餅 だ な 。 食べ たい な ・・・。 そう だ 、 良い 方法 が ある ぞ ! ) 名案 を 思い ついた 小僧 さん は 、 馬 屋 の 方 に 駆け 出し ました 。

その頃 、 お 餅 の 焼ける いい に おい に 、 和尚 さん は ニコニコ 顔 です 。 「 しめ しめ 。 これ で 安心じゃ わい 。 小僧 が いて は 、 安心 して 餅 も 食えん から な 。 さあ 、 そろそろ 焼けて きた ぞ 。 うーん 。 うま そうな におい じゃ 」 する と 突然 、 小僧 さん の 声 が し ました 。 「 和尚 さま 、 大変です ! 大変です ! 」 「 なん じゃ 、 騒々しい 。 ちょっと 待て 」 和尚 さん は 、 あわてて お 餅 を 灰 の 中 に 隠し ました 。 そこ へ 小僧 さん が 、 勢い よく 飛び 込んで 来 ました 。 「 どうした ? そんなに あわてて 」 「 はい 。 馬 小屋 の 掃除 を しよう と 思って 、 馬 を 馬 小屋 から 引き出して 庭 の カキ の 木 に 」 そう 言い ながら 小僧 は 、 火ばし を 火鉢 の 灰 の 中 に ブスリ と 突き 立て ました 。 「 カキ の 木 に 、 馬 を つなぎ ました 」 そして 火ばし を 持ち 上げる と 、 火ばし の 先 に は お 餅 が 突き刺さって い ます 。 「 あれ 、 お 餅 が 、 こんな ところ に ? 」 「 ああ 、 それ は その ・・・。 馬 小屋 の 掃除 が すんだら 、 お前 に も 食べ させて やろう と 思って な 」 和尚 さん は 、 仕方なし に 言い ました 。 「 そう です か 。 ありがとう ございます 。 ・・・ そう そう 、 ところが 馬 は 何 に 驚いた の か 、 つないだ つな を 切って 、 パッパッ と 駆け 出し ました 」 小僧 さん は もう 一 本 の 火ばし を 取って 、 パッパッ と 灰 の 中 に 突き 立て ました 。 する と この 火ばし に も 、 またまた たくさんの お 餅 が 突き刺さり ました 。 「 あれ 、 あれ 、 こんなに たくさん 、 ありがとう ございます 。 では 、 いただき ま ー す ! 」 小僧 さん は おいし そうに 、 パクパク と お 餅 を たいらげ ました 。 「 それ で 、 逃げた 馬 は どうした ? 」 「 それ が まだ 、 逃げた まま です 」 「 何 じゃ と 、 こりゃ 大変じゃ ! 餅 を 食わ れた 上 に 、 馬 に まで 逃げ られて は たまら ん ! 」 和尚 さん は 、 あわてて 飛び出して いき 、 小僧 は さんそ の すきに お 餅 を 全部 食べて しまい ました 。

おしまい


火鉢 の 餅 ひばち||もち brazier encased in a wooden brazier brasero incrustado con mermelada de judías brasero incrusté de confiture de haricots мангал с фасолевым джемом

火鉢 の 餅 ひばち||もち

むかし むかし 、 ある 山寺 に 、 和尚 さん と とんち の きく 小僧 さん が い ました 。 |||やまでら||おしょう||||||こぞう||||

ある 日 の 事 、 村 の お 百姓 さん が 、 お 寺 に お 餅 を 持って 来 ました 。 |ひ||こと|むら|||ひゃくしょう||||てら|||もち||もって|らい| 「 和尚 さま 、 これ を 、 仏さま に お 供え ください 」 「 これ は これ は 、 ありがたい 。 おしょう||||ふつ さま|||そなえ|||||| さっそく 、 仏さま に 供え ましょう 」   お 餅 が 大好きな 和尚 さん は 、 大喜びです 。 |ふつ さま||そなえ|||もち||だいすきな|おしょう|||おおよろこびです そして この お 餅 を 一 人 で 全部 食べよう と 思った 和尚 さん は 、 しばらく する と 小僧 さん を 呼んで 言い ました 。 |||もち||ひと|じん||ぜんぶ|たべよう||おもった|おしょう||||||こぞう|||よんで|いい| 「 今日 は いい 天気 だ から 、 馬 屋 の 掃除 を して き ておくれ 」 「・・・ はい 」   馬 屋 の 掃除 は 、 昨日 した ばかりです 。 きょう|||てんき|||うま|や||そうじ||||||うま|や||そうじ||きのう|| おかしい と 思った 小僧 さん は 、 ( は は ー ん 。 ||おもった|こぞう|||||-| これ は きっと 、 いつも の 様 に 一 人 で お 餅 を 食べる つもりだ な 。 |||||さま||ひと|じん|||もち||たべる|| よし 、 確かめて やる ) と 、 裏口 から 中 の 様子 を のぞいて 見る と 、 思った 通り 、 和尚 さん は 火鉢 の 上 に あみ を のせて 、 お 餅 を 焼いて いた のです 。 |たしかめて|||うらぐち||なか||ようす|||みる||おもった|とおり|おしょう|||ひばち||うえ||||||もち||やいて|| ( やっぱり だ 。 それにしても 、 おいし そうな お 餅 だ な 。 ||そう な||もち|| 食べ たい な ・・・。 たべ|| そう だ 、 良い 方法 が ある ぞ ! ||よい|ほうほう||| )   名案 を 思い ついた 小僧 さん は 、 馬 屋 の 方 に 駆け 出し ました 。 めいあん||おもい||こぞう|||うま|や||かた||かけ|だし|

その頃 、 お 餅 の 焼ける いい に おい に 、 和尚 さん は ニコニコ 顔 です 。 そのころ||もち||やける|||||おしょう|||にこにこ|かお| 「 しめ しめ 。 これ で 安心じゃ わい 。 ||あんしんじゃ|わ い 小僧 が いて は 、 安心 して 餅 も 食えん から な 。 こぞう||||あんしん||もち||しょくえん|| さあ 、 そろそろ 焼けて きた ぞ 。 ||やけて|| うーん 。 うま そうな におい じゃ 」   する と 突然 、 小僧 さん の 声 が し ました 。 |そう な|||||とつぜん|こぞう|||こえ||| 「 和尚 さま 、 大変です ! おしょう||たいへんです 大変です ! たいへんです 」 「 なん じゃ 、 騒々しい 。 ||そうぞうしい ちょっと 待て 」   和尚 さん は 、 あわてて お 餅 を 灰 の 中 に 隠し ました 。 |まて|おしょう|||||もち||はい||なか||かくし| そこ へ 小僧 さん が 、 勢い よく 飛び 込んで 来 ました 。 ||こぞう|||いきおい||とび|こんで|らい| 「 どうした ? そんなに あわてて 」 「 はい 。 馬 小屋 の 掃除 を しよう と 思って 、 馬 を 馬 小屋 から 引き出して 庭 の カキ の 木 に 」   そう 言い ながら 小僧 は 、 火ばし を 火鉢 の 灰 の 中 に ブスリ と 突き 立て ました 。 うま|こや||そうじ||||おもって|うま||うま|こや||ひきだして|にわ||かき||き|||いい||こぞう||ひばし||ひばち||はい||なか||||つき|たて| 「 カキ の 木 に 、 馬 を つなぎ ました 」   そして 火ばし を 持ち 上げる と 、 火ばし の 先 に は お 餅 が 突き刺さって い ます 。 かき||き||うま|||||ひばし||もち|あげる||ひばし||さき||||もち||つきささって|| 「 あれ 、 お 餅 が 、 こんな ところ に ? ||もち|||| 」 「 ああ 、 それ は その ・・・。 馬 小屋 の 掃除 が すんだら 、 お前 に も 食べ させて やろう と 思って な 」   和尚 さん は 、 仕方なし に 言い ました 。 うま|こや||そうじ|||おまえ|||たべ|さ せて|||おもって||おしょう|||しかた なし||いい| 「 そう です か 。 ありがとう ございます 。 ・・・ そう そう 、 ところが 馬 は 何 に 驚いた の か 、 つないだ つな を 切って 、 パッパッ と 駆け 出し ました 」   小僧 さん は もう 一 本 の 火ばし を 取って 、 パッパッ と 灰 の 中 に 突き 立て ました 。 |||うま||なん||おどろいた||||||きって|||かけ|だし||こぞう||||ひと|ほん||ひばし||とって|||はい||なか||つき|たて| する と この 火ばし に も 、 またまた たくさんの お 餅 が 突き刺さり ました 。 |||ひばし||||||もち||つきささり| 「 あれ 、 あれ 、 こんなに たくさん 、 ありがとう ございます 。 では 、 いただき ま ー す ! |||-| 」   小僧 さん は おいし そうに 、 パクパク と お 餅 を たいらげ ました 。 こぞう||||そう に||||もち||| 「 それ で 、 逃げた 馬 は どうした ? ||にげた|うま|| 」 「 それ が まだ 、 逃げた まま です 」 「 何 じゃ と 、 こりゃ 大変じゃ ! |||にげた|||なん||||たいへんじゃ 餅 を 食わ れた 上 に 、 馬 に まで 逃げ られて は たまら ん ! もち||くわ||うえ||うま|||にげ|||| 」   和尚 さん は 、 あわてて 飛び出して いき 、 小僧 は さんそ の すきに お 餅 を 全部 食べて しまい ました 。 おしょう||||とびだして||こぞう||||||もち||ぜんぶ|たべて||

おしまい