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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 061. 簡潔 の 美 - 上村 松園

061. 簡潔 の 美 - 上村 松園

簡潔 の 美 -上村 松園

能楽 の 幽微 で 高雅 な 動作 、その 装束 から 来る 色彩 の 動き 、重なり 、線 の 曲折 、声曲 から 発する 豪壮 沈痛な 諧律 、こんな もの が 一緒に なって 、観る 人 の 心 を 打つ のです 。

その 静か で 幽かな うち に 強い 緊張 みの ある 咽び 顫う ような 微妙さ を もつ の は 能楽 唯一 の 境地 で 、そこ は 口 で 説く こと も 筆 で 描く こと も 容易に 許さ れぬ ところ だ と 思います 。 私 は よく 松 篁 と 一緒に 拝見 に 参ります が 、その 演者 や 舞台 面 や 道具 など を 写生 する ため に 、特に 前 の 方 に 置いて 貰う のです が 、つい 妙技 に つり こまれて 、筆 の 方 が お留守 に なる こと が あります 。 いつでも 思う こと です が 、傑作 の 面 を みて います と 、そこ に 作者 の 魂 を しみじみ と 感ずる こと です 。 装束 の あの 華麗さ で ありながら 、しかも そこ に 沈んだ 美しさ が 漲っていて 、単なる 華麗さ でない のが 実に 好もしい 感じ が します 。 舞台 に 用いられる 道具 、それ が 船 であろう が 、輿 、車 であろう が 、如何に 小さな もの でも 、至極 簡単であって 要領 を 得て います 。 これ は 物 の 簡単 さ を 押詰めて 押詰めて 行ける 所 まで 押詰めて 簡単に した もの です が 、それでいて 立派に 物 そのもの を 活かして 、ちゃんと 要領 を 得させて います 。 ここ に も 至れ り 尽くさ れた 馴致 と 洗練 と が あらわれて いる と 思います 。 能楽 は 大まか です が 、また これほど 微細に 入った もの は ない と 思います 。 つまり 、道具 の 調子 と 同じ 似通った もの が あって 、大まかに 説明 していて 心持ち は こまやかに 表現 されて います 。 です から 能楽 に は 無駄 と いう もの が ありません 。 無駄 が ない のです から 、緩やかな うち に キッと した 緊張 が ある のでしょう 。

能楽 ほど 沈んだ 光沢 の ある 芸術 は 他 に 沢山 ない と 思います 。 能楽 に おける 、この 簡潔化 された 美 こそ 、画 における 押詰めた 簡潔美 の 線 と 合致する もの である と 思います 。 簡潔 の 美 は 、能楽 、絵画 の 世界 だけ でなく 、あらゆる 芸術 の 世界 ――否 、わたくし たち の 日常 生活 の 上に も 、実に 尊い 美 の 姿 で は なかろう か と 思います 。 泥 眼

謡曲 「葵 の 上 」から ヒント を 得て 、生霊 の すがた を 描いた 「焔 」を 制作した とき の こと である 。

題名 その他 の こと で 金剛 巌 先生 の ところ へ 相談 に まいった 折り 、嫉妬 の 女 の 美しさ を 出す こと の むつかしさ を 洩らした ところ 、金剛 先生 は 、次 の ような こと を 教えて 下さった 。

「 能 の 嫉妬 の 美人 の 顔 は 眼 の 白 眼 の 所 に 特に 金 泥 を 入れて いる 。 これ を 泥 眼 と 言って いる が 、金 が 光る 度 に 異様な かがやき 、閃き が ある 。 また 涙 が 溜って いる 表情 に も 見える 」

なるほど 、そう 教えられて 案じ 直して みる と 、泥 眼 という ものの 持つ 不思議な 魅力 が 了解 さ れ る のであった 。 わたくし は 、早速 「焔 」の 女 の 眼 へ ――絹 の 裏 から 金泥 を 施して みた 。

それ が 生霊 の 女 の 眼 が 異様に 光って 、思わぬ 効果 を 生んで くれた のである 。

泥 眼 と いう 文字 は 、眼 で 読んで みて も 、音 で 聞いて みて も 、如何にも 「泥眼 」の 感じ を 掴みとる こと が 出来る のである が 、ああいう 話題 の 中 へ 、すぐに 泥眼 の こと を 持って来られる 金剛 先生 の 偉さ に ――さすが は 名人 と なる 方 は 、何に よらず 優れている と しみじみ 思った こと であった 。

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