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食戟のソーマ 弍ノ皿, Shokugeki no Souma: Ni no Sara (Food Wars! The Second Plate) Episode 9

Shokugeki no Souma : Ni no Sara (FoodWars!TheSecondPlate) Episode 9

( 4人 ) ひ い い い い い !

( 青木 大 吾 ( あお き だ いご ) ) 何 だ あれ ? ( 佐藤 昭二 ( さとう しょ うじ ) ) なまくら 刀 ?

(男子 生徒 A )編入 生 の ヤツ また おかしな こと を

(男子 生徒 B )試合 捨てて ん の か ぁ ?

( 葉山 ( は やま ) アキラ ) なるほど な

今朝 魚河岸 に 来なかった の は そういう こと か 幸平

( 幸平 創 真 ( ゆき ひ ら そう ま ) ) おっ?

素材 の 差 を 埋める ため に お前 が 選んだ 手 は 熟成

( 黒 木場 ( くろ きば ) リョウ ) 見 た だけ で 何 を 使って 熟成 し た の か すぐ 分かった ぜ

だが その 程度 じゃ 旬 の 新鮮 さ に は 届か ねえ

(創真 )そんな の 食って みなきゃ 分かんねえ だろ ?

料理 は お前 ら の 分 も 用意 して やっ から

ふざける な もう 勝負 は ついた

(葉山 )3 位 入賞 おめでとう

十分 誇って いい 成績 だ ぜ

( 創 真 ) ん ?

( 一色 慧 ( いっしき さとし ) ) ご 来場 の 皆様 秋 の 選抜 決勝 戦 開始 時間 が 迫って まいり まし た

天井 に ご 注目 ください

(観客 の 歓声 )

(男子 生徒 C )すげえ ~!天井 が 割れ て いく ぞ !

間もなく だ

これ が “月 天 (がって ん )の 間 ”の 真 の 姿 …

(観客 の どよめき )

(一色 )決勝 戦 の 調理 時間 は およそ 2 時間

月 が 完全 に 現れた 瞬間 から 天 の 道 を 渡り 終え ―

再び 姿 を 隠す まで と します

( 堂 島 銀 ( どう じ ま ぎん ) ) フッフ … 毎年 恒例 と は いえ 大 仰 な こと です な

(堂島 )思い出す 懐かしき 日々 を

自分 が 選抜 の 決勝 を 戦った あの 夜 を

この 舞台 に 立った すべて の 料理人 が ―

同じ 月 を 見 て きた の だ

( 幸平 城 一郎 ( ゆき ひら じ ょ う い ち ろ う ) ) 次に 俺 に 負ける まで 誰 に も 負け ん じゃ ねえ ぜ

( 創 真 ) 獲 り に いく 遠 月 ( と お つき ) 1 年 最強 の 座 !

( 薙 切 仙 左 衛 門 ( な きり せ ん ざ え もん ) ) 構えよ !

(仙 左 衛 門 )調理

開始 ぃ ~ !

♪~

~ ♪

(堂島 )どの 選手 も まだ ―

サンマ に は 手 を つけ ない な

他の 素材 から 下 処理 を 進める 定石 どおり か

余計 な 手数 は 魚 の 鮮度 を 落とす こと に つながる

可能 な 限り 新鮮 さ を 保た なけれ ば ならぬ から な

( 薙 切 ( な きり ) レオ ノーラ ) ウフフ … 何だか エキサイト し て き た です 私

若い 男の子 見る の こと この上 なき 眼 福 ( がん ぷ く ) です よ

( 薙 切 ( な きり ) アリス ) まあ お 母 様ったら 何だか 淫 ( み だ ) ら

それ に 相変わらず語彙 ( ご い ) に 偏り が

( 薙 切 ( な きり ) えり な ) アリス ! 客席 に 戻り なさいって ば !

えり な も こっち へ 来れ ば いい のに

ねっ いい でしょ う お じい 様 ?

うむ 構わ ん

ほ ー ら !えり なったら ~

ハハハ 楽しい ご 家族 だ なぁ 薙 切 君

おや ?幸平 が サンマ に 手 を つけた ようだ ぞ

( 榊 涼子 ( さかき りょう こ ) ) 熟成 は 成功 し た の かしら ?

( 丸井 善 二 ( まるい ぜ ん じ ) ) ああ そして 一体 どんな 料理 を 作る ?

( 伊 武 崎 峻 ( いぶさ き しゅん ) ) 黒 木場 リョウ 葉山 アキラ

あの バケ モノ 2 人 に 勝てる の か ?

幸平 !

( 大泉 柿 之 進 ( お おい ずみ かき の しん ) ) おお おっ!

黒 木場 少年 の 調理 台 に は 数々 の 魚介 が !

それ に 完熟 し た トマト に オリーブ オイル

( 早乙女 星 周 ( さ お とめ せい しゅう ) ) 恐らく 彼 は アクアパッツア を 作る つもり です ね

(堂島 )アクアパッツア

南 イタリア で 生まれた 郷土料理 だ な

魚 を 中心 に 様々 な 具材 を まとめて 煮込んで 作る ―

シンプル かつ 豪快 な 一品 だ

オリーブ オイル と トマト それ に 貝 類 を 入れる のが 定番 です !

調味料 を あまり 使わ ない の も 特徴 です ね

シンプル だ から こそ 素材 の 良し あし が ストレート に 出る

彼 の 目 利き を 生かす の に うってつけ の 料理 だ わ

(大泉 )しかし どの 食材 も 味 の 主役 を 張れ る もの ばかり

あれ ら を 一緒 く た に 煮込んで は ―

サンマ の 良 さ が 霞 ( かす ) ん で しまう の で は ない か ?

確かに せっかく の 旬 の サンマ が …

はっ 旬 の !

(堂島 )そういう こと だ な

旬 の サンマ なら 霞む どころ か ―

料理 全体 の 土台 と なる 程 の ポテンシャル を 持って いる

目利き に 自信 が ある からこそ あの 料理 を 選択 できた のだろうな

それにしても 落ち着いている

決勝 へ の 緊張 や 気負い など 全く 感じ ない

大した もの だ

当然 です わ 堂島 シェフ

(堂島 )ん ん ?

リョウ 君 は 昔 から 私 と 真剣 勝負 し て きた んです もの

フフ …懐かしい です ね

2 人 とも まだ 幼き 時代 可愛かった です

北欧 に い た 時 の 彼 を ご存知 です もの ね

レオ ノーラ おば 様 も

おばあ 様 ?

失礼 です !

己 の 若 さ 自慢 する の こと さもしい です よ えり な ちゃん !

(えり な )違い ます !

“おば 様 ”と “おばあ 様 ”は 別 の 言葉 です !

この 子 が そう な の ?アリス

そう よ お母様 私 の お付き に しよう と 思ってる の

放せ 仕込み 中 だ

えり な に だって 秘書 が 付い た ん でしょ ?

私 も 同年 代 の 付き人 が ほしい の !

(黒木場 の 鳴き声 )(レオ ノーラ )そう ねえ ~

パパ に も 聞い て み ない と

勝手 に 話 進め ん な !

俺 は もう この 店 で トップ 張って ん だ

お前 の 下 に 付く 気 な ん か …

私 の こと は “お嬢様 ”って 呼ぶ よう 伝えた はず だ けど ?

帰れ !

それ じゃあ 料理 勝負 を し ましょう

は あ ?

(アリス )あなた が 負けたら 私 の 犬 に なりなさい

ワンワン !

は あ ああ ああ あ あっ !

(料理 人 A )そっち の 嬢ちゃん の 方 が うめえ …

(黒木場 )なあ あっ …

(アリス )ほら “ワン ”って 言って ごらん なさい

くうっ… もう 1 回 勝負 しろ お おお おっ!

(アリス )クスス ~N(黒木場 )ぐ ぬ ぬ う っ …

(客 の 歓声 )

ぐ ああ ああ あ あっ !

(黒木場 )最初 の 勝負 から 2 年

ついに 来た …

俺 の 勝ち だ !

(料理 人 たち の 歓声 )

(黒 木場 )は あ あっ …

(アリス )う うっ !

明日 も もう 一 度 勝負 よ !

いい わ ね リョウ 君 !

(黒 木場 )いい ぜ

(黒木場 )お 嬢 (アリス )ん っ ?

(黒木場 )何度 でも 勝負 して やる よ

ウフフッ

(料理 人 たち の 笑い声 )

じゃあ 次 私 が 勝ったら 敬語 を 使う の いい わ ね ?

っざ けん な !

フフッ …

(創真 )ん ?(葉山 )あっ …

(葉山 )耐熱 フィルム か

へえ ~ あれ ラップ じゃ ねえ の か

(丸井 )200 度 を 超える 耐熱性 と ―

マイナス 40 度 まで の 耐冷性 を 持ち ―

包 ん だまま で 加熱 調理 が 可能 な フィルム シート だ

(えり な )アリス と の 勝負 の 中 で 吸収し た ―

分子 ガストロノミー 的 引き出し

今 の 黒 木場 君 が 作る 料理 は ―

港町 の 酒場 で 料理 し て い た の で は 着想 し 得 ない もの ね

2人 が 切磋琢磨 ( せっさたくま ) し て き た 歴史 そのもの な ん だ わ

(アリス )負け ちゃ ダメ よ リョウ 君

(黒木場 )言われる まで も ない です よ お嬢

この フィルム が 俺 の 料理 の カギ に なる

(黒 木場 )葉山 !て めえ を こいつ で 今度 こそ 仕留める

選抜 の 頂点 に 立つ の は ―

この 俺 だ !

( 田所 恵 ( た どころ めぐみ ) ) 月 が 道のり の 半分 まで …

( 水戸 ( み と ) 郁 魅 ( いく み ) ) 残り 1 時間 を 切った

( 吉野 悠 姫 ( よし の ゆうき ) ) あっ見 て !

完成 だ !

一番乗り は 黒 木場 か

しかし 本当 に …

あれ が …料理 ?

ずいぶん 急 い だ じゃ ねえ か 調理 に 見落とし が なけりゃ いい が な

今 の うち に 減らず口 を 叩い とけ

俺 の 品 は てめえ の 武器 を 圧殺 する !

(創真 )黒木場 の やつ 何 を やろう って ん だ ?

あんな ペラペラ な フィルム で よ ぉ

たぶん お前 も よく 知って る こと だ ぜ

ん ?

まずは 黒 木場 選手 の サーブ です

(堂島 )審査 台 へ と 進む 選手 を ―

月 の 舞台 照明 が 照らす

まるで 料理 人 と その 者 が 出す 品 を 清める か の よう に

ワーオッ !

袋 の 中 で まだ グツグツ 煮え てる です

すこぶる 熱々 です ね !

あの まま 審査員 に 開封 させる の か ?

いざ !実 食 で ある !

(堂島 )あっ !

(堂島 )ぬう ん っ !

エビ ムール 貝 アサリ そして サンマ !

怒涛 ( ど とう ) の 香り グラデーション に 引きずり 込ま れる ~ !

(レオ ノーラ )は あ あっ !思わず 顔 が ほころび ま~す !

( 大泉 ・ 早乙女 ) う おっ! 総帥 が !

あの 厳格 な 総帥 が ニヤケ て おる !

(早乙女 )“お ニヤケ ”だ

まさか お ニヤケ が 飛び出す と は !

(黒 木場 )使う 素材 は アクアパッツア と ほとんど 同じ だ が ―

耐熱 フィルム に 包んだ こと で ―

この 品 の 料理 名 は 変わる !

“ カルトッチョ ”

俺 の 出し た 料理 は “秋 サンマ の カルトッチョ ”だ !

( 創 真 ) ああ …

(創真 )準決勝 で は 旨味 の 発火 装置

んで お 次 は 香り の 発火 装置 で 来た って わけ か

なるほど な

さあ 味わい な !

ん ん ~ っ !

新鮮 すぎ て サンマ の 脂 が とろける ように 甘い で ~す !

(堂島 )超 絶 鮮度 の 魚介 たっぷり と し た 旨味 !

これ だけ 豪快 な 旨味 を 力ずく で 閉じ込める とは …

何 という 荒々しさ !

黒 木場 リョウ の 真骨頂 だ !

(堂島 )しかし 旬 と は いえ ―

ほとんど 調味料 も 使わ ず これほど の 濃厚 さ を …

ん ん っ ?爽やか な 香り 海産物 で は ない !

これ は !

ハーブ の 香気 だ !

その とおり !

フィルム に 包む 時 一緒 に 仕込んだ の さ

この ハーブ バター を な !

( えり な ) 常温 に し て 柔らかく し た バター に ―

細かく 刻んだ ハーブ や スパイス ニンニク など を 練り込んだ 物 を ―

一晩 冷蔵庫 で 寝かせれば 完成する

(黒木場 )コイツ が オーブン の 中 の 熱 で 時間 を かけて 溶けて いき ―

その コク と 風味 が ―

サンマ や 他の 素材 に じっくり と 染み渡る !

(仙 左 衛 門 )味 に も 香り に も ―

超 ド 級 の インパクト を 与え おった

徹底 的 な まで の 味 の 暴力

どうやら 出る よう だ わ

お 母様 の “お は だけ ”が !

( 悠 姫 ) う い いい いっ? ( 涼子 ) こんな 公 の 場 で ?

マジ か !

そっ… そそ そそれ は ダメ な ん じゃ …

(4 人 の 叫び声 )

( 4人 ) あ あっ?

素晴らしい サンマ 料理 で し た

まず テーブル に 出さ れ た 際 の ビジュアル の 衝撃 !

サーブ の 仕方 も 料理 の 大切 な 要素 と 考える ―

現代 の 調理 トレンド を しっかり 踏襲 し て い ます

会場 中 が 前のめり に なって 注目 し て い た こと から も ―

その 計画 は 見事 に 完遂 し た と 言える でしょう

アクアパッツア に は アンチョビ が 使わ れ る こと が 多い …

お 母様 は おいしい 品 を 食べる と 片言 が はだけて ―

流暢 ( り ゅ う ちょう ) に しゃべり 出す の

そう だった わ ね …

片言 が はだける って 何 ?

(レオ ノーラ )バター の まろやか さ は 素材 同士 の エキス を 1 つ に まとめる の に も ―

効果 を 発揮 しか し ハーブ に よって しつこく 後 を 引く こと も なく ―

強烈 な 味 の インパクト は 軽やか に 通り抜け …

(仙 左 衛 門 )他の どの 魚 でも なく ―

旬 の サンマ で なければ 成立 しない 一品

彼 奴 ( き ゃ つ ) の 調理 技術 の 集大成 !

(仙 左 衛 門 )身 も !(レオ ノーラ )心 も !

(堂島 )海 と

(3人 )1つ に !

(男子 生徒 D )すげー ぞ 黒 木場 ぁ !

(男子 生徒 E )本家 お は だけ も 出 た ~!

( 黒 木場 ) どう だ 俺 の 料理 の 膂力 ( り ょ り ょ く ) を ―

目 に 焼き付けろ 葉山 !

ふう …

(一色 )続いて 葉山 選手 が サーブ します

(創真 )あ あっ ?(黒木場 )う うっ …

(黒 木場 )ふざけ ん な コラァ !

そんな 品 で 俺 に 勝つ 気 か よ ?勝負 を 何 だ と 思って やがる !

(黒木場 )話 に なら ねえ !(葉山 )お前 は 知ら ない ん だ

(葉山 )香り は 料理 の 概念 すら 作り替える こと を

(えり な )まさか ―

カルパッチョ ?

(男子 生徒 F )前菜 メニュー ?

(女子 生徒 A )ウソ でしょ ?

(男子 生徒 G )決勝 戦 だ ぞ !

(男子 生徒 H )前菜 なんか で 勝て る の か よ ?

( えり な ) 前菜 は コース 料理 序盤 で 客 の 食欲 を 開く ため の 品

必然 的 に 軽め の メニュー と なる

そんな 料理 を 選ぶ なんて …

(黒 木場 )葉山 て めえ の 目利き の 腕 は 完全 に 俺 と 互角 だ

最上級 の サンマ が 誇る ―

生 ならでは の 新鮮 な 甘み を 生かそう と し たんだろうが

旨味 と 香り の 重厚 な インパクト で 圧殺し た ―

俺 の カルトッチョ に 張り 合え る わけ が ない !

(堂島 )で は 実 食 を … N (葉山 )少々 お 待ち ください

(葉山 )最後 の 仕上げ が 残って おり ます ので

バーナー で 炙 ( あぶ )って 表面 に 焼き 目 を ?

だが そんな こと で 黒 木場 少年 の 香り の 発火 装置 に は ―

到底 及 ば …

(創真 )あっ (黒木場 )ハッ

う はっ あ あ ~っ !

( 早乙女 ・ 大泉 ) ぬ お おおっ!

(葉山 )完成

俺 の 料理 は ―

“炙り サンマ の カルパッチョ ”で ございます

(観客 の 歓声 )

(青木 )うまい !(佐藤 )うまい !

( 青木 ・ 佐藤 ) 食わ なく て も うまい !

ものすごい ジューシー さ が 伝わって くる !

燻製 ( くんせい ) を 超える 勢い …

(郁魅 )お ~っ !(涼子 )すごい !

炙る 前 と 全然 違う !

じ ゅ わ あ ああ ああ ああ あっ!

食事 する 者 を なまめかしく 誘惑 し て くる ようだ わ

もう …もう 1 秒 も 待て ない …

は ふ っ

あっあ あ ~っ N あ あ ~ ん は は ~ ん

ドレッシング に は エキストラ バージン オリーブ オイル や ―

ワイン ビネガー

そして サンマ の 肝 を 和 ( あ ) え て いる !

肝 の コク が 舌 に じん わり 染み渡り サンマ の 脂 の 甘さ を 強調 !

溢れる 香ばし さ と 風味 で 溺れ そう !

一体 どれ だけ 多く の スパイス を 組み合わせて …

(仙 左 衛 門 )いや !使用 している のは オール スパイス ただ 1 つ

何 ?

香辛料 は 1 種類 だけ ?

多種多様 な スパイス で ―

極上 の 香り を 編み あげる の が 葉山 の 武器 な ん じゃ …

(えり な )違う 彼 の 香り を 操る 能力 は ―

ただ 足し て いく こと に 留まら ない

あえて 香辛料 を 引く こと で 旬 の サンマ の 風味 を ―

鮮明 に 浮かび上がらせる こと が できた んだ わ

それなのに この 香り の 豊かさ は 何 ?

リョウ 君 の カルトッチョ に 匹敵 する 勢い だった

ええ ただ 炙った だけ で は ありえね ~です !

フッ …“かえし ”です

サーブ する 直前 に 身 の 表面 に さっと 塗り まし た

かえし ?つばめ 返し です か ?

コジロー ・ ササキ ?

よく 知って い ます ね そんな 言葉

でも 違い ます

かえし と は ―

しょうゆ に みりん や 日本 酒 など を 加え て 作る 合わせ 調味料

この かえし を だし で 割る こと で そば つゆ が できる の です

日本 食 全般 に 使える 万能 調味料 だ と みなされ て い ます わ

道理で な 魚 の 身 は バーナー の 高い 火力 を もって し ても ―

焦げ 目 が 付きづらい もの なの だ

それ が かえ しに 含ま れる 糖分 に よって ―

焦げ やすく なる

加熱 が 長引いて ―

新鮮 な サンマ の 風味 が 台無し に なって しまう の も ―

防 い だ という こと ね

(葉山 )サンマ の 表面 の 脂 と かえし の 糖分 が ―

加熱 に よって じゅわっと 沸き立つ

つまり 俺 は 香り の “引き算 ”と “強調 ”

相対 ( あいたい ) する 論理 を この 一 皿 の 上 で 同時に 披露 し た の です

(堂島 )黒 木場 リョウ と 葉山 アキラ

(仙 左 衛 門 )一度 ぶつかり合った から こ その 進化 か

黒 木場 リョウ は 肉 厚 の 大 剣 を 振りかざす

決勝 でも 人 の 食欲 を 引きずり出す 爆発 力 を ―

さらに 高め て 見せ た

(堂島 )対し て 準決勝 で 葉山 アキラ が 出し た カモ 料理 は ―

煌 ( きら ) び やか な る スパイス の 狂 宴 ( きょう えん )

さながら 意匠 と 装飾 が 施さ れ た 宝 剣 だった !

(仙 左 衛 門 )それ が 今宵 の 葉山 は どう だ ?

選別 択一 ゆえ の 洗練

鋭く 細く 研ぎ澄まさ れ た レイ ピア の 如し !

(黒木場 )う ああ ああ あっ !(葉山 )う っ …

(黒 木場 )う うっ !

(黒木場 )オラアアアア !(葉山 )フウッ !

( 黒 木場 ) くっ… くっ…

(葉山 )スパイス しか 能 が ない ワン パターン ―

だった か ?

香り を 従える と いう こと は こういう こと だ

くう う う っ !

(堂島 )これ が 香り の 名手 葉山 アキラ の 真骨頂 か

サンマ の 純粋 なる 威力 風味 を 真っ直ぐ に ―

解き放つ !

正 射 必中 !お 見事 !

(観客 の 歓声 )

(男子 生徒 I)本家おはだけまた出たぁ~!

(恵 )あ あっ !月 が 隠れ 始め てる !

創 真 君 急いで ~ !

幸平 !時間 ねえ ぞ ~ !

(創真 )お 待ち どう !

こいつ で 〆 ( しめ ) だっ!

お ほっ !

フッフフ …Nこれ は たまらない な

米 を 主食 と する者 なら ば 条件 反射 で 頬 ( ほお ) が ゆるむ ―

見た目 と 香気 の 破壊 力 !

“ 糠 ( ぬか ) サンマ の 炊き 込み ご飯 ”っす

(男子 生徒 J )糠 ?(女子 生徒 B )糠漬け ?

(男子 生徒 K )諦め た ん じゃ なかった の か よ !

( 郁 魅 ・ 悠 姫 ) おお お おっ!

おいし そう !

いや あ ~あの モッサリ な サンマ を 見 た 時 に は ―

どう なる か と 思った けど なぁ ~

ああ なまくら に 見えた の は ―

サンマ の 糠 漬け だった ん だ な !

(レオ ノーラ )お ~っ !

炊き 立て の 香り たまり ませ ~ん !

( 創 真 ) は い は ~ い すぐ に よ そいます ん で ちょっと お 待ち くださいっす

もう 幸平 君 いけず です !早く 早く !

(大泉 )他の 2 人 も それぞれ 期待 を 高める 演出 を 仕掛けて い た が ―

幸平 創 真 も また 然 ( しか ) り !

客 の 期待 を 煽 ( あお ) る 術 ―

心得 て おる !

来た 来た !やっと です ね ~ !

いざ 実 食 です !

ふ ー ふ ー は ふ っ

ふう っ ふう っ

ほふ ほふ ほふ

は あ ああ ああ ん っ !

秋 が もたらす サンマ の 幸せ が 体 中 に 沁 ( し ) み 入る !

何 という やわらか な うま さ

サンマ を 七輪 で 一 度 焼い て …

一 度 焼い て から ご飯 と 一緒に 炊き込む !

そうした 細かい 仕事 に よって ―

ここ まで 見事 に 香ばしさ が ご飯 に 移っている わけ です

そして サンマ が また 素晴らしい !

塩気 の 中 に ある 深い 旨味 と フワッ と 香る 風味 が ―

噛みしめる 度 に 口 の 中 に 広がり ます !

他の 2 名 に 勝る と も 劣らない 品質 です !

この 厚み の ある 味 が 糠 サンマ と いう もの な の です か ?

(堂島 )いかにも 北海道 で 古く から 親しまれ て きた 伝統 食

素材 の 旨味 を 引き出し 臭み も 取って 栄養 価 も アップ する

最も うまく サンマ を 食う 方法 だ と 言い切る 者 も いる ほど

それにしても よくぞ ここ まで 味 を 高め た な

幸平

イチ か バチ か 時間 と の 勝負 で し た わ

魚河岸 で 上等 な サンマ を できる 限り 買い込んで ―

試作 を やり ながら 熟成 を 繰り返し まし た

もちろん 糠 漬け 以外 の 熟成 も 試し て 改良 し ながら ね

なかなか 旬 の 上物 に 対抗 できる もの は ―

でき なかった けど

本番 直前 ―

やっと 満足 いく 熟成 具合 に 届い た の が ―

この 糠漬け 熟成 だった ん す

(創真 )ふみ 緒 さん の 言葉 や 寮 で 仕込んでた 糠漬け

みんな から もらった 熟成 の ノウハウ

その 全部 が この 閃 ( ひらめ ) き に つながった !

あの 熟成 法 に 自力 で 辿り着いた と いう の か !

なまくら か と 思い きや ―

とんだ 名 刀 が ―

姿 を 現し た !

鉄 を 鍛え て 名 刀 を 生み出す 刀工 の ように ―

あの “秋 の 刀 ”を 彼 自身 が 育てた の だ !

(観客 の 歓声 )

♪~

~ ♪

(観客 の 歓声 )

すごい よ 創 真 君 !

ああ 文句なし だ ぜ !

あれ なら きっと 高 評価 を …

あ あっ !総帥 が …Nは だけ て ない !

(男子 生徒 L)おおい…N(男子生徒M)ああ…

( 男子 生徒 N ) うん …

(丸井 )堂島 シェフ と レオ ノーラ 女史 も もう 箸 を 置い てる

って こと は …

(大泉 )うーん …

目利き の 差 を 埋める こと に 時間 を 取られ 過ぎた か 幸平 少年

料理 の アイデア で は 2 人 に 届い て おらん !

(女子 生徒 C )やっぱり あの 2 人 に 敵 う わけ …

(男子 生徒 O )だ よ なぁ ~

(女子 生徒 D )予想 どおり 優勝 を 争う の は …

(男子 生徒 P )黒 木場 と 葉山 !

おかわり も 食べて ほしい ん す けど ―

まだ 食べ たい 人 い ない っす か ?

ここ まで …だ な

創 真 君 …

ただ今 を もって 審査 を 終了 と …

(創真 )おかわり し て 頂ける なら ―

こいつ を 注いで 食べて もらおう と 思って ん すけど

(仙 左 衛 門 )む う !

(レオ ノーラ )は っ …N(堂島 )う っ …

(葉山 )あっ …N(黒木場 )え えっ

(創真 )俺 の サンマ 料理 は まだ ―

完成 し て ない ん す よ

(創真 )この 刀 の ほんと の 切れ味 ―

お 見せ し ます !

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