この 素晴らしい 世界 に 祝福を !あぁ 、駄女神さま (15)
「し ーっ ! そこ は 黙って おいて あげなさい よ ! 今日 は まだ 爆裂 魔法 使って ないし 、後ろ に たくさんの 冒険者 が 控えてる から 強気な の よ 。 今 良い ところ な んだ から 、このまま 見守る の よ ! 俺 達 の 囁き が 聞こえて いた の か 、片手 で 杖 を 突きつけた ポーズ の まま 、めぐみん の 顔 が ほんのり と 赤く なる 。
デュラハン は と言えば 、なぜ か 、勝手に 納得 した ような 雰囲気 だ 。
「……ほう 、紅 魔 の 者 か 。 なるほど 、なるほど 。 その いか れた 名前 は 、別に 俺 を バカに して いた 訳 で は なかった の だ な 」
「おい 、両親 から もらった 私 の 名 に 文句 が ある なら 聞こう じゃないか 」
デュラハン の 言葉 に ヒートアップ する めぐみ んだ が 、当の 相手 は どこ 吹く 風 だ 。
と 言う か 、街中 の 冒険者 の 大群 を 見て も 、気にする 素振り も 見せて いない 。 流石 魔王 の 幹部 、俺達 みたいな ひよっ子 など 眼中 に 無い のだろう 。 「……フン 、まあ いい 。 俺 は お前 ら 雑魚 に ちょっかい かけ に この 地 に 来た 訳 で は ない 。 この 地 に は 、ある 調査 に 来た のだ 。 しばらく は あの 城 に 滞在 する 事 に なる だろう が 、これ から は 爆裂 魔法 は 使う な 。 いい な ? 「それ は 、私 に 死ね と 言っている も 同然 な のです が 。 紅 魔 族 は 日 に 一 度 、爆裂 魔法 を 撃た ない と 死ぬ んです 」
「お 、おい 、聞いた 事 ない ぞ そんな 事 ! 適当な 噓 を つく な ! どう しよう 、もう 少し めぐみ ん と あの モンスター の やり取り を 見守りたい 気分 に なってきた 。 見れば アクア も 、めぐみ ん が デュラハン に 噛みついている の を ワクワク して 眺めている 。
デュラハン は 右手 の 上 に 首 を 載せ 、そのまま 器用に 、やれやれ と 肩 を すくめて 見せた 。
「どう あって も 、爆裂 魔法 を 撃つ の を 止める 気 は 無い と ? 俺 は 魔 に 身 を 落とした 者 で は ある が 、元 は 騎士 だ 。 弱者 を 刈り取る 趣味 は 無い 。 だが 、これ 以上 城 の 近辺 で あの 迷惑 行為 を する の なら 、こちら に も 考え が ある ぞ ? 剣呑 な 気配 を 漂わせて きた デュラハン に 、めぐみん が ビクリ と 後ずさった 。
だが め ぐみん は 、不敵 な 笑み を 浮かべる と …… !
「迷惑な の は 私達 の 方 です ! あなた が あの 城 に 居座って いる せい で 、私達 は 仕事 も ろくに できない んです よ ! ……フッ 、余裕 ぶって いられる の も 今 の 内 です 。 こちら に は 、対 アンデッド の スペシャリスト が いる のです から ! 先生 、お 願い します ! 盛大な 啖呵 を 切った 後 、めぐみ ん は アクア に 丸投げ した 。
………… おい 。
「しょうがない わ ね ー ! 魔王 の 幹部 だ か 知らない けれど 、この 私 が いる 時 に 来る と は 運 が 悪かった わね 。 アンデッド の くせに 、力 が 弱まる こんな 明るい 内 に 外 に 出て来ちゃう なんて 、浄化 して 下さい って 言ってる ような もの だ わ ! あんた の せい で まともな クエスト が 請け られない の よ ! さあ 、 覚悟 は いい かしらっ!?」 先生 呼ばわり された アクア は 、 満 更 でも 無 さ そうに デュラハン の 前 に 出た 。 固唾 を 吞んで 成り行き を 見守る 冒険者達 の 視線 を 浴びながら 、アクア が デュラハン に 片手 を 突き出す 。
それ を 見た デュラハン は 、興味深 そうに 自分 の 首 を アクア に 向かって 前 に 出した 。
これ が デュラハン なり の 、マジマジ と 見る 行為 に なる のだろう 。
「ほう 、これ は これ は 。 プリースト で は なく アークプリースト か ? この 俺 は 仮にも 魔王 軍 の 幹部 の 一人 。 こんな 街 に いる 低 レベル の アークプリースト に 浄化 さ れ る ほど 落ちぶれて は いない し 、アークプリースト 対策 は できて いる のだが …… 。 そう だ な 、 ここ は 一 つ 、 紅 魔 の 娘 を 苦しま せて や ろ うかっ! デュラハン は 、アクア が 魔法 を 唱えよう と する より も 早く 、左手 の 人差し指 を めぐみん へ と 突き出した 。
そして デュラハン は すかさず 叫ぶ !
「汝 に 死 の 宣告 を ! お前 は 一 週間 後 に 死ぬ だろう !!」
デュラハン が 呪い を 掛ける の と 、ダクネス が めぐみん の 襟首 を 摑み 、自分 の 後ろ に 隠した のは 同時 だった 。
「なっ!?ダ、ダクネス!?」めぐみんが叫ぶ中、ダクネスの身体がほんのりと、一瞬だけ黒く光る。 くそっ 、やられた 、死 の 宣告 か ! 「ダクネス 、大丈夫 か !?痛い 所 と か は 無い か ? 俺 が 慌てて 聞く も 、ダクネス は 自分 の 両手 を 確認 する かの 様 に ワキワキ と 何度 か 握り 。
「……ふむ 、なんとも 無い のだが 」
いたって 平気 そうに 言って のけた 。
だが 、デュラハン は 確かに 叫んだ 。
一 週間 後 に 死ぬ 、と 。
呪い を 掛け られた ダクネス を アクア が ぺたぺた と 触る 中 、デュラハン は 勝ち誇った 様 に 宣言 する 。
「その 呪い は 今 は なんとも 無い 。 若干 予定 が 狂った が 、仲間 同士 の 結束 が 固い 貴様ら 冒険者 に は 、むしろ こちら の 方 が 応え そうだ な 。 ……よい か 、紅 魔族 の 娘 よ 。 このまま で は その クルセイダー は 一 週間 後 に 死ぬ 。 ククッ 、お前 の 大切な 仲間 は 、それ まで 死 の 恐怖 に 怯え 、苦しむ 事 と なる のだ …… 。 そう 、貴様 の 行い の せい で な ! これ より 一 週間 、仲間 の 苦しむ 様 を 見て 、自ら の 行い を 悔いる が いい 。 クハハハッ 、素直に 俺 の 言う 事 を 聞いて おけば よかった のだ ! デュラハン の 言葉 に めぐみ ん が 青ざめる 中 、ダクネス が 戦き 叫んだ 。
「な 、なんて 事 だ ! つまり 貴様 は 、この 私 に 死 の 呪い を 掛け 、呪い を 解いて 欲しく ば 俺 の 言う 事 を 聞け と ! つまり は そういう 事 な の か ! 「えっ 」ダクネス が 何 を 言った の か 理解 できなかった デュラハン が 、素 で 返した 。 俺 も 、同じく 何 を 言って いる の か 理解 が できない 。 ……し たく ない 。
「 くっ……! 呪い ぐらい で は この 私 は 屈し は し ない ……! 屈し は し ない が ……っ ! ど 、どう しよう カズマ ! 見る が いい 、あの デュラハン の 兜 の 下 の いやらしい 目 を ! あれ は 私 を このまま 城 へ と 連れて 帰り 、呪い を 解いて 欲しく ば 黙って 言う 事 を 聞け と 、凄まじい ハードコア 変態 プレイ を 要求 する 変質者 の 目 だっ ! 大衆 の 前 で 、突然 変質者 呼ばわり された 可哀想な デュラハン は 、ぽつり と言った 。
「……えっ 」気の毒 に 。 「この 私 の 体 は 好き に できて も 、心 まで は 自由 に できる と は 思う な よ ! 城 に 囚われ 、魔王 の 手先 に 理不尽な 要求 を さ れる 女騎士 と かっ ! ああ 、どう しよう 、どう しよう カズマっ !!予想外に 燃える シチュエーション だ ! 行き たく は ない 、 行き たく は ない が 仕方 が ない ! ギリギリ まで 抵抗 して みる から 邪魔 は し ないで くれ ! で は 、行って くる ! 「え えっ !?」「止めろ 、行く な ! デュラハン の 人 が 困ってる だろ ! ノコノコ と 敵 に 付いて行こう と する ダクネス を 羽交い締め に して 引き止める と 、デュラハン が ほっと している 姿 が 見えた 。
「と 、とにかく ! これ に 懲りたら 俺 の 城 に 爆裂 魔法 を 放つ の は 止めろ ! そして 、紅 魔族 の 娘 よ ! そこ の クルセイダー の 呪い を 解いて 欲しく ば 、俺 の 城 に 来る が いい ! 城 の 最上階 の 俺 の 部屋 まで 来る 事 が できた なら 、その 呪い を 解いて やろう ! ……だが 、城 に は 俺 の 配下 の アンデッドナイト 達 が ひしめいて いる 。 ひよっ子 冒険 者 の お前達 に 、果たして 俺 の 所 まで 辿り着く 事 が できる かな ? クククククッ 、クハハハハハハッ ! デュラハン は そう 宣言 する と 、哄笑 し ながら 、街 の 外 に 停めて いた 首 の 無い 馬 に 乗り 、そのまま 城 へ と 去って 行った ……。
6.
あまり と 言えば あんまりな 展開 に 、集められた 冒険者達 は 呆然と 立ち尽くしていた 。
それ は 、俺 も 同じ 事 だ 。
俺 の 隣 で は 、めぐみん が 青い 顔 で わなわな と 震え 、杖 を ぎゅっと 握り 直す 。
そして 、一人 で 街 の 外 へ 出て 行こう と する 。
「おい 、どこ 行く 気 だ 。 何 しようって 言う んだ よ 」俺 が めぐみ んの マント を 引っ張る と 、めぐみん は 足 に 力 を 込めて 抵抗 し ながら 、こちら を 振り向き も せず に 言ってくる 。 「今回 の 事 は 私 の 責任 です 。 ちょっと 城 まで 行って 、あの デュラハン に 直接 爆裂 魔法 ぶち込んで 、ダクネス の 呪い を 解かせて きます 」めぐみん 一人 で 行った ところ で 、どう なる もん でも ないだろう に 。 ……と 言う か 。
「俺 も 行く に 決まってる だろう が 。 お前 一 人 じゃ 、雑魚 相手 に 魔法 を 使って それ で 終わっちゃう だろ 。 そもそも 、俺 も 毎回 一緒に 行きながら 、幹部 の 城 だって 気づか なかった マヌケ だ しな 」
俺 の 言葉 に しばらく 渋い 表情 を 浮かべて い ため ぐみん は 、やがて 諦めた 様 に 肩 を 落とした 。
「……じゃあ 、一緒に 行きます か 。 でも 相手 は アンデッドナイト が ひしめいて いる らしい です 。 と なる と 、武器 は 効き に くい です ね 。 私 の 魔法 の 方 が 効果的 な はずです 。 ……な ので 、こんな 時 こそ 私 を 頼り に して ください ね 」
言って 、めぐみ ん は 微かに 笑み を 浮かべた 。
アンデッドナイト って 言う からに は 、鎧 を 着た 相手 なのだろう 。 そんな の が 相手 で は 、安物 の 剣 しか 持たない 俺 は 途端に 無力に なる 。
だが 、 それ なら それ で 考え が あった 。
「俺 の 敵 感知 スキル で 城 内 の モンスター を 索敵 し ながら 、潜伏 スキル で 隠れ つつ 、こそこそ 行こう 。 もしくは 、毎日 城 に 通って 一 階 から 順に 、爆裂 魔法 で 敵 を 倒して 帰還 。 毎日 地道に 敵 を 削って いく 。 ……一週間 の 期限 が ある なら 、そんな 作戦 で いって も いい 」
俺 の 提案 に 少し は 希望 が 持てた の か 、めぐみん が 明るい 表情 で 頷いた 。
俺 と めぐみ ん は ダクネス の 方 を 振り返る と 。
「おい ダクネス ! 呪い は 絶対 に 何とか して やる から な ! だ から 、安心 ……」
「『セイクリッド ・ブレイクスペル 』! ダクネス を 元気付けよう と 、俺 が 声 を 掛ける 最中 。
それ を 遮る 形 で アクア が 唱えた 魔法 を 受けて 、ダクネス の 体 が 淡く 光った 。
そして 、どことなく 残念 そうな 、しょんぼり と した ダクネス と は 対照的に 、アクア が 嬉々 と して 言って きた 。
「この 私 に かかれば 、デュラハン の 呪い の 解除 なんて 楽勝 よ ! どう 、どう ? 私 だって 、たまに は プリーストっぽい でしょう ? 「「……えっ 」」……勝手に 盛り上がって いた 、俺 と めぐみん の やる気 を 返せ 。 7.
魔王 の 幹部 襲撃 事件 から 何事 も 無く 一 週間 が 経った ある 日 の 事 。
「クエスト よ ! キツく て も いい から 、クエスト を 請けましょう ! 「「えー …… 」」
突然 そんな 事 を 言い出した アクア に 、俺 と めぐみん の 不満の 声 が 同時に 漏れた 。
アクア を 除いて 、俺達 の 懐 は 潤って いる 。
高 難易度 な クエスト しか 無い 今 、わざわざ 仕事 を したい と は 思わない 。 「私 は 構わない が 。 ……だが 、アクア と 私 で は 火力 不足 だろう ……」
ダクネス が ちらちら と 俺 と めぐみん の 方 を 見る 。
そんな 目 で 見 られて も 、俺 と めぐみん は 無理 して 危険な クエスト を 受ける 必要性 が 無い 。
乗り気 じゃ ない 俺達 を 見て 、いよいよ アクア が 泣き出した 。
「 お 、 お 願い よ おお おお おお ! もう バイト ばかり する の は 嫌 な の よ お ! コロッケ が 売れ残る と 店長 が 怒る の ! 頑張る から ! 今回 は 、私 、全力 で 頑張る から あ ぁっ !!」俺 と めぐみん は 顔 を 見合わせる 。 「しょうが ねえ なあ ……。 じゃあ 、ちょっと 良さそう だ と 思う クエスト 見つけて 来い よ 。 悪く ない の が あったら 付いてって やる から 」その 言葉 に 、アクア は 嬉々 として クエスト 掲示板 へ と 駆け出す 。