この 素晴らしい 世界 に 祝福を !あぁ 、駄女神さま (13)
1.
「知って る か ? なんでも 魔王軍 の 幹部 の 一人 が 、この 街 から ちょっと 登った 丘 に ある 、古い 城 を 乗っ取った らしい ぜ 」
ギルド に 併設 さ れた 酒場 の 一角 。
俺 は 昼間 から 酒 を 飲んで 駄弁って いる 、相席 している 男 の 話 を 聞いていた 。 俺 は と 言えば 酒 で は なく 、男 と 向かい合い ながら ネロイド の シャワシャワ を 飲んで いる 。
ネロイド と は 何 か 。
シャワシャワ と は 何 なの か 。
酒 を あまり 飲ま ない 人達 が よく コレ を 飲んで いる ので 、俺 も 興味本位 で 飲んで みた のだ が ……。
美味 い の か と 言われたら こう 答える しか ない 。
……うん 、分からん 。
だが 、シャワシャワ の 意味 は 分かった 。
飲んだ 後 シャワシャワ する 。
だが 炭酸 で は ない 。 自分 でも 、シャワシャワ する の 意味 が 分からない のだ が 、これ は シャワシャワ と しか 表現 できない 。
俺 は ネロイド を 飲み干し テーブル に 置き …… 。
「魔王 の 幹部 ねぇ 。 物騒な 話 だ けど 、俺達 に は 縁の無い 話 だよな 」
「違え ねえ 」
目の前 の 男 が 、俺 の やる 気 無い 無責任 な 言葉 に 笑い ながら 同意 した 。
冒険者 ギルド で 駄弁って いる 連中 は 意外に 多く 、面白い 話 が 色々 聞ける 。 どこ そこ で 危険な モンスター を 見かけた から 、暫く は あの 辺り で の クエスト は 受け ない 方が いい とか 。
あの モンスター は 、柑橘系 の 果物 の 汁 を 身体 に 付けて おく と 匂い を 嫌って 寄って こない だ とか 。
と 言う か 、この 世界 に 来て から は 生きて いく のに 精一杯 で 、こういった 情報 収集 は した 事 が 無かった 。
情報 収集 は ゲーム に おいて 最も 大事な フラグ 回収 作業 だ 。
酒場 で の 、こういった 会議 は いかにも 冒険者 っぽくて 心地よい 。 向かい の 冒険者 の 男 が 言った 。
「ま 、何 に せよ 。 街 の 北 の 外れ に ある 廃城 に は 近づかない 方が いい 。 王国 の 首都 で も ない こんな 所 に 、何で 魔王 の 大幹部 様 が やって来た の か は 知らない が ね 。 幹部 って からに は 、オーガロード や ヴァンパイア 。 はたまた 、 アークデーモン か ドラゴン か 。 いずれ に しても 、俺達 が 会ったら 瞬 殺さ れる 様 な 化け物 が 住んでる の は 間違い ない 。 廃 城 近く で の クエスト は 、しばらく 避けた 方が 無難だ な 」
男 に 礼 を 言って 席 を 立ち 、俺 は 自分達 の パーティー の テーブル へ と 向かう と ……。
「…… どうした ? 俺 を 、そんな 変な 目 で 見て 」
アクア と ダクネス と めぐみん が 、テーブル の 真ん中 に 置いた 、コップ に さした 野菜 スティック を ぽりぽり かじり 、俺 を 見て いた 。
「 別に ー ? カズマ が 、他の パーティー に 入ったり し ない か 心配 なんて して ないし 」
アクア が 、言い ながら 、ちょっと だけ 不安 そうな 目 で チラチラ 見て くる 。
「……? いや 、情報 収集 は 冒険 の 基本 だろう が 」
俺 は 三 人 の いる テーブル 席 に 座り 、俺 も 一本 貰おう と 、野菜 スティック に 手 を 伸ばす 。
クイッ 。
野菜 スティック が 俺 の 伸ばした 手 から 逃れる ように 、ひょいと 身 を かわした 。
…… おい 。
「何 やって ん の よ カズマ 」
アクア が テーブル を バン と 叩く と 、野菜 スティック が ビクリ と 跳ねる 。
一瞬 動か なく なった 野菜 スティック を 、アクア が 一本 つまんで 口 に 運ぶ 。
「……む う 。 楽し そう です ね 。 楽し そうでした ね カズマ 。 他の パーティー の メンバー と 、随分 親しげ でした ね ? めぐみ ん が 、拳 を 握って テーブル を ドンと 叩き 、怯ませた 野菜 スティック を つまみ 、口 に 運んだ 。
「……何 だ この 新 感覚 は ? カズマ が 他所 の パーティー で 仲良く やって いる 姿 を 見る と 、胸 が もやもや する 反面 、何か 、新たな 快感 が ……。 もしや 、これ が 噂 の 寝取られ …… ? おかしな 事 を 口走る どう しようもない 変態 が 、コップ の フチ を ピンと 指 で 弾き 、そのまま 野菜 スティック を 指 で 摘まむ 。
「なんだ 、どうした お前ら 。 こういった 場所 で の 情報 収集 は 基本 だろう が ……? 言い ながら 俺 は バン と テーブル を 叩く と 、 野菜 スティック に 手 を ……。
ヒョイッ 。
「……………………だ ああ ああ らっしゃ ああ ああ ああ ああ ! 「や 、やめて ええ ! 私 の 野菜 スティック に 何 すん の ! た 、食べ物 を 粗末に する の は いく ない ! 俺 は 野菜 スティック を 摑み損ねた 手 で 、今度 は スティック が 入った コップ ごと 摑む と 、それ を 壁 に 叩きつけよう と 振りかぶる が 、半泣き の アクア に 手 を 摑まれる 。
「野菜 スティック ごとき に 舐め られて たまる か ! て ゆ ー か 今更 突っ込む の も なんだ が 、何で 野菜 が 逃げる んだ よ 。 ちゃんと 仕留めた やつ を 出せよ 」
「なに 言って ん の 。 お 魚 も 野菜 も 、何 だって 新鮮な 方が 美味しい でしょ ? 活き作り って 知ら ない の ? こんな 活き 作り が あって たまる か 。
俺 は 野菜 スティック を 食う の は 諦め 。
「は あ ……。 まあ 、野菜 は 今 は どう でも いい 。 それ より お前 ら に 聞きたい 事 が ある んだ よ 。 レベル が 上がったら 、次 は どんな スキル を 覚えよう か と 思って な 。 ハッキリ 言って バランス が 悪 すぎる から な この パーティー は 。 自由 の 利く 俺 が 穴 を 埋める 感じ で 行きたい んだ が ……。 そう いや 、お前ら の スキル って どんな 感じ なんだ ? そう 、効率 よく クエスト を こなして いく なら 、パーティー メンバー と の 相性 を 考えた スキル を 覚えて いく 方が いい 。
そう 思って 相談 を 持ちかけた 訳 だ が 。
「 私 は 《 物理 耐性 》 と 《 魔法 耐性 》、 各種 《 状態 異常 耐性 》 で 占めてる な 。 後 は デコイ と いう 、囮 に なる スキル ぐらい だ 」
「……《 両手 剣 》 と か 覚えて 、 武器 の 命中 率 を 上げる 気 は ない の か ? 「 無い 。 私 は 言って は 何 だが 、体力 と 筋力 は ある 。 攻撃 が 簡単に 当たる 様 に なって しまって は 、無傷で モンスター を 倒せる 様 に なって しまう 。 かといって 、手加減 して わざと 攻撃 を 受ける の は 違う のだ 。 こう ……、必死に 剣 を 振るう が 当たらず 、力 及ばず 圧倒 されてしまう と いう のが 気持ちいい 」「もう いい 、お前 は 黙ってろ 」「……ん ん ……っ ! 自分 から 聞いて おいて この 仕打ち ……」
頰 を 赤らめ 、ハアハア 言って いる ダクネス は 放置 する 。
めぐみ ん を 見る と 、小 首 を 傾げて 口 を 開いた 。
「私 は もちろん 爆裂 系 スキル です 。 爆裂 魔法 に 爆発 系 魔法 威力 上昇 、高速 詠唱 など 。 最高の 爆裂 魔法 を 放つ ため の スキル 振り です 。 これ まで も 。 もちろん 、これ から も 」
「……どう 間違っても 、中級 魔法 スキル とか は 取る 気 は ない の か ? 「無い です 」
こいつ も 駄目 だ ……。
「えっと 、私 は ……」「お前 は いい 」「え えっ !?」自分 の スキル を 言おう と した アクア を 黙らせる 。 宴会 芸 と か 宴会 芸 と か 宴会 芸 と か そんな ん だろう 。
しかし …………。
「何で こう 、まとまり が 無い んだ よ この パーティー は ……。 本当に 移籍 を ……」
「「「!?」」」
俺 の 小さな 呟き に 、三 人 が ビクリ と した 。
2.
例 の 、緊急の キャベツ 狩り クエスト から 数 日 が 経過 した 。
あの 時 収穫 した キャベツ が 軒並み 売り に 出さ れ 。
そして 、冒険者 達 に は その 報酬 が 支払われた のだが 。
「カズマ 、見て くれ 。 報酬 が 良かった から 、修理 を 頼んで いた 鎧 を 少し 強化 して みた 。 ……どう 思う ? 報酬 を 受け取ろう と する 冒険者 達 に よって 酷い 混雑 の ギルド 内 で 、ダクネス が 嬉々 と して 修理 から 返ってきた 鎧 を 見せつけてきた 。
それ は 一言 で 言う と …………、
「なんか 、成金 趣味 の 貴族 の ボンボン が 着けて る 鎧 みたい 」
「……カズマ は どんな 時 でも 容赦 ない な 。 私 だって 素直に 褒めて 貰いたい 時 も ある のだが 」ダクネス が 、珍しく ちょっと へこんだ 顔 で 言って くる 。 知ら ん よ そんな もん 。
そんな 事 より 。
「今 は お前 より 酷い の が いる から 、構って やれる 余裕 は ない ぞ 。 お前 を 超え そうな 勢い の そこ の 変態 を 何とか しろ よ 」
「ハア ……ハア ……。 た 、たまらない 、たまらない です ! 魔力 溢れる マナタイト 製 の 杖 の この 色艶 ……。 ハア ……ハア ……ッ ! めぐみ ん が 、新調 した 杖 を 抱きかかえ 頰ずり して いた 。
マナタイト と か いう 希少 金属 は 、杖 に 混ぜる と 魔法 の 威力 が 向上 する 性質 を 持っている らしい 。
高額な 報酬 で 杖 を 強化 し 、めぐみん は 朝 から ずっと この 調子 だ 。
何でも 、爆裂 魔法 の 威力 が これ で 何 割 か 増す らしい 。
ただ でさえ オーバーキル 気味 な 爆裂 魔法 を これ 以上 強化 して どう する の か 、そんな 事 より もっと 他 に 習得 す べき 便利 な 魔法 が ある んじゃ ない の か ? と か 、言いたい 事 は 色々 ある が 、今 の めぐみん に は あまり 関わりたく ない ので 放っておく 。 俺 も すでに 換金 が 終わって ホクホク だ 。
キャベツ を 追う モンスター を 引きつけた ダクネス 。
それ を まとめて 粉砕 した めぐみ ん 。
そんな 、皆 の 活躍 を 他所 に 、一人 マイ ペース に キャベツ を 追いかけて いた アクア 。
キャベツ 狩り で 得た 報酬 は 、均等に 分ける ので はなく 、それぞれ 自分 で 捕まえた 分 を そのまま 報酬 に しよう と いう 事 に なった 。
それ は 、俺 に 次ぐ 収穫量 だった アクア が 言い出した 事 だ 。
そして 今 。 その 言い出しっぺ の 換金 を 待って いる のだが …… 。 「なんで すって え ええ ええ !?ちょっと あんた どういう 事 よっ ! ギルド に 響き渡る アクア の 声 。
ああ …… 。 嫌だ なあ …… 。
ギルド の 受付 カウンター で は 、案の定 アクア が 揉めて いた 。
ギルド の 受付 の お姉さん の 胸ぐら を 摑み 、何やら いちゃもん つけている 。
「何で 五万 ぽっち な の よ ! どれ だけ キャベツ 捕まえた と 思って ん の !?十 や 二十 じゃ ない はず よ ! 「そそ 、それ が 、申し上げ 難い のです が ……」
「何 よ ! 「…… アクア さん の 捕まえて きた の は 、 殆ど が レタス で ……」
「…………なんで レタス が 交じって る の よ ー ! 「わ 、私 に 言わ れ まして もっ ! 会話 の やり取り を 聞く に 、どうも 報酬 額 が 納得 いく もの で は なかった らしい 。
これ 以上 受付 に 言って も 無駄だ と 踏んだ の か 、アクア が 後ろ に 手 を 組み 、にこやかな 笑顔 で 俺 に 近づいて きた 。
「カーズマ さん ! 今回 の クエスト の 、報酬 は お いくら 万 円 ? 「百万 ちょい 」
「「「ひゃっ !?」」」アクア と ダクネス 、めぐみん が 絶句 する 。 そう 、俺 は 降って湧いた 突発 クエスト で 、いきなり 小金持ち に なり ました 。
俺 の 収穫 した 物 は 、質 の 良い 、たくさんの 経験値 が 詰まった キャベツ が 多かった そうだ 。
これ も 幸運 度 の 差 と いう やつ か 。
「カズマ 様 ー ! 前 から 思って たんだ けれど 、あなたって その 、そこはかとなく 良い 感じよね ! 「特に 褒める 所 が 思い浮かばない なら 無理 すんな 。 言っと く が 、この 金 は もう 使い道 決めてる から な 、分けん ぞ 」先手 を 打った 俺 の 言葉 に アクア の 笑顔 が 凍りついた 。 「カズマ さ ああ ああ ああ あん ! 私 、クエスト 報酬 が 相当な 額 に なる って 踏んで 、この 数日 で 、持ってた お金 、全部 使っちゃった んですけど ! てい うか 、大金 入って くるって 見込んで 、ここ の 酒場 に 十万 近い ツケ まで ある んです けど !!今回 の 報酬 じゃ 、足りない んです けど ! 半 泣き で すがりついて くる アクア を 引き剥がし 、何で こいつ は 後先 考え ない んだろう と 、痛む こめかみ を 指 で 押さえた 。
「知る か 、そもそも 今回 の 報酬 は 『それぞれ が 手 に 入れた 報酬 を そのまま に 』って 言い出した の は お前 だ ろ 。 と 言う か 、いい加減 拠点 を 手に入れたい んだ よ 。 いつまでも 馬 小屋 暮らし じゃ 落ち着か ないだろ ? 通常 、冒険者 は 家 を 持たない 。
冒険者 は 安定 を 求めず 、あちこち を 飛び回る 事 が 多い から だ 。
まあ 成功 する 冒険者 など 一握り で 、ほとんど の 冒険者 は 、その日暮らし が 多く 金 が 無い と いう の も 理由 の 一つ だ が 。
ぶっちゃけ 、俺 は この メンツ で の 魔王 討伐 なんて 無理 だ と 諦め かけてる 。
魔王軍 と 戦う 仕事 は 、先 に ここ に 送り込まれた 、強力な 能力 だの 装備 だの を 貰った 連中 が やれば いい 。
なん せ 、俺 は 誰 に でも なれる 初期 職業 、最弱 職 の 冒険者 だ 。
しかも 、子供 の 頃 から 冒険者 を 目指し 鍛えて いた 様 な 連中 に 比べれば ステータス だって 劣る 、本当に どこにでも いる 一般人 だ 。
適度に 安全に 、好奇心 を 満足 させられる 程度 に 冒険 が できて 、後 は のんびり と 暮らして いければ それで いい 。 な ので 、ここ ら で 一つ 賃貸 、もしくは 安ければ 、小さな 小屋 みたいな 物件 でも 手に入ら ない か な と 思った 次第 だ 。
アクア が いよいよ 泣き そうな 顔 で すがりつく 。
「 そんなあ ああ ああ ! カズマ 、お 願い よ 、お金 貸して ! ツケ 払う 分 だけ で いい から ぁ ! そりゃ あ カズマ も 男の子 だ し 、馬小屋 で たまに 夜中 ゴソゴソ してる の 知ってる から 、早く プライベートな 空間 が 欲しい のは 分かる けど ! 五万 ! 五万 で いい の ! お 願い よ お おお おお ! 「よし 分かった 、五万 でも 十万 でも お安い もん だ ! 分かった から 黙ろう か !!」