この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (11)
まあ 、 他の 日本 人 も 同じ 知識 を 持って いる 訳 だ が 、 その 連中 は 俺 と は 違って ちゃんと 神 から 貰った 特殊 能力 が ある 。
そんな 連中 は 、 俺 みたいに 商売 なんて 面倒な 事 は 考え ず 、 基本 に 忠実に クエスト を こなして 生活 して いる 事 だろう 。
何 が 言いたい か と いう と 、 俺 は 冒険 者 なんて 割に 合わ ない と 思って きて いる 。 今 の ところ 、 カエル 狩り と キャベツ 狩り しか して いない が 、 他の クエスト を 見て みて も 、 内容 の 割に その 報酬 は とても 安い 。 この 世界 で の 命 の 値段 は 軽 過ぎる と 思う のだ 。
一応 、 アクア の 手前 で は 魔 王 が どう と か 言って は いる が 、 正直な ところ 、 俺 と して は まともに 魔 王 討伐 なんて もの は 視野 に 入れて は いない 。 な ので 、 俺 が この 世界 で どう やったら 一 番 楽に 生計 を 立てて 行ける か を 模索 中 な のだ が 。
「 と 、 いう 訳 で お前 も 何 か 考えろ ! 何 か 、 手軽に できて 儲かる 商売 でも 考えろ ! あと 、 お前 の 最後 の 取り柄 の 回復 魔法 を とっとと 俺 に 教えろ よ ! スキルポイント 貯まったら 、 俺 も 回復 魔法 の 一 つ ぐらい 覚えたい んだ よ ! 「 嫌 ーっ! 回復 魔法 だけ は 嫌 ! 嫌 よ おっ! 私 の 存在 意義 を 奪わ ないで よ ! 私 が いる んだ から 別に 覚え なくて も いい じゃ ない ! 嫌 ! 嫌 よ おお おっ! 言って テーブル に 突っ伏し 、 唯一 の 存在 意義 を 奪わ れ まい と おいおい 泣き 始める アクア 。 と 、 そんな 俺 達 の もと に めぐみ ん と ダクネス が 帰って 来た 。
「…… 何 を やって いる んです か ? …… カズマ は 結構 えげつない 攻撃力 が あります から 、 遠慮 なく 本音 を ぶちまけて いる と 大概 の 女性 は 泣きます よ ? 「 うむ 。 ストレス 溜まって いる の なら ……。 アクア の 代わり に 私 を 口汚く 罵って くれて も 構わ ない ぞ 。 …… クルセイダー たる も の 、 誰 か の 身代わり に なる の は 本望 だ 」
二 人 の 視線 は 、 テーブル の 上 で 泣き 続ける アクア に 注がれて いる 。 皆 の 注目 を 集めて いる の を 自覚 した の か 、 泣き ながら も 、 顔 を 埋めた 腕 の 隙間 から 時折 こちら を チラッチラッ と 窺う の が ちょっと イラッ と する 。
「 こいつ の 事 は 気 に し なくて いい 。 しかし ……」
俺 は 、 ダクネス を チラ と 見た 。
「…… ダクネス さん 、 着 瘦せする タイプ な んです ね ……」
今日 の ダクネス は タイト な 黒 の スカート に 黒 の タンクトップ と 革 ブーツ 。
そして その 格好で 背 に 大 剣 を 担ぐ 姿 は 、 騎士 と 言う より 剣士 に しか 見え ない 。
先日 の キャベツ 狩り で 、 モンスター に 袋叩き に さ れた 際 、 着て いた 鎧 が 傷み 、 今 は 修理 に 出して いる らしい 。
俺 は 、 薄着 の ダクネス に 思わず 敬語 に なって しまって いた 。
ダクネス は 、 締まる べき ところ は 締まり 、 それでいて 全体 的に むちっと した 身体 。 端的に 言えば エロ い 体付き って ヤツ だ 。 しかも 隣 に 立つ めぐみ ん と 比較 さ れ 、 尚更 その 体格 と 体付き が 目立つ 。
美人 で 身体 も 良い と なる と 、 多少 の 性格 の 破綻 に は 目 を 瞑って も いい と すら 思えて 来て …………。
「…… む 、 今 、 私 の 事 を 『 エロ い 身体 しやがって この メス豚 が ! 』 と 言った か ? 「 言って ねえ 」
アクア とめぐ みん の 方 も チラリ と 見て ……。
…… やはり いくら 顔 が 良くて も 、 性格 が 一 番 大事だ と 再 認識 する 。
と 、 めぐみ ん が 。
「 おい 、 今 私 を チラ 見 した 意味 を 聞こう じゃ ない か 」
「 意味 は 無い さ 。 ただ 、 俺 に ロリコン 属性 が 無くて 良かった と 思った だけ だ 」
「 紅 魔 族 は 売ら れた 喧嘩 は 買う 種族 です 。 よろしい 、 表 に 出よう じゃ ない です か 」
めぐみ ん が 俺 の ジャージ の 袖 を グイグイ 引っ張り 、 外 に 連れ出そう と する が 、
「 話 を 戻す が クエスト を 受ける なら 、 アクア の レベル 上 げ が できる もの に し ない か ? ダクネス が そんな 事 を 言って きた 。
「 どういう 事 だ ? そんな 都合 の いい クエスト なんて ある の か ? と いう か アクア の 場合 、 必要な スキル は 初期 ポイント で ほとんど 習得 済み らしい から 、 あまり レベル 上げ に こだわる 必要 は 無い 気 も する が 。
「 プリースト は 一般 的に レベル 上 げ が 難しい 。 なにせ プリースト に は 攻撃 魔法 なんて もの が 無い から な 。 戦士 の ように 前 に 出て 敵 を 倒す わけで も なく 、 魔法使い の ように 強力な 魔法 で 殲滅 する わけで も ない 。 そこ で 、 プリースト 達 が 好んで 狩る の が アンデッド 族 だ 。 アンデッド は 不 死 と いう 神 の 理 に 反した モンスター 。 彼ら に は 、 神 の 力 が 全て 逆に 働く 。 回復 魔法 を 受ける と 身体 が 崩れる のだ 」
ああ 、 なんか そんな 話 を 聞いた 事 が ある 。
大概 の ゲーム でも 常識 に 近い 話 だ 。
回復 魔法 は アンデッド に は 攻撃 魔法 代わり に なる と 。
しかし なあ 。 この 駄 女神 を 鍛えて も ……。
…… と 、 俺 は 閃いた 。
俺 は 、 自分 の レベル が 上がった 際 に 色々な ステータス が 上がって いた 。
じゃあ 、 アクア は ?
この 、 テーブル の 上 で 泣き 真似 し ながら 構って 欲し そうに チラチラ こっち を 見て いる バカ の レベル が 上がり 、 知力 が 上がって くれれば 何より の 戦力 アップ だ 。
「 うん 、 悪く ない な 。 問題 は ダクネス の 鎧 が まだ 戻って きて ない こと な んだ が ……」
すると 、 ダクネス は 腕 を 組み 、 堂々と 言って のける 。
「 うむ 、 私 なら 問題 ない 。 伊達に 防御 スキル に 特化 して いる 訳 で は ない 。 鎧 無し でも アダマンマイマイ より 硬い 自信 が ある 。 それ に 、 殴ら れた 時 、 鎧 無し の 方 が 気持ち良い しな 」
「…… お前 今 殴ら れる と 気持ち良いって 言った か 」 「…… 言って ない 」 「 言った ろ 」 「 言って ない 。 …… 後 は 、 アクア に その 気 が ある か だ が …………」
ダクネス が 、 未 だ 顔 を テーブル に 伏せて いる アクア に 視線 を 向ける 。
「 おい 、 いつまでも めそめそ して ないで 会話 に 参加 しろ よ 、 今 、 お前 の レベル の 事 ……」
俺 は アクア に 手 を 伸ばし 、 肩 を 叩こう と …………。
…… して 、 気 が ついた 。
「…… す か ー …………」
アクア は 泣き 疲れて 眠って いた 。
子供 か この 女神 は 。
7.
街 から 外れた 丘 の 上 。
そこ に は 、 お 金 の 無い 人 や 身寄り の 無い 人 が まとめて 埋葬 さ れる 共同 墓地 が ある 。
この 世界 の 埋葬 方法 は 土葬 。
その まん ま 土 に 埋める だけ だ 。
今回 受けた クエスト は 、 共同 墓場 に 湧く 、 アンデッド モンスター の 討伐 。
時刻 は そろそろ 夕方 に 差しかかろう と して いる 。
俺 達 は 現在 、 墓場 の 近く で 夜 を 待つ べく キャンプ を して いた 。
「 ちょっと カズマ 、 その 肉 は 私 が 目 を つけて た ヤツ よ ! ほら 、 こっち の 野菜 が 焼けて る んだ から こっち 食べ なさい よ こっち ! 「 俺 、 キャベツ 狩り 以来 どうも 野菜 が 苦手な んだ よ 、 焼いて る 最中 に 飛んだ り 跳ねた り し ない か 心配に なる から 」
墓場 から ちょっと 離れた 所 で 鉄板 を 敷き 、 バーベキュー を し ながら 夜 を 待つ 。
モンスター 討伐 の クエスト な のに 随分 と のんびり した 話 だ が 、 今回 引き受けた の は ゾンビメーカー と 呼ば れる 雑魚 モンスター の 討伐 。
ゾンビ を 操る 悪霊 の 一種 で 、 自ら は 質 の いい 死体 に 乗り移り 、 手下 代わり に 数 体 の ゾンビ を 操る そうな 。
駆け出し の 冒険 者 パーティー でも 倒 せる モンスター だ と 言う ので 引き受けた 訳 だ 。
これ なら 鎧 の 無い ダクネス でも あまり 危険 は ない だろう 。
腹 が いっぱいに なった 俺 は 、 マグカップ に コーヒー の 粉 を 入れ 、『 クリエイト ・ ウォーター 』 と いう 魔法 で 水 を 注ぎ 、 マグカップ の 下 を 『 ティンダー 』 と いう 火 の 魔法 で 炙る 。
キャベツ 狩り で 仲良く なった 魔法使い に 教えて もらった 初級 魔法 だ 。
ティンダー は 名前 の 通り 着火 に 使う 魔法 で 、 殺傷 能力 は ハッキリ 言って 無い 。
でも ライター 代わり に 重宝 して いる 。
そんな 俺 を 見て 、 めぐみ ん が 複雑 そうな 表情 で 自分 の コップ を 差し出した 。
「…… すいません 、 私 に も お 水 ください 。 って 言う か カズマ は 、 何 気 に 私 より 魔法 を 使いこなして ます ね 。 初級 魔法 なんて ほとんど 誰 も 使わ ない もの な のです が 、 カズマ を 見て る と なんか 便利 そうです 」
俺 は めぐみ ん の コップ に クリエイト ・ ウォーター と 唱えて やる 。
「 いや 、 元々 そういった 使い 方 する もん じゃ ない の か ? 初級 魔法って 。 あ 、 そう そう 。 『 クリエイト ・ アース 』! …… なあ 、 これって 何 に 使う 魔法 な んだ ? 俺 は 手 の 平 に 出した 粉 状 の サラサラ した 土 を めぐみ ん に 見せた 。
初級 魔法 の 中 に は 色々な 属性 の 魔法 が ある のだ が 、 その 内 、 この 土 属性 の 魔法 だけ 使い道 が 分から ない 。
「…… えっと 、 その 魔法 で 創った 土 は 、 畑 など に 使用 する と 良い 作物 が 穫れる そうです 。 …… それ だけ です 」
その 説明 を 聞き 、 俺 の 隣 で アクア が 吹き出した 。
「 何 々 、 カズマ さん 畑 作る んです か ! 農家 に 転向 です か ! 土 も 創れる し クリエイト ・ ウォーター で 水 も 撒ける ! カズマ さん 、 天職 じゃ ないで す かや だ ー ! プークスクス ! 俺 は 右手 の 手 の 平 に 載った 土 を アクア に 向け 、 左手 を 構えた 。
「『 ウインドブレス 』! 「 ぶ ああ ああっ! ぎ ゃ ー ! 目 、 目 が ああ あっ! 突風 で 吹き飛ばさ れた 土 が アクア の 顔面 を 直撃 し 、 目 に 砂ぼこり が 入った 女神 は 地面 を 転がり 回って いる 。
「…… なるほど 、 こう やって 使う 魔法 か 」
「 違います ! 違います よ 、 普通 は そんな 使い 方 しません よ ! と いう か 、 なんで 初級 魔法 を 魔法使い 以上 に 器用に 使いこなして る んです か ! 8.
「…… 冷えて きた わ ね 。 ねえ カズマ 、 引き受けた クエストって ゾンビメーカー 討伐 よ ね ? 私 、 そんな 小物 じゃ なくて 大物 の アンデッド が 出 そうな 予感 が する んです けど 」
月 が 昇り 、 時刻 は 深夜 を 回った 頃 。
アクア が そんな 事 を ぽつり と 言った 。
「…… おい 、 そういった 事 言う な よ 、 それ が フラグ に なったら どう すんだ 。 今日 は ゾンビメーカー を 一体 討伐 。 そして 取り巻き の ゾンビ も ちゃんと 土 に 還 して やる 。 そして とっとと 帰って 馬 小屋 で 寝る 。 計画 以外 の イレギュラー な 事 が 起こったら 即刻 帰る 。 いい な ? 俺 の 言葉 に パーティー メンバー が こく り と 頷く 。
時刻 も そろそろ 頃合い だった 。
クリス から 教わった 、 敵 感知 スキル を 持つ 俺 を 先頭 に 、 俺 達 は 墓地 へ と 歩いて いく 。
アクア が 言った 一言 が 気 に なる が 、 普段 から この 女神 は ロク で も 無い 事 ばかり 口走って いる し 、 あまり 気 に 掛ける 事 も ない だろう 。
…… 無い はずだ 。
……………… ん ?
「 何 だろう 、 ピリピリ 感じる 。 敵 感知 に 引っかかった な 。 いる ぞ 、 一体 、 二 体 …… 三 体 、 四 体 ……? …… あれ 、 多い な ?
ゾンビメーカーって 、 取り巻き の ゾンビ は せいぜい 二 、 三 体って 聞いて た んだ が 。 この 程度 なら まあ 、 誤差 の 範囲 ……。
そんな 事 を 考えて いる と 、 墓場 の 中央 で 青白い 光 が 走る 。
…… 何 だ ?
それ は 、 妖しく も 幻想 的な 青い 光 。
遠く に 見える その 青い 光 は 、 大きな 円形 の 魔法 陣 。
その 魔法 陣 の 隣 に は 、 黒い ローブ の 人影 が 見えた 。
「…… あれ ? ゾンビメーカー …… で は ない …… 気 が …… する のです が ……」
めぐみ ん が 自信 無げに 呟いた 。
その 黒い ローブ の 周り に は 、 ユラユラ と 蠢く 人影 が 数 体 見える 。
「 突っ込む か ? ゾンビメーカー じゃ なかった と して も 、 こんな 時間 に 墓場 に いる 以上 、 アンデッド に 違いない だろう 。 なら 、 アークプリースト の アクア が いれば 問題 無い 」
ダクネス が 大 剣 を 胸 に 抱えた まま ソワソワ して いる 。
お前 は 落ち着け 。
その 時 、 アクア が とんでもない 行動 に 出た 。
「 あ ────────っ!!」 突如 叫んだ アクア は 、 何 を 思った の か 立ち上がり 、 そのまま ローブ の 人影 に 向かって 走り出す 。 「 ちょっ! おい 待て !