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逃げるは恥だが役に立つ, 逃げるは恥だが役に立つ#05 (02)

逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ #05 (02)

お帰り 百合 ちゃん 会社 は ?

明日 出る 代わり に 早 上がり した 何で また

あんた の せい でしょう が あれ 以来 連絡 よこさ ない から

とりあえず 中 に

平匡 さん が 帰って くる 前 に みくり の 気持ち 聞いて おき たい と

伯母 の 立場 で 言い たく ない んだ けど

言い たく ない んだ けど ね でも 言っ ちゃう けど ね 私 実は

見た んでしょ ? 私 と 風見 さん

聞いた ? 風見 に 聞いた 入って

まさか みくり が 不倫 で 二股 で 離婚 なんて いう こと に なったら

桜 に 顔 向け でき ない じゃ ない

より に よって 私 が 紹介 した マンション の 一室 が 不倫の 愛 の 巣 だ なんて

私 に も 責任 の 一端 が

百合 ちゃん 座って 落ち着いて

はっきり 言って 風見 の こと は 嫌い だ けど

でも どうしても みくり が 風見 と 一緒に なり たい と いう なら

私 は この 気持ち を グッと こらえる

でも ね どっち を 選ぶ こと に なって も

私 は みくり の 味方 だ から それ だけ は 覚え といて

ありがとう

でも ね 百合 ちゃん うん

私 と 風見 さん は 何でもない の

ホントに 何でも 何にも なくて

ただ 単に 風見 さん に 頼ま れて 風見 さん ち の 家事 代行 して る だけ

家事 代行 ? うん

ご飯 作ったり 掃除 したり 週 に 2 回

新婚 の 人妻 が

独身 男 の 家 で ?

平匡 さん は ? もちろん 知って る けど

何で 許す の ? 相手 は あの 風見 よ

何 考えて ん の 平匡 さん 百合 ちゃん

信じ られ ない 常識 が なさ すぎる

今 すぐ 平匡 呼び なさい 説教 して やる

( 携帯 着信 )

「 風見 さん 宅 で 家事 代行 を して いる と 話したら 火 に 油 」

「 ごめんなさい 」

すいません 遅く なって

百合 さん は ? 寝て ます

寝て る ? ここ 最近 寝不足 だった みたいで

倒れる ように 寝て くれ ました

すごく 怒って た ので 少し でも 気 を 静めよう と

お酒 を 飲ま せた んです

ヤマタノオロチ 退治 の 要領 です ね

そっと 戻って 仲 むつまじい 夫婦 の 芝居 を し ましょう

目覚めて すぐ 親密 感 あふれる 僕達 を 目撃 する

その 上 で 風見 宅 に 行く ぐらい で は びくともしない 関係 だ と 説明 を

分かり ました

あッ ちょっと 待って はい えッ ?

恋人 らしい 空気 を 醸し出して から 行った 方 が

今日 は 金曜 です

緊急 事態 です 早速 ルール 崩壊 して ます

今 は 目の前 の ヤマタノオロチ け を 考え ましょう

そう です ね その とおり だ 醸し ましょう 新婚 感

出し ましょう 親密 感

いき ます よ はい

( ベランダ の ドア が 開く )

どこ 行った ~?

チャンス です 直接 見せる んです

ちょッ …

えい

見て ます か ? たぶん

ちょっと 回り ます ね は い

見て ます めっちゃ 見て ます

はい

( 棒読み で ) もう 平匡 さん ったら お うち の 鍵 を 忘れる なんて

( 棒読み で ) 悪かった ね みくり さん 僕 の ため に

お帰りなさ~い

留守 中 に すみ ません

百合 ちゃん コンタクト いつ 外した ?

起きたら さ 目 が もう パッツンパッツン で

さっき ベランダ 出て た よ ね あッ 下 いた の みくり ?

そう ああ 人 が いる 気配 は した けど

コンタクト ないし ボワ~ッ と して もう 何にも 見え なかった

あの 百合 さん

色々 と ご 心配 を お かけ した よう です が

僕達 は 夫婦 と して

百合 さん ? 百合 ちゃん ?

ごめん もう 眠くて 死に そう

今日 は 帰る

お 仕事 大変な んだ ね

仕事 が 大変な の は いつも の こと な んだ けど さ

あんた達 の こと 考えて たら 眠れ なく なっ ちゃった の よ

明日 連絡 する ね

気 を つけて ね は~い

はあ~ 送ら なくて 平気 です か ?

タクシー つかまえる と 思う んで

今日 ここ へ 来た せい で 明日 は 午後 から 休日 出勤 と 言って ました

一刻 も 早く 安心 さ せて あげ たい です ね

あッ 席 替わり ましょう えッ ?

雇用 主 が こちら へ フラット な 職場 と いう こと で

でも この 位置 関係 は 私 の 方 が 偉 そう です

ならば ハグ の 延長 の 恋人 タイム なら どう です か ?

恋人 なら どちら が 上 も なく 双方 どこ に 座ろう が 関係 あり ません

恋人 なら ソファー で 横 並び です

う~

二人 並んで 座って 手 を 恋人 つなぎ して

一緒に テレビ を 見たり する んです 恋人 なら

どうぞ どうも

百合 ちゃん って 人 の 話 を 信じ ない タイプ な んです

自分 で 見た もの 感じた もの が すべて で

何 を 言って も 「 どうせ 嘘 でしょ ?」 から 入る って いう

説得 力 の ある 話 を し ない と 太刀打ち でき ません ね

今 は 平匡 さん に 対する 不信 感 で あふれて る ので

何 を どう 話せば いい の やら

さっき の 直接 見て もらう って いう 作戦 は 正しかった んです ね

成功 して いれば です が

もう一度 やって み ましょう か

あッ あッ 休日 出勤 大変 です ね

そっち こそ 僕 は もう 帰る とこ です

この間 は 見事に 逃げて くれた じゃ ない

みくり に 家事 代行 頼んで る だけ で やましい こと が 何にも ない なら

堂々 と して れば いい じゃ ない の

そういう 意味 で は やましい んです よ ね

みくり さん の こと 好きな んで

では また

しっかり し なさい よ 平匡

痛い

今 平匡 って 言った ?

風見 さん 何 言った んだ ?

出勤 は 確認 でき ました 行き ましょう

ああッ

ゴダールジャパン は 19 階

前 に 言って た んです コーヒー が できる まで の 間

公園 の 緑 を 眺める の が 仕事 中 の 癒やし だって

百合 ちゃん は カフェイン 中毒 な ので 午後 だけ でも 3回 は チャッンス ある か と

この 高さ で 気づき ます か ね ?

この キリム は 百合 ちゃん の トルコ 土産 で 同じ デザイン は 二つ と あり ません

見れば すぐ 分かる はず です なるほど

仲 むつまじい 夫婦 を 演じ ましょう やり遂げ ましょう

醸し ましょう 新婚 感 出し ましょう 親密 感

はあ~ 平和 です ね

はい

昔 よく 家族 で ピクニック して ました

キャンプ なんか も

最近 は 私 だけ 不参加 でした けど

僕 は ピクニック は 一度 だけ 小 3 の 時

父 は 工場 を やって いて ほとんど 休み が なくて

その 一度 が 幸せな 思い出 な んです ね

それ が 母 が お弁当 に 瓦 そば を 作って きて

瓦 そば ? 山口 の 名物 です

お店 で は 瓦 に 屋根 の 瓦 です けど

熱々 の 瓦 の 上 に そば を のっけて

その 上 に 錦糸卵 と 甘辛い 牛肉 を のせ ます

おいし そう 母 と して は

サプライズ の つもり で 重箱 に そば を つめて きた んです けど

父 が 怒りだし 「 なぜ 外 で 伸び きった そば を 食わ なきゃ いか ん の か 」

「 それ に 茶 そば じゃ なく 日本 そば じゃ ない か 」 って

瓦 そば は 茶 そば な んです ね

はい 母 は 鹿児島 の 出身 で なじみ が なくて

父 は 怒りだす と 自分 を 曲げ ない 人 な ので

「 俺 は 食わ ん 」 って

仕方 ない ので 僕 が 一人 で

「 おいしい おいしい 」 って 言い ながら

重箱 いっぱい の そば を 必死に 食べた

地獄 の ような 思い出 で

それ 以来 瓦 そば が 食べ られ ません

どうして 母 は 父 と 離婚 し ない んだろう って

子供 心 に ずっと 思って ました

すいません 暗い 話 で

いえ 嬉しい です

地獄 の ような 話 が ?

平匡 さん の 話 が 聞けて 嬉しい と いう 意味 です

私 は ご 両親 に お 会い した 時 素敵 だ と 思い ました

お 似合い だ な~って そう でしょう か

昔 は 今 ほど 離婚 が 簡単 じゃ なかった し

僕 と いう 子供 が いた から 別れ なかった だけ です よ

だ と したら お 手柄 です

夫婦 の 危機 を 救った 息子

母 の 足かせ に なった 息子 で は ?

別れ ないで 済む なら その方 が いい じゃない です か

母 が 今 幸せ なら いい んです けど

あれ ?

今日 誕生日 でした 母 の

電話 し なきゃ おめでとう コール

した こと ない です し ましょう よ

なら 私 が かけ ます

あれ ? やっ さん から 着信 3 件 も

かけた 方 が いい ん じゃない です か

です ね

平匡 さん も 電話 して ください ね

( 携帯 着信 )

( 宗八 ) おい 鳴っと る ぞ 電話 ( 知佳 ) はいはい

あら 平匡

もしもし ? どうした ん 珍しい

うん

今日 母さん 誕生日 だ よ ね

☎ おめでとう

みくり さん に かけろ って 言わ れた んじゃ ろ

☎ 結婚 する と 変わる んじゃ ね ~

☎ みくり さん も 一緒 ? うん

今 向こう も 電話 して て 公園 に 来て る

ピクニック ?

まあ

あッ

☎ もしもし ? 平匡 ?

( 口笛 を 吹く )

ああ … ☎ 平匡 ? もしもし ?

ああ ごめん 何 ?

お父さん と 三人 で ピクニック 行った の 覚え ちょる ?

何 を 古い 話 を し とる んじゃ

いい じゃない

ほら 帰り し に 瓦 そば 食べて

帰り ?

( バイブレーター 着信 )

はい ☎ やっと 出た

何 ?

「 何 ?」 って 着信 3件 も あった から

☎ うん

どっち よ 用 ある の ? ない の ?

( 安恵 ) 用 って いう か …

役所 に 出して きた

離婚 届

えッ ? ☎ それ だけ

☎ 会った 時 相談 しよう と 思った けど

楽し そうな の 水 さす みたいで 言え なくて

言って よ 余計な こと は いっぱい 言う くせ に

親 に も 周り の 人 に も

☎ 離婚 する の すっごい 反対 され ちゃって さ

子供 いる のに 何 考えて る ん だって

旦那 の 浮気 ぐらい

水 に 流せ って

☎ でも 私

どうしても 許せ なく って

顔 見る の も 耐え られ なくて

☎ 私 間違って る かな

心 狭い の か な

この 子 の ため に

私 が 我慢 する べき だった の か な

浮気 された 私 が 悪い の か な

蝶 育てて 家 の こと して

頑張った つもり だ けど

何 が いけなかった んだろう

いけなく ない

やっさん よく やった よ

私 ≪( 安恵 ) この 子 不幸 に し ちゃう の か な そんな こと ない 蝶 ちゃん だって

やっさん が 笑って る 方 が 嬉しい よ

☎ やっさん 間違って ない

私 は やっさん の 味方 だ から ね

誰 が 何と 言おう と

やっさん の 味方 だ から ね

やっさん どう でした か ?

子供 が いる と

人生 の 選択 が 自分 だけ の もの じゃ なく なる から

難しい です ね

でも 相手 の 顔 を 見る の も 耐え られ ない まで いっ ちゃったら

子供 の 精神 衛生 上 も よく ない と 思う し

離婚 して よかった んです うん

し ました か 離婚

はい

すいません 私 さっき と 逆の こと 言って ます

うち の 母 が 離婚 し なかった の は

子供 の ため だけ じゃ なかった かもしれません

さっき 電話 で ピクニック の 話 を し ました

地獄 の ?

地獄 の 帰り に 瓦 そば を 食べた そう です

帰り ?

《 帰り し に お 父さん お 店 連れて って くれた じゃ ない 》

《☎ 本物 食べ さ し ちゃ る って 》

《☎ あんた 寝 とった かしら 》

《 おいしい 》

《☎ お 昼 食べ とら ん かった せい も ある と は 思う ん じゃ けど 》

《☎ すっごく おいしくて 》

《 後にも先にも あ ねえ な おいしかった お そば 》

《 食べた こと ない わ ねえ 》

僕 に とって は 最悪な 思い出 です が

母 に とって は 生涯 で 一番 おいしい お そば だった そう です

僕 の 知ら ない 物語 が

他 に も ある の かも しれ ない

やっさん と 旦那 さん に は

そういう 思い出 が 足りなかった の か な

二人 でも 幸せ に なって ほしい な

私 は やっさん の 味方 だ よって

それ しか 言え ません でした

つらい 時 味方 だって 言って くれる 人 が いる だけ で 救わ れ ます よ

そんな 人 いた こと ない や

あッ 沼田 さん

《 俺 は いつでも 津崎 君 の 味方 だ よ 》

何 か 勘違い して る 気 が して なら ない んです が

私 は 百合 ちゃん です ね

《 私 は みくり の 味方 だ から 》

仲 いい です よ ね はい

昔 から すごく かわいがって くれて て


逃げる は 恥 だ が 役 に 立つ #05 (02) にげる||はじ|||やく||たつ Escape is Shameful but Useful #05 (02)

お帰り 百合 ちゃん 会社 は ? お かえり|ゆり||かいしゃ|

明日 出る 代わり に 早 上がり した 何で また あした|でる|かわり||はや|あがり||なんで|

あんた の せい でしょう が あれ 以来 連絡 よこさ ない から ||||||いらい|れんらく||| Maybe it's your fault, but I haven't contacted you since then

とりあえず 中 に |なか|

平匡 さん が 帰って くる 前 に みくり の 気持ち 聞いて おき たい と ひら きよう|||かえって||ぜん||み くり||きもち|きいて|||

伯母 の 立場 で 言い たく ない んだ けど おば||たちば||いい||||

言い たく ない んだ けど ね でも 言っ ちゃう けど ね 私 実は いい|||||||げんっ|ちゃ う|||わたくし|じつは

見た んでしょ ? 私 と 風見 さん みた||わたくし||かざみ|

聞いた ? 風見 に 聞いた 入って きいた|かざみ||きいた|はいって

まさか みくり が 不倫 で 二股 で 離婚 なんて いう こと に なったら |み くり||ふりん||ふた また||りこん|||||

桜 に 顔 向け でき ない じゃ ない さくら||かお|むけ||||

より に よって 私 が 紹介 した マンション の 一室 が 不倫の 愛 の 巣 だ なんて |||わたくし||しょうかい||まんしょん||いっしつ||ふりんの|あい||す||

私 に も 責任 の 一端 が わたくし|||せきにん||いったん|

百合 ちゃん 座って 落ち着いて ゆり||すわって|おちついて

はっきり 言って 風見 の こと は 嫌い だ けど |いって|かざみ||||きらい||

でも どうしても みくり が 風見 と 一緒に なり たい と いう なら ||み くり||かざみ||いっしょに|||||

私 は この 気持ち を グッと こらえる わたくし|||きもち||ぐっと|

でも ね どっち を 選ぶ こと に なって も ||||えらぶ||||

私 は みくり の 味方 だ から それ だけ は 覚え といて わたくし||み くり||みかた||||||おぼえ|

ありがとう

でも ね 百合 ちゃん うん ||ゆり||

私 と 風見 さん は 何でもない の わたくし||かざみ|||なんでもない|

ホントに 何でも 何にも なくて ほんとに|なんでも|なんにも|

ただ 単に 風見 さん に 頼ま れて 風見 さん ち の 家事 代行 して る だけ |たんに|かざみ|||たのま||かざみ||||かじ|だいこう|||

家事 代行 ? うん かじ|だいこう|

ご飯 作ったり 掃除 したり 週 に 2 回 ごはん|つくったり|そうじ||しゅう||かい

新婚 の 人妻 が しんこん||ひとづま|

独身 男 の 家 で ? どくしん|おとこ||いえ|

平匡 さん は ? もちろん 知って る けど ひら きよう||||しって||

何で 許す の ? 相手 は あの 風見 よ なんで|ゆるす||あいて|||かざみ|

何 考えて ん の 平匡 さん 百合 ちゃん なん|かんがえて|||ひら きよう||ゆり|

信じ られ ない 常識 が なさ すぎる しんじ|||じょうしき||な さ|

今 すぐ 平匡 呼び なさい 説教 して やる いま||ひら きよう|よび||せっきょう||

( 携帯 着信 ) けいたい|ちゃくしん

「 風見 さん 宅 で 家事 代行 を して いる と 話したら 火 に 油 」 かざみ||たく||かじ|だいこう|||||はなしたら|ひ||あぶら

「 ごめんなさい 」

すいません 遅く なって |おそく|

百合 さん は ? 寝て ます ゆり|||ねて|

寝て る ? ここ 最近 寝不足 だった みたいで ねて|||さいきん|ねぶそく||

倒れる ように 寝て くれ ました たおれる|よう に|ねて||

すごく 怒って た ので 少し でも 気 を 静めよう と |いかって|||すこし||き||しずめよう|

お酒 を 飲ま せた んです お さけ||のま||ん です

ヤマタノオロチ 退治 の 要領 です ね |たいじ||ようりょう|| It ’s the way to get rid of Yamata no Orochi.

そっと 戻って 仲 むつまじい 夫婦 の 芝居 を し ましょう |もどって|なか||ふうふ||しばい|||

目覚めて すぐ 親密 感 あふれる 僕達 を 目撃 する めざめて||しんみつ|かん||ぼくたち||もくげき|

その 上 で 風見 宅 に 行く ぐらい で は びくともしない 関係 だ と 説明 を |うえ||かざみ|たく||いく||||びくとも し ない|かんけい|||せつめい| On top of that, I explained that it was a relationship that wouldn't be afraid to go to Kazami's house.

分かり ました わかり|

あッ ちょっと 待って はい えッ ? あ ッ||まって||え ッ

恋人 らしい 空気 を 醸し出して から 行った 方 が こいびと||くうき||かもしだして||おこなった|かた|

今日 は 金曜 です きょう||きんよう|

緊急 事態 です 早速 ルール 崩壊 して ます きんきゅう|じたい||さっそく|るーる|ほうかい||

今 は 目の前 の ヤマタノオロチ け を 考え ましょう いま||めのまえ|||||かんがえ| Now let's think about Yamata no Orochi in front of us

そう です ね その とおり だ 醸し ましょう 新婚 感 ||||||かもし||しんこん|かん

出し ましょう 親密 感 だし||しんみつ|かん

いき ます よ はい

( ベランダ の ドア が 開く ) べらんだ||どあ||あく

どこ 行った ~? |おこなった

チャンス です 直接 見せる んです ちゃんす||ちょくせつ|みせる|ん です

ちょッ … ちょ ッ

えい

見て ます か ? たぶん みて|||

ちょっと 回り ます ね は い |まわり||||

見て ます めっちゃ 見て ます みて|||みて|

はい

( 棒読み で ) もう 平匡 さん ったら お うち の 鍵 を 忘れる なんて ぼうよみ|||ひら きよう||||||かぎ||わすれる|

( 棒読み で ) 悪かった ね みくり さん 僕 の ため に ぼうよみ||わるかった||み くり||ぼく|||

お帰りなさ~い お かえり なさ|

留守 中 に すみ ません るす|なか|||ませ ん

百合 ちゃん コンタクト いつ 外した ? ゆり||こんたくと||はずした

起きたら さ 目 が もう パッツンパッツン で おきたら||め||||

さっき ベランダ 出て た よ ね あッ 下 いた の みくり ? |べらんだ|でて||||あ ッ|した|||み くり

そう ああ 人 が いる 気配 は した けど ||じん|||けはい|||

コンタクト ないし ボワ~ッ と して もう 何にも 見え なかった こんたくと|||||||なんにも|みえ|

あの 百合 さん |ゆり|

色々 と ご 心配 を お かけ した よう です が いろいろ|||しんぱい|||||||

僕達 は 夫婦 と して ぼくたち||ふうふ||

百合 さん ? 百合 ちゃん ? ゆり||ゆり|

ごめん もう 眠くて 死に そう ||ねむくて|しに|

今日 は 帰る きょう||かえる

お 仕事 大変な んだ ね |しごと|たいへんな||

仕事 が 大変な の は いつも の こと な んだ けど さ しごと||たいへんな|||||||||

あんた達 の こと 考えて たら 眠れ なく なっ ちゃった の よ あんた たち|||かんがえて||ねむれ|||||

明日 連絡 する ね あした|れんらく||

気 を つけて ね は~い き|||||

はあ~ 送ら なくて 平気 です か ? は あ|おくら||へいき||

タクシー つかまえる と 思う んで たくしー|||おもう|

今日 ここ へ 来た せい で 明日 は 午後 から 休日 出勤 と 言って ました きょう|||きた|||あした||ごご||きゅうじつ|しゅっきん||いって|

一刻 も 早く 安心 さ せて あげ たい です ね いっこく||はやく|あんしん||||||

あッ 席 替わり ましょう えッ ? あ ッ|せき|かわり||え ッ

雇用 主 が こちら へ フラット な 職場 と いう こと で こよう|おも||||ふらっと||しょくば||||

でも この 位置 関係 は 私 の 方 が 偉 そう です ||いち|かんけい||わたくし||かた||えら||

ならば ハグ の 延長 の 恋人 タイム なら どう です か ? |||えんちょう||こいびと|たいむ||||

恋人 なら どちら が 上 も なく 双方 どこ に 座ろう が 関係 あり ません こいびと||||うえ|||そうほう|||すわろう||かんけい||ませ ん

恋人 なら ソファー で 横 並び です こいびと||そふぁー||よこ|ならび|

う~

二人 並んで 座って 手 を 恋人 つなぎ して ふた り|ならんで|すわって|て||こいびと||

一緒に テレビ を 見たり する んです 恋人 なら いっしょに|てれび||みたり||ん です|こいびと|

どうぞ どうも

百合 ちゃん って 人 の 話 を 信じ ない タイプ な んです ゆり|||じん||はなし||しんじ||たいぷ||ん です

自分 で 見た もの 感じた もの が すべて で じぶん||みた||かんじた||||

何 を 言って も 「 どうせ 嘘 でしょ ?」 から 入る って いう なん||いって|||うそ|||はいる||

説得 力 の ある 話 を し ない と 太刀打ち でき ません ね せっとく|ちから|||はなし|||||たちうち||ませ ん| You can't compete without telling a compelling story.

今 は 平匡 さん に 対する 不信 感 で あふれて る ので いま||ひら きよう|||たいする|ふしん|かん||||

何 を どう 話せば いい の やら なん|||はなせば|||

さっき の 直接 見て もらう って いう 作戦 は 正しかった んです ね ||ちょくせつ|みて||||さくせん||ただしかった|ん です| The strategy of having them see you directly was correct, wasn't it?

成功 して いれば です が せいこう|||| If you are successful

もう一度 やって み ましょう か もう ひと ど||||

あッ あッ 休日 出勤 大変 です ね あ ッ|あ ッ|きゅうじつ|しゅっきん|たいへん||

そっち こそ 僕 は もう 帰る とこ です ||ぼく|||かえる||

この間 は 見事に 逃げて くれた じゃ ない この あいだ||みごとに|にげて||| During this time, I didn't run away brilliantly

みくり に 家事 代行 頼んで る だけ で やましい こと が 何にも ない なら み くり||かじ|だいこう|たのんで|||||||なんにも||

堂々 と して れば いい じゃ ない の どうどう|||||||

そういう 意味 で は やましい んです よ ね |いみ||||ん です||

みくり さん の こと 好きな んで み くり||||すきな|

では また

しっかり し なさい よ 平匡 ||||ひら きよう

痛い いたい

今 平匡 って 言った ? いま|ひら きよう||いった

風見 さん 何 言った んだ ? かざみ||なん|いった|

出勤 は 確認 でき ました 行き ましょう しゅっきん||かくにん|||いき|

ああッ ああ ッ

ゴダールジャパン は 19 階 ||かい

前 に 言って た んです コーヒー が できる まで の 間 ぜん||いって||ん です|こーひー|||||あいだ

公園 の 緑 を 眺める の が 仕事 中 の 癒やし だって こうえん||みどり||ながめる|||しごと|なか||いや やし|

百合 ちゃん は カフェイン 中毒 な ので 午後 だけ でも 3回 は チャッンス ある か と ゆり||||ちゅうどく|||ごご|||かい|||||

この 高さ で 気づき ます か ね ? |たか さ||きづき|||

この キリム は 百合 ちゃん の トルコ 土産 で 同じ デザイン は 二つ と あり ません |||ゆり|||とるこ|みやげ||おなじ|でざいん||ふた つ|||ませ ん

見れば すぐ 分かる はず です なるほど みれば||わかる|||

仲 むつまじい 夫婦 を 演じ ましょう やり遂げ ましょう なか||ふうふ||えんじ||やりとげ|

醸し ましょう 新婚 感 出し ましょう 親密 感 かもし||しんこん|かん|だし||しんみつ|かん

はあ~ 平和 です ね は あ|へいわ||

はい

昔 よく 家族 で ピクニック して ました むかし||かぞく||ぴくにっく||

キャンプ なんか も きゃんぷ||

最近 は 私 だけ 不参加 でした けど さいきん||わたくし||ふ さんか||

僕 は ピクニック は 一度 だけ 小 3 の 時 ぼく||ぴくにっく||ひと ど||しょう||じ

父 は 工場 を やって いて ほとんど 休み が なくて ちち||こうじょう|||||やすみ||

その 一度 が 幸せな 思い出 な んです ね |ひと ど||しあわせな|おもいで||ん です|

それ が 母 が お弁当 に 瓦 そば を 作って きて ||はは||お べんとう||かわら|||つくって|

瓦 そば ? 山口 の 名物 です かわら||やまぐち||めいぶつ|

お店 で は 瓦 に 屋根 の 瓦 です けど お てん|||かわら||やね||かわら||

熱々 の 瓦 の 上 に そば を のっけて あつあつ||かわら||うえ||||

その 上 に 錦糸卵 と 甘辛い 牛肉 を のせ ます |うえ||にしき いと たまご||あまからい|ぎゅうにく|||

おいし そう 母 と して は ||はは|||

サプライズ の つもり で 重箱 に そば を つめて きた んです けど ||||じゅうばこ||||||ん です|

父 が 怒りだし 「 なぜ 外 で 伸び きった そば を 食わ なきゃ いか ん の か 」 ちち||おこりだし||がい||のび||||くわ|||||

「 それ に 茶 そば じゃ なく 日本 そば じゃ ない か 」 って ||ちゃ||||にっぽん|||||

瓦 そば は 茶 そば な んです ね かわら|||ちゃ|||ん です|

はい 母 は 鹿児島 の 出身 で なじみ が なくて |はは||かごしま||しゅっしん||||

父 は 怒りだす と 自分 を 曲げ ない 人 な ので ちち||おこりだす||じぶん||まげ||じん||

「 俺 は 食わ ん 」 って おれ||くわ||

仕方 ない ので 僕 が 一人 で しかた|||ぼく||ひとり|

「 おいしい おいしい 」 って 言い ながら |||いい|

重箱 いっぱい の そば を 必死に 食べた じゅうばこ|||||ひっしに|たべた

地獄 の ような 思い出 で じごく|||おもいで|

それ 以来 瓦 そば が 食べ られ ません |いらい|かわら|||たべ||ませ ん

どうして 母 は 父 と 離婚 し ない んだろう って |はは||ちち||りこん||||

子供 心 に ずっと 思って ました こども|こころ|||おもって|

すいません 暗い 話 で |くらい|はなし|

いえ 嬉しい です |うれしい|

地獄 の ような 話 が ? じごく|||はなし|

平匡 さん の 話 が 聞けて 嬉しい と いう 意味 です ひら きよう|||はなし||きけて|うれしい|||いみ|

私 は ご 両親 に お 会い した 時 素敵 だ と 思い ました わたくし|||りょうしん|||あい||じ|すてき|||おもい|

お 似合い だ な~って そう でしょう か |にあい||||||

昔 は 今 ほど 離婚 が 簡単 じゃ なかった し むかし||いま||りこん||かんたん|||

僕 と いう 子供 が いた から 別れ なかった だけ です よ ぼく|||こども||||わかれ||||

だ と したら お 手柄 です ||||てがら|

夫婦 の 危機 を 救った 息子 ふうふ||きき||すくった|むすこ

母 の 足かせ に なった 息子 で は ? はは||あしかせ|||むすこ||

別れ ないで 済む なら その方 が いい じゃない です か わかれ||すむ||そのほう|||じゃ ない||

母 が 今 幸せ なら いい んです けど はは||いま|しあわせ|||ん です|

あれ ?

今日 誕生日 でした 母 の きょう|たんじょうび||はは|

電話 し なきゃ おめでとう コール でんわ||||こーる

した こと ない です し ましょう よ

なら 私 が かけ ます |わたくし|||

あれ ? やっ さん から 着信 3 件 も ||||ちゃくしん|けん|

かけた 方 が いい ん じゃない です か |かた||||じゃ ない||

です ね

平匡 さん も 電話 して ください ね ひら きよう|||でんわ|||

( 携帯 着信 ) けいたい|ちゃくしん

( 宗八 ) おい 鳴っと る ぞ 電話 ( 知佳 ) はいはい はじめ やっ||なっと|||でんわ|ち か|は いはい

あら 平匡 |ひら きよう

もしもし ? どうした ん 珍しい |||めずらしい

うん

今日 母さん 誕生日 だ よ ね きょう|かあさん|たんじょうび|||

☎ おめでとう

みくり さん に かけろ って 言わ れた んじゃ ろ み くり|||||いわ|||

☎ 結婚 する と 変わる んじゃ ね ~ けっこん|||かわる||

☎ みくり さん も 一緒 ? うん み くり|||いっしょ|

今 向こう も 電話 して て 公園 に 来て る いま|むこう||でんわ|||こうえん||きて|

ピクニック ? ぴくにっく

まあ

あッ あ ッ

☎ もしもし ? 平匡 ? |ひら きよう

( 口笛 を 吹く ) くちぶえ||ふく

ああ … ☎ 平匡 ? もしもし ? |ひら きよう|

ああ ごめん 何 ? ||なん

お父さん と 三人 で ピクニック 行った の 覚え ちょる ? お とうさん||みっり||ぴくにっく|おこなった||おぼえ|ち ょる

何 を 古い 話 を し とる んじゃ なん||ふるい|はなし||||

いい じゃない |じゃ ない

ほら 帰り し に 瓦 そば 食べて |かえり|||かわら||たべて

帰り ? かえり

( バイブレーター 着信 ) |ちゃくしん

はい ☎ やっと 出た ||でた

何 ? なん

「 何 ?」 って 着信 3件 も あった から なん||ちゃくしん|けん|||

☎ うん

どっち よ 用 ある の ? ない の ? ||よう||||

( 安恵 ) 用 って いう か … やす けい|よう|||

役所 に 出して きた やくしょ||だして|

離婚 届 りこん|とどけ

えッ ? ☎ それ だけ え ッ||

☎ 会った 時 相談 しよう と 思った けど あった|じ|そうだん|||おもった|

楽し そうな の 水 さす みたいで 言え なくて たのし|そう な||すい|||いえ|

言って よ 余計な こと は いっぱい 言う くせ に いって||よけいな||||いう||

親 に も 周り の 人 に も おや|||まわり||じん||

☎ 離婚 する の すっごい 反対 され ちゃって さ りこん|||すっご い|はんたい|さ れ||

子供 いる のに 何 考えて る ん だって こども|||なん|かんがえて|||

旦那 の 浮気 ぐらい だんな||うわき|

水 に 流せ って すい||ながせ|

☎ でも 私 |わたくし

どうしても 許せ なく って |ゆるせ||

顔 見る の も 耐え られ なくて かお|みる|||たえ||

☎ 私 間違って る かな わたくし|まちがって||

心 狭い の か な こころ|せまい|||

この 子 の ため に |こ|||

私 が 我慢 する べき だった の か な わたくし||がまん||||||

浮気 された 私 が 悪い の か な うわき||わたくし||わるい|||

蝶 育てて 家 の こと して ちょう|そだてて|いえ|||

頑張った つもり だ けど がんばった|||

何 が いけなかった んだろう なん|||

いけなく ない

やっさん よく やった よ

私 ≪( 安恵 ) この 子 不幸 に し ちゃう の か な わたくし|やす けい||こ|ふこう|||ちゃ う||| そんな こと ない 蝶 ちゃん だって |||ちょう||

やっさん が 笑って る 方 が 嬉しい よ ||わらって||かた||うれしい|

☎ やっさん 間違って ない |まちがって|

私 は やっさん の 味方 だ から ね わたくし||||みかた|||

誰 が 何と 言おう と だれ||なんと|いおう|

やっさん の 味方 だ から ね ||みかた|||

やっさん どう でした か ?

子供 が いる と こども|||

人生 の 選択 が 自分 だけ の もの じゃ なく なる から じんせい||せんたく||じぶん|||||||

難しい です ね むずかしい||

でも 相手 の 顔 を 見る の も 耐え られ ない まで いっ ちゃったら |あいて||かお||みる|||たえ||||| But if you can't stand looking at the other person's face

子供 の 精神 衛生 上 も よく ない と 思う し こども||せいしん|えいせい|うえ|||||おもう|

離婚 して よかった んです うん りこん|||ん です|

し ました か 離婚 |||りこん

はい

すいません 私 さっき と 逆の こと 言って ます |わたくし|||ぎゃくの||いって|

うち の 母 が 離婚 し なかった の は ||はは||りこん||||

子供 の ため だけ じゃ なかった かもしれません こども||||||かも しれません

さっき 電話 で ピクニック の 話 を し ました |でんわ||ぴくにっく||はなし|||

地獄 の ? じごく|

地獄 の 帰り に 瓦 そば を 食べた そう です じごく||かえり||かわら|||たべた||

帰り ? かえり

《 帰り し に お 父さん お 店 連れて って くれた じゃ ない 》 かえり||||とうさん||てん|つれて||||

《☎ 本物 食べ さ し ちゃ る って 》 ほんもの|たべ|||||

《☎ あんた 寝 とった かしら 》 |ね||

《 おいしい 》

《☎ お 昼 食べ とら ん かった せい も ある と は 思う ん じゃ けど 》 |ひる|たべ|||||||||おもう|||

《☎ すっごく おいしくて 》

《 後にも先にも あ ねえ な おいしかった お そば 》 あとにもさきにも||||||

《 食べた こと ない わ ねえ 》 たべた||||

僕 に とって は 最悪な 思い出 です が ぼく||||さいあくな|おもいで||

母 に とって は 生涯 で 一番 おいしい お そば だった そう です はは||||しょうがい||ひと ばん||||||

僕 の 知ら ない 物語 が ぼく||しら||ものがたり|

他 に も ある の かも しれ ない た|||||||

やっさん と 旦那 さん に は ||だんな|||

そういう 思い出 が 足りなかった の か な |おもいで||たりなかった|||

二人 でも 幸せ に なって ほしい な ふた り||しあわせ||||

私 は やっさん の 味方 だ よって わたくし||||みかた||

それ しか 言え ません でした ||いえ|ませ ん|

つらい 時 味方 だって 言って くれる 人 が いる だけ で 救わ れ ます よ |じ|みかた||いって||じん|||||すくわ|||

そんな 人 いた こと ない や |じん||||

あッ 沼田 さん あ ッ|ぬまた|

《 俺 は いつでも 津崎 君 の 味方 だ よ 》 おれ|||つ さき|きみ||みかた||

何 か 勘違い して る 気 が して なら ない んです が なん||かんちがい|||き|||||ん です|

私 は 百合 ちゃん です ね わたくし||ゆり|||

《 私 は みくり の 味方 だ から 》 わたくし||み くり||みかた||

仲 いい です よ ね はい なか|||||

昔 から すごく かわいがって くれて て むかし|||||