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Aozora Bunko Readings (4-5mins), 24. 蟹 の しょうばい - 新美 南 吉

24. 蟹 の しょうばい - 新美 南 吉

蟹 の しょうばい - 新美 南 吉

蟹 が いろいろ 考えた あげく 、 とこや を はじめました 。 蟹 の 考え と して は おおでき で ありました 。 ところで 、 蟹 は 、

「 とこや と いう しょうばい は 、たいへん ひまな もの だ な 。」 と 思いました 。 と 申します の は 、 ひと り も お 客 さん が こない から であります 。 そこ で 、 蟹 の とこや さん は 、 はさみ を もって 海っぱ た に やっていきました 。 そこ に は たこ が ひるね を して いました 。 「 もしもし 、 たこ さん 。」

と 蟹 は よびかけました 。 たこ は め を さまして 、

「 なんだ 。」

と いいました 。 「 とこや です が 、 ごよう は ありません か 。」 「 よく ごらん よ 。 わたし の 頭 に 毛 が ある か どう か 。」

蟹 は たこ の 頭 を よく みました 。 なるほど 毛 は ひとすじ も なく 、 つる ん こ で ありました 。 いくら 蟹 が じょうずな とこや でも 、 毛 の ない 頭 を かる こと は できません 。 蟹 は 、 そこ で 、 山 へ やっていきました 。 山 に は たぬき が ひるね を して いました 。 「 もしもし 、 たぬき さん 。」

たぬき は め を さまして 、

「 なんだ 。」

と いいました 。 「 とこや です が ごよう は ありません か 。」 たぬき は 、 いたずら が すきな けもの です から 、 よく ない こと を 考えました 。 「 よろしい 、 かって もらおう 。 ところで 、 ひと つ やくそく して くれ なきゃ いけない 。 と いう の は 、 わたし の あと で 、 わたし の お 父さん の 毛 も かって もらいたい の さ 。」 「 へい 、 お やすい こと です 。」

そこ で 、 蟹 の うで を ふるう とき が きました 。 ちょっきん 、 ちょっきん 、 ちょっきん 。

ところが 、 蟹 と いう もの は 、 あまり 大きな もの では ありません 。 蟹 と くらべたら 、 たぬき は とんでもなく 大きな もの であります 。 その 上 たぬき と いう もの は 、 からだ じゅう が 毛 むくじゃ ら で あります 。 ですから 仕事 は なかなか はかどりません 。 蟹 は 口 から 泡 を ふいて いっしょうけんめい はさみ を つかいました 。 そして 三 日 かかって 、 やっと の こと 仕事 は おわりました 。 「 じゃ 、 やくそく だ から 、 わたし の お 父さん の 毛 も かって くれた まえ 。」

「 お 父さん と いう の は 、 どの くらい 大きな かた です か 。」

「 あの 山 くらい ある か ね 。」

蟹 は めんくらいました 。 そんなに 大きくて は 、 とても じぶん ひと り で は 、 まにあわ ぬ と 思いました 。 そこ で 蟹 は 、 じぶん の 子ども たち を みな とこや に しました 。 子ども ばかり か 、 まご も ひ こ も 、 うまれて くる 蟹 は みな とこや に しました 。 それ で わたくし たち が 道ばた に みうける 、 ほん に 小さな 蟹 で さえ も 、 ちゃんと はさみ を もって います 。

24. 蟹 の しょうばい - 新美 南 吉 かに|||にいみ|みなみ|きち 24. kani no shouubai - Niimi Nankichi 24. kani no shoubai - NIIMI Nankichi 24. kani no shouubai - Niimi Nankichi 24. 게의 소바 - 신미남길

蟹 の しょうばい - 新美 南 吉 かに|||にいみ|みなみ|きち Crab Shobai-Nankichi Niimi

蟹 が いろいろ 考えた あげく 、 とこや を はじめました 。 かに|||かんがえた||||はじめ ました After thinking about various things, the crab started to work. 想來想去,螃蟹開始了Tokoya。 蟹 の 考え と して は おおでき で ありました 。 かに||かんがえ||||お おでき||あり ました The idea of the crab was good. 作為螃蟹的想法,這是一件大事。 ところで 、 蟹 は 、 |かに| 順便說一句,螃蟹

「 とこや と いう しょうばい は 、たいへん ひまな もの だ な 。」 “這是一個非常無聊的地方。” と 思いました 。 |おもい ました I thought, "I'm not sure I can do this. 我想 。 と 申します の は 、 ひと り も お 客 さん が こない から であります 。 |もうし ます|||||||きゃく|||||であり ます 我這樣說是因為沒有顧客。 そこ で 、 蟹 の とこや さん は 、 はさみ を もって 海っぱ た に やっていきました 。 ||かに||||||||うみ っぱ|||やっていき ました So, the crab hunter went to the ocean with a scissors. そこ に は たこ が ひるね を して いました 。 ||||||||い ました 一隻章魚在打瞌睡。 「 もしもし 、 たこ さん 。」 Hello, Mr. Octopus.

と 蟹 は よびかけました 。 |かに||よびかけ ました The crabs called out, "We've got a new one for you! たこ は め を さまして 、 Let the octopus cool down,

「 なんだ 。」

と いいました 。 |いい ました 「 とこや です が 、 ごよう は ありません か 。」 |||||あり ませ ん| "Hello, is there anything I can help you with?" 「 よく ごらん よ 。 Take a good look. わたし の 頭 に 毛 が ある か どう か 。」 ||あたま||け||||| I wonder if there is hair on my head. "

蟹 は たこ の 頭 を よく みました 。 かに||||あたま|||み ました I often saw the crab's head. なるほど 毛 は ひとすじ も なく 、 つる ん こ で ありました 。 |け|||||||||あり ました The hair was smooth and without a single strand of hair. いくら 蟹 が じょうずな とこや でも 、 毛 の ない 頭 を かる こと は できません 。 |かに|||||け|||あたま|||||でき ませ ん No matter how far back she is in the crabshell, she can't turn a hairless head. 蟹 は 、 そこ で 、 山 へ やっていきました 。 かに||||やま||やっていき ました 山 に は たぬき が ひるね を して いました 。 やま||||||||い ました 「 もしもし 、 たぬき さん 。」

たぬき は め を さまして 、

「 なんだ 。」

と いいました 。 |いい ました 「 とこや です が ごよう は ありません か 。」 |||||あり ませ ん| "I'm here, but how are you?" たぬき は 、 いたずら が すきな けもの です から 、 よく ない こと を 考えました 。 ||||||||||||かんがえ ました I thought that raccoon dogs are not good because they love mischief. 「 よろしい 、 かって もらおう 。 ところで 、 ひと つ やくそく して くれ なきゃ いけない 。 と いう の は 、 わたし の あと で 、 わたし の お 父さん の 毛 も かって もらいたい の さ 。」 |||||||||||とうさん||け|||もらい たい|| 「 へい 、 お やすい こと です 。」

そこ で 、 蟹 の うで を ふるう とき が きました 。 ||かに|||||||き ました There, it was time to sift the crab arm. ちょっきん 、 ちょっきん 、 ちょっきん 。

ところが 、 蟹 と いう もの は 、 あまり 大きな もの では ありません 。 |かに||||||おおきな|||あり ませ ん 蟹 と くらべたら 、 たぬき は とんでもなく 大きな もの であります 。 かに||||||おおきな||であり ます その 上 たぬき と いう もの は 、 からだ じゅう が 毛 むくじゃ ら で あります 。 |うえ|||||||||け||||あり ます ですから 仕事 は なかなか はかどりません 。 |しごと|||はかどり ませ ん 蟹 は 口 から 泡 を ふいて いっしょうけんめい はさみ を つかいました 。 かに||くち||あわ||||||つかい ました そして 三 日 かかって 、 やっと の こと 仕事 は おわりました 。 |みっ|ひ|||||しごと||おわり ました 「 じゃ 、 やくそく だ から 、 わたし の お 父さん の 毛 も かって くれた まえ 。」 |||||||とうさん||け||||

「 お 父さん と いう の は 、 どの くらい 大きな かた です か 。」 |とうさん|||||||おおきな|||

「 あの 山 くらい ある か ね 。」 |やま||||

蟹 は めんくらいました 。 かに||めんくらい ました そんなに 大きくて は 、 とても じぶん ひと り で は 、 まにあわ ぬ と 思いました 。 |おおきくて|||||||||||おもい ました そこ で 蟹 は 、 じぶん の 子ども たち を みな とこや に しました 。 ||かに||||こども||||||し ました 子ども ばかり か 、 まご も ひ こ も 、 うまれて くる 蟹 は みな とこや に しました 。 こども||||||||||かに|||||し ました それ で わたくし たち が 道ばた に みうける 、 ほん に 小さな 蟹 で さえ も 、 ちゃんと はさみ を もって います 。 |||||みちばた|||||ちいさな|かに||||||||い ます