HellsingUltimateEpisode10(1)
(ウォルター )あっ
(アー カード )派手 に やって いる なあ
我が あるじ 我 が しもべ
あっちゃ も こっちゃ も みんな ご破算
さ あて 願い まし て は
そろそろ クライマックス だ よ
ヘルシング の ターン だ
(セラス )は あっ !
(SS)う あっ あ あっ
(SSの うなり 声 )
(インテグラ )ふん っ !
(SS)う おおっ …
(SS)長かった ぞ
(SS)お前 が 俺 の 死 か 俺たち の 死 か
(インテグラ )皆 笑って 死んで ゆく
(インテグラ )そう だ や つら は 死ぬ ため に やってきた の だ から な
(セラス )そんなに 死に たきゃ そんなに 死に たけりゃ ―
勝手 に 首 くくれ !
50 年 前 に 首 を くくれ !
50 年 前 に 首 を くくれ !
(スピーカー の ハウリング )
(スピーカー の ハウリング )
(スピーカー の ハウリング )
(少佐 )そういう わけ に は いかん の だ よ
(少佐 )そう いう わけ に は いかん の だ よ
フロイライン 方
ただ 死ぬ の は 真っ平 ごめん な ん だ
それほど までに 度 し 難い のだ 我々 は
世界 中 の すべて の 人間 が 我々 を 必要 と など し て いない
世界 中 の すべて の 人間 が 我々 を 忘れ去ろう と している
(少佐 )それ でも 我々 は 我々 の ため に 必要 な の だ
ただただ 死ぬ の なんか 嫌 だ それ だけ じゃ 嫌 だ
私 たち が 死ぬ に は もっと 何 か が 必要 な の だ
“ もっと もっと ” と !
そう やって ここ まで やって きた
来て しまった
(セラス )あっ …
(少佐 )もっと 何 か を まだ ある はず だ
まだ どこ か に 戦える 場所 が
まだ どこ か に 戦える 敵 が
世界 は 広く 脅威 と 驚異 に 満ち ―
闘争 も 鉄 火 も 肥え て あふれ
きっと この 世界 に は 我々 を 養う に 足る だけ の 戦場 ( いく さば ) が
確実 に 存在 する に 違いない と
我々 が 死ぬ に は 何 か が ―
もっと 何 か が 必要 な の だ
で なければ 我々 は ―
無限 に 長く 歩き 続け なければ ならない
死ぬ ため だけ に
だから 君 たち が いとおしい
君 たち は それ に 値する
君 たち は すばらしい !
王立 国教 騎士 団 ヘルシング
君 たち は 私 たち が 死ぬ かい の ある 存在 で あり ―
君 たち は 私 たち が 殺す かい の ある 存在 な の だ から
インテグラ 様 先 に 向かって ください
セラス !
(セラス )早く あの 少佐 の 元 へ !
あの 男 に …あんな 男 に もう これ 以上 …
もう ひと言 だって しゃべら せ ちゃ いけ ない ん です !
死ぬ な よ
許さ ん ぞ セラス
絶対 に 許さ ん ぞ
〈 司令 部 〉 〈 電信 装置 〉
フッ 律 儀 な 犬 だ
ご 苦労
(セラス )あっ
う っ
う うっ
フッ
ハッ
(ヴェア ヴォルフ の うなり 声 )
(アー カード )フッ ずいぶん と 分 の 悪い 賭け に ベット し た な
ウォルター 君
もう すぐ お前 の カード も 燃え て 落ちる
お前 の あるじ は 私 の あるじ が
お前 の 輩 ( と も がら ) は 私 の 輩 が
そして お前 は ―
私 が 殺す から だ
フッ ひどい 末路 だ
お前 の 人生 を 賭けた 勝負 に つきあう 気 など
私 に は ない
お前 など ただ の 裏切り者 だ ただ の !
私 は 生まれ て この 方 ―
裏切り者 は 1 人 だって 許し た こと は あり は しない ん だ
いつ まで も 私 が そんな 者 に 行儀 よく 1 対 1 で 戦う と 思う か
お前 は 造作 も なく 死ぬ
それ に 腹 が 減った
(アー カード の 笑い声 )
フフ フッ ハハハッ
さすが の 私 でも これ は 食いきれ る か 分からん な
(ドク )すべて は あなた の 望み どおり に なり まし た な 少佐
( 少佐 ) そう だ すべて 私 の 思う が まま だ
彼 は また 城壁 を 築き 始め た
私 の 勝ち だ
私 は 彼 を はな から 人 だ など と 思って い ない
いや むしろ 吸血鬼 と すら 思って い ない
彼 は 城 で あり 彼 は 運動 する 領地 だ
暴君 の 意志 が 率いる 死 の 河 と いう 領民 たち だ
倒す に は どう すれ ば いい
ほ ふる に は 何 を すれ ば いい
私 は 寝て も 覚めて も それ ばかり 考える
それ が 私 の たった 1 つ の 戦争 の やり方 だ から だ
戦争 … 戦争 だ
彼 と 私 と の
全身 全 霊 で 戦わ ね ば なら ん
私 に は 何 が ある ?彼 に は 何 が ある ?
体 を 変化 ( へん げ ) さ せ ―
使い 魔 を 使役 させ ―
力 を 振るい 心 を 操り ―
体 を 再生 させ 他者 の 血 を すすり ―
己 の 命 の 糧 と する
それ が 彼 だ
私 に は 何も ない
なぜ なら 私 は 人間 だ から だ
吸血鬼 に なれ ば すばらしい の だろう
無限 永久 に 生きて ―
無限 永久 戦い 続け られ れ ば ―
それ は きっと 歓喜 な の だろう
だが 私 は それ は でき ない
それ だけ は 決して !
(兵士 たち )う うっ
(少佐 )ぐ あっ
ぐ う っ
( ソ連 兵 : ロシア語 ) 〈 地獄 に 行け 〉
〈 くたばれ 〉
〈 う せ や がれ 〉
〈 お前 たち は 殺す のみ 〉
( 銃声 )
〈 祖国 の ため に ! 〉
〈 スターリン の ため に ! 〉
〈 勝利 だ ! 〉
〈 万歳 ! 〉
(少佐 )不死 は すばらしい
能力 は まぶしい
血液 を 通貨 と し た 魂 の 命 の 同化
う せろ !
俺 の 心 も 魂 も 命 も 俺 だけ の もの だ
他者 と の 命 の 共合 命 の 融合
心 の 統合
吸血鬼 の 本質
何 と すばらしい
それ は きっと すばらしい の だろう
きっと それ は 歓喜 に 違いない
だが 冗談 じゃ ない
真っ平 ごめん だ ね
俺 の もの は 俺 の もの だ
毛 筋 一 本 血液 一 滴
私 は 私 だ
私 は 私 だ
私 は 私 だ !
羨ま し い ね
まぶしい 美しい
だから 愛しく だ から こそ 憎む
だからこそ お前 は 私 の 敵 だ
敵 に 値する
ついに 私 は 宿敵 を 見つけた ぞ
私 の 戦争 の
そして 我々 は ―
その ため の 準備 を 営々 と 始めた
50 年 かけて
( シュレディンガー ) ニャーオ
(指 を 鳴らす 音 )(少佐 )すべて は 準備 だ
この 瞬間 の ため に
最後 の 大隊 も 第 9次十字軍も―
アンデルセン も ヴェア ヴォルフ も ―
ウォルター も 何もかも が ―
私 たち の 50 年 が この 時 の ため に あった の だ
アー カード が 零 ( ゼロ ) 号 開放 し ―
すべて の 命 を 放出 し ―
彼 が 彼の 城 に ただ 1 人 と なった 時 に ―
アンデルセン が 倒す だ ろう か ?
ウォルター が 倒す だろう か ?
私 は 否 だ と 思う
彼 は 彼 一人 でも 恐ろしい 吸血鬼 だ
100 年 前 に たった 1人でロンドンに攻め込んだ男だ
500 年 前 に たった 1 人 で オスマン 帝国 と 戦った 男 だ
そして 再び 彼 が 血 を 吸い 始め れ ば ―
それ で もう すべて 台なし だ
何 という ズル だ
生 も 死 も すべて ペテン
今 が まさに その さなか
そんな 狂 王 を 殺す に は どう し たら いい
戦場 で 十 重 ( と え ) 二十 重 ( は たえ ) の 陣 を 踏み 破り ―
無限 に 近い 敵陣 を 滅ぼし て しるし を 上げる か ?
否 !
彼 は 再び 血 を 吸う だろう
大飯 食らい の 王様 だ
その 彼 の 最大 の 武器 が 彼 の 弱点 で も ある
古今 暴君 は 己 の 傲岸 ( ごう がん ) さ ゆえ に 毒 酒 を あおる
(セラス の 荒い 息 )
(ヴェア ヴォルフ の うなり 声 )
あっ
( 咆哮 )
(セラス )あっ …
が はっ
あ あっ !
( セラス ) 駄目 だ …
強 すぎる …
駄目 だ …
駄目 …
(ベルナ ドット )おいおい マジ か よ
らしく ねえ や
(セラス )あっ
(ベルナ ドット )立ち な !
俺 の 知ってる 女 は もっと 往生際 の 悪い 女 だ ぜ
ああ …
( ベルナ ドット ) しょうが ねえ アマっ娘 ( こ ) だ
(ベルナ ドット )ボケ や が って この バカ め
フッ
(ベルナ ドット )さ あて 目 も 覚め た ところ で ―
行く ぜ 嬢 ちゃん
や っち まえ !
一緒に あいつ を やっつけ ちまおう ぜ !
(セラス )で やっ !
(ベルナ ドット )点 じゃ ねえ !
面 だ 面 で やれ !
(セラス )取った !
(ベルナ ドット )取って ねえ !
ハッ
(ベルナ ドット )こりゃ たまんねえ な 化け物 だ
あれ じゃあ まるっきり 本物 の オオカミ 男 じゃ ねえ かい
ヴェア ヴォルフ !あっ …
金 歯 …
歯 の 詰め 物 じゃあ これ 全部 …
(ベルナ ドット )そう だろう さ
連中 が 50 年 前 欧州 を ひっくり返し て 奪って きた もん だ
ここ ら に 散らばる 金塊 も 札束 も 時計 も みんな みんな
その 歯 の 詰め 物 だって ―
どっか の 収容所 の 哀れな 誰か の 口ん中 から ―
引き抜 い た もん だ ろ う さ
要するに そう いう 連中 な の さ
軍隊 で すら ありゃ し ねえ よ
いい とこ 殺し屋 の 徒党 と どう 違う
俺 は あんな 連中 くそ ほど も 認め ねえ よ
無 敵 の 軍隊 ?鋼鉄 の 騎士 ?
ハッ !あん ま 笑 かす な よ
う っ
な っ 銀 歯 …
こ …これ って
(ベルナ ドット )お 優しい 犬 っこ ろ だ な
それ で やれ って こと かい
(セラス )それ じゃ わざと ここ に
(ベルナ ドット )そうかい 死に たがり の ワー ドッグ
引導 渡し て やろ う じゃねえか
ワー ドッグ だったら ―
ベルナ ドット さん も 人 の こと 言えない ん じゃ …
( ベルナ ドット ) ハハハッ … 違 ( ち げ ) え ねえ
あと 私 ん 中 で たばこ 吸わ ない で ください
(ベルナ ドット )フフッ ハハッ 来る ぜ !
逃げる な !受け止めろ !
はい !
(ベルナ ドット )行け !行け !やって やれ !
攻撃 する 時 は やつ も 生身 だ
まだ !
まだ あっ !
で ぇ りゃ ああ あ !
(セラス )読ま れ て た !
(ベルナ ドット )かまわ ねえ よ
(セラス )うん 行こう !
(ベルナ ドット )ああ 行っちまえ !
う わ あ ああ !
今度 こそ 取った !
(ベルナ ドット )オオカミ 男 の 旦那
50 年 前 の どっか の 誰か さん から の お返し だ
取 っと き な
人 の 女 に 手ぇ 出す から さ
首輪 も 飛んだ ぜ
あば よ ウォー ドッグ !
(ヴェア ヴォルフ の 遠ぼえ )
(セラス )まるで まるで 楽しい 夢 を 見た 子供 の よう
そう だ きっと 今日 今夜 の この 夜 は ―
彼ら の 満願 成就 の 一夜 の 夢 なんだ
(セラス )ベルナ ドット さん
(ベルナ ドット )ああ そう だ な
終わら せ に 行け よ
覚め ない 夢 なんて ない の さ
行け !
少佐 !
や あ
ようやく じかに お目見え でき て うれしい ね
( 銃声 )
残念 だ が その 銃 で は 無理 だ よ
なあ に 指揮者 の たしなみ だ
う っ …
(少佐 )この 出し物 に 遅れる の で は ない か と 思った が
間に合って よかった
せっかく こ よい かぎり の ショー な ん だ
どうせ なら きれい な ご婦人 と 最高 の 席 で 見なければ
ふざける な !
楽しみ たまえ よ 君
これ は 100 年 に 一夜 の 劇 だ
1898 年 以来 の お話 だ
ノス フェラ トウ アー カード が
消え て なく なって しまう の だ から
何 ! ?
ヒヒッ
フハハッ
(アー カード )フフ フッ ハハハハッ …
(アー カード の 笑い声 )
食い 放題 も いい とこ だ
フフ フッ ハハハッ …
さあ やろう か ウォルター
まだ だ
まだ 僕 の 勝負 は つい て ない
つい て ない ぞ !
少佐 やめろ
やめ させろ 少佐 !
(少佐 )いや
もう ついた よ もう 遅い
もう 遅い 何もかも
もう 遅い わ い バーカ !
う あっ !
(少佐 )もう すべて が 遅い の だ
お前 で は もう それ に は 勝て ない
機会 は 永久 に 近く 失って しまった
好機 は くれ て やった