Yuu ☆ Yuu ☆ Hakusho ( Yu Yu Hakusho : Ghost Files ) Episode 100
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半年 に わたって 地下 の 格闘技 場 で 戦い 続け て い た
そして A 級 妖怪 を はるか に しのぐ 力 を つけ た 飛 影 に 対し
魔 界 整体 師 時雨 ( しぐれ ) と 戦え と 命じ た
時雨 こそ が 飛 影 に 邪 眼 ( じゃ がん ) を 施し 手術 を し た 男 で ある
( 時雨 ) 飛 影 から 受け取った 手術 代 は 妹 を 見つけ て も 兄 と 名乗ら ぬ こと
( 時雨 ) わし を 倒 せ たら 手術 代 は 返し て やる ぞ
( 飛 影 ) 手術 の 前 に も 言った はず だ ぜ
初め から 名乗る つもり は ない と な
( 時雨 ) 心 は 変わる もの だ
勝負 は 勝負 命 懸けて もらう ぞ
真剣 勝負 は 技量 に かかわら ず いい もの だ
決する 瞬間 互い の 道程 が 花火 の よう に 咲 い て 散る
始め !
( 飛 影 ) 長引け ば 不利 炎 の 妖気 を 使え ば 勝機 は ある
( 飛 影 ) 以前 は 生きる ため に 戦い 勝つ ため に 手段 を 選ば なかった
目的 が あった から だ
だが 今 は ない
今 は いかに 死ぬ か だ
( 長老 ) 泪 ( るい )
そ なた と 氷 菜 ( ひな ) が 懇意 で あった こと は 知って いる
だが 情け は 無用
忌み 子 に よって 何 人 の 同胞 が 殺さ れ た か
お前 も 知って おろ う
( 泪 ) でも …
情け は 無用 じゃ
( 氷 菜 ) やめ て !
( 泪 ) 生き て 戻って き て
そして 最初 に 私 を 殺し て ちょうだい
それ が あなた の お 母 さん へ の せめても の 償い
ごめん ね
( 飛 影 ) 俺 は 忌み 子 飛 影
氷河 の 国 で 生まれ た 呪 われ の 孤児
( 盗賊 たち ) ヒャーハハハ …
( 盗賊 A ) 今日 は 大 収穫 だ ぜ ハハハ …
( 盗賊 B ) 親方 親方 ! ( 親方 ) ああ ?
( 親方 ) 何 だ ? その 汚 ( き た ね ) え ぼろ きれ は
( 盗賊 B ) 赤ん坊 で さ 川 から 流れ て き た んで
( 親方 ) バカ 野郎 ! そんな もん 拾って どう すんだ い
( 盗賊 B ) いや そい つ が です ね
お ! こいつ は
この ガキ 放せ この …
痛 ( い て ) え
この ガキ !
( 飛 影 ) 名付け親 は 盗賊
( 盗賊 C ) 待て 飛 影 ! ( 盗賊 D ) そい つ を よこし や がれ !
( 飛 影 ) えい !
( 倒れる 音 )
( 飛 影 ) 血 が 噴き出す 寸前 の
真っ赤 な 肉 の 切れ目 が 好き で
悲鳴 を 聞く と 薄く 笑う … そんな 子供 …
氷河 の 女 が 俺 を 恐れ て 捨て た 気持ち も わから ない で は ない
形見 の 氷 泪 石 ( ひる いせき ) が 至高 の 宝石 と 知って
盗賊 に 見せびらかす ため 首 に 掛け た
それ だけ で 1 日 中 血 に 不自由 し なかった
何 年 も 殺りく に 明け暮れ た 生活 を し て いる うち に
氷河 の 国 は もう 見つから なく て も かまわ ない と 思う よう に なって い た
時々 氷 泪 石 を 眺め て 思い出す
そんな 程度 の 場所 に なって しまった
( 盗賊 E ) 飛 影 だ ( 盗賊 F ) おい 逃げろ
ん ?
( 飛 影 ) ただ の 殺し に 飽き た ころ
俺 を 拾った 盗賊 たち まで が 俺 を 恐れ 避ける よう に なった
石 を 眺める 時間 が 増え た
そして
石 を 見る と 気持ち が 和む 自分 に 気付 い た
石 と 向かい合う とき だけ 落ち着け た
土地 を 変われ ば 敵 ( てき ) も 変わる
中 に は 手ごわい ヤツ も い た
あっ
( 妖怪 ) ぐ わ っ
( 飛 影 ) 捜し 物 が 2 つ に なった
俺 を 捨て た 氷河 の 国 と なく し た 氷 泪 石
もっと よく 見える 目 が 必要 だった
( 飛 影 ) お前 が 整体 師 時雨 か ?
邪 眼 の 手術 を し て ほしい
貴 様 聞い て いる の か ?
お前 ごとき 小僧 に 耐え られる 痛み で は ない
諦め て 帰る ん だ な
( 飛 影 ) う っ う う …
覚悟 の 上 だ
えい ! ハァ ハァ …
( 時雨 ) わし が 手術 の 依頼 を 受ける か 否 か に は 条件 が ある
わし が その 患者 の 人生 に 引か れる か どう か
つまり お前 の 送って き た 人生 が つまら ん もの なら 手術 は し ない
話し て みる が よい
フン
話す に も 値し ない
自分 でも ヘド が 出る ほど の もの だ
( 時雨 ) フン
( 飛 影 の 絶叫 )
( 飛 影 ) 邪 眼 を 付ける ため に は 激痛 に 耐え
せっかく 鍛え た 妖力 も 失わ なく て は いけ なかった
変わった 刀 だ な
燐 火 円 礫 刀 ( りん かえん れ きとう )
魔 界 に 棲 ( す ) む 野牛 の 骨 を 加工 し た もの だ
ん ?
どこ へ 行く ?
( 飛 影 ) 手術 は 終わった ん だ ろ ? もう ここ に 用 は ない
( 時雨 ) 手術 を 施し た あ と は 今 まで の 妖力 は なくなった も 同然
そのまま 森 へ 行け ば 赤子 に も 手 を ひね られる
( 飛 影 ) 余計 な 心配 は い らん
わし が 剣 術 を 教え て やろ う
何 だ と ?
患者 に すぐ に 死な れ て は 手術 が 無駄 に なる から な
( 飛 影 ) どう し た 風 の 吹き 回し か
俺 は ヤツ の 言う こと に 従った
何となく 寄り道 する の も 悪く ない と 思い
俺 は ヤツ の 持って いる 剣 の 技術 を 盗む こと に し た
その 男 と 決着 を つける 時 が 来る と は …
これ も 運命 ( さ だめ ) か … いい 死 に 場所 かも しれ ん
( 飛 影 ) う っ ぐ っ …
( 時雨 ) 見事 だ …
( 時雨 ) 刀 を 縦 に … 左腕 を 捨て た か ?
( 飛 影 ) やっ う っ
( 時雨 ) う う っ
ハアーッ
( 時雨 ) 勝った !
う あっ
う う … ああ …
( 時雨 ) 見事 だ …
( 飛 影 の うめき声 )
( 飛 影 ) 相 打ち か … そんな 死に 方 も 悪く ない
すばらしい 勝負 だった 褒美 を やろ う
お前 の 氷 泪 石 だ
お前 が 自分 の 人生 の 大半 を 懸けて 捜し た 石 だ
俺 に とって は 支配 国 の 貢ぎ物 の 1 つ に すぎ なかった が
受け取る が いい
( 飛 影 ) フン
貴 様 の 胃液 臭い 石 など もう い らん
飛 影 … なぜ こんな 死に 方 を 選 ん だ
なぜ 死に 急ぐ
なぜ だ ?
( 飛 影 ) 捜し 物 の 1 つ 氷河 の 国 は
邪 眼 の 力 の 1 つ 千里眼 で すぐ に 見つける こと が でき た
俺 が 生まれ 俺 を 捨て た 氷河 の 国
何 年 か ぶり の 故郷
思い出 は 何も ない
( 氷 女 ( こおり め ) A ) あっ ああ … ( 氷 女 B ) いらっしゃい
( 飛 影 ) 氷 女 は 皆 どこ か 暗く いじけ て 見え て
殺す 気 も う せ て い た
俺 が 手 を 下す こと も なかった
そこ は 既に 死 ん だ 街 の よう だった
( 長老 ) 泪 あと は 頼 ん だ ぞ
( 泪 ) はい ゆっくり と お 体 を 休ま せ て ください
( 長老 ) で は 元気 で な ( 泪 ) お 気 を 付け て
( 飛 影 ) 泪 …
俺 を 魔 界 の 森 に 投げ捨て た 氷 女
( 物音 ) ( 泪 ) ハッ
( 飛 影 ) 慌てる な 何 も する つもり は ない
それ より 聞き たい こと が ある
( 飛 影 ) そこ に 母 氷 菜 の 墓 が あった
俺 を 産 ん で まもなく 自ら 命 を 絶った らしい
( 泪 ) 氷 菜 さん に は 娘 が い まし て ね
名 は 雪 菜 ( ゆき な ) それ は もう かわいい 娘 で し た
でも どこ か へ 行って しまい まし た 何 年 も 前 に
ずっと 行方 知れ ず な ん です
あ …
あっ
ちょっと お 待ち なさい !
あなた もしかしたら あたし が 捨て た …
あ … あっ
あなた は あの とき の …
( すすり泣き )
( 飛 影 ) 収穫 は あった 妹 の こと
名 は 雪 菜 行方 不明 らしい
雪 菜 を 捜し て 俺 は 人間 界 へ
そこ で 人間 に 化け て いる 妖怪 蔵 馬 ( くらま ) と 出会い
俺 は 蔵 馬 たち と つる ん で 霊 界 の お 宝 を 盗 ん だ
その 事件 が きっかけ で 霊 界 探偵 を やって いる 人間 と 知り合い
俺 は 少し 変わった
( 飛 影 ) ハアー !
タアー !
( 飛 影 ) 垂 金 ( たる か ね ) の 別荘 で 妹 雪 菜 を 見つけ た
当然 俺 の こと は 知ら なかった
俺 も 何 も 言わ なかった
それ で いい
ハアー
タアー !
( 飛 影 ) 人間 界 で の 戦い も そろそろ 飽き た ころ
魔 界 から 使者 が 来 た
( 雪 菜 ) もしも それ と 同じ もの を 持った 方 に 会ったら
それ を 渡し て ほしい ん です
( 飛 影 ) それ は 俺 の 捜し て いる 氷 泪 石 で は なかった
だが … 雪 菜 の 顔 を 見 て いる うち に
この 氷 泪 石 で も いい か と 思った
俺 の 目的 は なく なり
生き て いる 意味 が なくなった
( 妖怪 たち の 悲鳴 )
( 妖怪 たち ) や あ ~ !
( 妖怪 たち の 悲鳴 )
( 妖怪 たち の 悲鳴 )
( 妖怪 たち の 悲鳴 )
( 飛 影 ) 戦う こと だけ が 俺 に 残り
いかに 死ぬ か を 考える よう に なった
お前 の 意識 は
今 まで 俺 が 触れ た もの の 中 で いちばん 心地よい
ゆっくり と 休む が いい
不思議 な 石 だ な
憎しみ を 全て 吸い取って くれる よう な 力 を 感じる
俺 は その 石 の おかげ で 救わ れ た
俺 は 生まれ た とき から とらわれ の 身 だった
自由 の 代償 と し て 失った もの も ある
呪う こと だけ で 強く なり
目 に 留まる 者 1 人 残ら ず 殺し た 時期 が 続 い た
その 石 が なけ れ ば 俺 の 心 は 憎しみ で 満ち
戦闘 は その 発散 の 手段 の まま だった ろ う
約束 だ
見る が いい … お前 に なら 全て を 見せ られる
生きろ 飛 影 ! お前 は まだ 死に 方 を 求める ほど 強く ない
生き て 今度 は 俺 の 意識 に 触れ て くれ
( 幽助 ( ゆう すけ ) ) かつて の 仲間 黄泉 ( よみ ) の 招き で
魔 界 を 訪れ た 蔵 馬 を 待ち受け て い た の は
手厚い 歓迎 で は なく
憎しみ に 満ち た 冷たい 駆け引き だった
千 年 の 時 を 経 て
2 人 の 男 の 野望 と 因縁 が 複雑 に 絡み合う
次回 「 魔 界 盗賊 ・ 千 年 目 の 再会 」
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