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Switched, Switched S1:E6 Decisions

Switched S 1:E 6 Decisions

( 火 賀 ( か が )) おった か ?

どこ 行って ん あいつ

( 水本 ( みず もと )) 彼女 が 危険だ

( 火 賀 ・ あゆみ ) え ?

実は …

( 然子 ( ぜんこ )) アタシ ね

もともと 死ぬ つもりだった んだ

( 担任 ) 昨日 から 小日向 ( こ ひなた ) あゆみ が 行方 不明に なって る

自殺 なんか さ せて たまる か

何がなんでも 絶対 捜し出す ぞ

( 水本 ) ああ ( あゆみ ) うん

( 男性 ) どうした の ~

あったかい とこ で お茶 でも 飲もう よ

ちょっと ぐらい いい じゃ ん ね ?

なんだ よ ブス

( 然子 ) 外見 を 変えた って 中身 は 変わら ない

♪~

♪~

“ 中身 ” って 何 ?

アタシ って …

何 ?

~♪

( チャイム )

( 宇金 ( う こん )) よく 考えた もの ね

確かに この 方法 を 実行 すれば 元 に 戻れる 可能 性 は ある

そう

( 宇金 ) あなた 戻る つもりな の ?

そんな わけない でしょ

せっかく 手 に 入れた 体 な んだ から

( 宇金 ) 私 も そう だった わ

( 然子 ) え ?

貧しい 家庭 で 育った 私 は ずっと 孤独だった

“ お 金 さえ あれば 全て が 変わる ” そう 思って ―

10 年 前 資産 家 の 娘 と 入れ替わった の

( 王 地 ) 私 …

あなた が 羨ま し い

( 宇金 ) は ?

( 王 地 ) だって 自由じゃ ない

私 は 親 に 全部 決め られて 生きて きた の

ねえ

私 と 入れ替わら ない ?

( 宇金 ) それ から は ―

友達 も 恋人 も できて

“ この 生活 だけ は 死んで も 失い たく ない ” と 思って た

( 然子 ) だったら どうして …

どうして 元 に 戻ろう と した の ?

そんな こと …

あなた なら 聞か なくて も 分かる でしょ ?

え ?

イヤー !

あれ から 私 は ずっと 独り の まま

あなた …

このまま だ と 私 と 同じに なる わ よ

( 然子 ) 小日向 あゆみ の 体 を 奪って も

小日向 あゆみ に は なりきれ なかった

なんだ よ ブス

( 宇金 ) あなた …

このまま だ と 私 と 同じに なる わ よ

( 担任 ) 小日向 ! ( 生徒 ) あゆみ ちゃ ー ん !

( 生徒 ) あゆみ ー !

あゆみ !

みんな が 捜して る “ あゆみ ” は アタシ じゃ ない

海 根 ( うみ ね ) さん ! 海 根 さん !

( 優香 ) こんな 時間 まで ありがとう

( あゆみ ) ママ やつれて る

寝て ない んだ な …

あの 子 が 行き そうな 場所 は 全部 捜した んだ けど ね …

( あゆみ ) 行き そうな 場所 ?

( 優香 ) 小さい ころ 通って た 公園 と か

思い出 の 場所 と か

私 も 心当たり の 場所 捜して みる ね

ママ は 少し 休んで て

( 優香 ) え ?

( あゆみ ) 私 たち は 海 根 さん の こと を 全然 知ら ない

だったら もう あの 人 に 聞く しか …

お 母さん !

( 京子 ) あと に して

今 まで 黙って いて ごめんなさい

私 は …

然子 さん じゃ あり ませ ん

本当 は クラスメート の 小日向 あゆみ な んです

何 わけ 分か ん ない こと を

信じ られ ない の は 分かり ます

でも 聞いて ください

今 …

私 の 体 に 入って いる 然子 さん が 行方 不明に なって いて

早く 捜し出さ なきゃ ―

然子 さん が 死んじゃ う かも しれ ない んです

然子 さん の 行き そうな 場所 思い当たり ませ ん か ?

知ら ない わ よ

( あゆみ ) 思い出 の 場所 と か お 父さん の 所 と か

( 京子 ) だ から 知ら ない って ば !

変な こと 言って ごめんなさい

( 京子 ) 赤 月 の 森

ありがとう ございます !

( 火 賀 ) 手分け して 捜す しか ない か

( 水本 ) ここ は 俺 たち だけ で 捜す

あゆみ ちゃん は 家 に 戻って て くれ

そんな こと でき ない 私 も 行く

( 水本 ) でも 森 は 真っ暗だ

暗 所 恐怖 症 の あゆみ ちゃん に とって は 危険 すぎる

お 願い 私 も 行か せて

2 人 に は 絶対 迷惑 かけ ない から

( 火 賀 ) じゃあ あゆみ は 右 の ルート な

( 水本 ) 火 賀 !

こう なったら 這 ( は ) って でも 行く やろ

( 水本 ) 絶対 に 無理 だけ は し ないで

( あゆみ ) うん

行く か

( あゆみ ) 海 根 さん どこ に いる の ?

キャッ !

怖い でも …

どうして 怖い の か 今 なら 分かる

あの とき 私 は ―

この先 も 永遠に 続く かも しれ ない 暗闇 に ―

耐え られ ない ほど の 恐怖 を 感じて いた

海 根 さん も ―

そんな 暗闇 の 中 で 苦しみ 続けて いた の かも しれ ない

海 根 さん ?

大丈夫 ?

( 然子 ) う … う …

うわ ああ !

ハァッ ハァッ ハァッ …

( 然子 の おびえる 声 )

( あゆみ ) 海 根 さん

( 然子 ) その 顔 で 近づか ないで !

お 願い だ から …

( あゆみ ) みんな 心配 し てるよ

一緒に 帰ろう

( 然子 ) 違う でしょ ?

体 を 取り返し に 来た だけ でしょ ?

火 賀 だけ じゃ ない

しろ ちゃん まで あんた の 味方 して

“ ざ まあ ” って 思って んでしょ !

そんな こと ない !

私 は …

海 根 さん が 無事に 生きて て

ホントに よかった って 思って る よ

消えて

消えて よ !

あゆみ ! 大丈夫 か ?

私 は …

( 水本 ) 海 根 さん

迎え に 来た よ

( 然子 の 泣き声 )

しろ ちゃん が 迎え に 来た の は アタシ じゃ ない

この 体 でしょ ?

( 水本 ) そうだ ね

俺 の 気持ち に 期待 し ないで くれ

元 に 戻ろう が その 姿 で いよう が ―

俺 が 君 に 恋愛 感情 を 持つ こと は ない

絶対 に

( 火 賀 ) おい 何も そこ まで …

( 水本 ) ただ 共感 できる 部分 は あった し

海 根 さん が 生きて きた 環境 を 思えば 同情 も できる んだ

でも このまま …

このまま あゆみ ちゃん に 体 を 返さ ない と いう なら …

それ は ただ の 逆恨み だ

俺 は 君 を 心底 軽蔑 する

なあ

ほん ま に 周り は あんた が 思う ほど 悪い ヤツ ら ばっかり やった ん か ?

俺 は 入れ替わる 前 から 態度 変えた 覚え は ない し

公 史郎 や あゆみ だって あんた に 手 ぇ 差し伸べて た

手伝う よ

1 人 で 大丈夫だ から

海 根 さん 大丈夫 ?

よかったら ノート

( 然子 ) いら ない

( 火 賀 ) 他人 を 拒絶 し といて

都合 が いい とき だけ 愛さ れ たい なんて

虫 が よ すぎる やろ !

( あゆみ ) もう やめて !

2 人 の 言う こと も 分かる けど

私 は 海 根 さん を 責め られ ない

私 …

誰 に も 分かって もらえ なかった んだ

私 あゆみ な の

( 優香 ) あゆみ の お 友達 かしら ?

( 律 ( りつ )) もう あゆみ に 近づか ないで

気 を 持た せて しまった なら 謝る

( あゆみ ) それ だけ じゃ ない

( 星 嶋 ) 鏡 見て こ いよ 鏡

( 天田 ( あまた )) ブス 専 に なり ました ー !

( マリア ) うち ら そんな 仲 じゃ な いっしょ

( 生徒 ) ブス って 自覚 ない の か なあ

( あゆみ ) 突然 傷つけ られて ―

どう しよう も なく 苦しくて

きっと …

海 根 さん も そう だった んだ と 思う

そう なったら …

1 人 じゃ どうにも でき ない の

強く なんて い られ ない し

正しい 判断 だって でき ない よ

フッ … フフ …

ちょっと …

アタシ が 間違って る 前提 で 話 進め ないで よ

あんた ら 美 形 は いい わ よ ね

キレイ ごと 並べる だけ で それ で 正義 に なれる んだ から

でも さあ

この 顔 で 生まれて きて も 今 と 同じ こと 言え ん の ?

“ どんな 姿 でも あゆみ が 好き ”?

笑わ せ ないで よ

それ 元 が かわいい から そんな こと 言え ん でしょ ?

あんた も 強 がって ないで 本音 言 いなよ

もう ブス は こりごり だって

かわいい 姿 を 取り返した いって

ええ かげん に しろ !

俺 ら が 言って る こと が キレイ ごと やったら

お前 の 言葉 は 被害 妄想 やろ

は あ ?

あんた ら に 経験 ある ?

すれ違い ざま 他人 に ブス って 言わ れた こと

肩 が ぶつかった だけ で バイ 菌 呼ばわり さ れた こと

消え たかった わ よ

どこ に も 逃げ場 なんて ないし 味方 も い なかった

アタシ は …

( 京子 ) 然子 !

( あゆみ ) お 母さん !

( 京子 ) あんた 何 して ん の !

( 然子 ) なんで … 分かった の ?

( 京子 ) 初め は 信じ られ なかった けど ―

一目 見て 確信 した わ

然子 が … 大変 ご 迷惑 お かけ し ました

あんた も 一緒に 謝 ん なさい

( 然子 ) う う ! ( 京子 ) さあ 早く !

( 然子 ) うるさい !

今更 母親 ヅラ し ないで !

( 京子 ) アハ …

何 よ …

何 が おかしい の ?

こんな かわいい 顔 に なれた のに …

性格 は 変わら なかった の ね

かわいそうな 子

( 然子 ) う う !

アタシ は …

体 と 一緒に あんた を 捨てた

まあ …

もともと 家族 なんて 思って なかった けど ね

海 根 さん !

( あゆみ ) 海 根 さん

来 ないで !

( あゆみ ) 危ない から …

中 に 戻ろう

もう キレイ ごと は うんざり

( 水本 ) あゆみ は お前 の こと マジ で 心配 して …

頼んで ねえ んだ よ !

こんな はず じゃ なかった

小日向 あゆみ の 体 を 奪って ―

しろ ちゃん の 彼女 に なって ―

外見 も 環境 も ―

何 不自由 ない 人生 を 手 に 入れる はずだった

だけど …

もう 終わり

顔 も 心 も お キレイ な あんた たち に 教えて あげる

理不尽な 苦し み を

この 顔 を ズタズタ に して ね !

( 水本 ) 海 根 さん

( 水本 ) やめる んだ ! ( 海 根 ) うるさい …

あゆみ の 顔 を 傷つけたら ただ じゃ おかん から な

うるさい !

( 京子 ) 然子 !

来 ないで

( 京子 ) ごめん 然子

あんた を ここ まで 追い詰めて た なんて …

( 然子 ) なんで …

( 京子 ) 1 人 に さ せて しまって ごめん …

( 然子 ) 今更 遅い んだ よ !

( あゆみ ) 遅く なんて ない

海 根 さん の 体 に なって …

確かに 最初 は 孤独だった

でも 火 賀 くん が 気づいて くれた とき

たった 1 人 でも 自分 を 認めて くれる 人 が いれば

暗闇 から 出 られる ん だって 分かった の

また キレイ ごと

キレイ ごと に 聞こえた って 私 は 本気だ よ

( 火 賀 ) 海 根 さん

なん やかん や 言った けど さ

俺 あんた の 根性 すごい なって 思って んで

なあ ? 公 史郎

ああ

海 根 さん の 命懸け の 訴え は ―

俺 たち に 届いて る

もう 1 人 じゃ ない んだ よ 海 根 さん は

( 然子 ) うわ ああ あー !

( 然子 の 泣き声 )

( あゆみ ) その 翌日

赤 月 の 日 に 私 たち は ―

しろ ちゃん が 思いついた 方法 を 実行 した

まずは 私 と 火 賀 くん

そして ―

海 根 さん と しろ ちゃん が 入れ替わった

( 衝突 音 )

それ から 1 週間 後

最後 の 赤 月 の 日

私 と しろ ちゃん

海 根 さん と 火 賀 くん が 入れ替わる こと が できれば ―

全て が 元 に 戻る

( 然子 ) 小日向 さん

それ は ?

( あゆみ ) さっき 火 賀 くん が お守り に って

海 根 さん きっと 成功 する よ ね ?

( 火 賀 ) なあ 公 史郎

( 水本 ) なんだ よ 火 賀

( 火 賀 ) マジ で 元 に 戻れる ん やろ な ?

( 水本 ) やめる か ?

いや

もう 人 の 体 は ごめん や

でも よ お

元 に 戻って も 手 ぇつ な ぐん だけ は やめよ な

ああ 見 られた もん じゃ ない

小日向 さん

ありがとう

( 優香 ) あゆみ

今日 は 雨降 るみ たいよ 傘 持っていき なさい

私 あゆみ な の

あゆみ ?

( あゆみ ) いって き ます

いって らっしゃい

お 待た せ

( 水本 ) あゆみ ちゃん おはよう ( 火 賀 ) 遅い ぞ あゆみ

行 こ

( 水本 ) うん

( 火 賀 ) うわ ー 俺 もう 腹 へった わ

( 水本 ) もう ? ( あゆみ ) 早く ない ?

何 ?

( 然子 ) 別に

さようなら 天 ヶ 瀬 ( あま が せ ) さん

( あゆみ ) え ? また 宿題 忘れた の ?

( 水本 ) たまに は 自分 で やってこい

( 火 賀 ) いや 昨日 は 寝る 暇 も ない ぐらい 忙しかった

( 水本 ) どうせ ゲーム だ ろ

( あゆみ ) やめた ほう が いい って また 赤 点 取る よ

あー うるさ っ お前 ら オカン かよ

そう だ

これ ポケット に 入って たよ

あゆみ ちゃん のだ ろ ?

はい

火 賀 待てよ

火 賀 くん しろ ちゃん

元 に 戻して くれて ありがとう

だけど 私 …

しろ ちゃん の 彼女 に は 戻れ ない

火 賀 くん と も …

つきあえ ない

やっぱり …

何も 知ら なかった ころ の 私 に は 戻れ ない んだ

公 史郎 悪い

ちょっと あゆみ 借りる わ

( あゆみ ) ちょっと …

( あゆみ ) え ? ちょ っ ちょ っ ちょ っ …

え ? あ … 火 賀 くん ?

( 火 賀 ) お前 は 俺 の こと が 好き や

でも それ 友達 と して やろ

お前 が なあ …

ほん ま に 恋して ん の 誰 や

奪える もん なら 奪い たかった よ

でも な …

お前 戻す ため に 一 番 苦しんだ ん あいつ やろ

気 ぃ 使って 迷う な よ

あいつ の 圧勝 や

その バレッタ

今 の お前 に 必要な い

ありがとう 火 賀 くん

じゃあ 俺 先 行 くわ

( 水本 ) あゆみ ちゃん ?

火 賀 は ?

う うん

( 火 賀 ) 怖 さ 1 ミリ も ない って

( あゆみ ) ひど ! 一生懸命 描いた のに

俺 カッパ か

あり が と

( 火 賀 ) お ~ ら ( あゆみ ) いっ … 痛い !

( あゆみ ) 痛い ~ ( 火 賀 ) 痛い か 痛い か

みんな 50 円 で いい よ

どさくさ に 紛れて 手 ぇつ ない じゃ って る しな

ラッキー

( あゆみ ) 赤 月 の 日 が 無事に 終わったら ―

告白 の 返事 …

さ せて

( 火 賀 ) おい ( 然子 ) う っ !

何 モタモタ し てんねん

( 然子 ) 火 賀 くん

( 火 賀 ) よ ー っ しゃ

ほら よ

よっ 行け !

( 律 ) あっ 然子 ちゃん おはよう

( 生徒 たち ) おはよう

お … お … おはよう

バレッタ ずれ てるよ

バレッタ ?

直して あげる

( 律 ) ん っ

( マリア ) かわいい ( 律 ) いい 感じ

あっ ねえ ねえ 今度 さ 一緒に パンケーキ 食べ に 行か ない ?

( 律 ) こんな いっぱい 重なって んだ よ 行こう よ

( マリア ) ね ?

うん

( 律 ・ マリア ) やった ー !

( 生徒 ) 私 も 行き たい ! ( 律 ) みんな で 行こう

( 火 賀 ) おい 誰 か 宿題 見せて くれ

( 星 嶋 ) おい また かよ ( 生徒 ) え ~ また ~?

( 火 賀 ) 悪い 悪い また 忘れた

ほれ

ありがとう ございます !

♪~

~♪

そう いや さ 4 人 で シャッフル して 入れ替わった とき に

俺 が あゆみ の 体 入って も よかった ん ちゃ うん ?

あ ! お前 まさか …

俺 が そんな こと さ せる と 思う か ?

クッソー お前 !

結局 全部 おいしい とこ 持って って る や ん け !

( 水本 ) 悪い ( 火 賀 ) うわ ー

( 火 賀 ) えー マジ ? ( あゆみ ) しろ ちゃん 火 賀 くん

みんな で いちご パフェ 食べ に 行か ない ?

アタシ も 一 度 食べて み たくて …

( 火 賀 ) おうおう いちご パフェ も パンケーキ も 全部 食べ に 行 こ

公 史郎 の おごり で な

なんで そう なる ?

だって 一 番 得して ん の お前 や から な

( あゆみ ) 得 って ? ( 火 賀 ) 実は な …

( 水本 ) ああ ち ょっ … 火 賀 ! 火 賀 !

( 火 賀 ) こいつ は こんな 澄ました 顔 して …

( 水本 ) 分かった 火 賀 おごって やる !

( 水本 ) 分かった から ! 分かった から ! な っ !

( 火 賀 ) お前 の 弱み 握った から な !

( 水本 ) 気 に し ないで なんでもない んだ ねっ

( 火 賀 と 水本 の 騒ぎ 声 )

( あゆみ ) 行 こ 行く よ ( 然子 ) うん

( 火 賀 ) でも ね この …

( 水本 ) 火 賀 ! 分かった から !

( あゆみ ) もう 行 こ 行 こ っ は い !

( 水本 ) おごって やる な っ !

腹 いっぱい 食べて いい から な っ

( 水本 ) 火 賀 ! ( 火 賀 ) ごめん な さ ー い

( あゆみ ・ 然子 ) キャー ( 水本 ) 気 に し ないで

火 賀 早く 行け って ! 早く

ああ もう !


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( 火 賀 ( か が )) おった か ? ひ|が||||

どこ 行って ん あいつ |おこなって||

( 水本 ( みず もと )) 彼女 が 危険だ みずもと|||かのじょ||きけんだ

( 火 賀 ・ あゆみ ) え ? ひ|が||

実は … じつは

( 然子 ( ぜんこ )) アタシ ね ぜんこ|||

もともと 死ぬ つもりだった んだ |しぬ||

( 担任 ) 昨日 から 小日向 ( こ ひなた ) あゆみ が 行方 不明に なって る たんにん|きのう||おびなた|||||ゆくえ|ふめいに||

自殺 なんか さ せて たまる か じさつ|||||

何がなんでも 絶対 捜し出す ぞ なにがなんでも|ぜったい|さがしだす|

( 水本 ) ああ ( あゆみ ) うん みずもと|||

( 男性 ) どうした の ~ だんせい||

あったかい とこ で お茶 でも 飲もう よ |||おちゃ||のもう|

ちょっと ぐらい いい じゃ ん ね ?

なんだ よ ブス

( 然子 ) 外見 を 変えた って 中身 は 変わら ない ぜんこ|がいけん||かえた||なかみ||かわら|

♪~

♪~

“ 中身 ” って 何 ? なかみ||なん

アタシ って …

何 ? なん

~♪

( チャイム ) ちゃいむ

( 宇金 ( う こん )) よく 考えた もの ね うきん||||かんがえた||

確かに この 方法 を 実行 すれば 元 に 戻れる 可能 性 は ある たしかに||ほうほう||じっこう||もと||もどれる|かのう|せい||

そう

( 宇金 ) あなた 戻る つもりな の ? うきん||もどる||

そんな わけない でしょ

せっかく 手 に 入れた 体 な んだ から |て||いれた|からだ|||

( 宇金 ) 私 も そう だった わ うきん|わたくし||||

( 然子 ) え ? ぜんこ|

貧しい 家庭 で 育った 私 は ずっと 孤独だった まずしい|かてい||そだった|わたくし|||こどくだった

“ お 金 さえ あれば 全て が 変わる ” そう 思って ― |きむ|||すべて||かわる||おもって

10 年 前 資産 家 の 娘 と 入れ替わった の とし|ぜん|しさん|いえ||むすめ||いれかわった|

( 王 地 ) 私 … おう|ち|わたくし

あなた が 羨ま し い ||うらやま||

( 宇金 ) は ? うきん|

( 王 地 ) だって 自由じゃ ない おう|ち||じゆうじゃ|

私 は 親 に 全部 決め られて 生きて きた の わたくし||おや||ぜんぶ|きめ||いきて||

ねえ

私 と 入れ替わら ない ? わたくし||いれかわら|

( 宇金 ) それ から は ― うきん|||

友達 も 恋人 も できて ともだち||こいびと||

“ この 生活 だけ は 死んで も 失い たく ない ” と 思って た |せいかつ|||しんで||うしない||||おもって|

( 然子 ) だったら どうして … ぜんこ||

どうして 元 に 戻ろう と した の ? |もと||もどろう|||

そんな こと …

あなた なら 聞か なくて も 分かる でしょ ? ||きか|||わかる|

え ?

イヤー ! いやー

あれ から 私 は ずっと 独り の まま ||わたくし|||ひとり||

あなた …

このまま だ と 私 と 同じに なる わ よ |||わたくし||どうじに|||

( 然子 ) 小日向 あゆみ の 体 を 奪って も ぜんこ|おびなた|||からだ||うばって|

小日向 あゆみ に は なりきれ なかった おびなた|||||

なんだ よ ブス

( 宇金 ) あなた … うきん|

このまま だ と 私 と 同じに なる わ よ |||わたくし||どうじに|||

( 担任 ) 小日向 ! ( 生徒 ) あゆみ ちゃ ー ん ! たんにん|おびなた|せいと|||-|

( 生徒 ) あゆみ ー ! せいと||-

あゆみ !

みんな が 捜して る “ あゆみ ” は アタシ じゃ ない ||さがして||||||

海 根 ( うみ ね ) さん !  海 根 さん ! うみ|ね||||うみ|ね|

( 優香 ) こんな 時間 まで ありがとう ゆか||じかん||

( あゆみ ) ママ やつれて る |まま||

寝て ない んだ な … ねて|||

あの 子 が 行き そうな 場所 は 全部 捜した んだ けど ね … |こ||いき|そう な|ばしょ||ぜんぶ|さがした|||

( あゆみ ) 行き そうな 場所 ? |いき|そう な|ばしょ

( 優香 ) 小さい ころ 通って た 公園 と か ゆか|ちいさい||かよって||こうえん||

思い出 の 場所 と か おもいで||ばしょ||

私 も 心当たり の 場所 捜して みる ね わたくし||こころあたり||ばしょ|さがして||

ママ は 少し 休んで て まま||すこし|やすんで|

( 優香 ) え ? ゆか|

( あゆみ ) 私 たち は 海 根 さん の こと を 全然 知ら ない |わたくし|||うみ|ね|||||ぜんぜん|しら|

だったら もう あの 人 に 聞く しか … |||じん||きく|

お 母さん ! |かあさん

( 京子 ) あと に して きょうこ|||

今 まで 黙って いて ごめんなさい いま||だまって||

私 は … わたくし|

然子 さん じゃ あり ませ ん ぜんこ|||||

本当 は クラスメート の 小日向 あゆみ な んです ほんとう||||おびなた|||ん です

何 わけ 分か ん ない こと を なん||わか||||

信じ られ ない の は 分かり ます しんじ|||||わかり|

でも 聞いて ください |きいて|

今 … いま

私 の 体 に 入って いる 然子 さん が 行方 不明に なって いて わたくし||からだ||はいって||ぜんこ|||ゆくえ|ふめいに||

早く 捜し出さ なきゃ ― はやく|さがしださ|

然子 さん が 死んじゃ う かも しれ ない んです ぜんこ|||しんじゃ|||||ん です

然子 さん の 行き そうな 場所 思い当たり ませ ん か ? ぜんこ|||いき|そう な|ばしょ|おもいあたり|||

知ら ない わ よ しら|||

( あゆみ ) 思い出 の 場所 と か お 父さん の 所 と か |おもいで||ばしょ||||とうさん||しょ||

( 京子 ) だ から 知ら ない って ば ! きょうこ|||しら|||

変な こと 言って ごめんなさい へんな||いって|

( 京子 ) 赤 月 の 森 きょうこ|あか|つき||しげる

ありがとう ございます !

( 火 賀 ) 手分け して 捜す しか ない か ひ|が|てわけ||さがす|||

( 水本 ) ここ は 俺 たち だけ で 捜す みずもと|||おれ||||さがす

あゆみ ちゃん は 家 に 戻って て くれ |||いえ||もどって||

そんな こと でき ない 私 も 行く ||||わたくし||いく

( 水本 ) でも 森 は 真っ暗だ みずもと||しげる||まっくらだ

暗 所 恐怖 症 の あゆみ ちゃん に とって は 危険 すぎる あん|しょ|きょうふ|しょう|||||||きけん|

お 願い 私 も 行か せて |ねがい|わたくし||いか|

2 人 に は 絶対 迷惑 かけ ない から じん|||ぜったい|めいわく|||

( 火 賀 ) じゃあ あゆみ は 右 の ルート な ひ|が||||みぎ||るーと|

( 水本 ) 火 賀 ! みずもと|ひ|が

こう なったら 這 ( は ) って でも 行く やろ ||は||||いく|

( 水本 ) 絶対 に 無理 だけ は し ないで みずもと|ぜったい||むり||||

( あゆみ ) うん

行く か いく|

( あゆみ ) 海 根 さん どこ に いる の ? |うみ|ね|||||

キャッ !

怖い でも … こわい|

どうして 怖い の か 今 なら 分かる |こわい|||いま||わかる

あの とき 私 は ― ||わたくし|

この先 も 永遠に 続く かも しれ ない 暗闇 に ― このさき||えいえんに|つづく||||くらやみ|

耐え られ ない ほど の 恐怖 を 感じて いた たえ|||||きょうふ||かんじて|

海 根 さん も ― うみ|ね||

そんな 暗闇 の 中 で 苦しみ 続けて いた の かも しれ ない |くらやみ||なか||くるしみ|つづけて|||||

海 根 さん ? うみ|ね|

大丈夫 ? だいじょうぶ

( 然子 ) う … う … ぜんこ||

うわ ああ !

ハァッ ハァッ ハァッ …

( 然子 の おびえる 声 ) ぜんこ|||こえ

( あゆみ ) 海 根 さん |うみ|ね|

( 然子 ) その 顔 で 近づか ないで ! ぜんこ||かお||ちかづか|

お 願い だ から … |ねがい||

( あゆみ ) みんな 心配 し てるよ ||しんぱい||

一緒に 帰ろう いっしょに|かえろう

( 然子 ) 違う でしょ ? ぜんこ|ちがう|

体 を 取り返し に 来た だけ でしょ ? からだ||とりかえし||きた||

火 賀 だけ じゃ ない ひ|が|||

しろ ちゃん まで あんた の 味方 して |||||みかた|

“ ざ まあ ” って 思って んでしょ ! |||おもって|

そんな こと ない !

私 は … わたくし|

海 根 さん が 無事に 生きて て うみ|ね|||ぶじに|いきて|

ホントに よかった って 思って る よ ほんとに|||おもって||

消えて きえて

消えて よ ! きえて|

あゆみ !  大丈夫 か ? |だいじょうぶ|

私 は … わたくし|

( 水本 ) 海 根 さん みずもと|うみ|ね|

迎え に 来た よ むかえ||きた|

( 然子 の 泣き声 ) ぜんこ||なきごえ

しろ ちゃん が 迎え に 来た の は アタシ じゃ ない |||むかえ||きた|||||

この 体 でしょ ? |からだ|

( 水本 ) そうだ ね みずもと|そう だ|

俺 の 気持ち に 期待 し ないで くれ おれ||きもち||きたい|||

元 に 戻ろう が その 姿 で いよう が ― もと||もどろう|||すがた|||

俺 が 君 に 恋愛 感情 を 持つ こと は ない おれ||きみ||れんあい|かんじょう||もつ|||

絶対 に ぜったい|

( 火 賀 ) おい   何も そこ まで … ひ|が||なにも||

( 水本 ) ただ 共感 できる 部分 は あった し みずもと||きょうかん||ぶぶん|||

海 根 さん が 生きて きた 環境 を 思えば 同情 も できる んだ うみ|ね|||いきて||かんきょう||おもえば|どうじょう|||

でも このまま …

このまま あゆみ ちゃん に 体 を 返さ ない と いう なら … ||||からだ||かえさ||||

それ は ただ の 逆恨み だ ||||さかうらみ|

俺 は 君 を 心底 軽蔑 する おれ||きみ||しんそこ|けいべつ|

なあ

ほん ま に 周り は あんた が 思う ほど 悪い ヤツ ら ばっかり やった ん か ? |||まわり||||おもう||わるい|やつ|||||

俺 は 入れ替わる 前 から 態度 変えた 覚え は ない し おれ||いれかわる|ぜん||たいど|かえた|おぼえ|||

公 史郎 や あゆみ だって あんた に 手 ぇ 差し伸べて た おおやけ|しろう||||||て||さしのべて|

手伝う よ てつだう|

1 人 で 大丈夫だ から じん||だいじょうぶだ|

海 根 さん 大丈夫 ? うみ|ね||だいじょうぶ

よかったら ノート |のーと

( 然子 ) いら ない ぜんこ||

( 火 賀 ) 他人 を 拒絶 し といて ひ|が|たにん||きょぜつ||

都合 が いい とき だけ 愛さ れ たい なんて つごう|||||あいさ|||

虫 が よ すぎる やろ ! ちゅう||||

( あゆみ ) もう やめて !

2 人 の 言う こと も 分かる けど じん||いう|||わかる|

私 は 海 根 さん を 責め られ ない わたくし||うみ|ね|||せめ||

私 … わたくし

誰 に も 分かって もらえ なかった んだ だれ|||わかって|||

私 あゆみ な の わたくし|||

( 優香 ) あゆみ の お 友達 かしら ? ゆか||||ともだち|

( 律 ( りつ )) もう あゆみ に 近づか ないで りつ|||||ちかづか|

気 を 持た せて しまった なら 謝る き||もた||||あやまる

( あゆみ ) それ だけ じゃ ない

( 星 嶋 ) 鏡 見て こ いよ 鏡 ほし|しま|きよう|みて|||きよう

( 天田 ( あまた )) ブス 専 に なり ました ー ! あまだ|||せん||||-

( マリア ) うち ら そんな 仲 じゃ な いっしょ まりあ||||なか|||

( 生徒 ) ブス って 自覚 ない の か なあ せいと|||じかく||||

( あゆみ ) 突然 傷つけ られて ― |とつぜん|きずつけ|

どう しよう も なく 苦しくて ||||くるしくて

きっと …

海 根 さん も そう だった んだ と 思う うみ|ね|||||||おもう

そう なったら …

1 人 じゃ どうにも でき ない の じん|||||

強く なんて い られ ない し つよく|||||

正しい 判断 だって でき ない よ ただしい|はんだん||||

フッ … フフ …

ちょっと …

アタシ が 間違って る 前提 で 話 進め ないで よ ||まちがって||ぜんてい||はなし|すすめ||

あんた ら 美 形 は いい わ よ ね ||び|かた|||||

キレイ ごと 並べる だけ で それ で 正義 に なれる んだ から ||ならべる|||||せいぎ||||

でも さあ

この 顔 で 生まれて きて も 今 と 同じ こと 言え ん の ? |かお||うまれて|||いま||おなじ||いえ||

“ どんな 姿 でも あゆみ が 好き ”? |すがた||||すき

笑わ せ ないで よ わらわ|||

それ 元 が かわいい から そんな こと 言え ん でしょ ? |もと||||||いえ||

あんた も 強 がって ないで 本音 言 いなよ ||つよ|||ほんね|げん|

もう ブス は こりごり だって

かわいい 姿 を 取り返した いって |すがた||とりかえした|

ええ かげん に しろ !

俺 ら が 言って る こと が キレイ ごと やったら おれ|||いって||||||

お前 の 言葉 は 被害 妄想 やろ おまえ||ことば||ひがい|もうそう|

は あ ?

あんた ら に 経験 ある ? |||けいけん|

すれ違い ざま 他人 に ブス って 言わ れた こと すれちがい||たにん||||いわ||

肩 が ぶつかった だけ で バイ 菌 呼ばわり さ れた こと かた||||||きん|よばわり|||

消え たかった わ よ きえ|||

どこ に も 逃げ場 なんて ないし 味方 も い なかった |||にげば|||みかた|||

アタシ は …

( 京子 ) 然子 ! きょうこ|ぜんこ

( あゆみ ) お 母さん ! ||かあさん

( 京子 ) あんた 何 して ん の ! きょうこ||なん|||

( 然子 ) なんで … 分かった の ? ぜんこ||わかった|

( 京子 ) 初め は 信じ られ なかった けど ― きょうこ|はじめ||しんじ|||

一目 見て 確信 した わ いちもく|みて|かくしん||

然子 が … 大変 ご 迷惑 お かけ し ました ぜんこ||たいへん||めいわく||||

あんた も 一緒に 謝 ん なさい ||いっしょに|あやま||

( 然子 ) う う ! ( 京子 ) さあ 早く ! ぜんこ|||きょうこ||はやく

( 然子 ) うるさい ! ぜんこ|

今更 母親 ヅラ し ないで ! いまさら|ははおや|||

( 京子 ) アハ … きょうこ|

何 よ … なん|

何 が おかしい の ? なん|||

こんな かわいい 顔 に なれた のに … ||かお|||

性格 は 変わら なかった の ね せいかく||かわら|||

かわいそうな 子 |こ

( 然子 ) う う ! ぜんこ||

アタシ は …

体 と 一緒に あんた を 捨てた からだ||いっしょに|||すてた

まあ …

もともと 家族 なんて 思って なかった けど ね |かぞく||おもって|||

海 根 さん ! うみ|ね|

( あゆみ ) 海 根 さん |うみ|ね|

来 ないで ! らい|

( あゆみ ) 危ない から … |あぶない|

中 に 戻ろう なか||もどろう

もう キレイ ごと は うんざり

( 水本 ) あゆみ は お前 の こと マジ で 心配 して … みずもと|||おまえ|||||しんぱい|

頼んで ねえ んだ よ ! たのんで|||

こんな はず じゃ なかった

小日向 あゆみ の 体 を 奪って ― おびなた|||からだ||うばって

しろ ちゃん の 彼女 に なって ― |||かのじょ||

外見 も 環境 も ― がいけん||かんきょう|

何 不自由 ない 人生 を 手 に 入れる はずだった なん|ふじゆう||じんせい||て||いれる|

だけど …

もう 終わり |おわり

顔 も 心 も お キレイ な あんた たち に 教えて あげる かお||こころ||||||||おしえて|

理不尽な 苦し み を りふじんな|にがし||

この 顔 を ズタズタ に して ね ! |かお||ずたずた|||

( 水本 ) 海 根 さん みずもと|うみ|ね|

( 水本 ) やめる んだ ! ( 海 根 ) うるさい … みずもと|||うみ|ね|

あゆみ の 顔 を 傷つけたら ただ じゃ おかん から な ||かお||きずつけたら|||||

うるさい !

( 京子 ) 然子 ! きょうこ|ぜんこ

来 ないで らい|

( 京子 ) ごめん 然子 きょうこ||ぜんこ

あんた を ここ まで 追い詰めて た なんて … ||||おいつめて||

( 然子 ) なんで … ぜんこ|

( 京子 ) 1 人 に さ せて しまって ごめん … きょうこ|じん|||||

( 然子 ) 今更 遅い んだ よ ! ぜんこ|いまさら|おそい||

( あゆみ ) 遅く なんて ない |おそく||

海 根 さん の 体 に なって … うみ|ね|||からだ||

確かに 最初 は 孤独だった たしかに|さいしょ||こどくだった

でも 火 賀 くん が 気づいて くれた とき |ひ|が|||きづいて||

たった 1 人 でも 自分 を 認めて くれる 人 が いれば |じん||じぶん||みとめて||じん||

暗闇 から 出 られる ん だって 分かった の くらやみ||だ||||わかった|

また キレイ ごと

キレイ ごと に 聞こえた って 私 は 本気だ よ |||きこえた||わたくし||ほんきだ|

( 火 賀 ) 海 根 さん ひ|が|うみ|ね|

なん やかん や 言った けど さ |||いった||

俺 あんた の 根性 すごい なって 思って んで おれ|||こんじょう|||おもって|

なあ ?  公 史郎 |おおやけ|しろう

ああ

海 根 さん の 命懸け の 訴え は ― うみ|ね|||いのちがけ||うったえ|

俺 たち に 届いて る おれ|||とどいて|

もう 1 人 じゃ ない んだ よ 海 根 さん は |じん|||||うみ|ね||

( 然子 ) うわ ああ あー ! ぜんこ|||

( 然子 の 泣き声 ) ぜんこ||なきごえ

( あゆみ ) その 翌日 ||よくじつ

赤 月 の 日 に 私 たち は ― あか|つき||ひ||わたくし||

しろ ちゃん が 思いついた 方法 を 実行 した |||おもいついた|ほうほう||じっこう|

まずは 私 と 火 賀 くん |わたくし||ひ|が|

そして ―

海 根 さん と しろ ちゃん が 入れ替わった うみ|ね||||||いれかわった

( 衝突 音 ) しょうとつ|おと

それ から 1 週間 後 ||しゅうかん|あと

最後 の 赤 月 の 日 さいご||あか|つき||ひ

私 と しろ ちゃん わたくし|||

海 根 さん と 火 賀 くん が 入れ替わる こと が できれば ― うみ|ね|||ひ|が|||いれかわる|||

全て が 元 に 戻る すべて||もと||もどる

( 然子 ) 小日向 さん ぜんこ|おびなた|

それ は ?

( あゆみ ) さっき 火 賀 くん が お守り に って ||ひ|が|||おもり||

海 根 さん きっと 成功 する よ ね ? うみ|ね|||せいこう|||

( 火 賀 ) なあ 公 史郎 ひ|が||おおやけ|しろう

( 水本 ) なんだ よ 火 賀 みずもと|||ひ|が

( 火 賀 ) マジ で 元 に 戻れる ん やろ な ? ひ|が|||もと||もどれる|||

( 水本 ) やめる か ? みずもと||

いや

もう 人 の 体 は ごめん や |じん||からだ|||

でも よ お

元 に 戻って も 手 ぇつ な ぐん だけ は やめよ な もと||もどって||て|||||||

ああ 見 られた もん じゃ ない |み||||

小日向 さん おびなた|

ありがとう

( 優香 ) あゆみ ゆか|

今日 は 雨降 るみ たいよ 傘 持っていき なさい きょう||あめふらし|||かさ|もっていき|

私 あゆみ な の わたくし|||

あゆみ ?

( あゆみ ) いって き ます

いって らっしゃい

お 待た せ |また|

( 水本 ) あゆみ ちゃん おはよう ( 火 賀 ) 遅い ぞ あゆみ みずもと||||ひ|が|おそい||

行 こ ぎょう|

( 水本 ) うん みずもと|

( 火 賀 ) うわ ー 俺 もう 腹 へった わ ひ|が||-|おれ||はら||

( 水本 ) もう ? ( あゆみ ) 早く ない ? みずもと|||はやく|

何 ? なん

( 然子 ) 別に ぜんこ|べつに

さようなら 天 ヶ 瀬 ( あま が せ ) さん |てん||せ||||

( あゆみ ) え ? また 宿題 忘れた の ? |||しゅくだい|わすれた|

( 水本 ) たまに は 自分 で やってこい みずもと|||じぶん||

( 火 賀 ) いや 昨日 は 寝る 暇 も ない ぐらい 忙しかった ひ|が||きのう||ねる|いとま||||いそがしかった

( 水本 ) どうせ ゲーム だ ろ みずもと||げーむ||

( あゆみ ) やめた ほう が いい って また 赤 点 取る よ |||||||あか|てん|とる|

あー うるさ っ お前 ら オカン かよ |||おまえ|||

そう だ

これ ポケット に 入って たよ |ぽけっと||はいって|

あゆみ ちゃん のだ ろ ?

はい

火 賀 待てよ ひ|が|まてよ

火 賀 くん しろ ちゃん ひ|が|||

元 に 戻して くれて ありがとう もと||もどして||

だけど 私 … |わたくし

しろ ちゃん の 彼女 に は 戻れ ない |||かのじょ|||もどれ|

火 賀 くん と も … ひ|が|||

つきあえ ない

やっぱり …

何も 知ら なかった ころ の 私 に は 戻れ ない んだ なにも|しら||||わたくし|||もどれ||

公 史郎 悪い おおやけ|しろう|わるい

ちょっと あゆみ 借りる わ ||かりる|

( あゆみ ) ちょっと …

( あゆみ ) え ? ちょ っ ちょ っ ちょ っ …

え ?  あ … 火 賀 くん ? ||ひ|が|

( 火 賀 ) お前 は 俺 の こと が 好き や ひ|が|おまえ||おれ||||すき|

でも それ 友達 と して やろ ||ともだち|||

お前 が なあ … おまえ||

ほん ま に 恋して ん の 誰 や |||こいして|||だれ|

奪える もん なら 奪い たかった よ うばえる|||うばい||

でも な …

お前 戻す ため に 一 番 苦しんだ ん あいつ やろ おまえ|もどす|||ひと|ばん|くるしんだ|||

気 ぃ 使って 迷う な よ き||つかって|まよう||

あいつ の 圧勝 や ||あっしょう|

その バレッタ |ばれった

今 の お前 に 必要な い いま||おまえ||ひつような|

ありがとう 火 賀 くん |ひ|が|

じゃあ 俺 先 行 くわ |おれ|さき|ぎょう|

( 水本 ) あゆみ ちゃん ? みずもと||

火 賀 は ? ひ|が|

う うん

( 火 賀 ) 怖 さ 1 ミリ も ない って ひ|が|こわ||みり|||

( あゆみ ) ひど !  一生懸命 描いた のに ||いっしょうけんめい|えがいた|

俺 カッパ か おれ||

あり が と

( 火 賀 ) お ~ ら ( あゆみ ) いっ … 痛い ! ひ|が|||||いたい

( あゆみ ) 痛い ~ ( 火 賀 ) 痛い か 痛い か |いたい|ひ|が|いたい||いたい|

みんな 50 円 で いい よ |えん|||

どさくさ に 紛れて 手 ぇつ ない じゃ って る しな ||まぎれて|て||||||

ラッキー らっきー

( あゆみ ) 赤 月 の 日 が 無事に 終わったら ― |あか|つき||ひ||ぶじに|おわったら

告白 の 返事 … こくはく||へんじ

さ せて

( 火 賀 ) おい ( 然子 ) う っ ! ひ|が||ぜんこ||

何 モタモタ し てんねん なん|もたもた||

( 然子 ) 火 賀 くん ぜんこ|ひ|が|

( 火 賀 ) よ ー っ しゃ ひ|が||-||

ほら よ

よっ 行け ! |いけ

( 律 ) あっ 然子 ちゃん おはよう りつ||ぜんこ||

( 生徒 たち ) おはよう せいと||

お … お … おはよう

バレッタ ずれ てるよ ばれった||

バレッタ ? ばれった

直して あげる なおして|

( 律 ) ん っ りつ||

( マリア ) かわいい ( 律 ) いい 感じ まりあ||りつ||かんじ

あっ ねえ ねえ 今度 さ 一緒に パンケーキ 食べ に 行か ない ? |||こんど||いっしょに||たべ||いか|

( 律 ) こんな いっぱい 重なって んだ よ 行こう よ りつ|||かさなって|||いこう|

( マリア ) ね ? まりあ|

うん

( 律 ・ マリア ) やった ー ! りつ|まりあ||-

( 生徒 ) 私 も 行き たい ! ( 律 ) みんな で 行こう せいと|わたくし||いき||りつ|||いこう

( 火 賀 ) おい 誰 か 宿題 見せて くれ ひ|が||だれ||しゅくだい|みせて|

( 星 嶋 ) おい また かよ ( 生徒 ) え ~ また ~? ほし|しま||||せいと||

( 火 賀 ) 悪い 悪い また 忘れた ひ|が|わるい|わるい||わすれた

ほれ

ありがとう ございます !

♪~

~♪

そう いや さ 4 人 で シャッフル して 入れ替わった とき に |||じん||||いれかわった||

俺 が あゆみ の 体 入って も よかった ん ちゃ うん ? おれ||||からだ|はいって|||||

あ !  お前 まさか … |おまえ|

俺 が そんな こと さ せる と 思う か ? おれ|||||||おもう|

クッソー お前 ! |おまえ

結局 全部 おいしい とこ 持って って る や ん け ! けっきょく|ぜんぶ|||もって|||||

( 水本 ) 悪い ( 火 賀 ) うわ ー みずもと|わるい|ひ|が||-

( 火 賀 ) えー マジ ? ( あゆみ ) しろ ちゃん 火 賀 くん ひ|が||||||ひ|が|

みんな で いちご パフェ 食べ に 行か ない ? ||||たべ||いか|

アタシ も 一 度 食べて み たくて … ||ひと|たび|たべて||

( 火 賀 ) おうおう いちご パフェ も パンケーキ も 全部 食べ に 行 こ ひ|が|||||||ぜんぶ|たべ||ぎょう|

公 史郎 の おごり で な おおやけ|しろう||||

なんで そう なる ?

だって 一 番 得して ん の お前 や から な |ひと|ばん|とくして|||おまえ|||

( あゆみ ) 得 って ? ( 火 賀 ) 実は な … |とく||ひ|が|じつは|

( 水本 ) ああ ち ょっ … 火 賀 !  火 賀 ! みずもと||||ひ|が|ひ|が

( 火 賀 ) こいつ は こんな 澄ました 顔 して … ひ|が||||すました|かお|

( 水本 ) 分かった 火 賀 おごって やる ! みずもと|わかった|ひ|が||

( 水本 ) 分かった から ! 分かった から !  な っ ! みずもと|わかった||わかった|||

( 火 賀 ) お前 の 弱み 握った から な ! ひ|が|おまえ||よわみ|にぎった||

( 水本 ) 気 に し ないで なんでもない んだ   ねっ みずもと|き||||||

( 火 賀 と 水本 の 騒ぎ 声 ) ひ|が||みずもと||さわぎ|こえ

( あゆみ ) 行 こ 行く よ ( 然子 ) うん |ぎょう||いく||ぜんこ|

( 火 賀 ) でも ね この … ひ|が|||

( 水本 ) 火 賀 ! 分かった から ! みずもと|ひ|が|わかった|

( あゆみ ) もう 行 こ 行 こ っ は い ! ||ぎょう||ぎょう||||

( 水本 ) おごって やる な っ ! みずもと||||

腹 いっぱい 食べて いい から な っ はら||たべて||||

( 水本 ) 火 賀 ! ( 火 賀 ) ごめん な さ ー い みずもと|ひ|が|ひ|が||||-|

( あゆみ ・ 然子 ) キャー ( 水本 ) 気 に し ないで |ぜんこ||みずもと|き|||

火 賀 早く 行け って ! 早く ひ|が|はやく|いけ||はやく

ああ もう !