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JIN-仁- 完结编, JIN-仁- 完结编 #10 (2)

JIN - 仁 - 完结 编 #10 (2)

大丈夫です か ?

ところで …

ヒーロー って …

何 じゃ ?

( 呼吸 困難に なる 龍 馬 )

龍 馬 さん ?

龍 馬 さん ! 龍 馬 さん ッ !

肺 塞 栓 を 起こして ます 咲 さ ん アンビュバッグ と ラリンジアルマスク を !

はい ! 大丈夫です よ 何とか なり ます から

( 佐分利 ) 脈拍 低下 血圧 も 低下 して ます !

咲 さ ん 早く !

先生 …

何で すか ?

龍 馬 さん

先生 …

わし ゃあ …

ちゃんと

先生 の …

生まれて くる 国

つくれた かのう ?

先生 の ように

優しゅう て

ばか正直な 人間 が …

笑う て 生きて いける

国 を …

はい !

ほうか え …

まっ こと …

龍 馬 さん

脈 あり ませ ん ! 心拍 停止 !

マスク 装着 早く ッ ! 足 持ち上げて ください

はい ッ

龍 馬 さん ッ

この後 …

確か … 色々 大変な んです よ

色 んな とこ で

反乱 が 起きたり して

城 と かも 燃えて しまったり する んです

先生 何 言う て …

西郷 さん と かも 大変な こと に なる んです よ

龍 馬 さん い なく なったら …

そんな こと に なる んです

まだまだ やら なきゃ いけない こと ある でしょ !

戻って こい

龍 馬 さん

戻って こい

戻って こい ッ !

坂本 龍 馬 ーッ !

何で 頭痛 が こ ない んだ ?

≪( 龍 馬 ) もう やめる ぜ よ 先生

≪( 龍 馬 ) ほれ 一緒に 行く ぜ よ

どこ に …

行く って いう んです か ?

どこ に 行く んです か ?

龍 馬 さん …

≪( 野 風 ) お っ 母さん は 昔 →

雪 に なり たい と 願った こと が あり ん して なあ

そう すれば

どこ へ でも 行ける と …

いとしい 方 の 肩 に

落ちて いく こと も できる と

安 寿

これ が 雪 であり ん すよ

≪( 大久保 ) 遺書 に は こん まま じゃれ ば →

あだ を 討つ 前 に 誰 か に 坂本 さあ を 殺さ れて しまう かも しれ ん →

そん 前 に 自分 が 本 懐 を 遂げた かち あった そうで ご わす

( 西郷 ) 東 さあ は 坂本 さ あの つくった もん を

守った と かもし れ ん

もし かして あん 夜 坂本 さあ は 誰 か に 襲わ れ

東 さあ は もはや 守りきれ ん ち 思う た と かもし れ ん

そい が 仮に 徳川 じ ゃっ たち すれば

大政 奉還 は

徳川 の 本意 じゃ なかった っ ちゅうこ つ に も なる

そげ んなれば 坂本 さあ の 成し遂げた 仕事 は

水 の 泡 ち なる じゃ ろう

じゃ っと ん ただ の あだ討ち じゃ れば

誰 も 文句 は 言え ん

ただ の 推量 じゃ っと ん

( 大久保 ) 坂本 の 志 を 継いで やろ うち

思う ちょ った と じゃ ご わ は ん か

あげ な こつ は

坂本 さあ に しか でき ん

おい は

おい の やり 方 しか 知ら ん

また 何 か ご 思案 を さ れて いる ので ?

龍 馬 さん 東 さん に

自分 を 守る ため に 斬った んだ ろ って 言った んです

龍 馬 さん に 重傷 を 負わ せれば 恭 太郎 さん 達 は 去る

その後

私 が 治す こと を 願って た の か なって 思って

かよう なお 考え なら

あそこ まで の 傷 を 負わす こと は なかった ので は ない でしょう か ?

東 様 が お守り しよう と した の は

坂本 様 の 生き 方 の ような もの だった ので は ない か と

これ を お 登 勢 さん が

坂本 様 の 形見 分け を して くださって

肌身 離さ ず

お 持ち に なら れて いた ようです

龍 馬 さん が ?

いえ …

あの …

もっと 落胆 さ れて いる か と …

ああ …

こう なる んじゃ ない か って 思わ なかった わけじゃ ない んで

どこ か …

覚悟 を して たって いう か

まあ 何の ため に 来た の か

また 分から なく なっちゃ い ました けど

咲 さん こそ

つらかった でしょう ?

恭 太郎 さん の こと …

忘れて おけ なんて … すいません

いえ …

私 は …

私 は …

すみません

気 が ゆるみ まして

兄 の こと は …

兄 の こと を

お 許し ください ませ

頭 を 上げて ください

許す も 許さ ない も 私 は …

〈 その 顔 を 見て ふと 思った 〉

〈 咲 さん は 俺 が ここ に い なければ 〉

〈 こんな 顔 を する こと は なかった んじゃ ない だろう か 〉

〈 俺 は ここ に いる 人 達 を 救え ない ばかり か 〉

〈 運命 の 歯車 を 狂わせて いる だけ な んじゃ ない だろう か ?〉

咲 さ ん

先生 … 何 や また 戦 が 起こる って

予言 みたいな こ と 言う て はり ま へんでした か ?

また 夢 の お告げ が あった ので は ない でしょう か ?

( 佐分利 ) 一体 何 が …

≪( 福田 ) お 帰り なさい まし

何 が あった んです か ?

仁 友 堂 が に せ の ペニシリン の 作り 方 教えた って

訴え られた んで っか ?

( 福田 ) 山田 先生 は 南方 先生 の 代わり に

牢 に 入れ られた ので ございます

私 の 代わり に ?

何 大した こと で は ございませ ぬ

( 福田 ) とにもかくにも 事実 無 根 の 訴え

元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 と 松本 先生 勝 先生 に も お忍び で 集まって いただき

鈴 屋 で 相談 を 願った のです →

そこ で 鈴 屋 の 亭主 から 仁 友 堂 に 深く 恨み を 抱く 者 と して →

三隅 の 名 が あげ られ …

《( 勝 ) ひと つ 策 を 仕掛けて み ねえ か ?》

《 策 と は ?》

≪( 福田 ) 勝 先生 の 策 で 噂 を 流して みる こと に した のです

《( 良 順 ) 訴え 出た 医者 の 一 人 が 良心 に 耐え かね 》

《 内幕 を 話し たい と 申し出て きた らしい もっとも 》

《 まだ 噂 な のだ が 仁 友 堂 の 疑い が 晴れる かも しれ ぬ 》

( 福田 ) 松本 先生 が 三隅 に ちらり と その 話 を 漏らした ところ

動き が 出 まして な 三隅 は 名 を 借りた 医者 達 を 集め →

ねぎらう ふり を して 殺そう と した のです

《( 医者 ) 変わった 香り です な 》 《( 三隅 ) くだり もの の 逸品 です 》

《≪( 女 中 ) 先生 お 客 様 が 》 《 後 に せい !》

《 その 逸品 の 酒 》

《 我ら も いただける かのう ?》

《 先生 方 の お 口 に 合う もの で は …》 《 心配 は 無用 》

《 我ら は 南方 医師 より 学んだ 胃 洗浄 の 支度 も して きて おる !》

≪( 福田 ) そこ で 三隅 は お 縄 に なり →

ただいま 詮議 に かけ られて おり ます

三隅 は 何 が し たかった んで っか ?

先生 が おら れ ぬ 間 に 仁 友 堂 を つぶし 戻って きた ところ で

先生 を 罪人 と して 葬る 算段 だった の か と →

お 調べ の とき の こと を 逆恨み して いた ようです

いや 疑い が 晴れ

誠に よかった です

ペニシリン は お守り し ました ぞ 南方 先生

当分 は 風当たり も 厳しかろう と は 思い ます が

何 いずれ 信用 も 戻り ましょう

これ まで 以上 励ま ねば なり ませ ぬ ぞ

《 御免 !》

《 うわ あー ッ !》

南方 先生 ?

あの …

仁 友 堂 は これ で 終わり に さして ください

え ッ ?

私 は 疫病 神 だ と 思う んです

私 が ここ に 来 なければ 皆さん 医学 所 や 医学 館 で

普通に 出世 して

こんな 目 に あう こと は なかった んです

私 と 関わる こと で

やり たく も ない 仕事 やらさ れたり

助けた 誰 か が

誰 か の 命 を 奪う ような こと に なったり

患者 さん だって

私 が 治療 を 行わ なければ

苦し み を 長引か せる こと も なかった んです

それ に …

私 の 頭 の 中 に は 岩 が あり ます

かなり 進行 して る と 思わ れ ます し

取り除く こと は

どう やって も でき ませ ん

これ から は

ここ を 続けて いく こと も 難しく なる と 思い ます

皆さん の こと は 松本 先生 に お 願い し ます ので

ほんと …

勝手で すいません

私 達 に …

病人 を おいて 出て 行け と おっしゃる ので ございます か ?

そのような お 言葉 に 従って は …

緒方 先生 に 向ける 顔 が ございませ ぬ

山田 先生 …

使い にくい と おっしゃって た でしょう ?→

持ち 手 の ところ を 少し 削って みた んです

先生 持って やって ください

これ から も こいつ が 先生 の なさり やすい ように

道具 を 工夫 し 続け ます から

先生

私 の 夢 は この世 で 一 番 の 医者 に なる こと で ございました

先生 が 疫病 神 でも

鬼 でも

何 や 変な 夢 ばっ か 見とって も

出会えた こと を 後悔 した こと など

一瞬 たり と も ございませ ん

先生

私 ども に

持てる すべて を

教えて ください ませ

国 の ため

道 の ため に

はい

あの 日 見た こと を 話す なって こと です か ?

( 橘 ) はい

咲 と 母 の ため と 思って

何とぞ お 含み くだされば と

己 が どれほど 卑しい こと を 申して おる か は

分かって おる つもりです が

何とぞ

恭 太郎 さん

龍 馬 さん の 最後 の 言葉 は

「 この 国 を ちゃんと つくれた の か ?」 でした

死んで いった 人 達 に できる の は

その 人 達 が

もう 一 度 生まれて き たい と 思う 国 を つくる こと だ って

ずっと 思って た んだ と 思い ます

この こと を 忘れ ず に

前 を 向き ませ ん か ?

はい

〈 それ から 俺 は …〉

〈 仁 友 堂 を 続け ながら 〉

〈 松本 先生 と 多紀 先生 に 頼んで 〉

〈 医学 所 や 医学 館 で の 講義 も 改めて 持た せて もらった 〉

抽出 液 を 浸した 紙 を 置いた 周り に

このように 丸い …

大丈夫です か ? 先生 ! 先生 も お 年 な もん で …

〈 だけど 頭痛 は 前 に も 増して 頻繁に なって いった 〉

( 喜市 ) 先生 元気 ねえ な ちゃん と 食って ん の か よ ?

( 茜 ) ほら 子 あん ドーナツ も 食べ な よ ありがとう ございます

( 町人 A ) 鳥羽 伏見 で 負けた って ? 徳川 が ?

( B ) そう だって よ

〈 一方 で 龍 馬 さん の 死後 〉

〈 徳川 を 武力 でも 倒そう と いう 流れ は 止め られ ず 〉

〈 旧 幕府 軍 と 新 政府 軍 の 戦い が 起こり 〉

〈 この 年 の 三 月 〉

〈 新 政府 軍 西郷 さん の 率いる 官軍 が 〉

〈 品川 に まで 迫って くる まで に なって いた ようだった 〉

先生 胃 の 腑 が 痛んで よ

じゃあ 診て み ましょう か 訳 は 分かって んだ よ

明日 西郷 と の 談判 なんだ が よ

うまく いか なかったら て め えら の 手 で 江戸 に 火 を かけて

みんな を 逃がせ って おい ら 実は 新 門 の 親分 に 頼んで んだ

何で そんな …

西郷 を 話し合い に 応じ させる ため さ

焼き払わ れた 江戸 に 入った って 餌 は なく なる だ ろ

すごい 賭け です ね

先生 これ だけ 教えて くれ

江戸 は 火 の 海 に なる の かい ?

なら ない の かい ?

これ が 禁じ手 だって こ た あ よく 分かって んだ

火 の 海 …

火 の 海 …

でも それ って

勝 先生 しだい な んじゃ ない でしょう か ?

そう

そう だ よ な

江戸 を 火 の 海 に したって ひと つ も いい こと も ある め え

列強 の 餌食 に なる の が 落ち だ と 思わ ねえ か ?

俺 ら が やって ん の は この 茶碗 の 中 の 戦い と 一緒 よ

坂本 さあ が

以前 同じ こつ を 言わ れ も した どん

あんた は 勘違い し てるよ

おい ら が あいつ を まね して んじゃ ねえ

あいつ が おい ら の まね を して んだ よ

あいつ と おい ら は 一緒な んだ よ

あいつ は 終わっちゃ い ねえ んだ よ

西郷 さん

分かり も した

そうかい

〈 龍 馬 さん が い なく なった 今 〉

〈 あの 患者 は おそらく 確実に 俺 な んだろう 〉

〈 あんな 腫瘍 を 放置 すれば 確実に 死に 至る 〉

〈 だ と したら 生 ある うち に 持てる すべて を 伝えよう 〉

〈 それ は 明日 に つながる はずだ から 〉

( 佐分利 ) メス は い

〈 命 を 救う 技術 は 刻みつけ られて いく はずだ 〉

〈 この 人 達 の 手 に 目 に 〉

〈 心 に 〉

〈 生き残る すべ を 命 の らせん が 刻む ように 〉

≪( 龍 馬 ) その とおり ぜ よ 先生

え ッ ?

どうか なさ い ました か ?

あ ッ … いえ

≪( 龍 馬 ) ここ ぜ よ 先生

あ ッ ! あー ッ … 先生 !

大丈夫で ございます か ?

《( 象 山 ) 意 に 沿わ ぬ こと であったら 神 は 容赦 なく →》

《 お前 の やった こと を 取り消す 》

《( 未来 ) こんなに 怖い んだ ね 手術 さ れる 方 って 》


JIN - 仁 - 完结 编 #10 (2) |しとし|かん结|

大丈夫です か ? だいじょうぶ です|

ところで …

ヒーロー って … ひーろー|

何 じゃ ? なん|

( 呼吸 困難に なる 龍 馬 ) こきゅう|こんなんに||りゅう|うま

龍 馬 さん ? りゅう|うま|

龍 馬 さん !  龍 馬 さん ッ ! りゅう|うま||りゅう|うま||

肺 塞 栓 を 起こして ます 咲 さ ん   アンビュバッグ と ラリンジアルマスク を ! はい|ふさ|せん||おこして||さ||||||

はい ! 大丈夫です よ   何とか なり ます から |だいじょうぶ です||なんとか|||

( 佐分利 ) 脈拍 低下   血圧 も 低下 して ます ! さぶり|みゃくはく|ていか|けつあつ||ていか||

咲 さ ん   早く ! さ|||はやく

先生 … せんせい

何で すか ? なんで|

龍 馬 さん りゅう|うま|

先生 … せんせい

わし ゃあ …

ちゃんと

先生 の … せんせい|

生まれて くる 国 うまれて||くに

つくれた かのう ?

先生 の ように せんせい||よう に

優しゅう て ゆうしゅう|

ばか正直な 人間 が … ばかしょうじきな|にんげん|

笑う て   生きて いける わらう||いきて|

国 を … くに|

はい !

ほうか え …

まっ こと …

龍 馬 さん りゅう|うま|

脈 あり ませ ん !  心拍 停止 ! みゃく||||しんぱく|ていし

マスク 装着   早く ッ ! 足   持ち上げて ください ますく|そうちゃく|はやく||あし|もちあげて|

はい ッ

龍 馬 さん ッ りゅう|うま||

この後 … このあと

確か …  色々   大変な んです よ たしか|いろいろ|たいへんな|ん です|

色 んな とこ で いろ|||

反乱 が 起きたり して はんらん||おきたり|

城 と かも 燃えて しまったり する んです しろ|||もえて|||ん です

先生   何 言う て … せんせい|なん|いう|

西郷 さん と かも 大変な こと に なる んです よ さいごう||||たいへんな||||ん です|

龍 馬 さん   い なく なったら … りゅう|うま||||

そんな こと に なる んです ||||ん です

まだまだ   やら なきゃ いけない こと ある でしょ !

戻って こい もどって|

龍 馬 さん りゅう|うま|

戻って こい もどって|

戻って こい ッ ! もどって||

坂本 龍 馬 ーッ ! さかもと|りゅう|うま|-ッ

何で 頭痛 が こ ない んだ ? なんで|ずつう||||

≪( 龍 馬 ) もう やめる ぜ よ   先生 りゅう|うま|||||せんせい

≪( 龍 馬 ) ほれ   一緒に 行く ぜ よ りゅう|うま||いっしょに|いく||

どこ に …

行く って いう んです か ? いく|||ん です|

どこ に 行く んです か ? ||いく|ん です|

龍 馬 さん … りゅう|うま|

≪( 野 風 ) お っ 母さん は 昔 → の|かぜ|||かあさん||むかし

雪 に なり たい と 願った こと が あり ん して なあ ゆき|||||ねがった||||||

そう すれば

どこ へ でも 行ける と … |||いける|

いとしい 方 の 肩 に |かた||かた|

落ちて いく こと も できる と おちて|||||

安 寿 やす|ひさ

これ が 雪 であり ん すよ ||ゆき|||

≪( 大久保 ) 遺書 に は こん まま じゃれ ば → おおくぼ|いしょ||||||

あだ を 討つ 前 に   誰 か に 坂本 さあ を 殺さ れて しまう かも しれ ん → ||うつ|ぜん||だれ|||さかもと|||ころさ|||||

そん 前 に   自分 が 本 懐 を 遂げた かち あった そうで ご わす |ぜん||じぶん||ほん|ふところ||とげた|||そう で||

( 西郷 ) 東 さあ は 坂本 さ あの つくった もん を さいごう|ひがし|||さかもと|||||

守った と かもし れ ん まもった||||

もし かして   あん 夜 坂本 さあ は 誰 か に 襲わ れ |||よ|さかもと|||だれ|||おそわ|

東 さあ は   もはや 守りきれ ん ち 思う た と かもし れ ん ひがし||||まもりきれ|||おもう|||||

そい が 仮に   徳川 じ ゃっ たち すれば ||かりに|とくがわ||||

大政 奉還 は たいせい|ほうかん|

徳川 の 本意 じゃ なかった っ ちゅうこ つ に も なる とくがわ||ほんい||||||||

そげ んなれば 坂本 さあ の 成し遂げた 仕事 は ||さかもと|||なしとげた|しごと|

水 の 泡 ち なる じゃ ろう すい||あわ||||

じゃ っと ん ただ の あだ討ち じゃ れば |||||あだうち||

誰 も 文句 は 言え ん だれ||もんく||いえ|

ただ の 推量 じゃ っと ん ||すいりょう|||

( 大久保 ) 坂本 の 志 を 継いで やろ うち おおくぼ|さかもと||こころざし||ついで||

思う ちょ った と じゃ ご わ は ん か おもう|||||||||

あげ な こつ は

坂本 さあ に しか   でき ん さかもと|||||

おい は

おい の やり 方 しか   知ら ん |||かた||しら|

また 何 か   ご 思案 を さ れて いる ので ? |なん|||しあん|||||

龍 馬 さん   東 さん に りゅう|うま||ひがし||

自分 を 守る ため に 斬った んだ ろ って 言った んです じぶん||まもる|||きった||||いった|ん です

龍 馬 さん に 重傷 を 負わ せれば 恭 太郎 さん 達 は 去る りゅう|うま|||じゅうしょう||おわ||きよう|たろう||さとる||さる

その後 そのご

私 が 治す こと を 願って た の か なって 思って わたくし||なおす|||ねがって|||||おもって

かよう なお 考え なら ||かんがえ|

あそこ まで の 傷 を 負わす こと は なかった ので は ない でしょう か ? |||きず||おわす||||||||

東 様 が   お守り しよう と した の は ひがし|さま||おもり|||||

坂本 様 の 生き 方 の ような もの だった ので は ない か と さかもと|さま||いき|かた|||||||||

これ を   お 登 勢 さん が |||のぼる|ぜい||

坂本 様 の 形見 分け を して くださって さかもと|さま||かたみ|わけ|||

肌身 離さ ず はだみ|はなさ|

お 持ち に なら れて いた ようです |もち|||||よう です

龍 馬 さん が ? りゅう|うま||

いえ …

あの …

もっと 落胆 さ れて いる か と … |らくたん|||||

ああ …

こう なる んじゃ ない か って 思わ なかった わけじゃ ない んで ||||||おもわ||||

どこ か …

覚悟 を して たって いう か かくご|||||

まあ   何の ため に 来た の か |なんの|||きた||

また 分から なく なっちゃ い ました けど |わから|||||

咲 さん こそ さ||

つらかった でしょう ?

恭 太郎 さん の こと … きよう|たろう|||

忘れて おけ なんて … すいません わすれて|||

いえ …

私 は … わたくし|

私 は … わたくし|

すみません

気 が   ゆるみ まして き|||

兄 の こと は … あに|||

兄 の こと を あに|||

お 許し ください ませ |ゆるし||

頭 を 上げて ください あたま||あげて|

許す も 許さ ない も   私 は … ゆるす||ゆるさ|||わたくし|

〈 その 顔 を 見て   ふと 思った 〉 |かお||みて||おもった

〈 咲 さん は 俺 が   ここ に い なければ 〉 さ|||おれ|||||

〈 こんな 顔 を する こと は なかった んじゃ ない だろう か 〉 |かお|||||||||

〈 俺 は   ここ に いる 人 達 を 救え ない ばかり か 〉 おれ|||||じん|さとる||すくえ|||

〈 運命 の 歯車 を 狂わせて いる だけ な んじゃ ない だろう か ?〉 うんめい||はぐるま||くるわせて|||||||

咲 さ ん さ||

先生 … 何 や   また 戦 が 起こる って せんせい|なん|||いくさ||おこる|

予言 みたいな こ と 言う て はり ま へんでした か ? よげん||||いう|||||

また   夢 の お告げ が あった ので は ない でしょう か ? |ゆめ||おつげ|||||||

( 佐分利 ) 一体   何 が … さぶり|いったい|なん|

≪( 福田 ) お 帰り なさい まし ふくた||かえり||

何 が   あった んです か ? なん|||ん です|

仁 友 堂 が   に せ の ペニシリン の 作り 方 教えた って しとし|とも|どう|||||||つくり|かた|おしえた|

訴え られた んで っか ? うったえ|||

( 福田 ) 山田 先生 は   南方 先生 の 代わり に ふくた|やまだ|せんせい||なんぽう|せんせい||かわり|

牢 に 入れ られた ので ございます ろう||いれ|||

私 の 代わり に ? わたくし||かわり|

何   大した こと で は ございませ ぬ なん|たいした|||||

( 福田 ) とにもかくにも 事実 無 根 の 訴え ふくた||じじつ|む|ね||うったえ

元 [ 外 :6 B 60 DB 49332 DF 70 F 090 FA 736992 B 8556] 様 と 松本 先生   勝 先生 に も お忍び で 集まって いただき もと|がい|||||||さま||まつもと|せんせい|か|せんせい|||おしのび||あつまって|

鈴 屋 で   相談 を 願った のです → すず|や||そうだん||ねがった|の です

そこ で   鈴 屋 の 亭主 から   仁 友 堂 に 深く 恨み を 抱く 者 と して → ||すず|や||ていしゅ||しとし|とも|どう||ふかく|うらみ||いだく|もの||

三隅 の 名 が あげ られ … みすみ||な|||

《( 勝 ) ひと つ 策 を 仕掛けて み ねえ か ?》 か|||さく||しかけて|||

《 策 と は ?》 さく||

≪( 福田 ) 勝 先生 の 策 で 噂 を 流して みる こと に した のです ふくた|か|せんせい||さく||うわさ||ながして|||||の です

《( 良 順 ) 訴え 出た 医者 の 一 人 が 良心 に 耐え かね 》 よ|じゅん|うったえ|でた|いしゃ||ひと|じん||りょうしん||たえ|

《 内幕 を 話し たい と 申し出て きた らしい   もっとも 》 うちまく||はなし|||もうしでて|||

《 まだ   噂 な のだ が 仁 友 堂 の 疑い が 晴れる かも しれ ぬ 》 |うわさ||||しとし|とも|どう||うたがい||はれる|||

( 福田 ) 松本 先生 が   三隅 に ちらり と その 話 を 漏らした ところ ふくた|まつもと|せんせい||みすみ|||||はなし||もらした|

動き が 出 まして な 三隅 は   名 を 借りた 医者 達 を 集め → うごき||だ|||みすみ||な||かりた|いしゃ|さとる||あつめ

ねぎらう ふり を して 殺そう と した のです ||||ころそう|||の です

《( 医者 ) 変わった 香り です な 》 《( 三隅 ) くだり もの の 逸品 です 》 いしゃ|かわった|かおり|||みすみ||||いっぴん|

《≪( 女 中 ) 先生   お 客 様 が 》 《 後 に せい !》 おんな|なか|せんせい||きゃく|さま||あと||

《 その 逸品 の 酒 》 |いっぴん||さけ

《 我ら も   いただける かのう ?》 われら|||

《 先生 方 の お 口 に 合う もの で は …》 《 心配 は 無用 》 せんせい|かた|||くち||あう||||しんぱい||むよう

《 我ら は   南方 医師 より 学んだ 胃 洗浄 の 支度 も   して きて おる !》 われら||なんぽう|いし||まなんだ|い|せんじょう||したく||||

≪( 福田 ) そこ で 三隅 は お 縄 に なり → ふくた|||みすみ|||なわ||

ただいま 詮議 に かけ られて おり ます |せんぎ|||||

三隅 は   何 が し たかった んで っか ? みすみ||なん|||||

先生 が おら れ ぬ 間 に   仁 友 堂 を つぶし   戻って きた ところ で せんせい|||||あいだ||しとし|とも|どう|||もどって|||

先生 を 罪人 と して 葬る 算段 だった の か と → せんせい||ざいにん|||ほうむる|さんだん||||

お 調べ の とき の こと を 逆恨み して いた ようです |しらべ||||||さかうらみ|||よう です

いや   疑い が 晴れ |うたがい||はれ

誠に   よかった です まことに||

ペニシリン は   お守り し ました ぞ 南方 先生 ||おもり||||なんぽう|せんせい

当分 は   風当たり も 厳しかろう と は 思い ます が とうぶん||かぜあたり||きびしかろう|||おもい||

何   いずれ 信用 も 戻り ましょう なん||しんよう||もどり|

これ まで 以上 励ま ねば なり ませ ぬ ぞ ||いじょう|はげま|||||

《 御免 !》 ごめん

《 うわ あー ッ !》

南方 先生 ? なんぽう|せんせい

あの …

仁 友 堂 は これ で 終わり に さして ください しとし|とも|どう||||おわり|||

え ッ ?

私 は 疫病 神 だ と 思う んです わたくし||えきびょう|かみ|||おもう|ん です

私 が   ここ に 来 なければ 皆さん   医学 所 や   医学 館 で わたくし||||らい||みなさん|いがく|しょ||いがく|かん|

普通に 出世 して ふつうに|しゅっせ|

こんな 目 に あう こと は なかった んです |め||||||ん です

私 と 関わる こと で わたくし||かかわる||

やり たく も ない 仕事   やらさ れたり ||||しごと||

助けた 誰 か が たすけた|だれ||

誰 か の 命 を 奪う ような こと に なったり だれ|||いのち||うばう||||

患者 さん だって かんじゃ||

私 が 治療 を 行わ なければ わたくし||ちりょう||おこなわ|

苦し み を 長引か せる こと も なかった んです にがし|||ながびか|||||ん です

それ に …

私 の 頭 の 中 に は   岩 が あり ます わたくし||あたま||なか|||いわ|||

かなり 進行 して る と 思わ れ ます し |しんこう||||おもわ|||

取り除く こと は とりのぞく||

どう やって も   でき ませ ん

これ から は

ここ を 続けて いく こと も 難しく なる と 思い ます ||つづけて||||むずかしく|||おもい|

皆さん の こと は 松本 先生 に   お 願い し ます ので みなさん||||まつもと|せんせい|||ねがい|||

ほんと …

勝手で   すいません かってで|

私 達 に … わたくし|さとる|

病人 を おいて   出て 行け と おっしゃる ので ございます か ? びょうにん|||でて|いけ|||||

そのような お 言葉 に 従って は … ||ことば||したがって|

緒方 先生 に 向ける 顔 が ございませ ぬ おがた|せんせい||むける|かお|||

山田 先生 … やまだ|せんせい

使い にくい と おっしゃって た でしょう ?→ つかい|||||

持ち 手 の ところ を 少し 削って みた んです もち|て||||すこし|けずって||ん です

先生   持って やって ください せんせい|もって||

これ から も   こいつ が 先生 の なさり やすい ように |||||せんせい||||よう に

道具 を 工夫 し 続け ます から どうぐ||くふう||つづけ||

先生 せんせい

私 の 夢 は   この世 で 一 番 の 医者 に なる こと で ございました わたくし||ゆめ||このよ||ひと|ばん||いしゃ|||||

先生 が 疫病 神 でも せんせい||えきびょう|かみ|

鬼 でも おに|

何 や   変な 夢 ばっ か   見とって も なん||へんな|ゆめ|||みとって|

出会えた こと を 後悔 した こと など であえた|||こうかい|||

一瞬 たり と も   ございませ ん いっしゅん|||||

先生 せんせい

私 ども に わたくし||

持てる すべて を もてる||

教えて ください ませ おしえて||

国 の ため くに||

道 の ため に どう|||

はい

あの 日   見た こと を 話す なって こと です か ? |ひ|みた|||はなす||||

( 橘 ) はい たちばな|

咲 と 母 の ため と 思って さ||はは||||おもって

何とぞ   お 含み くだされば と なにとぞ||ふくみ||

己 が   どれほど 卑しい こと を 申して おる か は おのれ|||いやしい|||もうして|||

分かって おる つもりです が わかって||つもり です|

何とぞ なにとぞ

恭 太郎 さん きよう|たろう|

龍 馬 さん の 最後 の 言葉 は りゅう|うま|||さいご||ことば|

「 この 国 を ちゃんと つくれた の か ?」  でした |くに||||||

死んで いった 人 達 に   できる の は しんで||じん|さとる||||

その 人 達 が |じん|さとる|

もう 一 度   生まれて き たい と 思う 国 を つくる こと だ   って |ひと|たび|うまれて||||おもう|くに|||||

ずっと 思って た んだ と 思い ます |おもって||||おもい|

この こと を 忘れ ず に |||わすれ||

前 を 向き ませ ん か ? ぜん||むき|||

はい

〈 それ から   俺 は …〉 ||おれ|

〈 仁 友 堂 を 続け ながら 〉 しとし|とも|どう||つづけ|

〈 松本 先生 と 多紀 先生 に 頼んで 〉 まつもと|せんせい||たき|せんせい||たのんで

〈 医学 所 や 医学 館 で の 講義 も 改めて 持た せて もらった 〉 いがく|しょ||いがく|かん|||こうぎ||あらためて|もた||

抽出 液 を 浸した 紙 を 置いた 周り に ちゅうしゅつ|えき||ひたした|かみ||おいた|まわり|

このように   丸い … このよう に|まるい

大丈夫です か ?  先生 ! 先生 も   お 年 な もん で … だいじょうぶ です||せんせい|せんせい|||とし|||

〈 だけど   頭痛 は   前 に も 増して 頻繁に なって いった 〉 |ずつう||ぜん|||まして|ひんぱんに||

( 喜市 ) 先生   元気 ねえ な ちゃん と 食って ん の か よ ? きいち|せんせい|げんき|||||くって||||

( 茜 ) ほら   子 あん ドーナツ も 食べ な よ ありがとう ございます あかね||こ||どーなつ||たべ||||

( 町人 A ) 鳥羽 伏見 で 負けた って ? 徳川 が ? ちょうにん||とば|ふしみ||まけた||とくがわ|

( B ) そう だって よ

〈 一方 で   龍 馬 さん の 死後 〉 いっぽう||りゅう|うま|||しご

〈 徳川 を 武力 でも 倒そう と いう 流れ は   止め られ ず 〉 とくがわ||ぶりょく||たおそう|||ながれ||とどめ||

〈 旧 幕府 軍 と 新 政府 軍 の 戦い が 起こり 〉 きゅう|ばくふ|ぐん||しん|せいふ|ぐん||たたかい||おこり

〈 この 年 の 三 月 〉 |とし||みっ|つき

〈 新 政府 軍 西郷 さん の 率いる 官軍 が 〉 しん|せいふ|ぐん|さいごう|||ひきいる|かんぐん|

〈 品川 に まで 迫って くる まで に なって いた ようだった 〉 しなかわ|||せまって||||||

先生   胃 の 腑 が 痛んで よ せんせい|い||ふ||いたんで|

じゃあ   診て み ましょう か 訳 は 分かって んだ よ |みて||||やく||わかって||

明日   西郷 と の 談判 なんだ が よ あした|さいごう|||だんぱん|||

うまく いか なかったら て め えら の 手 で   江戸 に 火 を かけて |||||||て||えど||ひ||

みんな を 逃がせ って   おい ら   実は 新 門 の 親分 に 頼んで んだ ||にがせ||||じつは|しん|もん||おやぶん||たのんで|

何で   そんな … なんで|

西郷 を 話し合い に 応じ させる ため さ さいごう||はなしあい||おうじ|||

焼き払わ れた 江戸 に 入った って 餌 は   なく なる だ ろ やきはらわ||えど||はいった||えさ|||||

すごい 賭け です ね |かけ||

先生   これ だけ 教えて くれ せんせい|||おしえて|

江戸 は   火 の 海 に なる の かい ? えど||ひ||うみ||||

なら ない の かい ?

これ が 禁じ手 だって こ た あ よく 分かって んだ ||きんじて||||||わかって|

火 の 海 … ひ||うみ

火 の 海 … ひ||うみ

でも   それ って

勝 先生 しだい な んじゃ ない でしょう か ? か|せんせい||||||

そう

そう だ よ な

江戸 を 火 の 海 に したって ひと つ も   いい こと も ある め え えど||ひ||うみ|||||||||||

列強 の 餌食 に なる の が 落ち だ と 思わ ねえ か ? れっきょう||えじき|||||おち|||おもわ||

俺 ら が やって ん の は この 茶碗 の 中 の 戦い と 一緒 よ おれ||||||||ちゃわん||なか||たたかい||いっしょ|

坂本 さあ が さかもと||

以前   同じ こつ を 言わ れ も した どん いぜん|おなじ|||いわ||||

あんた は 勘違い し てるよ ||かんちがい||

おい ら が   あいつ を まね して んじゃ ねえ

あいつ が   おい ら の まね を して んだ よ

あいつ と おい ら は   一緒な んだ よ |||||いっしょな||

あいつ は   終わっちゃ い ねえ んだ よ ||おわっちゃ||||

西郷 さん さいごう|

分かり も した わかり||

そうかい

〈 龍 馬 さん が い なく なった 今 〉 りゅう|うま||||||いま

〈 あの 患者 は   おそらく 確実に 俺 な んだろう 〉 |かんじゃ|||かくじつに|おれ||

〈 あんな 腫瘍 を 放置 すれば 確実に 死に 至る 〉 |しゅよう||ほうち||かくじつに|しに|いたる

〈 だ と したら   生 ある うち に 持てる すべて を 伝えよう 〉 |||せい||||もてる|||つたえよう

〈 それ は 明日 に   つながる はずだ から 〉 ||あした||||

( 佐分利 ) メス は い さぶり|めす||

〈 命 を 救う 技術 は 刻みつけ られて いく はずだ 〉 いのち||すくう|ぎじゅつ||きざみつけ|||

〈 この 人 達 の 手 に   目 に 〉 |じん|さとる||て||め|

〈 心 に 〉 こころ|

〈 生き残る すべ を 命 の らせん が 刻む ように 〉 いきのこる|||いのち||||きざむ|よう に

≪( 龍 馬 ) その とおり ぜ よ   先生 りゅう|うま|||||せんせい

え ッ ?

どうか なさ い ました か ? |な さ|||

あ ッ …  いえ

≪( 龍 馬 ) ここ ぜ よ   先生 りゅう|うま||||せんせい

あ ッ !  あー ッ … 先生 ! ||||せんせい

大丈夫で ございます か ? だいじょうぶで||

《( 象 山 ) 意 に 沿わ ぬ こと であったら 神 は 容赦 なく →》 ぞう|やま|い||そわ||||かみ||ようしゃ|

《 お前 の やった こと を 取り消す 》 おまえ|||||とりけす

《( 未来 ) こんなに 怖い んだ ね 手術 さ れる 方 って 》 みらい||こわい|||しゅじゅつ|||かた|