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シュタインズ・ゲート ゼロ, シュタインズ・ゲート ゼロ (11)

シュタインズ ・ ゲート ゼロ (11)

( 岡部 ( お かべ )) あっ …

ここ で 本当に いい の か ?

( 真 帆 ( ま ほ )) 間違い ない わ

( 真 帆 ) 私 も 来た の は 初めて だ けど …

あっ

( メール の 着信 音 )

カメラ で 確認 した って 右側 の メイド 服 の 辺り を 入れ って …

まるで 忍者 屋敷 ね

( 岡部 ) ここ か

な っ …

ダル !? 何で お前 が ?

( ダル ) それ は こっち の セリフ だ お

( 岡部 ) まさか お前 が パソコン の 解析 を ?

( ダル ) 依頼 主 が 真 帆 たん だった なんて ね

この 僕 の 目 を もって して も …

( 真 帆 ) その “ たん ” って いう の やめて くれ ない かしら

バカに さ れて る 気 が する わ

( ダル ) 何で ? かわいい じゃ ん

この バイト の こと は あまり 知ら れ たく なかった んだ けど …

こんな こと まで やって いた と は な

それ が ?

( ダル ) うん 僕 も 起動 して 初めて 分かって びっくり した お

これ 牧 瀬 ( まき せ ) 氏 の パソコン な ん よ ね

♪~

~♪

( 岡部 ) じゃあ ―

お互い 相手 の 名前 も 知ら ず に 連絡 を 取り合って いた の か

( 真 帆 ) そういう 解析 と か を バイト で やって いる ―

信頼 できる 人 が いる って 言わ れて

ただ 顔 は 見せ られ ない って

そりゃ そう っ しょ

でも パソコン 受け取って 中身 見たら もし かして と 思って

( 岡部 ) それ で 解析 は ?

( ダル ) まだ … ただ あと 3 日 も あれば

中止 しろ 今 すぐに

( ダル ) えっ … どういう こと ?

( 岡部 ) その パソコン の 中 に は 世界 を 混とん へ 導く ほど の ―

とんでもない もの が 眠って いる 可能 性 が ある から だ

( ダル ) 厨 二 病 ( ちゅう に びょう )… 乙 !

ち … 違う 本気だ !

鈴 羽 ( すず は ) も 関係 して いる 話 だ ( ダル ) 鈴 羽 ?

そう だ お前 も 聞いた だ ろ タイム マシン で …

いや …

まだ 話せ ない こと が ある って わけ ね

( 岡部 ) すまない ( 真 帆 ) 分かった わ

席 を 外して おいた ほう が いい わ ね 終わったら 呼んで

( ドア の 開閉 音 )

オカリン もう 話す しか ない んじゃ ない の ?

( 岡部 ) しか し …

そんなに 知ら れ たく ない ん ?

( 岡部 ) いや …

ただ 話したら 比 屋 定 ( ひや じょう ) さん は きっと …

タイムマシン …

( 岡部 ) 連中 の 狙い は 恐らく その 研究 の 痕跡 ―

もしくは アマデウス の 中 に ある 紅 莉栖 ( くり す ) の 理論

俺 は 紅 莉栖 を …

( ドア の 開く 音 ) ( 真 帆 ) あっ …

( 真 帆 ) 終わった ? ( 岡部 ) いや …

これ から これ まで 起きた こと を 全部 君 に 話そう と 思う

( 真 帆 ) いい の ? ( 岡部 ) ああ

このまま じゃ 比 屋 定 さん も 気持ち 悪い だろう しな

ただ これ だけ は 約束 して くれ ( 真 帆 ) うん ?

牧 瀬 紅 莉栖 を 救おう なんて … 絶対 に 考える な !

( 真 帆 ) ああ っ …

( ま ゆり ) オカリン 急用 入っちゃ った から 来 られ ない って

( る か ) そうです か ( ま ゆり ) うん

時間 ある ようだったら みんな で 一緒に ごはん 食べよう って ―

話して た んだ けど

( る か ) か が りさん その CM 好きです よ ね

( かがり ) えっ … ええ

( CM ナレーター ) クリア 由宇 比 ( ゆうひ ) 糖質 50% オフ !

新 発売 !

( 真 帆 ) そんな …

( 岡部 ) やはり 信じ られ ない か

( 真 帆 ) 信じ られ ない って いう か 思考 が 追いつか ない

理論 だけ じゃ なく タイム マシン を 作って いた なんて

( 岡部 ) 実際 に 作ら れる の は もっと あと の 話 だ

俺 たち が 完成 さ せた の は ―

過去 に メール を 送る 電話 レンジ ( 仮 ) と ―

タイムリープマシン ( 真 帆 ) 似た ような もの よ

形 は どう あれ ―

自分 の 意志 で 過去 に 干渉 する こと を 可能に した なんて

タイム マシン は ?

鈴 羽 さん が いる って こと は 今 どこ か に ある って こと よ ね ?

知って どう する

( 真 帆 ) えっ …

それ は …

あっ … だ から “ 紅 莉栖 を 救おう なんて 考える な ” って

( 岡部 ) ああ

過去 を 変える こと は …

いや 時間 を 操ろう と して は いけない 絶対 に だ

でも もし 紅 莉栖 を 救えれば 今 の この 状況 だって …

( 岡部 ) そんな 簡単に は いか ない んだ !

過去 が 変わる と いう こと は ―

確定 した 過去 の 保証 が なくなる と いう こと だ

他者 に よって 自分 の 成功 も 幸せ も ―

やり 方 に よって は 存在 すら も 奪わ れる 可能 性 が ある と いう こと だ

( 真 帆 ) そんな …

( 岡部 ) だ が そんな 力 が 存在 する と なれば ―

国家 や 組織 は 躍起に なって 探す

あらゆる 兵器 より も 恐ろしい 力 だ から な

だからこそ その 可能 性 は 全て なくさ なくて は なら ない

( 真 帆 ) 中身 を 確認 して も い ない のに ?

( 岡部 ) その 可能 性 が 存在 して いる だけ で 争い は 必ず 起こる

人 が 死ぬ …

そう なって から で は 遅い

でも これ は 紅 莉栖 が 生きて いた 証し よ

紅 莉栖 の 遺志 よ

( 岡部 ) だ が 一 歩 間違えば 死者 の 墓 を 暴く の と 同じ 行為 だ

ハッ …

違う ! 私 は そんな つもり じゃ …

( 岡部 ) 分かって る

ただ 結果 と して ―

そう なって しまう 可能 性 が 否定 でき ない って こと な んだ

どう する ?

分かった わ この PC は 破棄 し ましょう

比 屋 定 さん …

( ダル ) ホントに ?

依頼 料 は どう なる ん ?

僕 今月 末 発売 の エロゲー 予約 しちゃ った んだ よ ね

お前 最低だ な

( ダル ) えっ ? ( 岡部 ・ 真 帆 ) あっ …

( ダル ) えっ ? ( 岡部 ・ 真 帆 ) あっ …

( 警報 音 )

( 警報 音 )

( 警報 音 )

( ダル ) 大事な 話して ん のに 何 だ お

( 岡部 ) これ は …

( 真 帆 ) 何 ? まさか もう 場所 を 嗅ぎつけて …

( 携帯 電話 の 振動 音 )

オーキードーキー

ここ は 放棄 する お

( ダル )2 人 と も 逃げる べ ( 真 帆 ) 逃げる って …

( ダル )2 人 と も 逃げる べ ( 真 帆 ) 逃げる って …

( キーボード を 打つ 音 )

( 岡部 ) もう 店 内 に いる んだ ぞ

大声 出す と 聞こえる お

( 真 帆 ・ 岡部 ) あっ !

こっち

( 岡部 ) こんなふうに なって いた の か

( ダル ) ここ 結構 お気に入り だった んだ けど な

( ダル ) よっ …

う っ あっ … う う っ …

ハァ …

( 岡部 ) ここ は ? ( ダル ) さっき の ビル の 裏側 だ お

ここ まで 来れば … ( 真 帆 ) ああ っ !

( ダル ・ 岡部 ) あっ …

比 屋 定 さん !

( 女性 ) 言う こと を 聞いて

( 岡部 ) 待て ! 目的 は これ か !?

まず 手 を 離せ !

( 女性 ) 彼女 と 交換

( 真 帆 ) ダメ よ 渡しちゃ ダメ !

比 屋 定 さん おとなしく して て くれ

これ は 脅し じゃ ない 抵抗 すれば 本気で 殺さ れる

( 真 帆 ) でも … ( 岡部 ) こいつ は ―

世界中 の ハッカー が さじ を 投げた ―

強固な セキュリティー で 守ら れて いる

彼女 に 危害 を 加えれば 永久 に 分から なく なる ぞ

( 女性 ) 信じろ と ? ( 岡部 ) 好きに しろ

( ダル ) う っ う う っ …

( 岡部 ) 解放 すれば これ は 渡す

そして 3 人 の 安全 が 保証 さ れたら パスワード を 教えよう

( 岡部 ) 世界 線 は 変わって い ない

と いう こと は 俺 も ダル も ここ で 死ぬ こと は ない

だったら …

信用 でき ない なら 俺 が 人質 に なる

だから 彼女 を 解放 しろ

( 真 帆 ) 岡部 さん …

さあ

( 岡部 ) ええ いっ ! ( 女性 ) あっ !

( 岡部 ) 彼女 が 先 だ !

( 真 帆 ) あっ ! ( 岡部 ) う あっ …

( 岡部 ) 伏せろ !

ひ いっ …

う う っ …

( 女性 ) チッ

( ダル ) ひ いい っ …

( パトカー の サイレン )

( キャスター ) 近く の 住人 から ―

銃声 の ような もの が 響いた と ―

警察 に 通報 が あり 調べた ところ …

( 岡部 ) 比 屋 定 さん は 大丈夫 か ?

( 真 帆 ) ええ でも 本当に 平気な の ?

病院 に 行った ほう が …

( 岡部 ) どこ で ケガ した の か 聞か れる だ ろ

それ に …

( 岡部 ) 手 を 開いて ( 真 帆 ) えっ …

あっ …

あれ … おかしい わ ね 開か ない わ

あっ

これ は 紅 莉栖 の …

( 真 帆 ) いつの間に …

( 真 帆 ) ごめん ね

比 屋 定 さん

( 真 帆 ) ごめん ね

守って … あげ られ なくて …

ごめん … ごめん ね 紅 莉栖

ごめん ね

ごめん ね

( 真 帆 の 泣き声 )

( フェイリス ) 本当に 平気 ニャ ? ( 岡部 ) ああ 血 も 止まって る しな

( フェイリス ) ところ で ダルニャン は ?

( 岡部 ) いく つ か ある 隠れ家 に 行く そうだ

バイト 仲間 に も 連絡 し なきゃ と 言って いた から

( 萌郁 ( もえ か )) これ 要ら ない ?

( フェイリス ) 血 は 止まって て も 消毒 した ほう が いい ニャ

箱 の 中 から お 薬 と ばんそうこう を

( 岡部 ) やはり 違う ?

この 世界 線 で は ―

SERN ( セルン ) も ラウンダー も この 件 に は 関係 して い ない

と いう こと は …

あれ が ブラウン が 言って いた アメリカ ―

DURPA ( ダーパ ) か ストラトフォー そして …

撃って きた の が ロシア か …

( フェイリス ) それにしても 真 帆 ニャン ―

ずいぶん ゆっくり だ ニャ

( 真 帆 ) まだ 信じ られ ない …

( 真 帆 ) あれ …

あっ ああ … う っ …

( 真 帆 ) ま … まずい

極度の 緊張 と 急激な 緩和 で 一時的な 筋 弛緩 ( きん しかん ) が …

( ノック ) ( フェイリス ) 真 帆 ニャン ?

お 湯 加減 は …

ニャッ !? どうした ニャ ?

( 真 帆 ) フェイリス さん !?

( フェイリス ) た … 大変 ニャ

真 帆 ニャン が … 真 帆 ニャン が 死んじゃ う ~!

ニャ ~

早く ベッド に 運ぶ ニャ ~!

早く ベッド に 運ぶ ニャ ~!

( 真 帆 ) 待って これ は …

どう し … あっ !

( 真 帆 ) うわ ああ っ ! ちょ っ まっ …

フェイリス さん ! あっ !

( 岡部 ) ああ っ …

( 岡部 ) すまなかった

( 真 帆 ) いい わ 不可抗力 だ と いう の は 分かって いる し

でも 見た こと は 忘れて

( 岡部 ) 善処 しよう

そういう とき は “ 分かった ” って 言えば いい の

そんな こと 言って る と 海馬 に 電極 ぶ っ 刺して

あっ …

あっ … フッ

向こう でも そんな こと を 言って いた の か

( 真 帆 ) 頭 の 固い 教授 連中 に キレ た とき くらい だ けど

フフッ 想像 に 難く ない な

( 真 帆 ) ゾッと した わ よ

いざ と なったら 本気で やり かね ない って

( 岡部 ) じゃあ 行く よ

弛緩 は 一時的な も の みたいだ から ゆっくり 寝て る と いい

( 真 帆 ) ええ

じゃあ

( 真 帆 ) 岡部 さん

もう 少し だけ いて ほしい って 言ったら 迷惑 ?

( 岡部 ) 寝たら 帰る から 横 に なって いる と いい

( 真 帆 ) 本当に ごめんなさい

( 岡部 ) いや あんな こと が あった あと だ もん な

誰 だって 怖く なる さ

それ も そう だ けど …

サリエリ って ―

うれしかった と 思う ? 後悔 した と 思う ?

モーツァルト が 死んで

( 岡部 ) 比 屋 定 さん …

“ 死者 の 墓 を 暴く ような こと を する な ”

そう 言わ れて 初めて 気づいた

“ ああ そう な の かも ” って

彼女 が 亡くなって PC を 手 に した とき ―

これ は 紅 莉栖 の 遺志 だって … 紅 莉栖 の 思い だって

私 が 受け継が なきゃ って 伝えて いか なきゃ って 思った

でも …

その 瞬間 自分 が いらだつ の が 分かった

開けて やる って 絶対 中 を 見て やる って

せめて その くらい は … って

( 岡部 ) だ から こだわった の か ?

( 真 帆 ) だ と 思う

紅 莉栖 が 必死で 隠そう と する もの を ―

私 の 力 で 暴いて “ どう だ !” って どこ か で …

( 岡部 ) そう かな ( 真 帆 ) そう よ

モーツァルト は ―

サリエリ の こと なんか 気 に も かけて い ない

自由に 無邪気に 曲 を 作って いた だけ な のに …

( 岡部 ) でも 比 屋 定 さん は ―

最後 は PC を 破棄 する こと に 賛成 して くれた

それ は 岡部 さん が …

( 岡部 ) それ に 涙 を 流して いた

“ 守って あげ られ なくて ごめん ” って

それ が 比 屋 定 さん の 本心 な んじゃ ない か ?

( 真 帆 ) 買いかぶり すぎよ 私 は …

( 岡部 ) じゃ なきゃ こんなに なる まで ―

PC の 破片 を 握りしめたり し ない

俺 は そう 思う

あっ …

( 真 帆 ) う っ … ( 岡部 ) ん っ

あっ … 大丈夫 そうだ な

俺 が いる と なかなか 眠れ ない だろう から ―

向こう に 行って る よ

何 か あったら 呼んで くれ

( 真 帆 ) ねえ

岡部 さん は 紅 莉栖 と タイムリープマシン を 作って ―

何度 も 同じ 2 週間 を 過ごして きた の よ ね

( 岡部 ) ああ

( 真 帆 ) 岡部 さん と 紅 莉栖 って …

いいえ 何でもない わ

お やすみ なさい

( 岡部 ) お やすみ

( ドア の 開閉 音 )

( レスキネン ) 真 帆 ~ 大変だった ね ~!

( 真 帆 ) 教授 苦しい … 苦しい です !

う っ … 教授 潰れる … 潰れる …

( レスキネン ) 見送り ありがとう リンターロ そして ラボメン の 皆さん

ところで リンターロ は 研究 所 に は いつ 頃 来 れる の か な ?

( 岡部 ) えっ それ って …

あなた を 本気で ヴィクトル ・ コンドリア 大学 の 研究 室 に ―

招く つもり よ 教授 は

( 岡部 ) 俺 を ?

ジャパニーズ ヤング アインシュタイン を ―

ほって おく なんて あり え ませ ん !

期待 して いる よ リンターロ

はい

勉強 して 行ける ように 頑張り ます

( フブキ ) いい の ?

うん オカリン が 行き たい なら まゆ し ぃ は 大 賛成 だ よ

( かえで ) あっ 由季 ( ゆき ) さん 手 どうした ん です ?

( 由季 ) 包丁 で ちょっと 切っちゃ って

( ダル ) 荷物 持つ お …

ウフフッ じゃあ お 願い し ます

鈴 羽 さん は ?

ああ 納得 は して なかった が …

紅 莉栖 の パソコン が なくなる こと で ―

当面 の アメリカ と ロシア の 衝突 は 回避 さ れた はずだ

( 鈴 羽 ) だからといって ―

第 3 次 世界 大戦 が 回避 さ れた わけじゃ ない

( 真 帆 ) いい の ?

( 岡部 ) 少なくとも できる こと は 全て やった

比 屋 定 さん は 気 に し なくて いい

( レスキネン ) 2 人 で デート の 相談 かね ?

( 真 帆 ) 何で そう なる んです か !

( レスキネン ) それ より まもなく リンターロ の ―

アマデウス の アクセス 権 が 解除 さ れる

最後に 挨拶 して おか なくて いいかね ?

( 岡部 ) そうです ね じゃあ ひと言 だけ

( アマデウス 紅 莉栖 ) 何 ?

一応 挨拶 と 思って な

( アマデウス 紅 莉栖 ) 真 帆 先輩 に は ちゃんと 挨拶 した んでしょう ね

したわ よ

な … なら いい です けど

お前 に 何度 お 別れ を 言って る んだろう な 俺 は

えっ ?

( 岡部 ) いや 何でもない

フフッ

まあ 話し相手 に なって くれた こと に は 感謝 して る

また こっち に 来る かも しれ ない んでしょ ?

一応 再会 まで は 覚えて おいて あげる

ハハハ … ツンデレ だ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) は あ ? 何 だ それ ?

( 岡部 ) 顔 が 真っ赤だ ぞ

紅 莉栖 は シャイ だ ね ハハハハ …

( 真 帆 ) 教授 そろそろ … ( レスキネン ) おお っ そう か

あんまり 比 屋 定 さん の こと から かう な よ

( アマデウス 紅 莉栖 ) 分かって る

じゃあ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) いつか …

( 岡部 ) ん ?

いつか 笑える 日 が 来る と いい わ ね 心 の 底 から

じゃあ

( 真 帆 ) 岡部 さん

いろいろ ありがとう あなた は 命 の 恩人 よ

( 岡部 ) 大げさだ な ( 真 帆 ) いいえ 本心 よ

本当に 感謝 して いる

待って る わ 向こう で

( 岡部 ) こうして レスキネン 教授 と 比 屋 定 さん は アメリカ へ 戻り ―

また 時 は 進み だす

変わる こと なく …

戻る こと なく 進んで ゆく

♪~

~♪


シュタインズ ・ ゲート ゼロ (11) |げーと|

( 岡部 ( お かべ )) あっ … おかべ|||

ここ で 本当に いい の か ? ||ほんとうに|||

( 真 帆 ( ま ほ )) 間違い ない わ まこと|ほ|||まちがい||

( 真 帆 ) 私 も 来た の は 初めて だ けど … まこと|ほ|わたくし||きた|||はじめて||

あっ

( メール の 着信 音 ) めーる||ちゃくしん|おと

カメラ で 確認 した って 右側 の メイド 服 の 辺り を 入れ って … かめら||かくにん|||みぎがわ|||ふく||あたり||いれ|

まるで 忍者 屋敷 ね |にんじゃ|やしき|

( 岡部 ) ここ か おかべ||

な っ …

ダル !?  何で お前 が ? だる|なんで|おまえ|

( ダル ) それ は こっち の セリフ だ お だる|||||せりふ||

( 岡部 ) まさか お前 が パソコン の 解析 を ? おかべ||おまえ||ぱそこん||かいせき|

( ダル ) 依頼 主 が 真 帆 たん だった なんて ね だる|いらい|おも||まこと|ほ||||

この 僕 の 目 を もって して も … |ぼく||め||||

( 真 帆 ) その “ たん ” って いう の やめて くれ ない かしら まこと|ほ|||||||||

バカに さ れて る 気 が する わ ばかに||||き|||

( ダル ) 何で ?  かわいい じゃ ん だる|なんで|||

この バイト の こと は あまり 知ら れ たく なかった んだ けど … |ばいと|||||しら|||||

こんな こと まで やって いた と は な

それ が ?

( ダル ) うん 僕 も 起動 して 初めて 分かって びっくり した お だる||ぼく||きどう||はじめて|わかって|||

これ 牧 瀬 ( まき せ ) 氏 の パソコン な ん よ ね |まき|せ|||うじ||ぱそこん||||

♪~

~♪

( 岡部 ) じゃあ ― おかべ|

お互い 相手 の 名前 も 知ら ず に 連絡 を 取り合って いた の か おたがい|あいて||なまえ||しら|||れんらく||とりあって|||

( 真 帆 ) そういう 解析 と か を バイト で やって いる ― まこと|ほ||かいせき||||ばいと|||

信頼 できる 人 が いる って 言わ れて しんらい||じん||||いわ|

ただ 顔 は 見せ られ ない って |かお||みせ|||

そりゃ そう っ しょ

でも パソコン 受け取って 中身 見たら もし かして と 思って |ぱそこん|うけとって|なかみ|みたら||||おもって

( 岡部 ) それ で 解析 は ? おかべ|||かいせき|

( ダル ) まだ … ただ あと 3 日 も あれば だる||||ひ||

中止 しろ 今 すぐに ちゅうし||いま|

( ダル ) えっ … どういう こと ? だる|||

( 岡部 ) その パソコン の 中 に は 世界 を 混とん へ 導く ほど の ― おかべ||ぱそこん||なか|||せかい||こんとん||みちびく||

とんでもない もの が 眠って いる 可能 性 が ある から だ |||ねむって||かのう|せい||||

( ダル ) 厨 二 病 ( ちゅう に びょう )… 乙 ! だる|ず|ふた|びょう||||おつ

ち … 違う 本気だ ! |ちがう|ほんきだ

鈴 羽 ( すず は ) も 関係 して いる 話 だ ( ダル ) 鈴 羽 ? すず|はね||||かんけい|||はなし||だる|すず|はね

そう だ お前 も 聞いた だ ろ タイム マシン で … ||おまえ||きいた|||たいむ|ましん|

いや …

まだ 話せ ない こと が ある って わけ ね |はなせ|||||||

( 岡部 ) すまない ( 真 帆 ) 分かった わ おかべ||まこと|ほ|わかった|

席 を 外して おいた ほう が いい わ ね 終わったら 呼んで せき||はずして|||||||おわったら|よんで

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

オカリン もう 話す しか ない んじゃ ない の ? ||はなす|||||

( 岡部 ) しか し … おかべ||

そんなに 知ら れ たく ない ん ? |しら||||

( 岡部 ) いや … おかべ|

ただ 話したら 比 屋 定 ( ひや じょう ) さん は きっと … |はなしたら|ひ|や|てい|||||

タイムマシン … たいむ ましん

( 岡部 ) 連中 の 狙い は 恐らく その 研究 の 痕跡 ― おかべ|れんちゅう||ねらい||おそらく||けんきゅう||こんせき

もしくは アマデウス の 中 に ある 紅 莉栖 ( くり す ) の 理論 |||なか|||くれない|りせい||||りろん

俺 は 紅 莉栖 を … おれ||くれない|りせい|

( ドア の 開く 音 ) ( 真 帆 ) あっ … どあ||あく|おと|まこと|ほ|

( 真 帆 ) 終わった ? ( 岡部 ) いや … まこと|ほ|おわった|おかべ|

これ から これ まで 起きた こと を 全部 君 に 話そう と 思う ||||おきた|||ぜんぶ|きみ||はなそう||おもう

( 真 帆 ) いい の ? ( 岡部 ) ああ まこと|ほ|||おかべ|

このまま じゃ 比 屋 定 さん も 気持ち 悪い だろう しな ||ひ|や|てい|||きもち|わるい||

ただ これ だけ は 約束 して くれ ( 真 帆 ) うん ? ||||やくそく|||まこと|ほ|

牧 瀬 紅 莉栖 を 救おう なんて … 絶対 に 考える な ! まき|せ|くれない|りせい||すくおう||ぜったい||かんがえる|

( 真 帆 ) ああ っ … まこと|ほ||

( ま ゆり ) オカリン 急用 入っちゃ った から 来 られ ない って |||きゅうよう|はいっちゃ|||らい|||

( る か ) そうです か ( ま ゆり ) うん ||そう です||||

時間 ある ようだったら みんな で 一緒に ごはん 食べよう って ― じかん|||||いっしょに||たべよう|

話して た んだ けど はなして|||

( る か ) か が りさん その CM 好きです よ ね |||||||すき です||

( かがり ) えっ … ええ

( CM ナレーター ) クリア 由宇 比 ( ゆうひ ) 糖質 50% オフ ! |なれーたー|くりあ|ゆう|ひ||とうしつ|おふ

新 発売 ! しん|はつばい

( 真 帆 ) そんな … まこと|ほ|

( 岡部 ) やはり 信じ られ ない か おかべ||しんじ|||

( 真 帆 ) 信じ られ ない って いう か 思考 が 追いつか ない まこと|ほ|しんじ||||||しこう||おいつか|

理論 だけ じゃ なく タイム マシン を 作って いた なんて りろん||||たいむ|ましん||つくって||

( 岡部 ) 実際 に 作ら れる の は もっと あと の 話 だ おかべ|じっさい||つくら|||||||はなし|

俺 たち が 完成 さ せた の は ― おれ|||かんせい||||

過去 に メール を 送る 電話 レンジ ( 仮 ) と ― かこ||めーる||おくる|でんわ|れんじ|かり|

タイムリープマシン ( 真 帆 ) 似た ような もの よ |まこと|ほ|にた|||

形 は どう あれ ― かた|||

自分 の 意志 で 過去 に 干渉 する こと を 可能に した なんて じぶん||いし||かこ||かんしょう||||かのうに||

タイム マシン は ? たいむ|ましん|

鈴 羽 さん が いる って こと は 今 どこ か に ある って こと よ ね ? すず|はね|||||||いま||||||||

知って どう する しって||

( 真 帆 ) えっ … まこと|ほ|

それ は …

あっ … だ から “ 紅 莉栖 を 救おう なんて 考える な ” って |||くれない|りせい||すくおう||かんがえる||

( 岡部 ) ああ おかべ|

過去 を 変える こと は … かこ||かえる||

いや 時間 を 操ろう と して は いけない 絶対 に だ |じかん||あやつろう|||||ぜったい||

でも もし 紅 莉栖 を 救えれば 今 の この 状況 だって … ||くれない|りせい||すくえれば|いま|||じょうきょう|

( 岡部 ) そんな 簡単に は いか ない んだ ! おかべ||かんたんに||||

過去 が 変わる と いう こと は ― かこ||かわる||||

確定 した 過去 の 保証 が なくなる と いう こと だ かくてい||かこ||ほしょう||||||

他者 に よって 自分 の 成功 も 幸せ も ― たしゃ|||じぶん||せいこう||しあわせ|

やり 方 に よって は 存在 すら も 奪わ れる 可能 性 が ある と いう こと だ |かた||||そんざい|||うばわ||かのう|せい||||||

( 真 帆 ) そんな … まこと|ほ|

( 岡部 ) だ が そんな 力 が 存在 する と なれば ― おかべ||||ちから||そんざい|||

国家 や 組織 は 躍起に なって 探す こっか||そしき||やっきに||さがす

あらゆる 兵器 より も 恐ろしい 力 だ から な |へいき|||おそろしい|ちから|||

だからこそ その 可能 性 は 全て なくさ なくて は なら ない ||かのう|せい||すべて|なく さ||||

( 真 帆 ) 中身 を 確認 して も い ない のに ? まこと|ほ|なかみ||かくにん|||||

( 岡部 ) その 可能 性 が 存在 して いる だけ で 争い は 必ず 起こる おかべ||かのう|せい||そんざい|||||あらそい||かならず|おこる

人 が 死ぬ … じん||しぬ

そう なって から で は 遅い |||||おそい

でも これ は 紅 莉栖 が 生きて いた 証し よ |||くれない|りせい||いきて||しょうし|

紅 莉栖 の 遺志 よ くれない|りせい||いし|

( 岡部 ) だ が 一 歩 間違えば 死者 の 墓 を 暴く の と 同じ 行為 だ おかべ|||ひと|ふ|まちがえば|ししゃ||はか||あばく|||おなじ|こうい|

ハッ …

違う ! 私 は そんな つもり じゃ … ちがう|わたくし||||

( 岡部 ) 分かって る おかべ|わかって|

ただ 結果 と して ― |けっか||

そう なって しまう 可能 性 が 否定 でき ない って こと な んだ |||かのう|せい||ひてい||||||

どう する ?

分かった わ この PC は 破棄 し ましょう わかった|||||はき||

比 屋 定 さん … ひ|や|てい|

( ダル ) ホントに ? だる|ほんとに

依頼 料 は どう なる ん ? いらい|りょう||||

僕 今月 末 発売 の エロゲー 予約 しちゃ った んだ よ ね ぼく|こんげつ|すえ|はつばい|||よやく|||||

お前 最低だ な おまえ|さいていだ|

( ダル ) えっ ? ( 岡部 ・ 真 帆 ) あっ … だる||おかべ|まこと|ほ|

( ダル ) えっ ? ( 岡部 ・ 真 帆 ) あっ … だる||おかべ|まこと|ほ|

( 警報 音 ) けいほう|おと

( 警報 音 ) けいほう|おと

( 警報 音 ) けいほう|おと

( ダル ) 大事な 話して ん のに 何 だ お だる|だいじな|はなして|||なん||

( 岡部 ) これ は … おかべ||

( 真 帆 ) 何 ? まさか もう 場所 を 嗅ぎつけて … まこと|ほ|なん|||ばしょ||かぎつけて

( 携帯 電話 の 振動 音 ) けいたい|でんわ||しんどう|おと

オーキードーキー

ここ は 放棄 する お ||ほうき||

( ダル )2 人 と も 逃げる べ ( 真 帆 ) 逃げる って … だる|じん|||にげる||まこと|ほ|にげる|

( ダル )2 人 と も 逃げる べ ( 真 帆 ) 逃げる って … だる|じん|||にげる||まこと|ほ|にげる|

( キーボード を 打つ 音 ) ||うつ|おと

( 岡部 ) もう 店 内 に いる んだ ぞ おかべ||てん|うち||||

大声 出す と 聞こえる お おおごえ|だす||きこえる|

( 真 帆 ・ 岡部 ) あっ ! まこと|ほ|おかべ|

こっち

( 岡部 ) こんなふうに なって いた の か おかべ|||||

( ダル ) ここ 結構 お気に入り だった んだ けど な だる||けっこう|おきにいり||||

( ダル ) よっ … だる|

う っ あっ … う う っ …

ハァ …

( 岡部 ) ここ は ? ( ダル ) さっき の ビル の 裏側 だ お おかべ|||だる|||びる||うらがわ||

ここ まで 来れば … ( 真 帆 ) ああ っ ! ||くれば|まこと|ほ||

( ダル ・ 岡部 ) あっ … だる|おかべ|

比 屋 定 さん ! ひ|や|てい|

( 女性 ) 言う こと を 聞いて じょせい|いう|||きいて

( 岡部 ) 待て !  目的 は これ か !? おかべ|まて|もくてき|||

まず 手 を 離せ ! |て||はなせ

( 女性 ) 彼女 と 交換 じょせい|かのじょ||こうかん

( 真 帆 ) ダメ よ 渡しちゃ ダメ ! まこと|ほ|だめ||わたしちゃ|だめ

比 屋 定 さん おとなしく して て くれ ひ|や|てい|||||

これ は 脅し じゃ ない 抵抗 すれば 本気で 殺さ れる ||おどし|||ていこう||ほんきで|ころさ|

( 真 帆 ) でも … ( 岡部 ) こいつ は ― まこと|ほ||おかべ||

世界中 の ハッカー が さじ を 投げた ― せかいじゅう||||||なげた

強固な セキュリティー で 守ら れて いる きょうこな|||まもら||

彼女 に 危害 を 加えれば 永久 に 分から なく なる ぞ かのじょ||きがい||くわえれば|えいきゅう||わから|||

( 女性 ) 信じろ と ? ( 岡部 ) 好きに しろ じょせい|しんじろ||おかべ|すきに|

( ダル ) う っ う う っ … だる|||||

( 岡部 ) 解放 すれば これ は 渡す おかべ|かいほう||||わたす

そして 3 人 の 安全 が 保証 さ れたら パスワード を 教えよう |じん||あんぜん||ほしょう|||ぱすわーど||おしえよう

( 岡部 ) 世界 線 は 変わって い ない おかべ|せかい|せん||かわって||

と いう こと は 俺 も ダル も ここ で 死ぬ こと は ない ||||おれ||だる||||しぬ|||

だったら …

信用 でき ない なら 俺 が 人質 に なる しんよう||||おれ||ひとじち||

だから 彼女 を 解放 しろ |かのじょ||かいほう|

( 真 帆 ) 岡部 さん … まこと|ほ|おかべ|

さあ

( 岡部 ) ええ いっ ! ( 女性 ) あっ ! おかべ|||じょせい|

( 岡部 ) 彼女 が 先 だ ! おかべ|かのじょ||さき|

( 真 帆 ) あっ ! ( 岡部 ) う あっ … まこと|ほ||おかべ||

( 岡部 ) 伏せろ ! おかべ|ふせろ

ひ いっ …

う う っ …

( 女性 ) チッ じょせい|

( ダル ) ひ いい っ … だる|||

( パトカー の サイレン ) ぱとかー||さいれん

( キャスター ) 近く の 住人 から ― きゃすたー|ちかく||じゅうにん|

銃声 の ような もの が 響いた と ― じゅうせい|||||ひびいた|

警察 に 通報 が あり 調べた ところ … けいさつ||つうほう|||しらべた|

( 岡部 ) 比 屋 定 さん は 大丈夫 か ? おかべ|ひ|や|てい|||だいじょうぶ|

( 真 帆 ) ええ でも 本当に 平気な の ? まこと|ほ|||ほんとうに|へいきな|

病院 に 行った ほう が … びょういん||おこなった||

( 岡部 ) どこ で ケガ した の か 聞か れる だ ろ おかべ|||けが||||きか|||

それ に …

( 岡部 ) 手 を 開いて ( 真 帆 ) えっ … おかべ|て||あいて|まこと|ほ|

あっ …

あれ … おかしい わ ね 開か ない わ ||||あか||

あっ

これ は 紅 莉栖 の … ||くれない|りせい|

( 真 帆 ) いつの間に … まこと|ほ|いつのまに

( 真 帆 ) ごめん ね まこと|ほ||

比 屋 定 さん ひ|や|てい|

( 真 帆 ) ごめん ね まこと|ほ||

守って … あげ られ なくて … まもって|||

ごめん … ごめん ね 紅 莉栖 |||くれない|りせい

ごめん ね

ごめん ね

( 真 帆 の 泣き声 ) まこと|ほ||なきごえ

( フェイリス ) 本当に 平気 ニャ ? ( 岡部 ) ああ 血 も 止まって る しな |ほんとうに|へいき||おかべ||ち||とまって||

( フェイリス ) ところ で ダルニャン は ?

( 岡部 ) いく つ か ある 隠れ家 に 行く そうだ おかべ|||||かくれが||いく|そう だ

バイト 仲間 に も 連絡 し なきゃ と 言って いた から ばいと|なかま|||れんらく||||いって||

( 萌郁 ( もえ か )) これ 要ら ない ? ほういく||||いら|

( フェイリス ) 血 は 止まって て も 消毒 した ほう が いい ニャ |ち||とまって|||しょうどく|||||

箱 の 中 から お 薬 と ばんそうこう を はこ||なか|||くすり|||

( 岡部 ) やはり 違う ? おかべ||ちがう

この 世界 線 で は ― |せかい|せん||

SERN ( セルン ) も ラウンダー も この 件 に は 関係 して い ない ||||||けん|||かんけい|||

と いう こと は …

あれ が ブラウン が 言って いた アメリカ ― ||||いって||あめりか

DURPA ( ダーパ ) か ストラトフォー そして …

撃って きた の が ロシア か … うって||||ろしあ|

( フェイリス ) それにしても 真 帆 ニャン ― ||まこと|ほ|

ずいぶん ゆっくり だ ニャ

( 真 帆 ) まだ 信じ られ ない … まこと|ほ||しんじ||

( 真 帆 ) あれ … まこと|ほ|

あっ ああ … う っ …

( 真 帆 ) ま … まずい まこと|ほ||

極度の 緊張 と 急激な 緩和 で 一時的な 筋 弛緩 ( きん しかん ) が … きょくどの|きんちょう||きゅうげきな|かんわ||いちじてきな|すじ|しかん|||

( ノック ) ( フェイリス ) 真 帆 ニャン ? ||まこと|ほ|

お 湯 加減 は … |ゆ|かげん|

ニャッ !?  どうした ニャ ?

( 真 帆 ) フェイリス さん !? まこと|ほ||

( フェイリス ) た … 大変 ニャ ||たいへん|

真 帆 ニャン が … 真 帆 ニャン が 死んじゃ う ~! まこと|ほ|||まこと|ほ|||しんじゃ|

ニャ ~

早く ベッド に 運ぶ ニャ ~! はやく|べっど||はこぶ|

早く ベッド に 運ぶ ニャ ~! はやく|べっど||はこぶ|

( 真 帆 ) 待って これ は … まこと|ほ|まって||

どう し … あっ !

( 真 帆 ) うわ ああ っ ! ちょ っ まっ … まこと|ほ||||||

フェイリス さん !  あっ !

( 岡部 ) ああ っ … おかべ||

( 岡部 ) すまなかった おかべ|

( 真 帆 ) いい わ 不可抗力 だ と いう の は 分かって いる し まこと|ほ|||ふかこうりょく||||||わかって||

でも 見た こと は 忘れて |みた|||わすれて

( 岡部 ) 善処 しよう おかべ|ぜんしょ|

そういう とき は “ 分かった ” って 言えば いい の |||わかった||いえば||

そんな こと 言って る と 海馬 に 電極 ぶ っ 刺して ||いって|||あしか||でんきょく|||さして

あっ …

あっ … フッ

向こう でも そんな こと を 言って いた の か むこう|||||いって|||

( 真 帆 ) 頭 の 固い 教授 連中 に キレ た とき くらい だ けど まこと|ほ|あたま||かたい|きょうじゅ|れんちゅう||きれ|||||

フフッ 想像 に 難く ない な |そうぞう||かたく||

( 真 帆 ) ゾッと した わ よ まこと|ほ|ぞっと|||

いざ と なったら 本気で やり かね ない って |||ほんきで||||

( 岡部 ) じゃあ 行く よ おかべ||いく|

弛緩 は 一時的な も の みたいだ から ゆっくり 寝て る と いい しかん||いちじてきな||||||ねて|||

( 真 帆 ) ええ まこと|ほ|

じゃあ

( 真 帆 ) 岡部 さん まこと|ほ|おかべ|

もう 少し だけ いて ほしい って 言ったら 迷惑 ? |すこし|||||いったら|めいわく

( 岡部 ) 寝たら 帰る から 横 に なって いる と いい おかべ|ねたら|かえる||よこ|||||

( 真 帆 ) 本当に ごめんなさい まこと|ほ|ほんとうに|

( 岡部 ) いや あんな こと が あった あと だ もん な おかべ|||||||||

誰 だって 怖く なる さ だれ||こわく||

それ も そう だ けど …

サリエリ って ―

うれしかった と 思う ? 後悔 した と 思う ? ||おもう|こうかい|||おもう

モーツァルト が 死んで もーつぁると||しんで

( 岡部 ) 比 屋 定 さん … おかべ|ひ|や|てい|

“ 死者 の 墓 を 暴く ような こと を する な ” ししゃ||はか||あばく|||||

そう 言わ れて 初めて 気づいた |いわ||はじめて|きづいた

“ ああ そう な の かも ” って

彼女 が 亡くなって PC を 手 に した とき ― かのじょ||なくなって|||て|||

これ は 紅 莉栖 の 遺志 だって … 紅 莉栖 の 思い だって ||くれない|りせい||いし||くれない|りせい||おもい|

私 が 受け継が なきゃ って 伝えて いか なきゃ って 思った わたくし||うけつが|||つたえて||||おもった

でも …

その 瞬間 自分 が いらだつ の が 分かった |しゅんかん|じぶん|||||わかった

開けて やる って 絶対 中 を 見て やる って あけて|||ぜったい|なか||みて||

せめて その くらい は … って

( 岡部 ) だ から こだわった の か ? おかべ|||||

( 真 帆 ) だ と 思う まこと|ほ|||おもう

紅 莉栖 が 必死で 隠そう と する もの を ― くれない|りせい||ひっしで|かくそう||||

私 の 力 で 暴いて “ どう だ !” って どこ か で … わたくし||ちから||あばいて||||||

( 岡部 ) そう かな ( 真 帆 ) そう よ おかべ|||まこと|ほ||

モーツァルト は ― もーつぁると|

サリエリ の こと なんか 気 に も かけて い ない ||||き|||||

自由に 無邪気に 曲 を 作って いた だけ な のに … じゆうに|むじゃきに|きょく||つくって||||

( 岡部 ) でも 比 屋 定 さん は ― おかべ||ひ|や|てい||

最後 は PC を 破棄 する こと に 賛成 して くれた さいご||||はき||||さんせい||

それ は 岡部 さん が … ||おかべ||

( 岡部 ) それ に 涙 を 流して いた おかべ|||なみだ||ながして|

“ 守って あげ られ なくて ごめん ” って まもって|||||

それ が 比 屋 定 さん の 本心 な んじゃ ない か ? ||ひ|や|てい|||ほんしん||||

( 真 帆 ) 買いかぶり すぎよ 私 は … まこと|ほ|かいかぶり||わたくし|

( 岡部 ) じゃ なきゃ こんなに なる まで ― おかべ|||||

PC の 破片 を 握りしめたり し ない ||はへん||にぎりしめたり||

俺 は そう 思う おれ|||おもう

あっ …

( 真 帆 ) う っ … ( 岡部 ) ん っ まこと|ほ|||おかべ||

あっ … 大丈夫 そうだ な |だいじょうぶ|そう だ|

俺 が いる と なかなか 眠れ ない だろう から ― おれ|||||ねむれ|||

向こう に 行って る よ むこう||おこなって||

何 か あったら 呼んで くれ なん|||よんで|

( 真 帆 ) ねえ まこと|ほ|

岡部 さん は 紅 莉栖 と タイムリープマシン を 作って ― おかべ|||くれない|りせい||||つくって

何度 も 同じ 2 週間 を 過ごして きた の よ ね なんど||おなじ|しゅうかん||すごして||||

( 岡部 ) ああ おかべ|

( 真 帆 ) 岡部 さん と 紅 莉栖 って … まこと|ほ|おかべ|||くれない|りせい|

いいえ 何でもない わ |なんでもない|

お やすみ なさい

( 岡部 ) お やすみ おかべ||

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

( レスキネン ) 真 帆 ~ 大変だった ね ~! |まこと|ほ|たいへんだった|

( 真 帆 ) 教授 苦しい … 苦しい です ! まこと|ほ|きょうじゅ|くるしい|くるしい|

う っ … 教授 潰れる … 潰れる … ||きょうじゅ|つぶれる|つぶれる

( レスキネン ) 見送り ありがとう リンターロ そして ラボメン の 皆さん |みおくり||||||みなさん

ところで リンターロ は 研究 所 に は いつ 頃 来 れる の か な ? |||けんきゅう|しょ||||ころ|らい||||

( 岡部 ) えっ それ って … おかべ|||

あなた を 本気で ヴィクトル ・ コンドリア 大学 の 研究 室 に ― ||ほんきで|||だいがく||けんきゅう|しつ|

招く つもり よ 教授 は まねく|||きょうじゅ|

( 岡部 ) 俺 を ? おかべ|おれ|

ジャパニーズ ヤング アインシュタイン を ― |やんぐ|あいんしゅたいん|

ほって おく なんて あり え ませ ん !

期待 して いる よ リンターロ きたい||||

はい

勉強 して 行ける ように 頑張り ます べんきょう||いける|よう に|がんばり|

( フブキ ) いい の ?

うん オカリン が 行き たい なら まゆ し ぃ は 大 賛成 だ よ |||いき|||||||だい|さんせい||

( かえで ) あっ 由季 ( ゆき ) さん 手 どうした ん です ? ||ゆき|||て|||

( 由季 ) 包丁 で ちょっと 切っちゃ って ゆき|ほうちょう|||きっちゃ|

( ダル ) 荷物 持つ お … だる|にもつ|もつ|

ウフフッ じゃあ お 願い し ます |||ねがい||

鈴 羽 さん は ? すず|はね||

ああ 納得 は して なかった が … |なっとく||||

紅 莉栖 の パソコン が なくなる こと で ― くれない|りせい||ぱそこん||||

当面 の アメリカ と ロシア の 衝突 は 回避 さ れた はずだ とうめん||あめりか||ろしあ||しょうとつ||かいひ|||

( 鈴 羽 ) だからといって ― すず|はね|

第 3 次 世界 大戦 が 回避 さ れた わけじゃ ない だい|つぎ|せかい|たいせん||かいひ||||

( 真 帆 ) いい の ? まこと|ほ||

( 岡部 ) 少なくとも できる こと は 全て やった おかべ|すくなくとも||||すべて|

比 屋 定 さん は 気 に し なくて いい ひ|や|てい|||き||||

( レスキネン ) 2 人 で デート の 相談 かね ? |じん||でーと||そうだん|

( 真 帆 ) 何で そう なる んです か ! まこと|ほ|なんで|||ん です|

( レスキネン ) それ より まもなく リンターロ の ―

アマデウス の アクセス 権 が 解除 さ れる ||あくせす|けん||かいじょ||

最後に 挨拶 して おか なくて いいかね ? さいごに|あいさつ||||

( 岡部 ) そうです ね じゃあ ひと言 だけ おかべ|そう です|||ひとこと|

( アマデウス 紅 莉栖 ) 何 ? |くれない|りせい|なん

一応 挨拶 と 思って な いちおう|あいさつ||おもって|

( アマデウス 紅 莉栖 ) 真 帆 先輩 に は ちゃんと 挨拶 した んでしょう ね |くれない|りせい|まこと|ほ|せんぱい||||あいさつ|||

したわ よ

な … なら いい です けど

お前 に 何度 お 別れ を 言って る んだろう な 俺 は おまえ||なんど||わかれ||いって||||おれ|

えっ ?

( 岡部 ) いや 何でもない おかべ||なんでもない

フフッ

まあ 話し相手 に なって くれた こと に は 感謝 して る |はなしあいて|||||||かんしゃ||

また こっち に 来る かも しれ ない んでしょ ? |||くる||||

一応 再会 まで は 覚えて おいて あげる いちおう|さいかい|||おぼえて||

ハハハ … ツンデレ だ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) は あ ?  何 だ それ ? |くれない|りせい|||なん||

( 岡部 ) 顔 が 真っ赤だ ぞ おかべ|かお||まっかだ|

紅 莉栖 は シャイ だ ね ハハハハ … くれない|りせい|||||

( 真 帆 ) 教授 そろそろ … ( レスキネン ) おお っ そう か まこと|ほ|きょうじゅ||||||

あんまり 比 屋 定 さん の こと から かう な よ |ひ|や|てい|||||||

( アマデウス 紅 莉栖 ) 分かって る |くれない|りせい|わかって|

じゃあ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) いつか … |くれない|りせい|

( 岡部 ) ん ? おかべ|

いつか 笑える 日 が 来る と いい わ ね 心 の 底 から |わらえる|ひ||くる|||||こころ||そこ|

じゃあ

( 真 帆 ) 岡部 さん まこと|ほ|おかべ|

いろいろ ありがとう あなた は 命 の 恩人 よ ||||いのち||おんじん|

( 岡部 ) 大げさだ な ( 真 帆 ) いいえ 本心 よ おかべ|おおげさだ||まこと|ほ||ほんしん|

本当に 感謝 して いる ほんとうに|かんしゃ||

待って る わ 向こう で まって|||むこう|

( 岡部 ) こうして レスキネン 教授 と 比 屋 定 さん は アメリカ へ 戻り ― おかべ|||きょうじゅ||ひ|や|てい|||あめりか||もどり

また 時 は 進み だす |じ||すすみ|

変わる こと なく … かわる||

戻る こと なく 進んで ゆく もどる|||すすんで|

♪~

~♪