”わたくし”か”わたし”?

日本語のネイティブスピーカーに対して質問があります。最近の私のYoutubeビデオに対して議論ありました。私は日本語の説明のために次の文章を言いました。”わたくしはカナダ人です”。それに対して”わたくし”は適当ではないと言う意見がさんざん出ました。あるいは人によって、”わたくし”という発音を聞いたことのない人も結構いました。”これ女性の言葉だ”。あるいは”これは普通には使わない言葉だ、という意見が出ました。”わたし”は普通に使われるそうです。
私の40年以上の経験では、”わたくし”は基本です。親しい人の場合は”わたし”を使います。私は間違ってるでしょうか? 時代が変わってるでしょうか?
ぜひ教えてください。

Tips on Learning Japanese - YouTube 日本語の紹介のビデオ。
どうして英語を流暢に話せないでしょうか?/ Fluency in English - Why Japanese Can’t Reach It. - YouTube どうして英語を流暢に話せないでしょうか? (私の日本語でのビデオ)

私も40年以上生きていますが(笑)、現代では公式の場でも「わたし」が一般的です。
ただし複数(we)の場合、ビジネスの場では「わたくしども(私ども)」も結構使われています。
もう一つ例外として、丁寧な言葉づかいが求められるホテルのフロント等では「わたくし」が使われています。

回答ありがと.

僕はどうしようもない年寄りになりましたでしょうか. 僕は今まで”わたくし”(私)を使ってます。ホテルのフロントで仕事を探せばいいですね。

インターネットで次の情報を探しました。

ビジネス敬語2

自分の呼び方や相手の呼び方、呼び方もいろいろ。

敬語っていろいろありますが、よく使う言葉だけでも覚えておくと、いざというときに便利です。

よく使う呼び方

自分 相手
自分 わたくし、こちら、当方 ●●様、そちら様、おたく様
会社 当社、弊社、わたくしども 貴社、御社

スティーブ・カウフマン様

ひょっとすると適当でないといわれた方は「わたくし」は堅苦しいと思われたからなのでしょうか。女性語とかいうのはジェンダーやフェミニズムの問題と私は考えています。私は男性ですがときには敬語で「わたくし自身」と言ってしまった事があると思います。
全く何も問題はありませんと私自身は考えています。話は少しズレますが、言葉には語感というものがどの言葉にもあると思います。勿論スティーブさんは流暢に日本語を話されるので日本語の語感は解られておられると思いますが、「わたくし」ということに異論がある方は自分の感性に唯合わないというこだと思います。

親しい相手と話すか、又気を使う相手と話すかによって俺、私、わたくし、自分(この4つの語感)の使い方は当然違ってきますが、わたしと、わたくしの差異は上記に述べたとおりほどんど無いと私は断言します。

koshidaより。

Hi, Steve.

私は58年日本で暮らしてる日本人ですが、「わたし」を使います。「わたくし」は使ったことないです。

スティーブさんが「わたくしはカナダ人です。」と言っているのを聞いて、不快な感じはしませんし、間違っているとも思いません。女性的な言葉でもありません。

Yahoo Japan!の知恵袋という質問コーナーで「わたし」と「わたくし」の違いについて質問している人が何人かいました。
その回答には次のように書かれています。

-------------
昭和27年(1952年)、国語審議会が「これからの敬語」として、「じぶんをさすことば」として、
1・「わたし」を標準の形とする。
2・「わたくし」を改まった場合の用語とする。
3・女性の「あたし」も認められるが、男女を通じて「わたし」「わたくし」を標準の形とする。
4・「ぼく」は、男子学生の用語であるが、社会人となれば「わたし」を使うように、教育上、注意すること。
5・「じぶん」を「わたし」の意味に使うことは避けたい
以上のような建議をしております。文化庁「言葉に関する問答集」から抜粋
--------------------

他の人の回答
最近出された「敬語の指針」(文化審議会答申 平成19年2月2日 2007年)では、次のように述べています。

自分のことを「僕」と呼んでいるのだが,「僕」と「わたし」はどのように使い分ければ良いのだろうか。

【解説1】基本的には,「僕」は,男性が日常の生活で用いる言葉であり,「わたし」は,やや改まった場面で用いる言葉である。「私(わたくし)」は,「わたし」よりも更に改まった公的な場面などで用いられる。したがって,例えば,式典や会議の場,面接試験などのときには,「僕」よりも,「わたし」あるいは「私(わたくし)」を用いた方が,その場面にふさわしい選択だと言える。

----------------------

昭和時代の人気映画シリーズ「男はつらいよ」で主人公のフーテンの寅さんが毎回次のように自己紹介します。
「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。・・・・・」 葛飾柴又=かつしかしばまた

スティーブさんは、この映画を何回も見て日本語を勉強されたんじゃないですか。

Hitomi, koshida, nobuo 回答が大変参考になりました。どうもありがとうございました。

Nobuoさんの答えが完璧な回答になっていると思います。

そう言えば、僕の知り合いのアメリカ人の男性も「わたくし」を使っています。

「わたくし」は間違いではありませんし、女性語でもありません。フォーマルで上品な言葉です。皇室の方や、上流階級の方はいつも使われていると思います。一般的には、「わたし」が使われます。接待業やセールスの場合は「わたくし」をよく使うように思います。上品なご婦人が「わたくし」とおっしゃると、とても素敵に見えます。

nobuoさんのコメントでほぼ語りつくされていると思いますが、私個人の感覚としても、いまや「わたし」はフォーマルな言い方だと感じます。

私の個人的な感覚としては、会社員なら、社内の会議で(あるいは上司に対して)は「わたし」、取引先との交渉等では「わたくし(ども)」でしょうか。もっとも、私自身は「わたくし」の形で使った記憶はありませんが、これは、後者の場合、自分自身のことを話すよりも、会社としての立場で発言することによると思われます。

その他の場合で、「わたくし」という自称を良く耳にするのは、政治の場でしょうか。例えば、議会や選挙活動などで政治家が使う場合です。これも、よりofficialな度合いが高い場合と言えると思います。

ただし、日常の場で「わたくし」という自称をされる方がいても、あるいは友達が「わたし」という自称を使っても、私は、「丁寧で柔らかい物言いをする人だな」という印象を受けはしても、奇異な感じは受けません。