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盾の勇者の成り上がり 01, 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 19

十九 話   龍 刻 の 砂時計

翌日 、 俺 達 は 武器 屋 に 顔 を 出した 。

「 お 、 アン ちゃん じゃ ない か 」

「 頼んだ 品 は 出来た か ?

「 お うよ !

とっくに 出来て る ぜ 」

親父 は そう 言う と カウンター の 奥 から 一 着 の 鎧 を 持って きた 。

粗野で 乱暴 そうな …… それでいて 野生 的 と も 言える 無骨な 鎧 が そこ に あった 。

襟 の 部分 に は ふわふわ の ウール の ように 加工 さ れた ウサピル の 皮 が 使わ れて いて 、 胸 に は 金属 板 が 張ら れて いる 。

そして 金属 で 保護 でき ない 稼 動 部 は ヤマアラ の 皮 で 繋が れて いる 。

中 に 手 を 入れる と ヤマアラ の 皮 を 二 重 に 張って 中 に ピキュピキュ の 羽 が 詰め られて いる ようだ 。

「…… これ を 着る の か ?

なんて いう か 、 盗賊 団 の ボス と か が 着て い そうな 鎧 だ 。

蛮族 の 鎧 と は よく 言った もの で 、 俺 が 着る と 世紀 末 の 雑魚 の ような 格好に なり そうだ 。

「 どうした ん だ アン ちゃん 」

「 いや 、 滅 茶 苦 茶 悪人 っぽい 鎧 だ な と 思って 」

「 今更 何 を 言って んだ 、 アン ちゃん ?

む ?

それ は 俺 が 既に 真っ黒な 悪人 だ と でも 言う つもり か ?

確かに 金銭 を 得る 為 に 手段 を 選ぶ つもり は 無い けど 、 コレ は 無い だろう 。

「 ナオフミ 様 なら きっと 似合い ます よ 」

「 ラフタリア …… お前 」

言う ように なった じゃ ない か 。

「 とにかく 着て みて くれ よ 」

「 う ー …… できれば …… 着 たく 無い が せっかく 作った 鎧 だ から しょうがない 」

店 の 更衣室 に 渋々 入って 着替える 。

…… サイズ を 測って ない のに ピッタリフィット する 鎧 に 驚き で 声 が 出 ない 。

さすが は 武器 防 具 を 扱う 武器 屋 の 親父 が 作った だけ ある か 。 目 視 で 俺 の サイズ を 特定 した のだろう 。

更衣室 から 出て 、 親父 と ラフタリア に お披露目 する 。

「 ふむ …… 顔 から 野蛮 さ は 感じ られ ない が 目付き で 乱暴 者 っぽい 感じ に なった な 」

「 あ ?

それ は 俺 の 目付き が 悪い と でも 言う つもり か ? 」

「 アン ちゃん は や さ ぐれた って いう の が 正しい かも 知れ ねえ な 」

った く 、 何 を 言って いる んだ か 。

「 ナオフミ 様 、 似合って いて カッコいい で す よ !

笑顔 で ほ ざ く ラフタリア 。

俺 は ジッと ラフタリア を 睨み つける 。

あまりに 調子 に 乗って いる 様 なら 一 度 痛い 目 に ……。

「 な んです か ?

極 々 普通に そう 返さ れた 。

本心 で 言って や がる 。

どんな 環境 で 育って きた んだ ?

あ 、 そう いえば ラフタリア は 亜人 か 。

もしかしたら 美的 センス が 俺 と は 違う の かも しれ ん 。

ステータス を 確認 する と 確かに くさり かた びら と 同等の 防御 力 が ある ようだ 。

むしろ 少し だけ 高い 。 親父 に 顔 を 向ける と ウインク し や がる 。 これ は オマケ の 付与 効果 と 考えて 良い のだろう な 。

「 は ぁ …… ありがとう 」

正直な 所 だ と 趣味 の 類 じゃ ない けど 、 波 に 備える の なら しょうがない よ な 。

と 、 自分 を 納得 さ せる のだった 。

「 さて 、 これ から どうした もの か 」

「 そうい や 、 城下町 の 雰囲気 が ピリピリ して い ます ね 」

「 波 が 近い から だろう けど 、 何 処 で 、 何 時 起こる んだ ?

「 ん ?

アン ちゃん 教わって ない の か ? 」

「 何 を だ ?

武器 屋 の 親父 が 知って いて 俺 が 知ら ない と は …… この 国 の 災厄 に 対する 対処 は 適当な んだ な 。

と 内心 毒 づき ながら 親父 の 話 に 耳 を 傾ける 。

「 国 が 管理 して いる 時計 台 が 広場 の 方 へ 行く と 見える だ ろ ?

「 そうい や 、 見える な 、 城下町 の 端 に それ っぽい 建物 」

「 そこ に ある の が 龍 刻 の 砂時計 だ 。

勇者 って の は 砂時計 の 砂 が 落ち きった とき 、 一緒に 戦う 仲間 と 共に 災厄 の 波 が 起こった 場所 に 飛ばさ れる らしい ぜ 」

「 へ ぇ ……」

この 辺り は どうせ 、 あの クソ 王 や 勇者 の お 仲間 が 教えて くれる はずの 情報 …… だった のだろう 。

「 何時ごろ か 分から ない なら 、 見 に 行って みれば 良い んじゃ ない か ?

「 そう 、 だ な 」

何 時 何 処 に 飛ばさ れる か 分から ない と いう の は 俺 から して も 困る 。

万全 を 期す ため に 行って みる と しよう 。

「 じゃあ な 、 親父 」

「 お うよ !

「 それでは 」

親父 に 礼 を 言って から 俺 達 は 時計 台 の 方 へ 行った 。

城下町 の 中 でも 高い 位置 に 存在 する 時計 台 は 、 近く で 見れば 見る ほど 大きな 建物 だった 。

なんとなく 、 教会 の ような 面持ち の ドーム 上 の 建物 の 上 に 時計 台 が ある 。

入場 は 自由な の か 、 門 が 開か れ 、 中 から 人 が 出入り して いる 。 受付 らしき シスター 服 の 女性 が 俺 を 見る なり 怪 訝 な 目 を した 。 顔 を 知って いる のだろう 。

「 盾 の 勇者 様 です ね 」

「 ああ 、 そろそろ 期限 だろう と 様子 を 見 に 来た 」

「 では こちら へ 」

そう 言って 案内 さ れた の は 教会 の 真ん中 に 安置 さ れた 大きな 砂時計 だった 。

全長 だけ で 七 メートル くらい は あり そうな 巨大な 砂時計 。

装飾 が 施さ れて いて 、 なんとも 神々しい ような 印象 を 受ける 。

…… なんだろう 。

背筋 が ピリピリ する 。

見て いる だけ で 本能 の どこ か が 刺激 さ れる ような 変な 感覚 が 俺 の 体 を 駆け巡って いた 。

砂 の 色 は …… 赤い 。

サラサラ と 音 を 立てて 落ちる 砂 に 視線 を 向ける 。

落ち きる の は もう 直ぐだ と いう の は 俺 に も 分かった 。

ピーン と 音 が 聞こえ 、 盾 から 出た 一 本 の 光り が 龍 刻 の 砂時計 の 真ん中 に ある 宝石 に 届く 。

する と 俺 の 視界 の 隅 に 時計 が 現れた 。

20‥12

しばらく して 12 の 目盛り が 11 に 減る 。

なるほど 、 正確な 時刻 が こうして 分かる ように なる と いう 訳 か 。

これ に 合わせて 行動 しろ と 。

しかし …… 二十 時間 と なる と やれる こと は 少ない な 。

精 々 、 今日 は 草原 で 薬草 摘み で も する の が 精一杯 だろう 。 回復 薬 の 準備 も 必要 か 。

「 ん ?

そこ に いる の は 尚 文 じゃ ねえ か ? 」

聞き たく ない 声 が 奥 の ほう から 聞こえて 来た 。

見る と ゾロゾロ と 女 ばかり を 連れた 槍 の 勇者 、 元 康 が 悠々と 歩いて きや がる 。

気 に 入ら ない な 。

今 すぐ に でも ぶ っ 殺して やり たい 所 だ が 理性 で 抑えた 。

「 お前 も 波 に 備えて 来た の か ?

目付き が なんとも いやらしい 。

蔑む ような 視線 で 俺 を 上 から 下 まで 舐める 様 に 見る 。

「 なんだ お前 、 まだ その 程度 の 装備 で 戦って いる の か ?

な んだ と ?

誰 の 所 為 だ と 思って や がる 。 お前 と お前 の 後ろ に いる クソ 女 が 原因 だろう が 。

元 康 は 約 一 ヶ月 前 の 時 と は 雲泥 の 差 の 、 なんて いう か 高 Lv だ と 一目 で 分かる 装備 を して いた 。

鉄 と は 違う 。

銀 の ような 輝く 鎧 で 身 を 固め 、 その 下 に は 高 そうな 付与 効果 が ついて いる だろう 綺麗な 紅 色 の 服 を 着て いる 。 しかも ご 丁寧に 鎧 の 間 に くさり かた びら を 着 込み 、 防御 は 絶対 だ と 主張 して いる か の ようだ 。

持って いる 伝説 の 槍 は 最初に 会った 時 の 安 そうな 槍 で は なく 、 なんとも 痛 そうな 、 それでいて カッコいい デザイン の 矛 に なって いた 。

矛 は …… まあ 、 槍 だ よ な 。

「……」

しゃべる の も わずらわしい 。

俺 は 元 康 を 無視 して 時計 台 を 後 に しよう と する 。

「 何 よ 、 モトヤス 様 が 話し かけて いる の よ !

聞き なさい よ 」

と 、 俺 の 殺意 の 根源 が 元 康 の 後ろ から 顔 を 覗か せる 。

これ でも か と 睨み つける が 、 ソイツ は 相変わらず 、 俺 を 挑発 する ように 舌 を 出して 馬鹿に する 。

この 女 、 いつか 絶対 後悔 さ せて やる 。

「 ナオフミ 様 ?

こちら の 方 は ……? 」

ラフタリア が 首 を 傾げ つつ 、 元 康 たち を 指差す 。

「……」

俺 は 答える より も ここ を 去る こと を 選択 し 、 歩き だ そう と した 。

しかし 、 入り口 から 樹 と 錬 が やってくる の を 見つけて しまう 。

「 チッ 」

「 あ 、 元 康 さん と …… 尚 文 さん 」

樹 は 舌打ち を した 俺 を 見る なり 不快な 者 を 見る 目 を し 、 やがて 平静 を 装って 声 を 掛ける 。

「……」

錬 は クール 気取り で 無言 で こちら に 歩いて くる 。

やはり 装備 して いる 物 が 旅立った 日 より 遥かに 強そうな 物 で 占め られて いた 。

それぞれ 、 ゾロゾロ と 仲間 を 連れて いる 。

時計 台 の 中 は それ だけ で 人口 が あっという間 に 増えた 。

四 + 十二 + 一 。

四 は 俺 達 召喚 さ れた 勇者 で 、 十二 は 国 が 選んだ 冒険 者 、 そして 一 は ラフタリア だ 。

十七 人 も 居たら そりゃ あ 、 う っと おしくも なる 。

「 あの ……」

「 誰 だ その 子 。

す っ ごく 可愛い な 」

元 康 が ラフタリア を 指差して ほ ざ く 。

こいつ 、 女 なら 何でも 良い んじゃ ない の か ?

勇者 が 幼女 に 欲 情 と は …… この 国 も 終わった な 。

しかも 鼻 に かけた 態度 で ラフタリア に 近づき 、 キザ ったら しく 自己 紹介 する 。

「 始め まして お嬢さん 。

俺 は 異 世界 から 召喚 さ れ し 四 人 の 勇者 の うち の 一 人 、 北村 元 康 と 言い ます 。 以後 お 見 知り おき を 」

「 は 、 は ぁ …… 勇者 様 だった のです か 」

おずおず と ラフタリア は 目 を 泳が せ ながら 頷く 。

「 あなた の 名前 は な んでしょう ?

「 えっ と ……」

困った ように ラフタリア は 俺 に 視線 を 向け 、 そして 元 康 の 方 に 視線 を 戻す 。

「 ラ 、 ラフタリア です 。

よろしく お 願い し ます 」

俺 が 不機嫌な の を 察して いる のだろう 。

ラフタリア は 冷や汗 を 掻いて いる 。

こいつ も 俺 より 元 康 の 方 へ 行き たい と か 思って いる んだろう 。

まったく 、 サッサ と ここ から 出 たい と いう のに 、 コイツ 等 は また 俺 を 嵌 め る 気 か ?

「 アナタ は 本日 、 どのような ご 用件 で ここ に ?

アナタ の ような 人 が 物騒な 鎧 と 剣 を 持って いる なんて どうした と いう のです ? 」

「 それ は 私 が ナオフミ 様 と 一緒に 戦う から です 」

「 え ?

尚 文 の ? 」

元 康 が 怪 訝 な 目 で 俺 を 睨み つける 。

「…… なんだ よ 」

「 お前 、 こんな 可愛い 子 を 何 処 で 勧誘 した んだ よ 」

元 康 が 上 から 目線 で 俺 に 話し かけて きた 。

「 貴 様 に 話す 必要 は 無い 」

「 てっきり 一 人 で 参戦 する と 思って いた のに …… ラフタリア お嬢さん の 優し さ に 甘えて いる んだ な 」

「 勝手に 妄想 して ろ 」

勇者 仲間 より 異 世界 の ビッチ を 信用 する クズ と 話して いる と それ だけ で ムカムカ して くる 。

俺 は 錬 と 樹 が いる 方 に ある 出入り口 の 方 へ 歩き 出す 。

すると 二 人 と その 仲間 は 道 を 開けた 。

「 波 で 会い ましょう 」

「 足手まといに なる な よ 」

事務 的で ありきたりな 返答 を する 樹 と 、 お前 は 何 処 まで 偉 そうな んだ と いう 勇者 様 態度 の 錬 に 殺意 を 覚え つつ 、 背 を 向ける 。

ふと 振り返る と ラフタリア が 周り を キョロキョロ と し つつ 俺 の 方 へ 駆け寄って きた 。

「 行く ぞ 」

「 あ 、 はい !

ナオフミ 様 ! 」

俺 が 声 を 掛けた 所 、 やっと 我 に 返った の か 元気に 返す 。

まったく 、 不愉快で 仕方 が ない 。

やっと 時計 台 を 後 に した 俺 は 苛立ち ながら 城下町 を 抜けて 草原 の 方 へ 出た 。

「 ナ 、 ナオフミ 様 ?

どうした の です ? 」

「 別に ……」

「 あの ……」

「 何 だ ?

「 いえ ……」

俺 の 機嫌 が 悪い の を 察した ラフタリア は 俯き ながら 俺 の 後ろ を 付いて くる 。

…… バルーン が 寄って 来た 。

ラフタリア が 剣 を 取り出す 。

「 ああ 、 今回 は 俺 一 人 に 任せて くれ 」

「 え …… でも 」

「 良い んだ !

俺 が 怒鳴る と ラフタリア は ビク っと 驚いて 縮こまる 。

バルーン が 俺 の 目の前 に やってきた 。

「 オラオラオラオラ !

くそ !

クソクソクソクソクソクソ !

憂さ晴らし に バルーン を 殴り つけ 、 少し は 溜 飲 が 下がった 。

視界 の 隅 に ある 残り 時間 を 確認 する 。

18‥01

後 、 一八 時間 。

それ まで に 出来る こと か 。

結局 、 あの 後 草原 で バルーン を 探し ながら 薬草 摘み を する しか やる こと は 無かった 。

手 に 入れた 薬草 は 回復 薬 に 調合 し 、 波 に 備える 。

その 日 の 晩 の 事 …… 宿 の 部屋 で 休んで いる と ラフタリア が 申し訳な さ そうに 話し かけて くる 。

「 ナオフミ 様 」

「…… なんだ ?

「 昼間 、 時計 台 に 居た 方々 が ナオフミ 様 と 同じ 、 勇者 様 な のです ね 」

「…… ああ 」

イヤな こと を 思い出さ せる 。

せっかく 憂さ晴らし で 忘れ かけて いた と いう のに 。

「 一体 …… 何 が あった のです か ?

「 言い たく ない 。

知り たかったら 酒場 に でも 顔 を 出して 聞いて 来い 」

どうせ 俺 が 本当の 事 を 言った って 信じて くれ ない んだ 。

それ は コイツ だって 同じだ 。 だが 、 他の 奴 等 と ラフタリア と の 大きな 違い は ラフタリア が 奴隷 だ と いう 事 だ 。 俺 の 命令 に 逆らったり 、 逃亡 したり 、 拒む ような 態度 を 取れば 呪い が 降りかかる 。

ラフタリア は 俺 が 何も 話す つもり が 無い と 言う の を 察して 、 それ 以上 聞いて こ なかった 。

俺 は 明日 に 備えて 、 寝る まで の 間 、 ずっと 薬 の 調合 を して いた 。



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十九 話   龍 刻 の 砂時計

翌日 、 俺 達 は 武器 屋 に 顔 を 出した 。

「 お 、 アン ちゃん じゃ ない か 」

「 頼んだ 品 は 出来た か ?

「 お うよ !

とっくに 出来て る ぜ 」

親父 は そう 言う と カウンター の 奥 から 一 着 の 鎧 を 持って きた 。

粗野で 乱暴 そうな …… それでいて 野生 的 と も 言える 無骨な 鎧 が そこ に あった 。

襟 の 部分 に は ふわふわ の ウール の ように 加工 さ れた ウサピル の 皮 が 使わ れて いて 、 胸 に は 金属 板 が 張ら れて いる 。

そして 金属 で 保護 でき ない 稼 動 部 は ヤマアラ の 皮 で 繋が れて いる 。

中 に 手 を 入れる と ヤマアラ の 皮 を 二 重 に 張って 中 に ピキュピキュ の 羽 が 詰め られて いる ようだ 。

「…… これ を 着る の か ?

なんて いう か 、 盗賊 団 の ボス と か が 着て い そうな 鎧 だ 。

蛮族 の 鎧 と は よく 言った もの で 、 俺 が 着る と 世紀 末 の 雑魚 の ような 格好に なり そうだ 。

「 どうした ん だ アン ちゃん 」

「 いや 、 滅 茶 苦 茶 悪人 っぽい 鎧 だ な と 思って 」

「 今更 何 を 言って んだ 、 アン ちゃん ?

む ?

それ は 俺 が 既に 真っ黒な 悪人 だ と でも 言う つもり か ?

確かに 金銭 を 得る 為 に 手段 を 選ぶ つもり は 無い けど 、 コレ は 無い だろう 。

「 ナオフミ 様 なら きっと 似合い ます よ 」

「 ラフタリア …… お前 」

言う ように なった じゃ ない か 。

「 とにかく 着て みて くれ よ 」

「 う ー …… できれば …… 着 たく 無い が せっかく 作った 鎧 だ から しょうがない 」

店 の 更衣室 に 渋々 入って 着替える 。

…… サイズ を 測って ない のに ピッタリフィット する 鎧 に 驚き で 声 が 出 ない 。

さすが は 武器 防 具 を 扱う 武器 屋 の 親父 が 作った だけ ある か 。 目 視 で 俺 の サイズ を 特定 した のだろう 。

更衣室 から 出て 、 親父 と ラフタリア に お披露目 する 。

「 ふむ …… 顔 から 野蛮 さ は 感じ られ ない が 目付き で 乱暴 者 っぽい 感じ に なった な 」

「 あ ?

それ は 俺 の 目付き が 悪い と でも 言う つもり か ? 」

「 アン ちゃん は や さ ぐれた って いう の が 正しい かも 知れ ねえ な 」

った く 、 何 を 言って いる んだ か 。

「 ナオフミ 様 、 似合って いて カッコいい で す よ !

笑顔 で ほ ざ く ラフタリア 。

俺 は ジッと ラフタリア を 睨み つける 。

あまりに 調子 に 乗って いる 様 なら 一 度 痛い 目 に ……。

「 な んです か ?

極 々 普通に そう 返さ れた 。

本心 で 言って や がる 。

どんな 環境 で 育って きた んだ ?

あ 、 そう いえば ラフタリア は 亜人 か 。

もしかしたら 美的 センス が 俺 と は 違う の かも しれ ん 。

ステータス を 確認 する と 確かに くさり かた びら と 同等の 防御 力 が ある ようだ 。

むしろ 少し だけ 高い 。 親父 に 顔 を 向ける と ウインク し や がる 。 これ は オマケ の 付与 効果 と 考えて 良い のだろう な 。

「 は ぁ …… ありがとう 」

正直な 所 だ と 趣味 の 類 じゃ ない けど 、 波 に 備える の なら しょうがない よ な 。

と 、 自分 を 納得 さ せる のだった 。

「 さて 、 これ から どうした もの か 」

「 そうい や 、 城下町 の 雰囲気 が ピリピリ して い ます ね 」

「 波 が 近い から だろう けど 、 何 処 で 、 何 時 起こる んだ ?

「 ん ?

アン ちゃん 教わって ない の か ? 」

「 何 を だ ?

武器 屋 の 親父 が 知って いて 俺 が 知ら ない と は …… この 国 の 災厄 に 対する 対処 は 適当な んだ な 。

と 内心 毒 づき ながら 親父 の 話 に 耳 を 傾ける 。

「 国 が 管理 して いる 時計 台 が 広場 の 方 へ 行く と 見える だ ろ ?

「 そうい や 、 見える な 、 城下町 の 端 に それ っぽい 建物 」

「 そこ に ある の が 龍 刻 の 砂時計 だ 。

勇者 って の は 砂時計 の 砂 が 落ち きった とき 、 一緒に 戦う 仲間 と 共に 災厄 の 波 が 起こった 場所 に 飛ばさ れる らしい ぜ 」

「 へ ぇ ……」

この 辺り は どうせ 、 あの クソ 王 や 勇者 の お 仲間 が 教えて くれる はずの 情報 …… だった のだろう 。

「 何時ごろ か 分から ない なら 、 見 に 行って みれば 良い んじゃ ない か ?

「 そう 、 だ な 」

何 時 何 処 に 飛ばさ れる か 分から ない と いう の は 俺 から して も 困る 。

万全 を 期す ため に 行って みる と しよう 。

「 じゃあ な 、 親父 」

「 お うよ !

「 それでは 」

親父 に 礼 を 言って から 俺 達 は 時計 台 の 方 へ 行った 。

城下町 の 中 でも 高い 位置 に 存在 する 時計 台 は 、 近く で 見れば 見る ほど 大きな 建物 だった 。

なんとなく 、 教会 の ような 面持ち の ドーム 上 の 建物 の 上 に 時計 台 が ある 。

入場 は 自由な の か 、 門 が 開か れ 、 中 から 人 が 出入り して いる 。 受付 らしき シスター 服 の 女性 が 俺 を 見る なり 怪 訝 な 目 を した 。 顔 を 知って いる のだろう 。

「 盾 の 勇者 様 です ね 」

「 ああ 、 そろそろ 期限 だろう と 様子 を 見 に 来た 」

「 では こちら へ 」

そう 言って 案内 さ れた の は 教会 の 真ん中 に 安置 さ れた 大きな 砂時計 だった 。

全長 だけ で 七 メートル くらい は あり そうな 巨大な 砂時計 。

装飾 が 施さ れて いて 、 なんとも 神々しい ような 印象 を 受ける 。

…… なんだろう 。

背筋 が ピリピリ する 。

見て いる だけ で 本能 の どこ か が 刺激 さ れる ような 変な 感覚 が 俺 の 体 を 駆け巡って いた 。

砂 の 色 は …… 赤い 。

サラサラ と 音 を 立てて 落ちる 砂 に 視線 を 向ける 。

落ち きる の は もう 直ぐだ と いう の は 俺 に も 分かった 。

ピーン と 音 が 聞こえ 、 盾 から 出た 一 本 の 光り が 龍 刻 の 砂時計 の 真ん中 に ある 宝石 に 届く 。

する と 俺 の 視界 の 隅 に 時計 が 現れた 。

20‥12

しばらく して 12 の 目盛り が 11 に 減る 。

なるほど 、 正確な 時刻 が こうして 分かる ように なる と いう 訳 か 。

これ に 合わせて 行動 しろ と 。

しかし …… 二十 時間 と なる と やれる こと は 少ない な 。

精 々 、 今日 は 草原 で 薬草 摘み で も する の が 精一杯 だろう 。 回復 薬 の 準備 も 必要 か 。

「 ん ?

そこ に いる の は 尚 文 じゃ ねえ か ? 」

聞き たく ない 声 が 奥 の ほう から 聞こえて 来た 。

見る と ゾロゾロ と 女 ばかり を 連れた 槍 の 勇者 、 元 康 が 悠々と 歩いて きや がる 。

気 に 入ら ない な 。

今 すぐ に でも ぶ っ 殺して やり たい 所 だ が 理性 で 抑えた 。

「 お前 も 波 に 備えて 来た の か ?

目付き が なんとも いやらしい 。

蔑む ような 視線 で 俺 を 上 から 下 まで 舐める 様 に 見る 。

「 なんだ お前 、 まだ その 程度 の 装備 で 戦って いる の か ?

な んだ と ?

誰 の 所 為 だ と 思って や がる 。 お前 と お前 の 後ろ に いる クソ 女 が 原因 だろう が 。

元 康 は 約 一 ヶ月 前 の 時 と は 雲泥 の 差 の 、 なんて いう か 高 Lv だ と 一目 で 分かる 装備 を して いた 。

鉄 と は 違う 。

銀 の ような 輝く 鎧 で 身 を 固め 、 その 下 に は 高 そうな 付与 効果 が ついて いる だろう 綺麗な 紅 色 の 服 を 着て いる 。 しかも ご 丁寧に 鎧 の 間 に くさり かた びら を 着 込み 、 防御 は 絶対 だ と 主張 して いる か の ようだ 。

持って いる 伝説 の 槍 は 最初に 会った 時 の 安 そうな 槍 で は なく 、 なんとも 痛 そうな 、 それでいて カッコいい デザイン の 矛 に なって いた 。

矛 は …… まあ 、 槍 だ よ な 。

「……」

しゃべる の も わずらわしい 。

俺 は 元 康 を 無視 して 時計 台 を 後 に しよう と する 。

「 何 よ 、 モトヤス 様 が 話し かけて いる の よ !

聞き なさい よ 」

と 、 俺 の 殺意 の 根源 が 元 康 の 後ろ から 顔 を 覗か せる 。

これ でも か と 睨み つける が 、 ソイツ は 相変わらず 、 俺 を 挑発 する ように 舌 を 出して 馬鹿に する 。

この 女 、 いつか 絶対 後悔 さ せて やる 。

「 ナオフミ 様 ?

こちら の 方 は ……? 」

ラフタリア が 首 を 傾げ つつ 、 元 康 たち を 指差す 。

「……」

俺 は 答える より も ここ を 去る こと を 選択 し 、 歩き だ そう と した 。

しかし 、 入り口 から 樹 と 錬 が やってくる の を 見つけて しまう 。

「 チッ 」

「 あ 、 元 康 さん と …… 尚 文 さん 」

樹 は 舌打ち を した 俺 を 見る なり 不快な 者 を 見る 目 を し 、 やがて 平静 を 装って 声 を 掛ける 。

「……」

錬 は クール 気取り で 無言 で こちら に 歩いて くる 。

やはり 装備 して いる 物 が 旅立った 日 より 遥かに 強そうな 物 で 占め られて いた 。

それぞれ 、 ゾロゾロ と 仲間 を 連れて いる 。

時計 台 の 中 は それ だけ で 人口 が あっという間 に 増えた 。

四 + 十二 + 一 。

四 は 俺 達 召喚 さ れた 勇者 で 、 十二 は 国 が 選んだ 冒険 者 、 そして 一 は ラフタリア だ 。

十七 人 も 居たら そりゃ あ 、 う っと おしくも なる 。

「 あの ……」

「 誰 だ その 子 。

す っ ごく 可愛い な 」

元 康 が ラフタリア を 指差して ほ ざ く 。

こいつ 、 女 なら 何でも 良い んじゃ ない の か ?

勇者 が 幼女 に 欲 情 と は …… この 国 も 終わった な 。

しかも 鼻 に かけた 態度 で ラフタリア に 近づき 、 キザ ったら しく 自己 紹介 する 。

「 始め まして お嬢さん 。

俺 は 異 世界 から 召喚 さ れ し 四 人 の 勇者 の うち の 一 人 、 北村 元 康 と 言い ます 。 以後 お 見 知り おき を 」

「 は 、 は ぁ …… 勇者 様 だった のです か 」

おずおず と ラフタリア は 目 を 泳が せ ながら 頷く 。

「 あなた の 名前 は な んでしょう ?

「 えっ と ……」

困った ように ラフタリア は 俺 に 視線 を 向け 、 そして 元 康 の 方 に 視線 を 戻す 。

「 ラ 、 ラフタリア です 。

よろしく お 願い し ます 」

俺 が 不機嫌な の を 察して いる のだろう 。

ラフタリア は 冷や汗 を 掻いて いる 。

こいつ も 俺 より 元 康 の 方 へ 行き たい と か 思って いる んだろう 。

まったく 、 サッサ と ここ から 出 たい と いう のに 、 コイツ 等 は また 俺 を 嵌 め る 気 か ?

「 アナタ は 本日 、 どのような ご 用件 で ここ に ?

アナタ の ような 人 が 物騒な 鎧 と 剣 を 持って いる なんて どうした と いう のです ? 」

「 それ は 私 が ナオフミ 様 と 一緒に 戦う から です 」

「 え ?

尚 文 の ? 」

元 康 が 怪 訝 な 目 で 俺 を 睨み つける 。

「…… なんだ よ 」

「 お前 、 こんな 可愛い 子 を 何 処 で 勧誘 した んだ よ 」

元 康 が 上 から 目線 で 俺 に 話し かけて きた 。

「 貴 様 に 話す 必要 は 無い 」

「 てっきり 一 人 で 参戦 する と 思って いた のに …… ラフタリア お嬢さん の 優し さ に 甘えて いる んだ な 」

「 勝手に 妄想 して ろ 」

勇者 仲間 より 異 世界 の ビッチ を 信用 する クズ と 話して いる と それ だけ で ムカムカ して くる 。

俺 は 錬 と 樹 が いる 方 に ある 出入り口 の 方 へ 歩き 出す 。

すると 二 人 と その 仲間 は 道 を 開けた 。

「 波 で 会い ましょう 」

「 足手まといに なる な よ 」

事務 的で ありきたりな 返答 を する 樹 と 、 お前 は 何 処 まで 偉 そうな んだ と いう 勇者 様 態度 の 錬 に 殺意 を 覚え つつ 、 背 を 向ける 。

ふと 振り返る と ラフタリア が 周り を キョロキョロ と し つつ 俺 の 方 へ 駆け寄って きた 。

「 行く ぞ 」

「 あ 、 はい !

ナオフミ 様 ! 」

俺 が 声 を 掛けた 所 、 やっと 我 に 返った の か 元気に 返す 。

まったく 、 不愉快で 仕方 が ない 。

やっと 時計 台 を 後 に した 俺 は 苛立ち ながら 城下町 を 抜けて 草原 の 方 へ 出た 。

「 ナ 、 ナオフミ 様 ?

どうした の です ? 」

「 別に ……」

「 あの ……」

「 何 だ ?

「 いえ ……」

俺 の 機嫌 が 悪い の を 察した ラフタリア は 俯き ながら 俺 の 後ろ を 付いて くる 。

…… バルーン が 寄って 来た 。

ラフタリア が 剣 を 取り出す 。

「 ああ 、 今回 は 俺 一 人 に 任せて くれ 」

「 え …… でも 」

「 良い んだ !

俺 が 怒鳴る と ラフタリア は ビク っと 驚いて 縮こまる 。

バルーン が 俺 の 目の前 に やってきた 。

「 オラオラオラオラ !

くそ !

クソクソクソクソクソクソ !

憂さ晴らし に バルーン を 殴り つけ 、 少し は 溜 飲 が 下がった 。

視界 の 隅 に ある 残り 時間 を 確認 する 。

18‥01

後 、 一八 時間 。

それ まで に 出来る こと か 。

結局 、 あの 後 草原 で バルーン を 探し ながら 薬草 摘み を する しか やる こと は 無かった 。

手 に 入れた 薬草 は 回復 薬 に 調合 し 、 波 に 備える 。

その 日 の 晩 の 事 …… 宿 の 部屋 で 休んで いる と ラフタリア が 申し訳な さ そうに 話し かけて くる 。

「 ナオフミ 様 」

「…… なんだ ?

「 昼間 、 時計 台 に 居た 方々 が ナオフミ 様 と 同じ 、 勇者 様 な のです ね 」

「…… ああ 」

イヤな こと を 思い出さ せる 。

せっかく 憂さ晴らし で 忘れ かけて いた と いう のに 。

「 一体 …… 何 が あった のです か ?

「 言い たく ない 。

知り たかったら 酒場 に でも 顔 を 出して 聞いて 来い 」

どうせ 俺 が 本当の 事 を 言った って 信じて くれ ない んだ 。

それ は コイツ だって 同じだ 。 だが 、 他の 奴 等 と ラフタリア と の 大きな 違い は ラフタリア が 奴隷 だ と いう 事 だ 。 俺 の 命令 に 逆らったり 、 逃亡 したり 、 拒む ような 態度 を 取れば 呪い が 降りかかる 。

ラフタリア は 俺 が 何も 話す つもり が 無い と 言う の を 察して 、 それ 以上 聞いて こ なかった 。

俺 は 明日 に 備えて 、 寝る まで の 間 、 ずっと 薬 の 調合 を して いた 。


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