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盾の勇者の成り上がり (The Rising of the Shield Hero ), 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 19

盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 19

十九 話 龍 刻 の 砂時計

翌日 、 俺 達 は 武器 屋 に 顔 を 出した 。

「 お 、 アン ちゃん じゃ ない か 」

「 頼んだ 品 は 出来た か ?

「 お うよ !

とっくに 出来て る ぜ 」

親父 は そう 言う と カウンター の 奥 から 一 着 の 鎧 を 持って きた 。

粗野で 乱暴 そうな …… それでいて 野生 的 と も 言える 無骨な 鎧 が そこ に あった 。

襟 の 部分 に は ふわふわ の ウール の ように 加工 さ れた ウサピル の 皮 が 使わ れて いて 、 胸 に は 金属 板 が 張ら れて いる 。

そして 金属 で 保護 でき ない 稼 動 部 は ヤマアラ の 皮 で 繋が れて いる 。

中 に 手 を 入れる と ヤマアラ の 皮 を 二 重 に 張って 中 に ピキュピキュ の 羽 が 詰め られて いる ようだ 。

「…… これ を 着る の か ?

なんて いう か 、 盗賊 団 の ボス と か が 着て い そうな 鎧 だ 。

蛮族 の 鎧 と は よく 言った もの で 、 俺 が 着る と 世紀 末 の 雑魚 の ような 格好に なり そうだ 。

「 どうした ん だ アン ちゃん 」

「 いや 、 滅 茶 苦 茶 悪人 っぽい 鎧 だ な と 思って 」

「 今更 何 を 言って んだ 、 アン ちゃん ?

む ?

それ は 俺 が 既に 真っ黒な 悪人 だ と でも 言う つもり か ?

確かに 金銭 を 得る 為 に 手段 を 選ぶ つもり は 無い けど 、 コレ は 無い だろう 。

「 ナオフミ 様 なら きっと 似合い ます よ 」

「 ラフタリア …… お前 」

言う ように なった じゃ ない か 。

「 とにかく 着て みて くれ よ 」

「 う ー …… できれば …… 着 たく 無い が せっかく 作った 鎧 だ から しょうがない 」

店 の 更衣室 に 渋々 入って 着替える 。

…… サイズ を 測って ない のに ピッタリフィット する 鎧 に 驚き で 声 が 出 ない 。

さすが は 武器 防 具 を 扱う 武器 屋 の 親父 が 作った だけ ある か 。 目 視 で 俺 の サイズ を 特定 した のだろう 。

更衣室 から 出て 、 親父 と ラフタリア に お披露目 する 。

「 ふむ …… 顔 から 野蛮 さ は 感じ られ ない が 目付き で 乱暴 者 っぽい 感じ に なった な 」

「 あ ?

それ は 俺 の 目付き が 悪い と でも 言う つもり か ? 「 アン ちゃん は や さ ぐれた って いう の が 正しい かも 知れ ねえ な 」

った く 、 何 を 言って いる んだ か 。

「 ナオフミ 様 、 似合って いて カッコいい で す よ !

笑顔 で ほ ざ く ラフタリア 。

俺 は ジッと ラフタリア を 睨み つける 。

あまりに 調子 に 乗って いる 様 なら 一 度 痛い 目 に ……。

「 な んです か ?

極 々 普通に そう 返さ れた 。

本心 で 言って や がる 。

どんな 環境 で 育って きた んだ ?

あ 、 そう いえば ラフタリア は 亜人 か 。

もしかしたら 美的 センス が 俺 と は 違う の かも しれ ん 。

ステータス を 確認 する と 確かに くさり かた びら と 同等の 防御 力 が ある ようだ 。

むしろ 少し だけ 高い 。 親父 に 顔 を 向ける と ウインク し や がる 。 これ は オマケ の 付与 効果 と 考えて 良い のだろう な 。

「 は ぁ …… ありがとう 」

正直な 所 だ と 趣味 の 類 じゃ ない けど 、 波 に 備える の なら しょうがない よ な 。

と 、 自分 を 納得 さ せる のだった 。

「 さて 、 これ から どうした もの か 」

「 そうい や 、 城下町 の 雰囲気 が ピリピリ して い ます ね 」

「 波 が 近い から だろう けど 、 何 処 で 、 何 時 起こる んだ ?

「 ん ?

アン ちゃん 教わって ない の か ? 「 何 を だ ?

武器 屋 の 親父 が 知って いて 俺 が 知ら ない と は …… この 国 の 災厄 に 対する 対処 は 適当な んだ な 。

と 内心 毒 づき ながら 親父 の 話 に 耳 を 傾ける 。

「 国 が 管理 して いる 時計 台 が 広場 の 方 へ 行く と 見える だ ろ ?

「 そうい や 、 見える な 、 城下町 の 端 に それ っぽい 建物 」

「 そこ に ある の が 龍 刻 の 砂時計 だ 。

勇者 って の は 砂時計 の 砂 が 落ち きった とき 、 一緒に 戦う 仲間 と 共に 災厄 の 波 が 起こった 場所 に 飛ばさ れる らしい ぜ 」

「 へ ぇ ……」

この 辺り は どうせ 、 あの クソ 王 や 勇者 の お 仲間 が 教えて くれる はずの 情報 …… だった のだろう 。

「 何時ごろ か 分から ない なら 、 見 に 行って みれば 良い んじゃ ない か ?

「 そう 、 だ な 」

何 時 何 処 に 飛ばさ れる か 分から ない と いう の は 俺 から して も 困る 。

万全 を 期す ため に 行って みる と しよう 。

「 じゃあ な 、 親父 」

「 お うよ !

「 それでは 」

親父 に 礼 を 言って から 俺 達 は 時計 台 の 方 へ 行った 。

城下町 の 中 でも 高い 位置 に 存在 する 時計 台 は 、 近く で 見れば 見る ほど 大きな 建物 だった 。

なんとなく 、 教会 の ような 面持ち の ドーム 上 の 建物 の 上 に 時計 台 が ある 。

入場 は 自由な の か 、 門 が 開か れ 、 中 から 人 が 出入り して いる 。 受付 らしき シスター 服 の 女性 が 俺 を 見る なり 怪 訝 な 目 を した 。 顔 を 知って いる のだろう 。

「 盾 の 勇者 様 です ね 」

「 ああ 、 そろそろ 期限 だろう と 様子 を 見 に 来た 」

「 では こちら へ 」

そう 言って 案内 さ れた の は 教会 の 真ん中 に 安置 さ れた 大きな 砂時計 だった 。

全長 だけ で 七 メートル くらい は あり そうな 巨大な 砂時計 。

装飾 が 施さ れて いて 、 なんとも 神々しい ような 印象 を 受ける 。

…… なんだろう 。

背筋 が ピリピリ する 。

見て いる だけ で 本能 の どこ か が 刺激 さ れる ような 変な 感覚 が 俺 の 体 を 駆け巡って いた 。

砂 の 色 は …… 赤い 。

サラサラ と 音 を 立てて 落ちる 砂 に 視線 を 向ける 。

落ち きる の は もう 直ぐだ と いう の は 俺 に も 分かった 。

ピーン と 音 が 聞こえ 、 盾 から 出た 一 本 の 光り が 龍 刻 の 砂時計 の 真ん中 に ある 宝石 に 届く 。

する と 俺 の 視界 の 隅 に 時計 が 現れた 。

20‥12

しばらく して 12 の 目盛り が 11 に 減る 。

なるほど 、 正確な 時刻 が こうして 分かる ように なる と いう 訳 か 。

これ に 合わせて 行動 しろ と 。

しかし …… 二十 時間 と なる と やれる こと は 少ない な 。

精 々 、 今日 は 草原 で 薬草 摘み で も する の が 精一杯 だろう 。 回復 薬 の 準備 も 必要 か 。

「 ん ?

そこ に いる の は 尚 文 じゃ ねえ か ? 聞き たく ない 声 が 奥 の ほう から 聞こえて 来た 。

見る と ゾロゾロ と 女 ばかり を 連れた 槍 の 勇者 、 元 康 が 悠々と 歩いて きや がる 。

気 に 入ら ない な 。

今 すぐ に でも ぶ っ 殺して やり たい 所 だ が 理性 で 抑えた 。

「 お前 も 波 に 備えて 来た の か ?

目付き が なんとも いやらしい 。

蔑む ような 視線 で 俺 を 上 から 下 まで 舐める 様 に 見る 。

「 なんだ お前 、 まだ その 程度 の 装備 で 戦って いる の か ?

な んだ と ?

誰 の 所 為 だ と 思って や がる 。 お前 と お前 の 後ろ に いる クソ 女 が 原因 だろう が 。

元 康 は 約 一 ヶ月 前 の 時 と は 雲泥 の 差 の 、 なんて いう か 高 Lv だ と 一目 で 分かる 装備 を して いた 。

鉄 と は 違う 。

銀 の ような 輝く 鎧 で 身 を 固め 、 その 下 に は 高 そうな 付与 効果 が ついて いる だろう 綺麗な 紅 色 の 服 を 着て いる 。 しかも ご 丁寧に 鎧 の 間 に くさり かた びら を 着 込み 、 防御 は 絶対 だ と 主張 して いる か の ようだ 。

持って いる 伝説 の 槍 は 最初に 会った 時 の 安 そうな 槍 で は なく 、 なんとも 痛 そうな 、 それでいて カッコいい デザイン の 矛 に なって いた 。

矛 は …… まあ 、 槍 だ よ な 。

「……」

しゃべる の も わずらわしい 。

俺 は 元 康 を 無視 して 時計 台 を 後 に しよう と する 。

「 何 よ 、 モトヤス 様 が 話し かけて いる の よ !

聞き なさい よ 」

と 、 俺 の 殺意 の 根源 が 元 康 の 後ろ から 顔 を 覗か せる 。

これ でも か と 睨み つける が 、 ソイツ は 相変わらず 、 俺 を 挑発 する ように 舌 を 出して 馬鹿に する 。

この 女 、 いつか 絶対 後悔 さ せて やる 。

「 ナオフミ 様 ?

こちら の 方 は ……? ラフタリア が 首 を 傾げ つつ 、 元 康 たち を 指差す 。

「……」

俺 は 答える より も ここ を 去る こと を 選択 し 、 歩き だ そう と した 。

しかし 、 入り口 から 樹 と 錬 が やってくる の を 見つけて しまう 。

「 チッ 」

「 あ 、 元 康 さん と …… 尚 文 さん 」

樹 は 舌打ち を した 俺 を 見る なり 不快な 者 を 見る 目 を し 、 やがて 平静 を 装って 声 を 掛ける 。

「……」

錬 は クール 気取り で 無言 で こちら に 歩いて くる 。

やはり 装備 して いる 物 が 旅立った 日 より 遥かに 強そうな 物 で 占め られて いた 。

それぞれ 、 ゾロゾロ と 仲間 を 連れて いる 。

時計 台 の 中 は それ だけ で 人口 が あっという間 に 増えた 。

四 + 十二 + 一 。

四 は 俺 達 召喚 さ れた 勇者 で 、 十二 は 国 が 選んだ 冒険 者 、 そして 一 は ラフタリア だ 。

十七 人 も 居たら そりゃ あ 、 う っと おしくも なる 。

「 あの ……」

「 誰 だ その 子 。

す っ ごく 可愛い な 」

元 康 が ラフタリア を 指差して ほ ざ く 。

こいつ 、 女 なら 何でも 良い んじゃ ない の か ?

勇者 が 幼女 に 欲 情 と は …… この 国 も 終わった な 。

しかも 鼻 に かけた 態度 で ラフタリア に 近づき 、 キザ ったら しく 自己 紹介 する 。

「 始め まして お嬢さん 。

俺 は 異 世界 から 召喚 さ れ し 四 人 の 勇者 の うち の 一 人 、 北村 元 康 と 言い ます 。 以後 お 見 知り おき を 」

「 は 、 は ぁ …… 勇者 様 だった のです か 」

おずおず と ラフタリア は 目 を 泳が せ ながら 頷く 。

「 あなた の 名前 は な んでしょう ?

「 えっ と ……」

困った ように ラフタリア は 俺 に 視線 を 向け 、 そして 元 康 の 方 に 視線 を 戻す 。

「 ラ 、 ラフタリア です 。

よろしく お 願い し ます 」

俺 が 不機嫌な の を 察して いる のだろう 。

ラフタリア は 冷や汗 を 掻いて いる 。

こいつ も 俺 より 元 康 の 方 へ 行き たい と か 思って いる んだろう 。

まったく 、 サッサ と ここ から 出 たい と いう のに 、 コイツ 等 は また 俺 を 嵌 め る 気 か ?

「 アナタ は 本日 、 どのような ご 用件 で ここ に ?

アナタ の ような 人 が 物騒な 鎧 と 剣 を 持って いる なんて どうした と いう のです ? 「 それ は 私 が ナオフミ 様 と 一緒に 戦う から です 」

「 え ?

尚 文 の ? 元 康 が 怪 訝 な 目 で 俺 を 睨み つける 。

「…… なんだ よ 」

「 お前 、 こんな 可愛い 子 を 何 処 で 勧誘 した んだ よ 」

元 康 が 上 から 目線 で 俺 に 話し かけて きた 。

「 貴 様 に 話す 必要 は 無い 」

「 てっきり 一 人 で 参戦 する と 思って いた のに …… ラフタリア お嬢さん の 優し さ に 甘えて いる んだ な 」

「 勝手に 妄想 して ろ 」

勇者 仲間 より 異 世界 の ビッチ を 信用 する クズ と 話して いる と それ だけ で ムカムカ して くる 。

俺 は 錬 と 樹 が いる 方 に ある 出入り口 の 方 へ 歩き 出す 。

すると 二 人 と その 仲間 は 道 を 開けた 。

「 波 で 会い ましょう 」

「 足手まといに なる な よ 」

事務 的で ありきたりな 返答 を する 樹 と 、 お前 は 何 処 まで 偉 そうな んだ と いう 勇者 様 態度 の 錬 に 殺意 を 覚え つつ 、 背 を 向ける 。

ふと 振り返る と ラフタリア が 周り を キョロキョロ と し つつ 俺 の 方 へ 駆け寄って きた 。

「 行く ぞ 」

「 あ 、 はい !

ナオフミ 様 ! 俺 が 声 を 掛けた 所 、 やっと 我 に 返った の か 元気に 返す 。

まったく 、 不愉快で 仕方 が ない 。

やっと 時計 台 を 後 に した 俺 は 苛立ち ながら 城下町 を 抜けて 草原 の 方 へ 出た 。

「 ナ 、 ナオフミ 様 ?

どうした の です ? 「 別に ……」

「 あの ……」

「 何 だ ?

「 いえ ……」

俺 の 機嫌 が 悪い の を 察した ラフタリア は 俯き ながら 俺 の 後ろ を 付いて くる 。

…… バルーン が 寄って 来た 。

ラフタリア が 剣 を 取り出す 。

「 ああ 、 今回 は 俺 一 人 に 任せて くれ 」

「 え …… でも 」

「 良い んだ !

俺 が 怒鳴る と ラフタリア は ビク っと 驚いて 縮こまる 。

バルーン が 俺 の 目の前 に やってきた 。

「 オラオラオラオラ !

くそ !

クソクソクソクソクソクソ !

憂さ晴らし に バルーン を 殴り つけ 、 少し は 溜 飲 が 下がった 。

視界 の 隅 に ある 残り 時間 を 確認 する 。

18‥01

後 、 一八 時間 。

それ まで に 出来る こと か 。

結局 、 あの 後 草原 で バルーン を 探し ながら 薬草 摘み を する しか やる こと は 無かった 。

手 に 入れた 薬草 は 回復 薬 に 調合 し 、 波 に 備える 。

その 日 の 晩 の 事 …… 宿 の 部屋 で 休んで いる と ラフタリア が 申し訳な さ そうに 話し かけて くる 。

「 ナオフミ 様 」

「…… なんだ ?

「 昼間 、 時計 台 に 居た 方々 が ナオフミ 様 と 同じ 、 勇者 様 な のです ね 」

「…… ああ 」

イヤな こと を 思い出さ せる 。

せっかく 憂さ晴らし で 忘れ かけて いた と いう のに 。

「 一体 …… 何 が あった のです か ?

「 言い たく ない 。

知り たかったら 酒場 に でも 顔 を 出して 聞いて 来い 」

どうせ 俺 が 本当の 事 を 言った って 信じて くれ ない んだ 。

それ は コイツ だって 同じだ 。 だが 、 他の 奴 等 と ラフタリア と の 大きな 違い は ラフタリア が 奴隷 だ と いう 事 だ 。 俺 の 命令 に 逆らったり 、 逃亡 したり 、 拒む ような 態度 を 取れば 呪い が 降りかかる 。

ラフタリア は 俺 が 何も 話す つもり が 無い と 言う の を 察して 、 それ 以上 聞いて こ なかった 。

俺 は 明日 に 備えて 、 寝る まで の 間 、 ずっと 薬 の 調合 を して いた 。

盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 19 たて の ゆうしゃ の なり あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 01 Kapitel 19. The Rise of the Shield Hero 01 Chapter 19 Rise of the Shield Heroes 01 Capítulo 19. Rise of the Shield Heroes 01 Rozdział 19. Ascensão dos Heróis do Escudo 01 Capítulo 19. 盾之勇者成名录 01 第 19 章 盾之勇者成名錄 01 第 19 章

十九 話   龍 刻 の 砂時計 じゅうきゅう|はなし|りゅう|きざ||すなどけい Episode 19 Hourglass of the Dragon Time

翌日 、 俺 達 は 武器 屋 に 顔 を 出した 。 よくじつ|おれ|さとる||ぶき|や||かお||だした The next day, we went to the weapon shop.

「 お 、 アン ちゃん じゃ ない か 」 "Oh, isn't that Anne?"

「 頼んだ 品 は 出来た か ? たのんだ|しな||できた| "Did you get the item you asked for?

「 お うよ ! "Okay!

とっくに 出来て る ぜ 」 |できて|| It's already done."

親父 は そう 言う と カウンター の 奥 から 一 着 の 鎧 を 持って きた 。 おやじ|||いう||かうんたー||おく||ひと|ちゃく||よろい||もって| He then brings a suit of armor from behind the counter.

粗野で 乱暴 そうな …… それでいて 野生 的 と も 言える 無骨な 鎧 が そこ に あった 。 そやで|らんぼう|そう な||やせい|てき|||いえる|ぶこつな|よろい|||| There was a rugged armor that looked crude and violent... yet wild.

襟 の 部分 に は ふわふわ の ウール の ように 加工 さ れた ウサピル の 皮 が 使わ れて いて 、 胸 に は 金属 板 が 張ら れて いる 。 えり||ぶぶん|||||うーる|||かこう|||||かわ||つかわ|||むね|||きんぞく|いた||はら|| The collar is made of fluffy wool-like Usapiru leather, and the chest is covered with a metal plate.

そして 金属 で 保護 でき ない 稼 動 部 は ヤマアラ の 皮 で 繋が れて いる 。 |きんぞく||ほご|||かせ|どう|ぶ||||かわ||つなが|| And the moving parts that can't be protected with metal are connected with porcupine skin.

中 に 手 を 入れる と ヤマアラ の 皮 を 二 重 に 張って 中 に ピキュピキュ の 羽 が 詰め られて いる ようだ 。 なか||て||いれる||||かわ||ふた|おも||はって|なか||||はね||つめ||| When you put your hand inside, it looks like it's covered with two layers of porcupine skin and stuffed with pikyupikyu's feathers. 當你把手伸進去的時候,看起來就像是覆蓋了兩層豪豬皮,裡面塞滿了pikyupicyu羽毛。

「…… これ を 着る の か ? ||きる|| "... are you going to wear this?

なんて いう か 、 盗賊 団 の ボス と か が 着て い そうな 鎧 だ 。 |||とうぞく|だん||ぼす||||きて||そう な|よろい| How should I put it, it's an armor that might be worn by a bandit band boss.

蛮族 の 鎧 と は よく 言った もの で 、 俺 が 着る と 世紀 末 の 雑魚 の ような 格好に なり そうだ 。 ばんぞく||よろい||||いった|||おれ||きる||せいき|すえ||ざこ|||かっこうに||そう だ I'm going to look like a small fry from the end of the century when I put it on.

「 どうした ん だ アン ちゃん 」 "What's the matter, Anne?"

「 いや 、 滅 茶 苦 茶 悪人 っぽい 鎧 だ な と 思って 」 |めつ|ちゃ|く|ちゃ|あくにん||よろい||||おもって "No, I just thought it was pretty badass armor."

「 今更 何 を 言って んだ 、 アン ちゃん ? いまさら|なん||いって||| "What are you saying now, Anne?

む ?

それ は 俺 が 既に 真っ黒な 悪人 だ と でも 言う つもり か ? ||おれ||すでに|まっくろな|あくにん||||いう|| Does that mean I'm going to say I am already a black villain?

確かに 金銭 を 得る 為 に 手段 を 選ぶ つもり は 無い けど 、 コレ は 無い だろう 。 たしかに|きんせん||える|ため||しゅだん||えらぶ|||ない||||ない| It's true that I don't intend to choose any means to get money, but I don't think this is the case.

「 ナオフミ 様 なら きっと 似合い ます よ 」 |さま|||にあい|| "I'm sure Naofumi-sama would suit you." “我確信直文大人會適合你的。”

「 ラフタリア …… お前 」 |おまえ "Raftalia ...... you"

言う ように なった じゃ ない か 。 いう||||| You came to say that?

「 とにかく 着て みて くれ よ 」 |きて||| "Just try it on and see for yourself."

「 う ー …… できれば …… 着 たく 無い が せっかく 作った 鎧 だ から しょうがない 」 |-||ちゃく||ない|||つくった|よろい||| "Uh... if possible... I don't want to wear it, but it can't be helped since it's the armor I made."

店 の 更衣室 に 渋々 入って 着替える 。 てん||こういしつ||しぶしぶ|はいって|きがえる I reluctantly enter the store's changing room and change.

…… サイズ を 測って ない のに ピッタリフィット する 鎧 に 驚き で 声 が 出 ない 。 さいず||はかって|||||よろい||おどろき||こえ||だ| …… I was speechless in amazement at the perfectly fitting armor even though I hadn't measured the size.

さすが は 武器 防 具 を 扱う 武器 屋 の 親父 が 作った だけ ある か 。 ||ぶき|ふせ|つぶさ||あつかう|ぶき|や||おやじ||つくった||| As expected, it was made by the father of a weapon shop that deals in weapons and armor. 目 視 で 俺 の サイズ を 特定 した のだろう 。 め|し||おれ||さいず||とくてい|| You must have identified my size by sight.

更衣室 から 出て 、 親父 と ラフタリア に お披露目 する 。 こういしつ||でて|おやじ||||おひろめ| I leave the changing room and show my father and Raphtalia.

「 ふむ …… 顔 から 野蛮 さ は 感じ られ ない が 目付き で 乱暴 者 っぽい 感じ に なった な 」 |かお||やばん|||かんじ||||めつき||らんぼう|もの||かんじ||| "Fumu... I don't feel barbaric from your face, but the look in your eyes makes me feel like a violent person."

「 あ ?

それ は 俺 の 目付き が 悪い と でも 言う つもり か ? ||おれ||めつき||わるい|||いう|| Does that mean I'm going to say that my eyes are bad? 「 アン ちゃん は や さ ぐれた って いう の が 正しい かも 知れ ねえ な 」 ||||||||||ただしい||しれ|| "It might be correct to say that Ann-chan was strayed." “我不知道說安妮迷路了是否準確。”

った く 、 何 を 言って いる んだ か 。 ||なん||いって||| What the hell are you talking about?

「 ナオフミ 様 、 似合って いて カッコいい で す よ ! |さま|にあって||かっこいい||| Mr. Naofumi, you look very cool!

笑顔 で ほ ざ く ラフタリア 。 えがお||||| Raphtalia smiled.

俺 は ジッと ラフタリア を 睨み つける 。 おれ||じっと|||にらみ| I glared at Raphtalia.

あまりに 調子 に 乗って いる 様 なら 一 度 痛い 目 に ……。 |ちょうし||のって||さま||ひと|たび|いたい|め| If you get too carried away, you'll get hurt once...

「 な んです か ? What is it?

極 々 普通に そう 返さ れた 。 ごく||ふつうに||かえさ| It was very normal. 這是非常正常的反應。

本心 で 言って や がる 。 ほんしん||いって|| He says it with all sincerity.

どんな 環境 で 育って きた んだ ? |かんきょう||そだって|| What kind of environment did you grow up in?

あ 、 そう いえば ラフタリア は 亜人 か 。 |||||あにん| Oh, by the way, Raftalia is a subhuman.

もしかしたら 美的 センス が 俺 と は 違う の かも しれ ん 。 |びてき|せんす||おれ|||ちがう|||| Maybe your aesthetic sense is different from mine.

ステータス を 確認 する と 確かに くさり かた びら と 同等の 防御 力 が ある ようだ 。 ||かくにん|||たしかに|||||どうとうの|ぼうぎょ|ちから||| A status check confirms that it does indeed have the same protection as wedges and cudgel.

むしろ 少し だけ 高い 。 |すこし||たかい Rather, it is only slightly higher. 親父 に 顔 を 向ける と ウインク し や がる 。 おやじ||かお||むける||ういんく||| When I turn my face to my father, he winks. これ は オマケ の 付与 効果 と 考えて 良い のだろう な 。 ||||ふよ|こうか||かんがえて|よい|| I guess you can think of this as a bonus effect.

「 は ぁ …… ありがとう 」

正直な 所 だ と 趣味 の 類 じゃ ない けど 、 波 に 備える の なら しょうがない よ な 。 しょうじきな|しょ|||しゅみ||るい||||なみ||そなえる||||| It's not a hobby to be honest, but it can't be helped if you're preparing for the waves.

と 、 自分 を 納得 さ せる のだった 。 |じぶん||なっとく||| And I convinced myself.

「 さて 、 これ から どうした もの か 」 "Well, what's next?"

「 そうい や 、 城下町 の 雰囲気 が ピリピリ して い ます ね 」 そう い||じょうかまち||ふんいき||ぴりぴり|||| "Well, the atmosphere of the castle town is tense." 「原來如此,城下町的氣氛真是熱鬧啊。」

「 波 が 近い から だろう けど 、 何 処 で 、 何 時 起こる んだ ? なみ||ちかい||||なん|しょ||なん|じ|おこる| "Maybe it's because the waves are so close, but when and where do they happen?

「 ん ?

アン ちゃん 教わって ない の か ? ||おそわって||| Anne, didn't they teach you? 安妮醬,你有沒有學到什麼? 「 何 を だ ? なん|| What?

武器 屋 の 親父 が 知って いて 俺 が 知ら ない と は …… この 国 の 災厄 に 対する 対処 は 適当な んだ な 。 ぶき|や||おやじ||しって||おれ||しら|||||くに||さいやく||たいする|たいしょ||てきとうな|| If my father, the arms dealer, knows about this and I don't, then ...... is a reasonable response to the calamity in this country.

と 内心 毒 づき ながら 親父 の 話 に 耳 を 傾ける 。 |ないしん|どく|||おやじ||はなし||みみ||かたむける I listened to my father's story while being poisoned in my heart.

「 国 が 管理 して いる 時計 台 が 広場 の 方 へ 行く と 見える だ ろ ? くに||かんり|||とけい|だい||ひろば||かた||いく||みえる|| "You can see the clock tower, which is maintained by the state, as you walk toward the square, right?

「 そうい や 、 見える な 、 城下町 の 端 に それ っぽい 建物 」 そう い||みえる||じょうかまち||はし||||たてもの "Well, I see a building at the end of the castle town that looks like that."

「 そこ に ある の が 龍 刻 の 砂時計 だ 。 |||||りゅう|きざ||すなどけい| The hourglass of the Dragon's Hourglass is there.

勇者 って の は 砂時計 の 砂 が 落ち きった とき 、 一緒に 戦う 仲間 と 共に 災厄 の 波 が 起こった 場所 に 飛ばさ れる らしい ぜ 」 ゆうしゃ||||すなどけい||すな||おち|||いっしょに|たたかう|なかま||ともに|さいやく||なみ||おこった|ばしょ||とばさ||| It seems that when the sand in the hourglass runs out, the brave will be sent to the place where the wave of calamity occurred together with their comrades who fight together."

「 へ ぇ ……」

この 辺り は どうせ 、 あの クソ 王 や 勇者 の お 仲間 が 教えて くれる はずの 情報 …… だった のだろう 。 |あたり||||くそ|おう||ゆうしゃ|||なかま||おしえて|||じょうほう|| This is the kind of information ...... that the king of shit and his brave buddies were supposed to give us anyway.

「 何時ごろ か 分から ない なら 、 見 に 行って みれば 良い んじゃ ない か ? いつごろ||わから|||み||おこなって||よい||| "If you don't know what time it will be, why don't you go check it out? “如果你不知道現在幾點了,為什麼不去看看呢?”

「 そう 、 だ な 」 "Yeah, right."

何 時 何 処 に 飛ばさ れる か 分から ない と いう の は 俺 から して も 困る 。 なん|じ|なん|しょ||とばさ|||わから||||||おれ||||こまる Even from my point of view, it's troublesome that you don't know when and where you'll be sent.

万全 を 期す ため に 行って みる と しよう 。 ばんぜん||きす|||おこなって||| Let's try to go for the best.

「 じゃあ な 、 親父 」 ||おやじ "See you later, Dad."

「 お うよ ! "Okay!

「 それでは 」 "Well then"

親父 に 礼 を 言って から 俺 達 は 時計 台 の 方 へ 行った 。 おやじ||れい||いって||おれ|さとる||とけい|だい||かた||おこなった After thanking my father, we went to the clock tower.

城下町 の 中 でも 高い 位置 に 存在 する 時計 台 は 、 近く で 見れば 見る ほど 大きな 建物 だった 。 じょうかまち||なか||たかい|いち||そんざい||とけい|だい||ちかく||みれば|みる||おおきな|たてもの| The clock tower, which stands tall in the castle town, was a large building to look at from a close distance.

なんとなく 、 教会 の ような 面持ち の ドーム 上 の 建物 の 上 に 時計 台 が ある 。 |きょうかい|||おももち||どーむ|うえ||たてもの||うえ||とけい|だい|| For some reason, there is a clock tower on top of a domed building that looks like a church.

入場 は 自由な の か 、 門 が 開か れ 、 中 から 人 が 出入り して いる 。 にゅうじょう||じゆうな|||もん||あか||なか||じん||でいり|| The gate was open and people were coming and going from the inside. 受付 らしき シスター 服 の 女性 が 俺 を 見る なり 怪 訝 な 目 を した 。 うけつけ|||ふく||じょせい||おれ||みる||かい|いぶか||め|| A woman in a sister's dress who looked like a receptionist gave me a suspicious look when she saw me. 顔 を 知って いる のだろう 。 かお||しって|| I guess you know my face.

「 盾 の 勇者 様 です ね 」 たて||ゆうしゃ|さま||

「 ああ 、 そろそろ 期限 だろう と 様子 を 見 に 来た 」 ||きげん|||ようす||み||きた "Oh, I came to see the situation whether it was about to expire"

「 では こちら へ 」 "This way, please."

そう 言って 案内 さ れた の は 教会 の 真ん中 に 安置 さ れた 大きな 砂時計 だった 。 |いって|あんない|||||きょうかい||まんなか||あんち|||おおきな|すなどけい| He then led us to a large hourglass placed in the center of the church.

全長 だけ で 七 メートル くらい は あり そうな 巨大な 砂時計 。 ぜんちょう|||なな|めーとる||||そう な|きょだいな|すなどけい The total length of this huge hourglass must be about seven meters.

装飾 が 施さ れて いて 、 なんとも 神々しい ような 印象 を 受ける 。 そうしょく||ほどこさ||||こうごうしい||いんしょう||うける It is decorated with decorations and gives a very divine impression.

…… なんだろう 。 …… I wonder what .

背筋 が ピリピリ する 。 せすじ||ぴりぴり| My spine is tingling.

見て いる だけ で 本能 の どこ か が 刺激 さ れる ような 変な 感覚 が 俺 の 体 を 駆け巡って いた 。 みて||||ほんのう|||||しげき||||へんな|かんかく||おれ||からだ||かけめぐって| A strange sensation ran through my body, as if some part of my instincts were being stimulated just by looking at it.

砂 の 色 は …… 赤い 。 すな||いろ||あかい The color of the sand is... red.

サラサラ と 音 を 立てて 落ちる 砂 に 視線 を 向ける 。 さらさら||おと||たてて|おちる|すな||しせん||むける I look at the falling sand with a silky sound.

落ち きる の は もう 直ぐだ と いう の は 俺 に も 分かった 。 おち|||||すぐだ|||||おれ|||わかった I also learned that it is immediate to fall off.

ピーン と 音 が 聞こえ 、 盾 から 出た 一 本 の 光り が 龍 刻 の 砂時計 の 真ん中 に ある 宝石 に 届く 。 ||おと||きこえ|たて||でた|ひと|ほん||ひかり||りゅう|きざ||すなどけい||まんなか|||ほうせき||とどく A pinging sound is heard, and a beam of light from the shield reaches the gem in the middle of the Dragon's Hourglass.

する と 俺 の 視界 の 隅 に 時計 が 現れた 。 ||おれ||しかい||すみ||とけい||あらわれた Then a clock appeared in the corner of my vision.

20‥12 20‥12

しばらく して 12 の 目盛り が 11 に 減る 。 |||めもり|||へる After a while the scale of 12 is reduced to 11.

なるほど 、 正確な 時刻 が こうして 分かる ように なる と いう 訳 か 。 |せいかくな|じこく|||わかる|||||やく| I see, so this is how we can determine the exact time. 我明白了,這樣你就能知道確切的時間了。

これ に 合わせて 行動 しろ と 。 ||あわせて|こうどう|| Act according to this. 請採取相應行動。

しかし …… 二十 時間 と なる と やれる こと は 少ない な 。 |にじゅう|じかん|||||||すくない| But... there's not much you can do in 20 hours.

精 々 、 今日 は 草原 で 薬草 摘み で も する の が 精一杯 だろう 。 せい||きょう||そうげん||やくそう|つまみ||||||せいいっぱい| At most, the best I can do today is picking medicinal herbs in the meadow. 回復 薬 の 準備 も 必要 か 。 かいふく|くすり||じゅんび||ひつよう| Do I need to prepare recovery medications?

「 ん ?

そこ に いる の は 尚 文 じゃ ねえ か ? |||||しよう|ぶん||| Isn't that Naofumi over there? 聞き たく ない 声 が 奥 の ほう から 聞こえて 来た 。 きき|||こえ||おく||||きこえて|きた A voice I didn't want to hear came from the back.

見る と ゾロゾロ と 女 ばかり を 連れた 槍 の 勇者 、 元 康 が 悠々と 歩いて きや がる 。 みる||ぞろぞろ||おんな|||つれた|やり||ゆうしゃ|もと|やす||ゆうゆうと|あるいて|| When I looked up, I saw Motoyasu, the spear hero carrying only Zorozoro and women, walking leisurely.

気 に 入ら ない な 。 き||はいら|| I don't like it.

今 すぐ に でも ぶ っ 殺して やり たい 所 だ が 理性 で 抑えた 。 いま||||||ころして|||しょ|||りせい||おさえた I wanted to smash him right now, but reason got the better of me.

「 お前 も 波 に 備えて 来た の か ? おまえ||なみ||そなえて|きた|| "Have you come prepared for the waves?

目付き が なんとも いやらしい 。 めつき||| The look in his eyes is so disgusting.

蔑む ような 視線 で 俺 を 上 から 下 まで 舐める 様 に 見る 。 さげすむ||しせん||おれ||うえ||した||なめる|さま||みる He looks at me from top to bottom with a contemptuous gaze.

「 なんだ お前 、 まだ その 程度 の 装備 で 戦って いる の か ? |おまえ|||ていど||そうび||たたかって||| "Why are you still fighting with that level of equipment?

な んだ と ? What?

誰 の 所 為 だ と 思って や がる 。 だれ||しょ|ため|||おもって|| Who do you think is to blame? お前 と お前 の 後ろ に いる クソ 女 が 原因 だろう が 。 おまえ||おまえ||うしろ|||くそ|おんな||げんいん|| It's you and that bitch behind you, isn't it?

元 康 は 約 一 ヶ月 前 の 時 と は 雲泥 の 差 の 、 なんて いう か 高 Lv だ と 一目 で 分かる 装備 を して いた 。 もと|やす||やく|ひと|かげつ|ぜん||じ|||うんでい||さ|||||たか|lv|||いちもく||わかる|そうび||| Motoyasu was wearing equipment that made it clear at a glance that he was at a high level compared to a month ago.

鉄 と は 違う 。 くろがね|||ちがう It is different from iron.

銀 の ような 輝く 鎧 で 身 を 固め 、 その 下 に は 高 そうな 付与 効果 が ついて いる だろう 綺麗な 紅 色 の 服 を 着て いる 。 ぎん|||かがやく|よろい||み||かため||した|||たか|そう な|ふよ|こうか|||||きれいな|くれない|いろ||ふく||きて| She is dressed in shining armor like silver, and underneath she wears beautiful crimson clothes that seem to have an expensive grant effect. しかも ご 丁寧に 鎧 の 間 に くさり かた びら を 着 込み 、 防御 は 絶対 だ と 主張 して いる か の ようだ 。 ||ていねいに|よろい||あいだ||||||ちゃく|こみ|ぼうぎょ||ぜったい|||しゅちょう||||| They also carefully put wedges and cudgels between their armor, as if to assert that their protection is absolute.

持って いる 伝説 の 槍 は 最初に 会った 時 の 安 そうな 槍 で は なく 、 なんとも 痛 そうな 、 それでいて カッコいい デザイン の 矛 に なって いた 。 もって||でんせつ||やり||さいしょに|あった|じ||やす|そう な|やり|||||つう|そう な||かっこいい|でざいん||ほこ||| The legendary spear you have isn't the cheap spear you saw when you first met, but it looks really painful, but it's also the spear of a cool design.

矛 は …… まあ 、 槍 だ よ な 。 ほこ|||やり||| The spear is... well, it's a spear. 長矛是……嗯,是長矛。

「……」

しゃべる の も わずらわしい 。 Talking is also a nuisance.

俺 は 元 康 を 無視 して 時計 台 を 後 に しよう と する 。 おれ||もと|やす||むし||とけい|だい||あと|||| I try to ignore Motoyasu and leave the clock tower behind.

「 何 よ 、 モトヤス 様 が 話し かけて いる の よ ! なん|||さま||はなし|||| "What is it, Motoyasu-sama is talking to you!

聞き なさい よ 」 きき|| Listen."

と 、 俺 の 殺意 の 根源 が 元 康 の 後ろ から 顔 を 覗か せる 。 |おれ||さつい||こんげん||もと|やす||うしろ||かお||のぞか| The source of my desire to kill peeked out from behind Motoyasu's back.

これ でも か と 睨み つける が 、 ソイツ は 相変わらず 、 俺 を 挑発 する ように 舌 を 出して 馬鹿に する 。 ||||にらみ|||||あいかわらず|おれ||ちょうはつ|||した||だして|ばかに| I still glared at him, but he still sticks out his tongue as if to provoke me and makes fun of me.

この 女 、 いつか 絶対 後悔 さ せて やる 。 |おんな||ぜったい|こうかい||| I'm going to make this woman regret it one day for sure. 總有一天我一定會讓這個女人後悔的。

「 ナオフミ 様 ? |さま

こちら の 方 は ……? ||かた| Is this ......? ラフタリア が 首 を 傾げ つつ 、 元 康 たち を 指差す 。 ||くび||かしげ||もと|やす|||ゆびさす Raftalia tilts her head while pointing at Motoyasu and the others.

「……」

俺 は 答える より も ここ を 去る こと を 選択 し 、 歩き だ そう と した 。 おれ||こたえる|||||さる|||せんたく||あるき|||| I chose to leave rather than answer and started walking.

しかし 、 入り口 から 樹 と 錬 が やってくる の を 見つけて しまう 。 |いりぐち||き|||||||みつけて| However, he finds Itsuki and Ren coming from the entrance.

「 チッ 」

「 あ 、 元 康 さん と …… 尚 文 さん 」 |もと|やす|||しよう|ぶん| "Ah, Motoyasu-san and... Naofumi-san."

樹 は 舌打ち を した 俺 を 見る なり 不快な 者 を 見る 目 を し 、 やがて 平静 を 装って 声 を 掛ける 。 き||したうち|||おれ||みる||ふかいな|もの||みる|め||||へいせい||よそおって|こえ||かける When he saw me licking my lips, he looked at me as if he was displeased, and then he tried to act calm and said, "I'm sorry, I'm sorry.

「……」

錬 は クール 気取り で 無言 で こちら に 歩いて くる 。 |||きどり||むごん||||あるいて| Ren pretending to be cool and silently walks over here.

やはり 装備 して いる 物 が 旅立った 日 より 遥かに 強そうな 物 で 占め られて いた 。 |そうび|||ぶつ||たびだった|ひ||はるかに|きょうそうな|ぶつ||しめ|| After all, the items I was equipped with seemed to be much stronger than the day I left.

それぞれ 、 ゾロゾロ と 仲間 を 連れて いる 。 |ぞろぞろ||なかま||つれて| Each of them is bringing a group of friends with them.

時計 台 の 中 は それ だけ で 人口 が あっという間 に 増えた 。 とけい|だい||なか|||||じんこう||あっというま||ふえた The population inside the clock tower grew quickly by itself.

四 + 十二 + 一 。 よっ|じゅうに|ひと Four + twelve + one.

四 は 俺 達 召喚 さ れた 勇者 で 、 十二 は 国 が 選んだ 冒険 者 、 そして 一 は ラフタリア だ 。 よっ||おれ|さとる|しょうかん|||ゆうしゃ||じゅうに||くに||えらんだ|ぼうけん|もの||ひと||| The four are us summoned heroes, the twelve are adventurers chosen by the country, and the first is Raphtalia.

十七 人 も 居たら そりゃ あ 、 う っと おしくも なる 。 じゅうしち|じん||いたら|||||| If there were 17 people there, it would be maddening.

「 あの ……」

「 誰 だ その 子 。 だれ|||こ "Who is that child?

す っ ごく 可愛い な 」 |||かわいい| That's just adorable."

元 康 が ラフタリア を 指差して ほ ざ く 。 もと|やす||||ゆびさして||| Motoyasu pointed at Raphtalia.

こいつ 、 女 なら 何でも 良い んじゃ ない の か ? |おんな||なんでも|よい|||| Isn't this guy good with anything as long as it's a woman?

勇者 が 幼女 に 欲 情 と は …… この 国 も 終わった な 。 ゆうしゃ||ようじょ||よく|じょう||||くに||おわった| Hero is a young lady and greed ... ... This country is over.

しかも 鼻 に かけた 態度 で ラフタリア に 近づき 、 キザ ったら しく 自己 紹介 する 。 |はな|||たいど||||ちかづき||||じこ|しょうかい| What's more, he approached Raphtalia with a snobbish attitude and introduced himself sneeringly.

「 始め まして お嬢さん 。 はじめ||おじょうさん "Nice to meet you, young lady.

俺 は 異 世界 から 召喚 さ れ し 四 人 の 勇者 の うち の 一 人 、 北村 元 康 と 言い ます 。 おれ||い|せかい||しょうかん||||よっ|じん||ゆうしゃ||||ひと|じん|きたむら|もと|やす||いい| I am Motoyasu Kitamura, one of the four heroes summoned from another world. 以後 お 見 知り おき を 」 いご||み|しり|| See you later.”

「 は 、 は ぁ …… 勇者 様 だった のです か 」 |||ゆうしゃ|さま||| "Ha, ha... Was it Hero-sama?"

おずおず と ラフタリア は 目 を 泳が せ ながら 頷く 。 ||||め||えい が|||うなずく Raftalia nodded her head while her eyes darted about.

「 あなた の 名前 は な んでしょう ? ||なまえ|||

「 えっ と ……」

困った ように ラフタリア は 俺 に 視線 を 向け 、 そして 元 康 の 方 に 視線 を 戻す 。 こまった||||おれ||しせん||むけ||もと|やす||かた||しせん||もどす Confused, Raphtalia looks at me and then returns her gaze to Motoyasu.

「 ラ 、 ラフタリア です 。

よろしく お 願い し ます 」 ||ねがい||

俺 が 不機嫌な の を 察して いる のだろう 。 おれ||ふきげんな|||さっして|| You must have guessed that I'm in a bad mood.

ラフタリア は 冷や汗 を 掻いて いる 。 ||ひやあせ||かいて| Raphtalia is sweating coldly.

こいつ も 俺 より 元 康 の 方 へ 行き たい と か 思って いる んだろう 。 ||おれ||もと|やす||かた||いき||||おもって|| I guess this guy also wants to go to Motoyasu's side more than I do.

まったく 、 サッサ と ここ から 出 たい と いう のに 、 コイツ 等 は また 俺 を 嵌 め る 気 か ? |||||だ||||||とう|||おれ||かん|||き| Seriously, even though I want to get out of here with Sassa, are they going to set me up again? 我很想跟莎莎一起離開這裡,但是這些傢伙又想陷害我嗎?

「 アナタ は 本日 、 どのような ご 用件 で ここ に ? ||ほんじつ|||ようけん||| "What kind of business are you here today? "¿Qué tipo de negocio estás aquí hoy?

アナタ の ような 人 が 物騒な 鎧 と 剣 を 持って いる なんて どうした と いう のです ? |||じん||ぶっそうな|よろい||けん||もって|||||| What is it that someone like you has a dangerous armor and a sword? 像你這樣的人擁有如此可怕的盔甲和劍是怎麼回事? 「 それ は 私 が ナオフミ 様 と 一緒に 戦う から です 」 ||わたくし|||さま||いっしょに|たたかう|| "That's because I will fight alongside Naofumi-sama."

「 え ?

尚 文 の ? しよう|ぶん| Shobun's? 元 康 が 怪 訝 な 目 で 俺 を 睨み つける 。 もと|やす||かい|いぶか||め||おれ||にらみ| Motoyasu glares at me with suspicious eyes.

「…… なんだ よ 」

「 お前 、 こんな 可愛い 子 を 何 処 で 勧誘 した んだ よ 」 おまえ||かわいい|こ||なん|しょ||かんゆう||| "Where did you recruit such a pretty girl?"

元 康 が 上 から 目線 で 俺 に 話し かけて きた 。 もと|やす||うえ||めせん||おれ||はなし|| Motoyasu spoke to me with a superior look.

「 貴 様 に 話す 必要 は 無い 」 とうと|さま||はなす|ひつよう||ない "I don't need to speak to you."

「 てっきり 一 人 で 参戦 する と 思って いた のに …… ラフタリア お嬢さん の 優し さ に 甘えて いる んだ な 」 |ひと|じん||さんせん|||おもって||||おじょうさん||やさし|||あまえて||| "I thought I was going to be competing alone, but... you're being spoiled by Lady Raphtalia's kindness." 「我真的以為你會獨自參加戰爭,但是……我猜你是被拉芙塔莉亞小姐的善良寵壞了。」

「 勝手に 妄想 して ろ 」 かってに|もうそう|| "Feel free to fantasize."

勇者 仲間 より 異 世界 の ビッチ を 信用 する クズ と 話して いる と それ だけ で ムカムカ して くる 。 ゆうしゃ|なかま||い|せかい||||しんよう||くず||はなして||||||むかむか|| Talking to a scum who trusts bitches from other worlds more than fellow heroes just makes me sick.

俺 は 錬 と 樹 が いる 方 に ある 出入り口 の 方 へ 歩き 出す 。 おれ||||き|||かた|||でいりぐち||かた||あるき|だす I walk towards the doorway where Ren and Itsuki are.

すると 二 人 と その 仲間 は 道 を 開けた 。 |ふた|じん|||なかま||どう||あけた Then the two and their companions made way.

「 波 で 会い ましょう 」 なみ||あい| "See you on the waves."

「 足手まといに なる な よ 」 あしでまといに||| "Don't be a hindrance"

事務 的で ありきたりな 返答 を する 樹 と 、 お前 は 何 処 まで 偉 そうな んだ と いう 勇者 様 態度 の 錬 に 殺意 を 覚え つつ 、 背 を 向ける 。 じむ|てきで||へんとう|||き||おまえ||なん|しょ||えら|そう な||||ゆうしゃ|さま|たいど||||さつい||おぼえ||せ||むける Feeling murderous, I turned my back on Itsuki, who gave me a clerical and ordinary answer, and the heroic attitude that made me wonder how great you were.

ふと 振り返る と ラフタリア が 周り を キョロキョロ と し つつ 俺 の 方 へ 駆け寄って きた 。 |ふりかえる||||まわり||||||おれ||かた||かけよって| When I suddenly turned around, Raphtalia rushed towards me while looking around.

「 行く ぞ 」 いく|

「 あ 、 はい !

ナオフミ 様 ! |さま 俺 が 声 を 掛けた 所 、 やっと 我 に 返った の か 元気に 返す 。 おれ||こえ||かけた|しょ||われ||かえった|||げんきに|かえす When I called out to him, he finally came to his senses and returned cheerfully.

まったく 、 不愉快で 仕方 が ない 。 |ふゆかいで|しかた|| Absolutely unpleasant and unavoidable.

やっと 時計 台 を 後 に した 俺 は 苛立ち ながら 城下町 を 抜けて 草原 の 方 へ 出た 。 |とけい|だい||あと|||おれ||いらだち||じょうかまち||ぬけて|そうげん||かた||でた When I finally left the clock tower, I left the castle town in frustration and headed for the grasslands.

「 ナ 、 ナオフミ 様 ? ||さま 「吶,尚文大人?

どうした の です ? What's going on? 「 別に ……」 べつに "Separately ......"

「 あの ……」

「 何 だ ? なん| What?

「 いえ ……」 No. ......"

俺 の 機嫌 が 悪い の を 察した ラフタリア は 俯き ながら 俺 の 後ろ を 付いて くる 。 おれ||きげん||わるい|||さっした|||うつむき||おれ||うしろ||ついて| Sensing that I was in a bad mood, Raphtalia followed behind me while looking down.

…… バルーン が 寄って 来た 。 ||よって|きた ...... A balloon came by.

ラフタリア が 剣 を 取り出す 。 ||けん||とりだす Raphtalia takes out her sword.

「 ああ 、 今回 は 俺 一 人 に 任せて くれ 」 |こんかい||おれ|ひと|じん||まかせて| "Oh, leave it to me this time."

「 え …… でも 」

「 良い んだ ! よい| It's good!

俺 が 怒鳴る と ラフタリア は ビク っと 驚いて 縮こまる 。 おれ||どなる||||||おどろいて|ちぢこまる When I yell at her, Raphtalia cowers in surprise.

バルーン が 俺 の 目の前 に やってきた 。 ||おれ||めのまえ|| A balloon came in front of me.

「 オラオラオラオラ ! "Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh, ooh!

くそ !

クソクソクソクソクソクソ !

憂さ晴らし に バルーン を 殴り つけ 、 少し は 溜 飲 が 下がった 。 うさばらし||||なぐり||すこし||たま|いん||さがった I punched a balloon to relieve some of my sorrow, and that helped me to relax a little.

視界 の 隅 に ある 残り 時間 を 確認 する 。 しかい||すみ|||のこり|じかん||かくにん| Check the remaining time in the corner of your vision.

18‥01

後 、 一八 時間 。 あと|いちはち|じかん Eighteen hours to go.

それ まで に 出来る こと か 。 |||できる|| What can we do until then?

結局 、 あの 後 草原 で バルーン を 探し ながら 薬草 摘み を する しか やる こと は 無かった 。 けっきょく||あと|そうげん||||さがし||やくそう|つまみ|||||||なかった In the end, there was nothing to do but pick medicinal herbs while searching for balloons in the meadow.

手 に 入れた 薬草 は 回復 薬 に 調合 し 、 波 に 備える 。 て||いれた|やくそう||かいふく|くすり||ちょうごう||なみ||そなえる The herbs obtained are mixed into restoratives to prepare them for the waves.

その 日 の 晩 の 事 …… 宿 の 部屋 で 休んで いる と ラフタリア が 申し訳な さ そうに 話し かけて くる 。 |ひ||ばん||こと|やど||へや||やすんで|||||もうしわけな||そう に|はなし|| That evening, while I was resting in my room, Raphtalia spoke to me apologetically.

「 ナオフミ 様 」 |さま

「…… なんだ ?

「 昼間 、 時計 台 に 居た 方々 が ナオフミ 様 と 同じ 、 勇者 様 な のです ね 」 ひるま|とけい|だい||いた|ほうぼう|||さま||おなじ|ゆうしゃ|さま||| "The people who were at the clock tower during the day are the same as Naofumi-sama, brave man-sama."

「…… ああ 」

イヤな こと を 思い出さ せる 。 いやな|||おもいださ| Remind me of unpleasant things.

せっかく 憂さ晴らし で 忘れ かけて いた と いう のに 。 |うさばらし||わすれ||||| Even though I was about to forget about it after taking all the pain out of my mind.

「 一体 …… 何 が あった のです か ? いったい|なん|||| What the hell happened to ......?

「 言い たく ない 。 いい|| " I do not want to say .

知り たかったら 酒場 に でも 顔 を 出して 聞いて 来い 」 しり||さかば|||かお||だして|きいて|こい If you want to know, just drop by the bar and ask." 如果你想知道,就去酒吧問吧。”

どうせ 俺 が 本当の 事 を 言った って 信じて くれ ない んだ 。 |おれ||ほんとうの|こと||いった||しんじて||| You wouldn't believe me if I told you the truth anyway.

それ は コイツ だって 同じだ 。 ||||おなじだ It's the same for this guy. だが 、 他の 奴 等 と ラフタリア と の 大きな 違い は ラフタリア が 奴隷 だ と いう 事 だ 。 |たの|やつ|とう|||||おおきな|ちがい||||どれい||||こと| However, the big difference between the other guys and Raphtalia is that Raphtalia is a slave. 俺 の 命令 に 逆らったり 、 逃亡 したり 、 拒む ような 態度 を 取れば 呪い が 降りかかる 。 おれ||めいれい||さからったり|とうぼう||こばむ||たいど||とれば|まじない||ふりかかる If you go against my orders, run away, or refuse, a curse will fall upon you.

ラフタリア は 俺 が 何も 話す つもり が 無い と 言う の を 察して 、 それ 以上 聞いて こ なかった 。 ||おれ||なにも|はなす|||ない||いう|||さっして||いじょう|きいて|| Raphtalia sensed that I had no intention of saying anything and didn't ask any more.

俺 は 明日 に 備えて 、 寝る まで の 間 、 ずっと 薬 の 調合 を して いた 。 おれ||あした||そなえて|ねる|||あいだ||くすり||ちょうごう||| I spent the entire night mixing up a potion before going to bed in preparation for tomorrow.