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盾の勇者の成り上がり (The Rising of the Shield Hero ), 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 21

盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 21

二十一 話 災厄 の 波

村 に 着く と 、 丁度 、 波 から 溢れて いた 化け物 達 が 、 まさに 暴れ だす 瞬間 だった 。

駐在 して いた 騎士 と 冒険 者 が 辛うじて 化け物 達 と 戦って いる が 、 多勢 に 無勢 …… 防衛 線 は 決壊 寸前 だ 。

「 ラフタリア は 村民 の 避難 誘導 を しろ 」

「 え 、 ナオフミ 様 は ……?

「 俺 は 敵 を 引き 付ける !

防衛 線 に 向かって 駆け 出し 、 イナゴ の 群 の ような 魔物 に 向けて 盾 を 使って 殴り かかる 。

無論 、 金属 を 殴った 音 が して ダメージ は まるで 入って い ない 。

だが 注意 を 引く 位 は できる 。

これ まで ラフタリア と やって いた 事 と 何も 変わら ない 。

「 グギ !

イナゴ の ような 小さな 魔物 が 群 を 成して 俺 に 向 って 襲い 掛かる 。

他 に ハチ 、 ゾンビ と 化け物 の 種類 は 決まって いる ようだ 。

ガン !

ガン !

ガン !

蛮族 の 鎧 の お陰 か 、 それとも 盾 の 効果 か 、 ダメージ は 受け ない 。

「 ゆ 、 勇者 様 ?

「 ああ …… お前 等 、 俺 が 引き つけて いる 間 に サッサ と 体制 を 立て直せ !

リユート 村 の 連中 は 俺 と 顔なじみ の 奴 も 多い 。

「 は 、 はい !

これ 幸いに と 、 深手 を 負って い ない 奴 まで 下がり 、 防衛 線 が 俺 一 人 に なった 。

「 おい ……」

何 を 考えて い やがる 。

半ば 呆れて いる 間 に も 、 化け物 たち は 俺 を 倒そう と 牙 や ハリ 、 爪 で 攻撃 して くる 。

ガキンガキン と 音 を 立てて いる けれど 、 痛く も 痒 く も 無い 。

ただ 、 全身 を 這わ れる 感覚 は 気持ち 悪くて しょうがない 。

化け物 を 殴り つける 。

ガイン !

った く 、 この 世界 の 連中 は どうして こう も 人任せ な んだ ?

災厄 の 波 が 始まって 早々 イラ だって しょうがない 。

「 た 、 助け ──!!」

世話 に なって いた 宿屋 の 主人 が 後方 で 化け物 に 襲わ れ そうに なって いる 。

化け物 の 爪 が 宿屋 の 主人 を 貫こう と する 瞬間 、 俺 は 咄嗟に 叫んだ 。

「 エアストシールド !

スキル を 唱え 、 宿屋 の 主人 を 守る 盾 を 呼び 出した 。

突然 現れた 盾 に 宿屋 の 主人 は 驚いて いた が 、 俺 の 方 を 向く 。

「 早く 逃げろ !

「…… あ 、 ありがとう 」

腰 が 抜けて いた 主人 は 礼 を 言う と 、 家族 と 一緒に その 場 を 去った 。

「 き ゃ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ !

絹 を 裂く ような 悲鳴 。

見る と 逃げ 遅れた らしき 女性 の 方 へ 魔物 が 群 を 成して 近づき つつ ある 。

俺 は 射程 圏 内 まで 近づき 、

「 シールドプリズン !

女性 を 守る 四方 の 盾 を 呼び 出した 。

突然の 盾 の 出現 に 、 化け物 たち は ターゲット を 俺 に 変更 する 。

そうだ 。

こっち に 来い 。 狙い は 俺 だけ で 良い 。

シールドプリズン の 効果 時間 が 切れる 前 に 化け物 を 引きつれて 移動 する 。

「 ハァ …… ハァ …… 他 に 逃げ 遅れた 奴 は ── っ !

走り ながら 周囲 を 見渡して いる と 突然 前方 から 一 匹 の 化け物 が 攻撃 を 仕掛けて きた 。

反射 的に 盾 を 構えて 攻撃 を 防ぐ 。 すると 大きな 火花 が 散った 。

「 ゾンビ か ……」

盾 の 解析 で は 名称 は 次元 ノ 屍 食 鬼 。

今 まで 連れて いた イナゴ や ハチ みたいな 化け物 と は 趣 が 違う 。

両手 に 武器 を 持ち 、 身体 に は 鎧 を 付けて いる 。

「 くっ !

やる しか ない か ……」

せめて ラフタリア の 避難 誘導 が 終わる まで は コイツ の 注意 を 引き 付けて おか ない と 。

だが 、 どうせ なら クソ 勇者 共 が 戦って いる 方向 で 戦おう 。

敵 は まだ 湧いて くる 。

新たに 現れた 化け物 が 一 匹 でも 多く 俺 に 注意 を 向ければ 俺 の 仕事 も 減る 。

「 付いて 来い ゾンビ 共 !

お前 等 臭い んだ よ ! 走る 速度 を 上げる 。

イナゴ 、 ハチ 、 ゾンビ と 種類 の 違う 化け物 を 連れて いる から な 。 一 匹 一 匹 の 速 さ に 違い が ある 所 為 で 行軍 速度 も 違う 。

幸いな の は 化け物 共 の 知能 が それ 程 高く 無い こと で 、 一 番 近い 俺 を 狙って 来る 。

「 ち っ !

前 から も か 」

盾 の お陰 で 頑丈 と は 言って も 、 可能な 限り 攻撃 を 受け たく なかった が 致し方ない 。

ここ で 敵 の 行軍 を 止める 。

まず 前 から 迫って くる 化け物 の 攻撃 を 盾 で 受け止め 、 そして 受け流し ながら 反転 。

今 は ラフタリア が い ない から な 。

無理に 全て 攻撃 を 受けて やる 道理 は 無い 。

こちら に 攻撃 手段 が 無い 以上 、 無い なら 無い なり の 戦い を する まで だ 。

「 エアストシールド !

空中 に エアストシールド を 展開 さ せた 。

俺 の 周り に は 化け物 が 円 を 描く 形 で 密集 して いる 。

さすが に 化け物 の 波 に 飲み 込ま れたら 俺 でも 耐え られる 確証 が 無い 。

ならば ──。

「 よっ と !

屍 食 鬼 を 足 蹴 に エアエストシールド へ 飛び乗った 。

そして 化け物 が 少ない 位置 に 着地 して 盾 を 構える 。

くっ …… イナゴ の 様 な 化け物 が 俺 に へばり付いて いる 。

振り払って も 数 匹 が 吹っ飛ぶ 位 で 身体 が 気持ち 悪い 。 何より も 身体 が 少し 重く なった 。

くそ っ !

さっき みたいに 囲ま れたら 飛んで 逃げる 作戦 が 難しい 。

引き 離せ ない なら コレ で どう だ 。

「 アニマルニードルシールド !

この 盾 は 専用 効果 針 の 盾 ( 小 ) が 付いて いる 。

これ は 盾 の 部分 で 攻撃 を 受ける と 針 が 振動 して 敵 に ダメージ を 与え られる 。 難点 は 先程 まで 使って いた 盾 より も 防御 力 が 低い 事 か 。 しかも ダメージ 自体 は 僅か と いう 始末 。 しかし 俺 に は これ しか 攻撃 手段 が ない 。

もう 一 つ 、 同じ ように カウンター 効果 の ある 盾 が 無い 訳 じゃ ない が 、 この 盾 と は 違って 群れ と の 相性 が 悪い 。

「 喰 ら え !

盾 で パンチ する か の 様 に 化け物 に 攻撃 する 。

カンッ !

と いう 、 相変わらず の 音 が 響いた 。

やはり 俺 の 攻撃 で は ダメージ は 期待 でき ない らしい 。

逆に 化け物 の 攻撃 を 盾 で 防ぐ 。

すると 針 が 飛び出て 化け物 に 命中 した 。 ダメージ は 少ない が 、 攻撃 を 与えれば 少し は 敵 に 隙 が できる 。 そこ を 利用 して 時間 を 稼ぐ しか ない 。

「 コイツ は ……」

見えた の は 屍 食 鬼 が 武器 を 振り 被って いる 姿 。

手 に 持って いる 大きな 斧 は 、 攻撃 を 盾 で 受ける より も 前 に 俺 の 肩 を 抉った のだ 。

「 ぐ っ !

肩 に 熱 を 帯びた 激痛 が 走り 、 血 が 噴出 した 。

鮮血 に 数 歩 後ろ に 下がる 。

痛い 。

なんで 俺 が こんな こと を し なくて は なら ない 。

俺 を バカに する 連中 を 血 を 流して まで 守って やる なんて バカ みたいだ 。

落ち着け …… 冷静に なれ 。

これ は 盾 で 受け られ なかった だけ で なく 、 攻撃 用 の 盾 を 使って いた 所 為 も ある だろう 。

もっと 防御 力 の 高い 盾 を 使おう と 思えば 、 反撃 の 手段 が 無くなる 。

本当 、 使い 辛い 盾 だ な !

「 勇者 様 !

「 な っ !? なんで ここ に いる !

邪魔だ 、 さっさと 逃げろ ! そこ に は 武器 を 持った …… と 言って も 農具 ばかり だ が 村 の 男 共 が 立って いた 。

中 に は 先程 助けた 連中 も 含ま れて いる 。

「 ですが 盾 の 勇者 様 が 一 人 です !

お前 等 が そうした んだ ろ !

俺 だって 一 人 に なり たくて なって る 訳 じゃ ね ー よ !

前線 を 維持 しろ って 言った の に 下がった の は お前 等 だろう が 。

…… 逃げた 冒険 者 連中 は ここ に い ない な 。

「 この 村 は 私 達 の 村 です !

逃げる だけ で は いけ ませ ん ! 「 くっ !

わかった 。 俺 が 盾 に なる 。 避難 が 終わる まで 戦線 維持 に 協力 して くれ 。 お前 等 は 攻撃 を 受け ない 様 に 陣形 を 組んで 攻撃 しろ ! 「 わかり ました !

正直 ありがたい 。

攻撃 手段 が 無い 以上 、 少し でも 戦力 が あれば 戦闘 能力 が 格段に 上がる 。 それ は ラフタリア で 実証 さ れて いる の は 言う まで も 無い 。

俺 は 直 に ライトメタルシールド に 切り替え 、 村人 の 陣形 に 合わせて 敵 の 注意 を 引いた 。

「 一 発 攻撃 を 与えたら 離れろ よ 。

敵 の 進行 の 邪魔 を して 、 俺 が 受ける 」

「 はい !

村人 達 を 守る 様 に 前 へ 立ち 、 攻撃 を 盾 で 防ぐ 。

そして 村人 達 は その 間 から 農具 を 突き刺した 。

さすが に 一 発 で は 無理だ が 、 十 発 二十 発 と 攻撃 を 与える 内 に 化け物 は 倒れて いく 。

「 ひ ぃっ !

村人 へ 攻撃 が 飛んで いけば 盾 で 受け止め 声 を 上げる 。

「 安心 しろ !

攻撃 は 俺 が 全て 引き受ける 。 お前 等 は 敵 を 倒す 事 だけ を 考えろ ! 村人 達 から 安堵 の 表情 が 読み 取れる 。

少なくとも 、 自分 達 を 守って くれて いる と いう 事 は 伝わった と 思って 良い だろう 。

災害 なんか で は 声 が 大きい 者 に 先導 さ れる 輩 が いる らしい が 、 ソレ かも しれ ない な 。 だが 、 今 は それ で 良い 。 宣言 通り 俺 の 味方 を する なら 守って やる 。

「 それにしても 数 が 多い …… 避難 は まだ 終わら ない の か !

「 他の 勇者 様 は どうして いる のです か ?

「 ハッ !

波 の 大 本 で 戦闘 中 だ よ ! お前 等 を 無視 して な っ ! 「 な 、 なんて 事 だ ……」

俺 の 言葉 に 村人 の 一 人 が 意気消沈 して いる 。

瞬間 、 下 に 大きな 影 が 生まれた の が 見えた 。

咄嗟に その 男 を 突き飛ばす 。

「 ぐ あっ ……」

現れた の は 巨大な 屍 食 鬼 。

装備 も 他の 奴 等 より 豪華な 鎧 を 付け 、 巨大な 斧 を 持って いる 。

その 攻撃 を 盾 も 構え ず 受けた 所 為 で 視界 が 揺らぐ 。

こんな 所 で 死ねる か !

俺 は 歯 を 食い縛って 意識 を 繋ぐ 。

ここ で 倒れたら 本当に 死ぬ 。

明らかに 他の 奴 と は 違う 。

まともに 喰 ら った と は いえ 、 俺 が ダメージ を 受ける んだ 。

相当な 奴 だろう 。

「 大丈夫 か !?」

「 は 、 はい …… ゆ 、 勇者 様 は ……」

「 もう 良い !

お前 等 は 下がれ 。 あれ を 相手 に して お前 等 を 守れる 自信 が 無い ! 「 ですが !

下がれ と いう 言葉 に 反論 を 唱えよう と する 村人 達 。

そこ に ──

「 ナオフミ 様 !

既に 戦闘 準備 を 整えた ラフタリア が 剣 を 持って 現れた 。

「 ラフタリア か !

丁度 良い 。 アイツ を 倒す ぞ ! 「 はい !

巨大な 屍 食 鬼 に 向き合う 様 に 移動 して 盾 を 構える 。

「 攻撃 は 俺 が 受け止める 。

今 まで 通り 、 剣 で 突き刺せ 」

「 わかり ました 」

大きくて も 屍 食 鬼 の 知能 は 他 と 然 程 変わら ない のだろう 。

目 に 付いた 俺 に 攻撃 を 振るう 屍 食 鬼 の 攻撃 を 真っ向 から 受け止める 。

避け ない の は 味方 へ 攻撃 が いか ない 様 に する 意味 も ある 。

避ける と 攻撃 が バラ ける し 、 ラフタリア が 攻撃 以外 の 事 も 考え なくて は いけなく なる から だ 。

屍 食 鬼 が 攻撃 を 振り 被る と 同時に ラフタリア は 剣 で 突き刺した 。

その 影響 で 盾 が 受ける 衝撃 が 若干 減った 。

よし !

これ なら 行ける 。

「 ラフタリア 、 コイツ 等 は 近い 奴 から 攻撃 する 習性 が ある 。

剣 を 刺したら 距離 を 取り 、 俺 に 攻撃 して きたら 同じ 要領 で また 刺して くれ 」

「 はい !

「 す 、 すごい ……」

俺 達 の 連携 に 村人 が 感想 を 漏らして いる 。

そんな 事 より コイツ 等 を 早く 逃がさ ない と 。

「 まだ 居た の か !

早く 下がれ 。 協力 は 感謝 する が 、 今 は 正直 邪魔な んだ ! 俺 は お前 達 を 死な せ ない 為 に ここ に いる んだ ぞ ! 「 わ 、 わかり ました !

強く 叫ば れた 影響 か 素直に 頷いた 村人 達 が 警戒 し ながら 距離 を 取り 始める 。

そして ある 程度 村人 達 が 離れた 所 で 背筋 を 嫌な 物 が 通り 過ぎた 。

「 ラフタリア !

俺 は 剣 を 構えて いた ラフタリア を 抱える 様 に 抱き 寄せ 、 マント を 広げて 中 へ 隠した 。

「 ナオフミ 様 !?」

一 番 防御 力 の 高い ライトメタルシールド に 盾 を 変える 。

その 直後 に 降り 注ぐ 火 の 雨 。

化け物 の 群れ の 中 から 外 を 見る と 騎士 団 が 到着 し 、 魔法 が 使える 連中 が 火 の 雨 を こちら に 向けて 放って いた 。

「 おい !

こっち に は 味方 が いる んだ ぞ ! あっという間 に 引火 して 燃え盛る 化け物 達 。

昆虫 が 多い から な 、 火 の 魔法 で 燃え盛って いく 。

どうやら 俺 は 物理 防御 力 だけ で なく 、 魔法 防御 力 も 高い 様 だ な 。

いや 、 ライトメタルシールド の 専用 効果 魔法 防御 向上 の お陰 か 。

巨大な 屍 食 鬼 も 燃え盛る 雨 に 大きな 音 を 立てて 倒れる 。

それ を 確認 する や 真 紅 に 燃え盛る 防衛 線 の 中 、 味方 の 誤射 と は な んだろう か と 腹 が 立ち ながら 、 俺 は ツカツカ と 騎士 団 を 睨み つけ ながら 近づき 、 マント を 靡 かせ 、 炎 を 散らす 。

「 ふん 、 盾 の 勇者 か …… 頑丈な 奴 だ な 」

騎士 団 の 隊長 らしき 奴 が 俺 を 見る なり 吐き 捨てた 。

直後 、 マント の 中 から 飛び出す ように 剣 を 振りかぶる ラフタリア 。 吐き 捨てた 奴 は 剣 を 抜き 、 ガキン と 音 を 立てて 鍔迫 り 合い に なる 。

「 ナオフミ 様 に 何 を なさる のです か !

返答 次第 で は 許し ませ ん よ ! 殺意 を 込めて 、 ラフタリア が 言い放つ 。

「 盾 の 勇者 の 仲間 か ?

「 ええ 、 私 は ナオフミ 様 の 剣 !

無礼 は 許し ませ ん ! 「…… 亜人 風情 が 騎士 団 に 逆らう と でも 言う つもり か ?

「 守る べき 民 を 蔑 ろ に して 、 味方 である はずの ナオフミ 様 もろとも 魔法 で 焼き払う ような 輩 は 、 騎士 であろう と 許し ませ ん !

「 五 体 満足 な のだ から 良い じゃ ない か 」

「 良く あり ませ ん !

ギリギリ と 鍔迫 り 合い を 続ける ラフタリア を 騎士 達 は 囲む 。

「 シールドプリズン !

「 な 、 貴 様 ──」

鍔迫 り 合い の 相手 を 盾 の 牢獄 に 閉じ 込め 、 俺 は 多勢 に 無勢 を 働こう と した 騎士 達 を 睨む 。

「…… 敵 は 波 から 這い ずる 化け物 だろう 。

履き違える な ! 俺 の 叱責 に 騎士 団 の 連中 は 分 が 悪い ように 顔 を 逸ら す 。

「 犯罪 者 の 勇者 が 何 を ほ ざ く 」

「 なら …… 残り は お前 達 だけ で 相手 を する か ?

燃え盛る 前線 を 化け物 たち が 我が 者 顔 で 蠢き 、 最 前線 に いる 俺 に 襲い 掛かる 。

その 全て を 耐え 切って いる 俺 に 、 騎士 達 は 青い 顔 を した 。

仮にも 俺 は 盾 の 勇者 だ 。

コイツ 等 だけ で は 持つ はず も ある まい 。

「 ラフタリア 、 避難 誘導 は 済んだ か ?

「 いえ …… まだ です 。

もう 少し 掛かる と 思い ます 」

「 そう か 、 じゃあ 早く 避難 さ せて おけ 」

「 ですが ……」

「 味方 に 魔法 を ぶ っ放さ れた が 、 痛く も 痒 く も 無い 。

ただ …… 俺 が 手 も 足 も 出 ない と 舐めた 態度 を 取って いる の なら ……」

ラフタリア の 肩 を 叩き ながら 、 騎士 団 を 睨み つける 。

「…… 殺す ぞ 。

どんな 手段 を 使って も 、 最悪 お前 等 を 化け物 の エサ に して 俺 は 逃げて も いい 」

俺 の 脅し が 効いた の か 騎士 団 の 連中 は 息 を 呑 んで 魔法 の 詠 唱 を 止める 。

「 さて 、 ラフタリア 。

戦い を 始める の は 邪魔な 奴 等 を 逃がして から だ 。 な に 、 敵 は いっぱい いる 。 それ から で いい 」

思いのほか 、 耐え られる ようだ から な 。

これ なら 大丈夫 そうだ 。

「 は 、 はい !

指示 に 従い ラフタリア は 村 の 方 へ 駆け 出す 。

「 くそ !

盾 の 勇者 風情 が 」

牢獄 の 効果 時間 が 切れた 途端 、 隊長 らしき 馬鹿 が 俺 に 怒鳴り つける 。

「 そう か 、 お前 は …… 死ぬ か ?

俺 の 背後 に 迫る 化け物 たち 。

さすが に 俺 が 守ら ねば 自分 に 降りかかる の を 察した の か 馬鹿 は 黙って 下がる 。

まったく 、 ど いつも こいつ も 、 碌 な 奴 が 居 ない 。

俺 が 守る しか 能 の 無い 盾 の 勇者 じゃ なかったら こんな 奴 等 、 誰 が 好き 好んで 助けて やる か 。

邪魔な 連中 の 避難 が 終わった ラフタリア が 前線 に 復帰 する と 俺 は 攻撃 に 打って出た 。

騎士 団 の 連中 の 援護 を 利用 し つつ 、 空 の 亀裂 が 収まった の は 数 時間 も 後 の 事 だ 。

「 ま 、 こんな 所 だ ろ 」

「 そう だ な 、 今回 の ボス は 楽勝 だった な 」

「 ええ 、 これ なら 次の 波 も 余裕 です ね 」

波 の 最 前線 で 戦って いた 勇者 共 が 今回 の 一 番 の ボス らしき キメラ の 死体 を 前 に 雑談 交じり に 話し 合い を 続けて いる 。

民間 人 の 避難 を 騎士 団 と 冒険 者 に 任せて 何 を 言って や がる …… 一 ヶ月 も 経って いる と いう のに ゲーム 気分 の 抜け ない 奴 等 だ 。

注意 する の も 面倒な 俺 は そんな クソ 勇者 共 を 無視 して 、 波 を 乗り切った 事 を 安堵 して いた 。

空 は 何時も の ような 色 だ が 、 やがて 夕日 に 染まる 。

これ で 最低 一 ヶ月 は 生き延び られる 。

…… ダメージ を あまり 受け なかった の は 、 波 が まだ 弱い から だろう 。

次 も 耐え られる か 正直 分から ない 。

いずれ 俺 が 耐え られ なく なった 時 …… どう なる の か 。

「 よく やった 勇者 諸君 、 今回 の 波 を 乗り越えた 勇者 一行 に 王様 は 宴 の 準備 が できて いる と の 事 だ 。

報酬 も 与える ので 来て 欲しい 」

本来 は 行き たく ない 。

けど 、 俺 に は 金 が ない 。 だから 俺 は 引き上げる 連中 に 付き添い 、 一緒に 付いて 行く 。

確か 、 支度 金 と 同等の 金銭 を 一定 期間 毎 に くれる はずだ 。

銀貨 五百 枚 。

今 の 俺 に は 大金 である 。

「 あ 、 あの ……」

リユート 村 の 連中 が 俺 を 見る なり 話し かけて くる 。

「 なんだ ?

「 ありがとう ございました 。

あなた が 居 なかったら 、 みんな 助かって い なかった と 思い ます 」

「 なる ように なった だ ろ 」

「 いいえ 」

別の 奴 が 俺 の 返答 を 拒む 。

「 あなた が 居た から 、 私 たち は こうして 生き残る 事 が 出来た んです 」

「 そう 思う なら 勝手に 思って いろ 」

「「「 はい !

」」」

村 の 連中 は 俺 に 頭 を 下げて 帰って いった 。

村 の 損 耗 は 激しい 。

これ から の 復興 を 考える と 大変だろう 。

命 を 助けて 貰ったら 礼 を 言う だけ 、 普段 は 俺 を 蔑む くせ に …… 現金な 連中 だ 。

だが …… 悪魔 だ と 罵ら れる より は 遥かに マシ だ な 。

「 ナオフミ 様 」

長い 戦い の 末 、 泥 と 汗 まみれ に なった ラフタリア が 笑顔 で 駆け寄って くる 。

「 やり ました ね 。

みんな 感謝 して ます よ 」

「…… そう だ な 」

「 これ で 、 私 の 様 な 方 が 増え なくて すみ ます 。

ナオフミ 様 の お陰 です ! 「…… ああ 」

戦後 の 高揚 から か 、 それとも 自身 の 出自 と 重ねて な の か 、 ラフタリア は 涙ぐんで いる 。

「 私 も …… 頑張り ました 」

「 ああ 、 お前 は 良く 頑張った な 」

ラフタリア の 頭 を 撫でて 、 俺 は 褒めた 。

そうだ 。

ラフタリア は 俺 の 指示 通り ちゃん と 動き 、 戦った 。

それ は 正しく 評価 し なくて は いけない 。

「 いっぱい 化け物 を 倒し ました 」

「 ああ 、 助かった よ 」

「 え へ へ 」

嬉し そうに 笑う ラフタリア に 少々 不思議な 思い が し つつ 、 俺 達 は 城 へ と 向 う のだった 。

さすが 勇者 だ 。 前回 の 被害 と は 雲泥 の 差 に ワシ も 驚き を 隠せ ん ぞ ! 陽 も 落ち 、 夜 に なって から 城 で 開か れた 大 規模 な 宴 で 王様 が 高らかに 宣言 した 。

ちなみに 死傷 者 は 前回 が どれ 程 な の か 知ら ない が 、 今回 の 死傷 者 は 一 桁 に 収まる 程度 だった らしい 。

…… 誰 の 活躍 か なんて 自己 主張 する つもり は 無い 。

あの 勇者 共 が 湧き 出す 化け物 達 を 倒して は いた らしい ので 全部 俺 の 手柄 だ と は 思わ ない 。

だが 、 いずれ この 程度 で は 済ま なく なる のだろう な と 俺 自身 思って いる 。

砂時計 に よって 転送 さ れる 範囲 が 近かった から 良かった もの の 、 騎士 団 が 直 に これ ない 範囲 で 起こったら どう する つもりな んだ 。

課題 は 多い な ……。

ヘルプ を 呼び 出し 、 確認 する 。

あの 態度 だ 。

俺 に 登録 さ れよう なんて 輩 は い ない だろう が な 。

しかし …… あの クソ 勇者 共 は 使わ なかった な 。

一体 何故 だ ?

知って いる ゲーム なら 手配 して いて も おかしく ない はずだ 。

…… 大方 、 そこ まで 大変じゃ ない と 思って いた と か 、 確認 を 怠って いた と か そんな 所 だった のだろう 。

言う の も 煩わしい 。

俺 は 宴 が 催さ れて いる 中 、 隅 の 方 で 適当に 飯 を 食べる 。

「 ご馳走 です ね !

ラフタリア が 普段 は 食べ られ ない 食べ物 の 山 を 見て 、 瞳 を 輝か せて いる 。

「 食い たければ 食って 良い ぞ 」

「 はい !

あんまり 良い もの を 食べ させて あげ られ なかった から な …… こんな 時 こそ 好きな もの を 食べ させる べきだろう 。

それ に 見合う 戦果 を ラフタリア は 上げて いる 。

「 あ …… でも 、 食べたら 太っちゃ う 」

「 まだ 育ち盛り だ ろ 」

「 う ー ……」

なんか ラフタリア が 困った 顔 で 悩んで る 。

「 食べれば 良い だ ろ 」

「 ナオフミ 様 は 太った 子 は 好きです か ?

「 は ぁ ?

何 を 言って んだ ?

「 興味 ない 」

女 と 言う だけ で あの クソ 女 が 浮かんで くる んだ 。

好き と か そんな 感情 が 浮かんで こ ない 。

そもそも が 女 と いう 生物 が 生理 的に 気 に 食わ ない 。

「 そう です よ ね 。

ナオフミ 様 は そういう 方 でした 」

半ば 諦めた か の ように ラフタリア は ご馳走 に 手 を 伸ばす 。

「 美味しい です 、 ナオフミ 様 」

「 良かった な 」

「 はい 」

ふう …… 宴 と やら が 面倒だ な 。

報酬 は 何 時 貰える んだ 。

こんな クズ の 集まり 、 見て いる だけ で 腹 が 立つ 。

…… よく 考える と 明日 と か の 可能 性 も ある な 。

無駄 足 だった か ? いや 、 食費 が 浮く から 良い か 。 本人 は 気 に して いる 様 だ が ラフタリア は 亜人 で 成長 期 だ 。 食費 も バカに なら ない 。

「 タッパー と か あれば 持ち 帰れた のに な 」

保存 が 利か ない から 明日 まで だろう が 、 金 を 考えたら もったいない …… 後 で コック に でも 頼んで 包んで もらおう 。

他 に も あまり の 食 材 を 頂いて 行く の も 良い かも しれ ない 。

等 と 考えて いる と 怒り の 形相 を した 元 康 が 人 を 掻き分けて 、 俺 達 の 方 へ 向かって きや がる 。

まったく 、 一体 なん だって 言う んだ 。

相手 を する の も 面倒だ から 避けよう と 人 混 み の 方 へ 歩く と 元 康 の 奴 、 俺 を 睨み つけ ながら 追って くる 。

「 おい !

尚 文 ! 「…… なんだ よ 」

キザ ったら しく 手袋 を 片側 だけ 外して 俺 に 投げ つける 。

確か 、 決闘 を 意味 する 奴 だ っけ 。

元 康 の 次の 言葉 に 周り が ざわめいた 。

「 決闘 だ !

「 いきなり 何 言って んだ 、 お前 ?

ついに 頭 が 沸いた か ?

よくよく 考えて みれば ゲーム 脳 の 馬鹿だ 。

助ける べき 人 を 見捨てて ボス に 突撃 する 様 な イノシシ だ から な 、 槍 の クソ 勇者 様 は 。

「 聞いた ぞ !

お前 と 一緒に 居る ラフタリア ちゃん は 奴隷 なん だって な ! 闘志 を 燃やして 俺 を 指差し ながら 糾弾 する 。

「 へ ?

ラフタリア が 変な 声 を 漏らした 。

…… 当の 本人 は ご馳走 を 皿 に 盛って 美味し そうに 食事 中 だ ぞ 。

「 だ から な んだ ?

「『 だ から な んだ ?

』…… だ と ? お前 、 本気で 言って ん の か ! 「 ああ 」

奴隷 を 使って 何 が 悪い と いう のだ 。

俺 と 一緒に 戦って くれる ような 奴 は い ない 。

だから 俺 は 奴隷 を 買って 使役 して いる 。

そもそも この 国 は 奴隷 制度 を 禁止 して い ない はずだ 。

それ が どうした と いう んだ ?

「 アイツ は 俺 の 奴隷 だ 。

それ が どうした ? 「 人 は …… 人 を 隷属 さ せる もん じゃ ない !

まして 異 世界 人 である 俺 達 勇者 に は そんな 真似 は 許さ れ ない んだ ! 「 何 を 今更 …… 俺 達 の 世界 でも 奴隷 は 居る だろう が 」

元 康 の 世界 が どうか は 知ら ない 。

けれど 人類 の 歴史 に 奴隷 が 存在 し ない と いう の は あり え ない 。

考え 方 を 変えれば 、 社会 人 は 会社 の 奴隷 だ 。

「 許さ れ ない ?

お前 の 中 で は そう な んだろう よ 。 お前 の 中 で は な ! 勝手に ルール を 作って 押し付ける と は …… 頭 が 沸いて いる な コイツ 。

「 生憎 ここ は 異 世界 だ 。

奴隷 だって 存在 する 。 俺 が 使って 何 が 悪い 」

「 き …… さま !

ギリッ と 元 康 は 矛 を 構えて 俺 に 向ける 。

「 勝負 だ !

俺 が 勝ったら ラフタリア ちゃん を 解放 さ せろ ! 「 なんで 勝負 なんて し なきゃ いけない んだ 。

俺 が 勝ったら どう する んだ ? 「 そん とき は ラフタリア ちゃん を 好きに する が いい !

今 まで の ように 」

「 話 に なら ない な 」

俺 は 元 康 を 無視 して 立ち去ろう と する 。

何故 なら 勝負 して も 俺 に は 得 が 無い 。

「 モトヤス 殿 の 話 は 聞か せて もらった 」

人 混 み が モーゼ の 伝説 の ように 割れて 王様 が 現れる 。

「 勇者 と も あろう 者 が 奴隷 を 使って いる と は ……。

噂 で しか 聞いて い なかった が 、 まさか 本当だった と は …… やはり 盾 の 勇者 は 罪人 と いう 事 か 」

罪人 って 人 に 冤罪 を 押し付けて おき ながら 良く 言う 。

しかも 奴隷 は この 国 で 認め られた 制度 じゃ ない か 。

奴隷 を 使う 奴 が そこ 等 中 に いる のに 、 何故 俺 だけ が 文句 を 言わ れ なければ なら ない 。

「 モトヤス 殿 が 不服 と 言う の なら ワシ が 命ずる 。

決闘 せよ ! 「 知る か 。

さっさと 波 の 報酬 を 寄越せ 。 そう すれば こんな 場所 、 俺 の 方 から 出て って やる よ ! 王様 は 溜息 を つく と 指 を 鳴らす 。

どこ から か 兵士 達 が やってきて 俺 を 取り囲んだ 。 見れば ラフタリア が 兵士 達 に 保護 さ れて いる 。

「 ナオフミ 様 !

「…… 何の 真似 だ ?

俺 は これ でも か と 瞳 に 力 を 入れて 王様 を 睨み つける 。

コイツ 、 俺 の 言う 事 を 全く 信じ なかった 。

それ 所 か 俺 の 邪魔 しか し ない 。

「 この 国 で ワシ の 言う 事 は 絶対 !

従わ ねば 無理矢理 に でも 盾 の 勇者 の 奴隷 を 没収 する まで だ 」

「…… チッ !

奴隷 に 施して ある 呪い を 解く 方法 ぐらい 、 国 の 魔術 師 と か は 知って い そうだ 。

つまり 、 戦わ ない こと は ラフタリア が 俺 の 元 から い なく なる と いう 事 に 繋がる 。

ふざける な !

やっと の 事 で 使える ように なった 奴隷 だ ぞ !

どれ だけ の 時間 と 金銭 を 投資 した と 思って いる んだ 。

「 勝負 なんて する 必要 あり ませ ん !

私 は ── ふむ ぅ ! ラフタリア が 騒が ない ように 口 に 布 を 巻か れて 黙ら さ れる 。

「 本人 が 主 の 肩 を 持た ない と 苦しむ よう 呪い を 掛けて いる 可能 性 が ある 。

奴隷 は 黙ら させて もらおう 」

「…… 決闘 に は 参加 さ せ られる んだ よ な 」

「 決闘 の 賞品 を 何故 参加 さ せ ねば なら ない ?

「 な !

お前 ──」

「 では 城 の 庭 で 決闘 を 開催 する !

王様 の 野郎 、 俺 の 文句 を 遮って 決闘 を する 場所 を 宣言 し や がった 。

くそ 、 俺 に は 攻撃 力 が 無い んだ ぞ ?

出来 レース じゃ ねえ か !

盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 21 たて の ゆうしゃ の なり あがり|chapter The Rise of the Shield Hero 01 Chapter 21 Rise of the Shield Heroes 01 Capítulo 21. Rise of the Shield Heroes 01 Rozdział 21. 盾之勇者成名錄 01 第 21 章

二十一 話   災厄 の 波 にじゅういち|はなし|さいやく||なみ Episode 21 The Wave of Disaster

村 に 着く と 、 丁度 、 波 から 溢れて いた 化け物 達 が 、 まさに 暴れ だす 瞬間 だった 。 むら||つく||ちょうど|なみ||あふれて||ばけもの|さとる|||あばれ||しゅんかん| When we arrived at the village, it was just the moment the monsters overflowing from the waves were rampaging.

駐在 して いた 騎士 と 冒険 者 が 辛うじて 化け物 達 と 戦って いる が 、 多勢 に 無勢 …… 防衛 線 は 決壊 寸前 だ 。 ちゅうざい|||きし||ぼうけん|もの||かろうじて|ばけもの|さとる||たたかって|||たぜい||ぶぜい|ぼうえい|せん||けっかい|すんぜん| The stationed knights and adventurers are barely fighting the monsters, but they are outnumbered and the ...... Frontier is on the verge of breaking down.

「 ラフタリア は 村民 の 避難 誘導 を しろ 」 ||そんみん||ひなん|ゆうどう|| "Raphtalia guides villagers to evacuate."

「 え 、 ナオフミ 様 は ……? ||さま|

「 俺 は 敵 を 引き 付ける ! おれ||てき||ひき|つける "I will attract the enemy!

防衛 線 に 向かって 駆け 出し 、 イナゴ の 群 の ような 魔物 に 向けて 盾 を 使って 殴り かかる 。 ぼうえい|せん||むかって|かけ|だし|いなご||ぐん|||まもの||むけて|たて||つかって|なぐり| He rushes towards the line of defense and hits with a shield at a monster like a locust.

無論 、 金属 を 殴った 音 が して ダメージ は まるで 入って い ない 。 むろん|きんぞく||なぐった|おと|||だめーじ|||はいって|| Of course, the sound of metal being punched was not damaging at all.

だが 注意 を 引く 位 は できる 。 |ちゅうい||ひく|くらい|| But you can get some attention.

これ まで ラフタリア と やって いた 事 と 何も 変わら ない 。 ||||||こと||なにも|かわら| It's nothing different from what I've been doing with Raphtalia.

「 グギ ! "Gugi!

イナゴ の ような 小さな 魔物 が 群 を 成して 俺 に 向 って 襲い 掛かる 。 いなご|||ちいさな|まもの||ぐん||なして|おれ||むかい||おそい|かかる Small demons like locusts form a group and attack at me.

他 に ハチ 、 ゾンビ と 化け物 の 種類 は 決まって いる ようだ 。 た||はち|||ばけもの||しゅるい||きまって|| In addition, it seems that the types of bees, zombies, and monsters are fixed.

ガン ! がん Gun!

ガン ! がん

ガン ! がん

蛮族 の 鎧 の お陰 か 、 それとも 盾 の 効果 か 、 ダメージ は 受け ない 。 ばんぞく||よろい||おかげ|||たて||こうか||だめーじ||うけ| Whether it is the barbarian's armor or the effect of his shield, he takes no damage.

「 ゆ 、 勇者 様 ? |ゆうしゃ|さま "Yu, the hero?

「 ああ …… お前 等 、 俺 が 引き つけて いる 間 に サッサ と 体制 を 立て直せ ! |おまえ|とう|おれ||ひき|||あいだ||||たいせい||たてなおせ "Ah ... you and I can rebuild Sassa while I'm attracted!

リユート 村 の 連中 は 俺 と 顔なじみ の 奴 も 多い 。 |むら||れんちゅう||おれ||かおなじみ||やつ||おおい Many of the people in Liyut Village are familiar to me.

「 は 、 はい !

これ 幸いに と 、 深手 を 負って い ない 奴 まで 下がり 、 防衛 線 が 俺 一 人 に なった 。 |さいわいに||ふかで||おって|||やつ||さがり|ぼうえい|せん||おれ|ひと|じん|| Luckily for me, I went down to the guy who wasn't seriously injured, and I was the only one on the defensive line.

「 おい ……」

何 を 考えて い やがる 。 なん||かんがえて||や がる What the hell do you think you're doing?

半ば 呆れて いる 間 に も 、 化け物 たち は 俺 を 倒そう と 牙 や ハリ 、 爪 で 攻撃 して くる 。 なかば|あきれて||あいだ|||ばけもの|||おれ||たおそう||きば||はり|つめ||こうげき|| While I was half-amazed, the monsters attacked me with their fangs, hari, and claws in an attempt to take me down.

ガキンガキン と 音 を 立てて いる けれど 、 痛く も 痒 く も 無い 。 ||おと||たてて|||いたく||よう|||ない It makes a rattling noise, but it doesn't hurt or itch.

ただ 、 全身 を 這わ れる 感覚 は 気持ち 悪くて しょうがない 。 |ぜんしん||はわ||かんかく||きもち|わるくて| However, the feeling of crawling the whole body is ugly and unavoidable.

化け物 を 殴り つける 。 ばけもの||なぐり| Hit the monster.

ガイン ! Gain!

った く 、 この 世界 の 連中 は どうして こう も 人任せ な んだ ? |||せかい||れんちゅう|||||ひとまかせ|| Why do people in this world leave this to others?

災厄 の 波 が 始まって 早々 イラ だって しょうがない 。 さいやく||なみ||はじまって|はやばや||| I can't help being irritated as soon as the wave of disaster begins.

「 た 、 助け ──!!」 |たすけ Help!

世話 に なって いた 宿屋 の 主人 が 後方 で 化け物 に 襲わ れ そうに なって いる 。 せわ||||やどや||あるじ||こうほう||ばけもの||おそわ||そう に|| The innkeeper, who was being taken care of, is about to be attacked by a monster behind.

化け物 の 爪 が 宿屋 の 主人 を 貫こう と する 瞬間 、 俺 は 咄嗟に 叫んだ 。 ばけもの||つめ||やどや||あるじ||つらぬこう|||しゅんかん|おれ||とっさに|さけんだ The moment the monster's claws were about to pierce the innkeeper, I screamed as quickly as I could.

「 エアストシールド ! "Airstone Shield!

スキル を 唱え 、 宿屋 の 主人 を 守る 盾 を 呼び 出した 。 ||となえ|やどや||あるじ||まもる|たて||よび|だした I cast a skill to summon a shield that protects the innkeeper.

突然 現れた 盾 に 宿屋 の 主人 は 驚いて いた が 、 俺 の 方 を 向く 。 とつぜん|あらわれた|たて||やどや||あるじ||おどろいて|||おれ||かた||むく The innkeeper was surprised at the shield that suddenly appeared, but turned to me.

「 早く 逃げろ ! はやく|にげろ

「…… あ 、 ありがとう 」

腰 が 抜けて いた 主人 は 礼 を 言う と 、 家族 と 一緒に その 場 を 去った 。 こし||ぬけて||あるじ||れい||いう||かぞく||いっしょに||じょう||さった The poor master thanked him and left with his family.

「 き ゃ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ああ ! "Kyu aa aa aa aa aa aa aa aa!

絹 を 裂く ような 悲鳴 。 きぬ||さく||ひめい A scream that tears silk.

見る と 逃げ 遅れた らしき 女性 の 方 へ 魔物 が 群 を 成して 近づき つつ ある 。 みる||にげ|おくれた||じょせい||かた||まもの||ぐん||なして|ちかづき|| A group of monsters is approaching the woman who seems to have failed to escape.

俺 は 射程 圏 内 まで 近づき 、 おれ||しゃてい|けん|うち||ちかづき I approached within range,

「 シールドプリズン ! "Shield Prison!

女性 を 守る 四方 の 盾 を 呼び 出した 。 じょせい||まもる|しほう||たて||よび|だした He called for four shields to protect the woman.

突然の 盾 の 出現 に 、 化け物 たち は ターゲット を 俺 に 変更 する 。 とつぜんの|たて||しゅつげん||ばけもの|||たーげっと||おれ||へんこう| At the sudden appearance of the shield, the monsters change the target to me.

そうだ 。 そう だ

こっち に 来い 。 ||こい Come here. 狙い は 俺 だけ で 良い 。 ねらい||おれ|||よい The aim is only me.

シールドプリズン の 効果 時間 が 切れる 前 に 化け物 を 引きつれて 移動 する 。 ||こうか|じかん||きれる|ぜん||ばけもの||ひきつれて|いどう| Shield Prison Effect Before the time runs out, it gets caught and moves.

「 ハァ …… ハァ …… 他 に 逃げ 遅れた 奴 は ── っ ! ||た||にげ|おくれた|やつ|| "Huh ... huh ... The other one who was late to escape was huh!

走り ながら 周囲 を 見渡して いる と 突然 前方 から 一 匹 の 化け物 が 攻撃 を 仕掛けて きた 。 はしり||しゅうい||みわたして|||とつぜん|ぜんぽう||ひと|ひき||ばけもの||こうげき||しかけて| As I looked around while running, a monster suddenly launched an attack from the front.

反射 的に 盾 を 構えて 攻撃 を 防ぐ 。 はんしゃ|てきに|たて||かまえて|こうげき||ふせぐ Prevent attacks by reflexively setting up shields. すると 大きな 火花 が 散った 。 |おおきな|ひばな||ちった Then a big spark scattered.

「 ゾンビ か ……」 "Zombies or ......"

盾 の 解析 で は 名称 は 次元 ノ 屍 食 鬼 。 たて||かいせき|||めいしょう||じげん||しかばね|しょく|おに In the analysis of the shield, the name is Dimensional Corpse Food Demon.

今 まで 連れて いた イナゴ や ハチ みたいな 化け物 と は 趣 が 違う 。 いま||つれて||いなご||はち||ばけもの|||おもむき||ちがう It's different from the monsters like locusts and bees that I've been taking.

両手 に 武器 を 持ち 、 身体 に は 鎧 を 付けて いる 。 りょうて||ぶき||もち|からだ|||よろい||つけて| He has weapons in both hands and armor on his body.

「 くっ ! "Go!

やる しか ない か ……」 I have no choice but to do it..."

せめて ラフタリア の 避難 誘導 が 終わる まで は コイツ の 注意 を 引き 付けて おか ない と 。 |||ひなん|ゆうどう||おわる|||||ちゅうい||ひき|つけて||| At the very least, I have to attract his attention until Raphtalia's evacuation guidance is over.

だが 、 どうせ なら クソ 勇者 共 が 戦って いる 方向 で 戦おう 。 |||くそ|ゆうしゃ|とも||たたかって||ほうこう||たたかおう But anyway, let's fight in the direction the damned heroes are fighting.

敵 は まだ 湧いて くる 。 てき|||わいて| The enemy is still coming up.

新たに 現れた 化け物 が 一 匹 でも 多く 俺 に 注意 を 向ければ 俺 の 仕事 も 減る 。 あらたに|あらわれた|ばけもの||ひと|ひき||おおく|おれ||ちゅうい||むければ|おれ||しごと||へる If even one of the newly appeared monsters pays attention to me, my work will be reduced.

「 付いて 来い ゾンビ 共 ! ついて|こい||とも "Follow me, you zombies!

お前 等 臭い んだ よ ! おまえ|とう|くさい|| It smells like you! 走る 速度 を 上げる 。 はしる|そくど||あげる Increase running speed.

イナゴ 、 ハチ 、 ゾンビ と 種類 の 違う 化け物 を 連れて いる から な 。 いなご|はち|||しゅるい||ちがう|ばけもの||つれて||| They have different kinds of monsters, such as locusts, bees, and zombies. 一 匹 一 匹 の 速 さ に 違い が ある 所 為 で 行軍 速度 も 違う 。 ひと|ひき|ひと|ひき||はや|||ちがい|||しょ|ため||こうぐん|そくど||ちがう The difference in the speed of each individual is responsible for the difference in their marching speeds.

幸いな の は 化け物 共 の 知能 が それ 程 高く 無い こと で 、 一 番 近い 俺 を 狙って 来る 。 さいわいな|||ばけもの|とも||ちのう|||ほど|たかく|ない|||ひと|ばん|ちかい|おれ||ねらって|くる Fortunately, the intelligence of the monsters is not so high, so I am aiming at me who is the closest.

「 ち っ ! "Chi!

前 から も か 」 ぜん||| Even before. "

盾 の お陰 で 頑丈 と は 言って も 、 可能な 限り 攻撃 を 受け たく なかった が 致し方ない 。 たて||おかげ||がんじょう|||いって||かのうな|かぎり|こうげき||うけ||||いたしかたない Even though I was strong thanks to my shield, I wanted to avoid being attacked as much as possible, but it can't be helped.

ここ で 敵 の 行軍 を 止める 。 ||てき||こうぐん||とどめる Stop the enemy march here.

まず 前 から 迫って くる 化け物 の 攻撃 を 盾 で 受け止め 、 そして 受け流し ながら 反転 。 |ぜん||せまって||ばけもの||こうげき||たて||うけとめ||うけながし||はんてん First, the shield catches the attack of the creature approaching from the front, and then it turns around while deflecting the attack.

今 は ラフタリア が い ない から な 。 いま||||||| I don't have Raphtalia right now.

無理に 全て 攻撃 を 受けて やる 道理 は 無い 。 むりに|すべて|こうげき||うけて||どうり||ない There is no point in forcing you to attack everything.

こちら に 攻撃 手段 が 無い 以上 、 無い なら 無い なり の 戦い を する まで だ 。 ||こうげき|しゅだん||ない|いじょう|ない||ない|||たたかい|||| As long as we don't have any means of attack, we'll have to fight as if we didn't have them.

「 エアストシールド !

空中 に エアストシールド を 展開 さ せた 。 くうちゅう||||てんかい|| I deployed an airstop shield in the air.

俺 の 周り に は 化け物 が 円 を 描く 形 で 密集 して いる 。 おれ||まわり|||ばけもの||えん||えがく|かた||みっしゅう|| The monsters are densely packed around me in a circle.

さすが に 化け物 の 波 に 飲み 込ま れたら 俺 でも 耐え られる 確証 が 無い 。 ||ばけもの||なみ||のみ|こま||おれ||たえ||かくしょう||ない I have no proof that even I would be able to withstand being swallowed by a wave of monsters.

ならば ──。

「 よっ と !

屍 食 鬼 を 足 蹴 に エアエストシールド へ 飛び乗った 。 しかばね|しょく|おに||あし|け||||とびのった I jumped onto the Air Est Shield, kicking the corpse eating demon.

そして 化け物 が 少ない 位置 に 着地 して 盾 を 構える 。 |ばけもの||すくない|いち||ちゃくち||たて||かまえる Then land in a position where there are few monsters and set up your shield.

くっ …… イナゴ の 様 な 化け物 が 俺 に へばり付いて いる 。 |いなご||さま||ばけもの||おれ||へばりついて| Kutto ... A locust-like monster sticks to me.

振り払って も 数 匹 が 吹っ飛ぶ 位 で 身体 が 気持ち 悪い 。 ふりはらって||すう|ひき||ふっとぶ|くらい||からだ||きもち|わるい I felt sick to my body. 何より も 身体 が 少し 重く なった 。 なにより||からだ||すこし|おもく| Above all, my body became a little heavier.

くそ っ !

さっき みたいに 囲ま れたら 飛んで 逃げる 作戦 が 難しい 。 ||かこま||とんで|にげる|さくせん||むずかしい If you're surrounded like before, it's difficult to fly away.

引き 離せ ない なら コレ で どう だ 。 ひき|はなせ|||||| If you can't separate them, why not try this one?

「 アニマルニードルシールド ! "Animal Needle Shield!

この 盾 は 専用 効果 針 の 盾 ( 小 ) が 付いて いる 。 |たて||せんよう|こうか|はり||たて|しょう||ついて| This shield comes with a special effect needle shield (small).

これ は 盾 の 部分 で 攻撃 を 受ける と 針 が 振動 して 敵 に ダメージ を 与え られる 。 ||たて||ぶぶん||こうげき||うける||はり||しんどう||てき||だめーじ||あたえ| When the shield part is attacked, the stinger vibrates, dealing damage to the enemy. 難点 は 先程 まで 使って いた 盾 より も 防御 力 が 低い 事 か 。 なんてん||さきほど||つかって||たて|||ぼうぎょ|ちから||ひくい|こと| The drawback is that it's defense is lower than the shield I was using earlier. しかも ダメージ 自体 は 僅か と いう 始末 。 |だめーじ|じたい||わずか|||しまつ Moreover, the damage itself was minor. しかし 俺 に は これ しか 攻撃 手段 が ない 。 |おれ|||||こうげき|しゅだん|| But this is the only attack method I have.

もう 一 つ 、 同じ ように カウンター 効果 の ある 盾 が 無い 訳 じゃ ない が 、 この 盾 と は 違って 群れ と の 相性 が 悪い 。 |ひと||おなじ||かうんたー|こうか|||たて||ない|やく|||||たて|||ちがって|むれ|||あいしょう||わるい One more thing, it's not like there aren't shields that have counter effects, but unlike this shield, it doesn't get along well with swarms.

「 喰 ら え ! しょく|| "Eat it!

盾 で パンチ する か の 様 に 化け物 に 攻撃 する 。 たて||ぱんち||||さま||ばけもの||こうげき| It attacks monsters as if punching them with a shield.

カンッ !

と いう 、 相変わらず の 音 が 響いた 。 ||あいかわらず||おと||ひびいた The same sound resounded.

やはり 俺 の 攻撃 で は ダメージ は 期待 でき ない らしい 。 |おれ||こうげき|||だめーじ||きたい||| It seems that my attacks can't do any damage after all.

逆に 化け物 の 攻撃 を 盾 で 防ぐ 。 ぎゃくに|ばけもの||こうげき||たて||ふせぐ On the other hand, shields protect against monster attacks.

すると 針 が 飛び出て 化け物 に 命中 した 。 |はり||とびでて|ばけもの||めいちゅう| Then the needle popped out and hit the monster. ダメージ は 少ない が 、 攻撃 を 与えれば 少し は 敵 に 隙 が できる 。 だめーじ||すくない||こうげき||あたえれば|すこし||てき||すき|| It does little damage, but it does leave a small opening for the enemy to attack. そこ を 利用 して 時間 を 稼ぐ しか ない 。 ||りよう||じかん||かせぐ|| There is no choice but to buy time by using it.

「 コイツ は ……」

見えた の は 屍 食 鬼 が 武器 を 振り 被って いる 姿 。 みえた|||しかばね|しょく|おに||ぶき||ふり|おおって||すがた I saw a corpse-eating demon brandishing a weapon.

手 に 持って いる 大きな 斧 は 、 攻撃 を 盾 で 受ける より も 前 に 俺 の 肩 を 抉った のだ 。 て||もって||おおきな|おの||こうげき||たて||うける|||ぜん||おれ||かた||えぐった| The large ax I'm holding in my hand gouged my shoulder before I could even receive the attack with my shield.

「 ぐ っ !

肩 に 熱 を 帯びた 激痛 が 走り 、 血 が 噴出 した 。 かた||ねつ||おびた|げきつう||はしり|ち||ふんしゅつ| A sharp, hot pain ran through my shoulder, and blood gushed out.

鮮血 に 数 歩 後ろ に 下がる 。 せんけつ||すう|ふ|うしろ||さがる Take a few steps back at the fresh blood.

痛い 。 いたい

なんで 俺 が こんな こと を し なくて は なら ない 。 |おれ||||||||| Why do I have to do this?

俺 を バカに する 連中 を 血 を 流して まで 守って やる なんて バカ みたいだ 。 おれ||ばかに||れんちゅう||ち||ながして||まもって|||ばか| I'm so stupid to protect those who make fun of me by spilling my blood.

落ち着け …… 冷静に なれ 。 おちつけ|れいせいに| Calm down... stay calm.

これ は 盾 で 受け られ なかった だけ で なく 、 攻撃 用 の 盾 を 使って いた 所 為 も ある だろう 。 ||たて||うけ||||||こうげき|よう||たて||つかって||しょ|ため||| Not only was he unable to block it with his shield, but he was also using an offensive shield.

もっと 防御 力 の 高い 盾 を 使おう と 思えば 、 反撃 の 手段 が 無くなる 。 |ぼうぎょ|ちから||たかい|たて||つかおう||おもえば|はんげき||しゅだん||なくなる If you want to use a shield with higher defense power, you won't have any means of counterattacking.

本当 、 使い 辛い 盾 だ な ! ほんとう|つかい|からい|たて|| Really, it's a difficult shield to use!

「 勇者 様 ! ゆうしゃ|さま

「 な っ !?  なんで ここ に いる ! "What!? Why are you here!?

邪魔だ 、 さっさと 逃げろ ! じゃまだ||にげろ You're in the way, run away! そこ に は 武器 を 持った …… と 言って も 農具 ばかり だ が 村 の 男 共 が 立って いた 。 |||ぶき||もった||いって||のうぐ||||むら||おとこ|とも||たって| There were men from the village standing there with weapons... but they were just farming tools.

中 に は 先程 助けた 連中 も 含ま れて いる 。 なか|||さきほど|たすけた|れんちゅう||ふくま|| Among them are the people I helped earlier.

「 ですが 盾 の 勇者 様 が 一 人 です ! |たて||ゆうしゃ|さま||ひと|じん| "But there is only one Hero of the Shield!

お前 等 が そうした んだ ろ ! おまえ|とう|||| You did that!

俺 だって 一 人 に なり たくて なって る 訳 じゃ ね ー よ ! おれ||ひと|じん||||||やく|||-| Even I am wanting to be alone.

前線 を 維持 しろ って 言った の に 下がった の は お前 等 だろう が 。 ぜんせん||いじ|||いった|||さがった|||おまえ|とう|| I told you to keep the front line, but you guys were probably the ones who backed off.

…… 逃げた 冒険 者 連中 は ここ に い ない な 。 にげた|ぼうけん|もの|れんちゅう|||||| ……The escaped adventurers aren't here.

「 この 村 は 私 達 の 村 です ! |むら||わたくし|さとる||むら| "This village is our village!

逃げる だけ で は いけ ませ ん ! にげる|||||| Don't just run away! 「 くっ !

わかった 。 俺 が 盾 に なる 。 おれ||たて|| I'll be your shield 避難 が 終わる まで 戦線 維持 に 協力 して くれ 。 ひなん||おわる||せんせん|いじ||きょうりょく|| Help us hold the line until the evacuation is complete. お前 等 は 攻撃 を 受け ない 様 に 陣形 を 組んで 攻撃 しろ ! おまえ|とう||こうげき||うけ||さま||じんけい||くんで|こうげき| You guys form a formation and attack so that you won't be attacked! 「 わかり ました !

正直 ありがたい 。 しょうじき| I'm honestly grateful.

攻撃 手段 が 無い 以上 、 少し でも 戦力 が あれば 戦闘 能力 が 格段に 上がる 。 こうげき|しゅだん||ない|いじょう|すこし||せんりょく|||せんとう|のうりょく||かくだんに|あがる As long as they don't have any means of attack, even a small amount of fighting power will greatly increase their combat capabilities. それ は ラフタリア で 実証 さ れて いる の は 言う まで も 無い 。 ||||じっしょう||||||いう|||ない It goes without saying that Raphtalia has proven that.

俺 は 直 に ライトメタルシールド に 切り替え 、 村人 の 陣形 に 合わせて 敵 の 注意 を 引いた 。 おれ||なお||||きりかえ|むらびと||じんけい||あわせて|てき||ちゅうい||ひいた I immediately switched to a light metal shield to match the villagers' formation and draw their attention.

「 一 発 攻撃 を 与えたら 離れろ よ 。 ひと|はつ|こうげき||あたえたら|はなれろ| "If you give me one attack, get away.

敵 の 進行 の 邪魔 を して 、 俺 が 受ける 」 てき||しんこう||じゃま|||おれ||うける You interrupt the enemy's progress, and I'll take it."

「 はい !

村人 達 を 守る 様 に 前 へ 立ち 、 攻撃 を 盾 で 防ぐ 。 むらびと|さとる||まもる|さま||ぜん||たち|こうげき||たて||ふせぐ They stand in front of the villagers to protect them and shield them from attacks.

そして 村人 達 は その 間 から 農具 を 突き刺した 。 |むらびと|さとる|||あいだ||のうぐ||つきさした The villagers then stabbed their farming tools through the gaps.

さすが に 一 発 で は 無理だ が 、 十 発 二十 発 と 攻撃 を 与える 内 に 化け物 は 倒れて いく 。 ||ひと|はつ|||むりだ||じゅう|はつ|にじゅう|はつ||こうげき||あたえる|うち||ばけもの||たおれて| As expected, it's impossible with one shot, but the monster falls after ten or twenty shots.

「 ひ ぃっ !

村人 へ 攻撃 が 飛んで いけば 盾 で 受け止め 声 を 上げる 。 むらびと||こうげき||とんで||たて||うけとめ|こえ||あげる If an attack flies at a villager, it blocks it with its shield and raises its voice.

「 安心 しろ ! あんしん|

攻撃 は 俺 が 全て 引き受ける 。 こうげき||おれ||すべて|ひきうける I will undertake all attacks. お前 等 は 敵 を 倒す 事 だけ を 考えろ ! おまえ|とう||てき||たおす|こと|||かんがえろ You guys should only think about defeating the enemy! 村人 達 から 安堵 の 表情 が 読み 取れる 。 むらびと|さとる||あんど||ひょうじょう||よみ|とれる You can read the expressions of relief from the villagers.

少なくとも 、 自分 達 を 守って くれて いる と いう 事 は 伝わった と 思って 良い だろう 。 すくなくとも|じぶん|さとる||まもって|||||こと||つたわった||おもって|よい| At the very least, I think it's safe to say that they felt that we were being protected.

災害 なんか で は 声 が 大きい 者 に 先導 さ れる 輩 が いる らしい が 、 ソレ かも しれ ない な 。 さいがい||||こえ||おおきい|もの||せんどう|||やから||||||||| It seems that there are people who are led by loud people in disasters, but that might be the case. だが 、 今 は それ で 良い 。 |いま||||よい But that's okay for now. 宣言 通り 俺 の 味方 を する なら 守って やる 。 せんげん|とおり|おれ||みかた||||まもって| I will protect you if you side with me as I have declared.

「 それにしても 数 が 多い …… 避難 は まだ 終わら ない の か ! |すう||おおい|ひなん|||おわら||| "Even so, there are a lot of them... so the evacuation isn't over yet!

「 他の 勇者 様 は どうして いる のです か ? たの|ゆうしゃ|さま||||| "What are the other heroes doing?

「 ハッ !

波 の 大 本 で 戦闘 中 だ よ ! なみ||だい|ほん||せんとう|なか|| We're in battle at Nami no Omoto! お前 等 を 無視 して な っ ! おまえ|とう||むし||| Ignore you guys! 「 な 、 なんて 事 だ ……」 ||こと| "What the hell..."

俺 の 言葉 に 村人 の 一 人 が 意気消沈 して いる 。 おれ||ことば||むらびと||ひと|じん||いきしょうちん|| One of the villagers is depressed by my words.

瞬間 、 下 に 大きな 影 が 生まれた の が 見えた 。 しゅんかん|した||おおきな|かげ||うまれた|||みえた In an instant, I could see a large shadow forming below.

咄嗟に その 男 を 突き飛ばす 。 とっさに||おとこ||つきとばす I quickly push the man away.

「 ぐ あっ ……」 "G ah ......"

現れた の は 巨大な 屍 食 鬼 。 あらわれた|||きょだいな|しかばね|しょく|おに A huge corpse-eating demon appeared.

装備 も 他の 奴 等 より 豪華な 鎧 を 付け 、 巨大な 斧 を 持って いる 。 そうび||たの|やつ|とう||ごうかな|よろい||つけ|きょだいな|おの||もって| They are also equipped with more luxurious armor than the others and wield a gigantic axe.

その 攻撃 を 盾 も 構え ず 受けた 所 為 で 視界 が 揺らぐ 。 |こうげき||たて||かまえ||うけた|しょ|ため||しかい||ゆらぐ The fact that he was able to take the attack without a shield at the ready caused his vision to waver.

こんな 所 で 死ねる か ! |しょ||しねる| I can't die in a place like this!

俺 は 歯 を 食い縛って 意識 を 繋ぐ 。 おれ||は||くいしばって|いしき||つなぐ I clenched my teeth and held on to my consciousness.

ここ で 倒れたら 本当に 死ぬ 。 ||たおれたら|ほんとうに|しぬ If I collapse here, I will really die.

明らかに 他の 奴 と は 違う 。 あきらかに|たの|やつ|||ちがう Clearly, he is not like the others.

まともに 喰 ら った と は いえ 、 俺 が ダメージ を 受ける んだ 。 |しょく||||||おれ||だめーじ||うける| Even though I got hit straight, I'm the one taking the damage.

相当な 奴 だろう 。 そうとうな|やつ| He must be a good guy.

「 大丈夫 か !?」 だいじょうぶ|

「 は 、 はい …… ゆ 、 勇者 様 は ……」 |||ゆうしゃ|さま|

「 もう 良い ! |よい Enough is enough!

お前 等 は 下がれ 。 おまえ|とう||さがれ You guys, back off. あれ を 相手 に して お前 等 を 守れる 自信 が 無い ! ||あいて|||おまえ|とう||まもれる|じしん||ない I don't have the confidence to defend you against that thing! 「 ですが !

下がれ と いう 言葉 に 反論 を 唱えよう と する 村人 達 。 さがれ|||ことば||はんろん||となえよう|||むらびと|さとる The villagers try to refute the "back off" message.

そこ に ── There.

「 ナオフミ 様 ! |さま

既に 戦闘 準備 を 整えた ラフタリア が 剣 を 持って 現れた 。 すでに|せんとう|じゅんび||ととのえた|||けん||もって|あらわれた Already ready for battle, Raphtalia appeared with a sword.

「 ラフタリア か !

丁度 良い 。 ちょうど|よい Just right. アイツ を 倒す ぞ ! ||たおす| Let's take him down! 「 はい !

巨大な 屍 食 鬼 に 向き合う 様 に 移動 して 盾 を 構える 。 きょだいな|しかばね|しょく|おに||むきあう|さま||いどう||たて||かまえる He moves to face the giant corpse-eating demon and readies his shield.

「 攻撃 は 俺 が 受け止める 。 こうげき||おれ||うけとめる

今 まで 通り 、 剣 で 突き刺せ 」 いま||とおり|けん||つきさせ Stick me with your sword, as you always have."

「 わかり ました 」

大きくて も 屍 食 鬼 の 知能 は 他 と 然 程 変わら ない のだろう 。 おおきくて||しかばね|しょく|おに||ちのう||た||ぜん|ほど|かわら|| Even though they are large, corpse-eaters' intelligence is probably not that different from others.

目 に 付いた 俺 に 攻撃 を 振るう 屍 食 鬼 の 攻撃 を 真っ向 から 受け止める 。 め||ついた|おれ||こうげき||ふるう|しかばね|しょく|おに||こうげき||まっこう||うけとめる I catch the attack of the corpse-eating demon that is attacking me in my eyes head-on.

避け ない の は 味方 へ 攻撃 が いか ない 様 に する 意味 も ある 。 さけ||||みかた||こうげき||||さま|||いみ|| Not avoiding is also meant to prevent attacks on your allies.

避ける と 攻撃 が バラ ける し 、 ラフタリア が 攻撃 以外 の 事 も 考え なくて は いけなく なる から だ 。 さける||こうげき||ばら|||||こうげき|いがい||こと||かんがえ|||||| If you dodge, the attacks will be scattered, and Raphtalia will have to think about things other than attacking.

屍 食 鬼 が 攻撃 を 振り 被る と 同時に ラフタリア は 剣 で 突き刺した 。 しかばね|しょく|おに||こうげき||ふり|かぶる||どうじに|||けん||つきさした Raphtalia stabbed with her sword at the same time the corpse eating demon swung its attack.

その 影響 で 盾 が 受ける 衝撃 が 若干 減った 。 |えいきょう||たて||うける|しょうげき||じゃっかん|へった The impact of the shield was slightly reduced due to the influence.

よし ! Good !

これ なら 行ける 。 ||いける I can do this.

「 ラフタリア 、 コイツ 等 は 近い 奴 から 攻撃 する 習性 が ある 。 ||とう||ちかい|やつ||こうげき||しゅうせい|| Raftalia, they have a habit of attacking the nearest one first.

剣 を 刺したら 距離 を 取り 、 俺 に 攻撃 して きたら 同じ 要領 で また 刺して くれ 」 けん||さしたら|きょり||とり|おれ||こうげき|||おなじ|ようりょう|||さして| Stab me with your sword, keep your distance, and if he attacks me, stab him again with the same technique."

「 はい !

「 す 、 すごい ……」

俺 達 の 連携 に 村人 が 感想 を 漏らして いる 。 おれ|さとる||れんけい||むらびと||かんそう||もらして| The villagers are leaking their impressions of our cooperation.

そんな 事 より コイツ 等 を 早く 逃がさ ない と 。 |こと|||とう||はやく|にがさ|| Rather than that, we have to get these guys out of here quickly.

「 まだ 居た の か ! |いた|| "Are you still there!?

早く 下がれ 。 はやく|さがれ Get down quickly. 協力 は 感謝 する が 、 今 は 正直 邪魔な んだ ! きょうりょく||かんしゃ|||いま||しょうじき|じゃまな| I appreciate your cooperation, but right now, I'm honestly in the way! 俺 は お前 達 を 死な せ ない 為 に ここ に いる んだ ぞ ! おれ||おまえ|さとる||しな|||ため|||||| I'm here to keep you from dying! 「 わ 、 わかり ました !

強く 叫ば れた 影響 か 素直に 頷いた 村人 達 が 警戒 し ながら 距離 を 取り 始める 。 つよく|さけば||えいきょう||すなおに|うなずいた|むらびと|さとる||けいかい|||きょり||とり|はじめる The villagers nodded obediently, probably due to the strong shouting, and began to keep their distance while being cautious.

そして ある 程度 村人 達 が 離れた 所 で 背筋 を 嫌な 物 が 通り 過ぎた 。 ||ていど|むらびと|さとる||はなれた|しょ||せすじ||いやな|ぶつ||とおり|すぎた And when the villagers were a little farther away, something unpleasant ran down my spine.

「 ラフタリア !

俺 は 剣 を 構えて いた ラフタリア を 抱える 様 に 抱き 寄せ 、 マント を 広げて 中 へ 隠した 。 おれ||けん||かまえて||||かかえる|さま||いだき|よせ|まんと||ひろげて|なか||かくした Raphtalia, who was holding her sword, was held close to me, and I spread my cloak and hid her inside.

「 ナオフミ 様 !?」 |さま

一 番 防御 力 の 高い ライトメタルシールド に 盾 を 変える 。 ひと|ばん|ぼうぎょ|ちから||たかい|||たて||かえる Change your shield to the Light Metal Shield with the highest defensive power.

その 直後 に 降り 注ぐ 火 の 雨 。 |ちょくご||ふり|そそぐ|ひ||あめ Rain of fire pouring down immediately after that.

化け物 の 群れ の 中 から 外 を 見る と 騎士 団 が 到着 し 、 魔法 が 使える 連中 が 火 の 雨 を こちら に 向けて 放って いた 。 ばけもの||むれ||なか||がい||みる||きし|だん||とうちゃく||まほう||つかえる|れんちゅう||ひ||あめ||||むけて|はなって| When I looked out from among the hordes of monsters, the knights had arrived, and those who could use magic were shooting a rain of fire at me.

「 おい !

こっち に は 味方 が いる んだ ぞ ! |||みかた|||| We have an ally here! あっという間 に 引火 して 燃え盛る 化け物 達 。 あっというま||いんか||もえさかる|ばけもの|さとる Monsters that ignite and burn in an instant.

昆虫 が 多い から な 、 火 の 魔法 で 燃え盛って いく 。 こんちゅう||おおい|||ひ||まほう||もえさかって| Because there are a lot of insects, it burns up with fire magic.

どうやら 俺 は 物理 防御 力 だけ で なく 、 魔法 防御 力 も 高い 様 だ な 。 |おれ||ぶつり|ぼうぎょ|ちから||||まほう|ぼうぎょ|ちから||たかい|さま|| It seems that I have high not only physical defense but also magic defense.

いや 、 ライトメタルシールド の 専用 効果 魔法 防御 向上 の お陰 か 。 |||せんよう|こうか|まほう|ぼうぎょ|こうじょう||おかげ| No, it's all thanks to the Light Metal Shield's special effect, the increased magic defense.

巨大な 屍 食 鬼 も 燃え盛る 雨 に 大きな 音 を 立てて 倒れる 。 きょだいな|しかばね|しょく|おに||もえさかる|あめ||おおきな|おと||たてて|たおれる Even giant corpse-eating demons fall with a loud roar in the burning rain.

それ を 確認 する や 真 紅 に 燃え盛る 防衛 線 の 中 、 味方 の 誤射 と は な んだろう か と 腹 が 立ち ながら 、 俺 は ツカツカ と 騎士 団 を 睨み つけ ながら 近づき 、 マント を 靡 かせ 、 炎 を 散らす 。 ||かくにん|||まこと|くれない||もえさかる|ぼうえい|せん||なか|みかた||ごしゃ|||||||はら||たち||おれ||||きし|だん||にらみ|||ちかづき|まんと||び||えん||ちらす As soon as I confirmed that, inside the crimson-burning defensive line, I wondered what could have been an accidental fire from my allies. Scatter.

「 ふん 、 盾 の 勇者 か …… 頑丈な 奴 だ な 」 |たて||ゆうしゃ||がんじょうな|やつ|| "Hmph, Hero of the Shield huh... He's a sturdy guy."

騎士 団 の 隊長 らしき 奴 が 俺 を 見る なり 吐き 捨てた 。 きし|だん||たいちょう||やつ||おれ||みる||はき|すてた When a guy who looked like the captain of the Order of the Knights saw me, he threw up.

直後 、 マント の 中 から 飛び出す ように 剣 を 振りかぶる ラフタリア 。 ちょくご|まんと||なか||とびだす||けん||ふりかぶる| Immediately afterwards, rough terriers sprinkle swords to jump out of the mantle. 吐き 捨てた 奴 は 剣 を 抜き 、 ガキン と 音 を 立てて 鍔迫 り 合い に なる 。 はき|すてた|やつ||けん||ぬき|||おと||たてて|つばさこ||あい|| The guy who vomits draws out his sword and makes a clanging sound as they engage in sword fights.

「 ナオフミ 様 に 何 を なさる のです か ! |さま||なん|||| "What are you doing to Naofumi-sama!

返答 次第 で は 許し ませ ん よ ! へんとう|しだい|||ゆるし||| I won't forgive you depending on your answer! 殺意 を 込めて 、 ラフタリア が 言い放つ 。 さつい||こめて|||いいはなつ Raphtalia declared with murderous intent.

「 盾 の 勇者 の 仲間 か ? たて||ゆうしゃ||なかま| "Fellowship of the Brave of the Shield?

「 ええ 、 私 は ナオフミ 様 の 剣 ! |わたくし|||さま||けん Yes, I am Naofumi-sama's sword!

無礼 は 許し ませ ん ! ぶれい||ゆるし|| No rudeness will be tolerated! 「…… 亜人 風情 が 騎士 団 に 逆らう と でも 言う つもり か ? あにん|ふぜい||きし|だん||さからう|||いう|| “…Are you going to say that demi-humans go against the knights?

「 守る べき 民 を 蔑 ろ に して 、 味方 である はずの ナオフミ 様 もろとも 魔法 で 焼き払う ような 輩 は 、 騎士 であろう と 許し ませ ん ! まもる||たみ||さげす||||みかた||||さま||まほう||やきはらう||やから||きし|||ゆるし|| "I won't forgive you, even if you're a knight!

「 五 体 満足 な のだ から 良い じゃ ない か 」 いつ|からだ|まんぞく||||よい||| "It's good because it's completely satisfying, isn't it?"

「 良く あり ませ ん ! よく||| It's not good!

ギリギリ と 鍔迫 り 合い を 続ける ラフタリア を 騎士 達 は 囲む 。 ぎりぎり||つばさこ||あい||つづける|||きし|さとる||かこむ The knights surround Raphtalia, who continues to fight at the last minute.

「 シールドプリズン ! "Shield Prison!

「 な 、 貴 様 ──」 |とうと|さま You, you...

鍔迫 り 合い の 相手 を 盾 の 牢獄 に 閉じ 込め 、 俺 は 多勢 に 無勢 を 働こう と した 騎士 達 を 睨む 。 つばさこ||あい||あいて||たて||ろうごく||とじ|こめ|おれ||たぜい||ぶぜい||はたらこう|||きし|さとる||にらむ Confining my opponent in a shield prison, I glared at the knights who tried to outnumber the crowd.

「…… 敵 は 波 から 這い ずる 化け物 だろう 。 てき||なみ||はい||ばけもの| "...the enemy will be a monster crawling out of the waves.

履き違える な ! はきちがえる| Don't wear the wrong shoes! 俺 の 叱責 に 騎士 団 の 連中 は 分 が 悪い ように 顔 を 逸ら す 。 おれ||しっせき||きし|だん||れんちゅう||ぶん||わるい||かお||はやら| At my reprimand, the knights turn their faces away as if they were in a bad mood.

「 犯罪 者 の 勇者 が 何 を ほ ざ く 」 はんざい|もの||ゆうしゃ||なん|||| "What does the hero of criminals say?"

「 なら …… 残り は お前 達 だけ で 相手 を する か ? |のこり||おまえ|さとる|||あいて||| "If ... ... Do you only have opponents for the rest?

燃え盛る 前線 を 化け物 たち が 我が 者 顔 で 蠢き 、 最 前線 に いる 俺 に 襲い 掛かる 。 もえさかる|ぜんせん||ばけもの|||わが|もの|かお||うごめき|さい|ぜんせん|||おれ||おそい|かかる Monsters stirred in the blazing front line with their own faces and attacked me at the very front.

その 全て を 耐え 切って いる 俺 に 、 騎士 達 は 青い 顔 を した 。 |すべて||たえ|きって||おれ||きし|さとる||あおい|かお|| To the one that endured all of them, the knights took a blue face.

仮にも 俺 は 盾 の 勇者 だ 。 かりにも|おれ||たて||ゆうしゃ| Even if I am the Hero of the Shield.

コイツ 等 だけ で は 持つ はず も ある まい 。 |とう||||もつ|||| There's no way someone like this could have it on its own.

「 ラフタリア 、 避難 誘導 は 済んだ か ? |ひなん|ゆうどう||すんだ| “Raphtalia, have you completed the evacuation guidance?

「 いえ …… まだ です 。 "No...not yet.

もう 少し 掛かる と 思い ます 」 |すこし|かかる||おもい| I think it will take a little longer."

「 そう か 、 じゃあ 早く 避難 さ せて おけ 」 |||はやく|ひなん||| "Is that so, let's evacuate quickly."

「 ですが ……」

「 味方 に 魔法 を ぶ っ放さ れた が 、 痛く も 痒 く も 無い 。 みかた||まほう|||っぱなさ|||いたく||よう|||ない "I was hit with magic by an ally, but it doesn't hurt or itch.

ただ …… 俺 が 手 も 足 も 出 ない と 舐めた 態度 を 取って いる の なら ……」 |おれ||て||あし||だ|||なめた|たいど||とって||| It's just... if I'm taking a scornful attitude that I can't do anything about it..."

ラフタリア の 肩 を 叩き ながら 、 騎士 団 を 睨み つける 。 ||かた||たたき||きし|だん||にらみ| He glared at the knights while tapping Raphtalia's shoulder.

「…… 殺す ぞ 。 ころす| "... I'll kill you.

どんな 手段 を 使って も 、 最悪 お前 等 を 化け物 の エサ に して 俺 は 逃げて も いい 」 |しゅだん||つかって||さいあく|おまえ|とう||ばけもの||えさ|||おれ||にげて|| No matter what means I use, in the worst case I can use you guys as food for monsters and run away."

俺 の 脅し が 効いた の か 騎士 団 の 連中 は 息 を 呑 んで 魔法 の 詠 唱 を 止める 。 おれ||おどし||きいた|||きし|だん||れんちゅう||いき||どん||まほう||よ|しょう||とどめる Did my threat work? The knights took a deep breath and stopped chanting magic.

「 さて 、 ラフタリア 。

戦い を 始める の は 邪魔な 奴 等 を 逃がして から だ 。 たたかい||はじめる|||じゃまな|やつ|とう||にがして|| The battle will only begin once you let those who get in your way escape. な に 、 敵 は いっぱい いる 。 ||てき||| Why are there so many enemies? それ から で いい 」 After that, it's fine."

思いのほか 、 耐え られる ようだ から な 。 おもいのほか|たえ|||| You seem to be more patient than I thought you would be.

これ なら 大丈夫 そうだ 。 ||だいじょうぶ|そう だ This seems to work.

「 は 、 はい !

指示 に 従い ラフタリア は 村 の 方 へ 駆け 出す 。 しじ||したがい|||むら||かた||かけ|だす Following instructions, Raftalia runs toward the village.

「 くそ !

盾 の 勇者 風情 が 」 たて||ゆうしゃ|ふぜい| The hero of the shield has the atmosphere."

牢獄 の 効果 時間 が 切れた 途端 、 隊長 らしき 馬鹿 が 俺 に 怒鳴り つける 。 ろうごく||こうか|じかん||きれた|とたん|たいちょう||ばか||おれ||どなり| As soon as the prison's effect time expires, an idiot who looks like the captain yells at me.

「 そう か 、 お前 は …… 死ぬ か ? ||おまえ||しぬ| "I see... are you going to die?

俺 の 背後 に 迫る 化け物 たち 。 おれ||はいご||せまる|ばけもの| Monsters approaching behind me.

さすが に 俺 が 守ら ねば 自分 に 降りかかる の を 察した の か 馬鹿 は 黙って 下がる 。 ||おれ||まもら||じぶん||ふりかかる|||さっした|||ばか||だまって|さがる As expected, the idiot must have sensed that if I didn't protect him, it would fall upon him, and he silently backed down.

まったく 、 ど いつも こいつ も 、 碌 な 奴 が 居 ない 。 |||||ろく||やつ||い| Seriously, there's no decent guy here.

俺 が 守る しか 能 の 無い 盾 の 勇者 じゃ なかったら こんな 奴 等 、 誰 が 好き 好んで 助けて やる か 。 おれ||まもる||のう||ない|たて||ゆうしゃ||||やつ|とう|だれ||すき|このんで|たすけて|| If I'm not the hero with the shield who can only protect, who would love to help these guys?

邪魔な 連中 の 避難 が 終わった ラフタリア が 前線 に 復帰 する と 俺 は 攻撃 に 打って出た 。 じゃまな|れんちゅう||ひなん||おわった|||ぜんせん||ふっき|||おれ||こうげき||うってでた When Raphtalia returned to the front line after evacuating the troublesome people, I launched an attack.

騎士 団 の 連中 の 援護 を 利用 し つつ 、 空 の 亀裂 が 収まった の は 数 時間 も 後 の 事 だ 。 きし|だん||れんちゅう||えんご||りよう|||から||きれつ||おさまった|||すう|じかん||あと||こと| It took several hours before the rift in the sky subsided, even with the support of the knights.

「 ま 、 こんな 所 だ ろ 」 ||しょ|| "Well, this is the place."

「 そう だ な 、 今回 の ボス は 楽勝 だった な 」 |||こんかい||ぼす||らくしょう|| "That's right, the boss this time was an easy win."

「 ええ 、 これ なら 次の 波 も 余裕 です ね 」 |||つぎの|なみ||よゆう|| "Yeah, with this, there's plenty of room for the next wave."

波 の 最 前線 で 戦って いた 勇者 共 が 今回 の 一 番 の ボス らしき キメラ の 死体 を 前 に 雑談 交じり に 話し 合い を 続けて いる 。 なみ||さい|ぜんせん||たたかって||ゆうしゃ|とも||こんかい||ひと|ばん||ぼす||||したい||ぜん||ざつだん|まじり||はなし|あい||つづけて| The heroes who were fighting on the front lines of the wave continue to chat in front of the corpse of the Chimera, who seems to be the main boss of this time.

民間 人 の 避難 を 騎士 団 と 冒険 者 に 任せて 何 を 言って や がる …… 一 ヶ月 も 経って いる と いう のに ゲーム 気分 の 抜け ない 奴 等 だ 。 みんかん|じん||ひなん||きし|だん||ぼうけん|もの||まかせて|なん||いって|||ひと|かげつ||たって|||||げーむ|きぶん||ぬけ||やつ|とう| What are you going to say when you leave the evacuation of civilians to the knights and adventurers... Even though it's been a month, these guys can't get out of the game mood.

注意 する の も 面倒な 俺 は そんな クソ 勇者 共 を 無視 して 、 波 を 乗り切った 事 を 安堵 して いた 。 ちゅうい||||めんどうな|おれ|||くそ|ゆうしゃ|とも||むし||なみ||のりきった|こと||あんど|| I'm too lazy to pay attention to them, so I was relieved to have survived the wave while ignoring those fucking heroes.

空 は 何時も の ような 色 だ が 、 やがて 夕日 に 染まる 。 から||いつも|||いろ||||ゆうひ||そまる The sky is the usual color, but soon it will be dyed by the setting sun.

これ で 最低 一 ヶ月 は 生き延び られる 。 ||さいてい|ひと|かげつ||いきのび| This will keep you alive for at least a month.

…… ダメージ を あまり 受け なかった の は 、 波 が まだ 弱い から だろう 。 だめーじ|||うけ||||なみ|||よわい|| ...... The reason it didn't do much damage is probably because the waves are still weak.

次 も 耐え られる か 正直 分から ない 。 つぎ||たえ|||しょうじき|わから| I honestly don't know if I'll be able to endure the next one.

いずれ 俺 が 耐え られ なく なった 時 …… どう なる の か 。 |おれ||たえ||||じ|||| When I can't take it anymore... what will happen?

「 よく やった 勇者 諸君 、 今回 の 波 を 乗り越えた 勇者 一行 に 王様 は 宴 の 準備 が できて いる と の 事 だ 。 ||ゆうしゃ|しょくん|こんかい||なみ||のりこえた|ゆうしゃ|いっこう||おうさま||えん||じゅんび||||||こと| "Well done heroes, the king is ready for a feast for the heroes who survived this wave.

報酬 も 与える ので 来て 欲しい 」 ほうしゅう||あたえる||きて|ほしい We'll even reward you for coming."

本来 は 行き たく ない 。 ほんらい||いき|| Originally, I didn't want to go.

けど 、 俺 に は 金 が ない 。 |おれ|||きむ|| But I have no money. だから 俺 は 引き上げる 連中 に 付き添い 、 一緒に 付いて 行く 。 |おれ||ひきあげる|れんちゅう||つきそい|いっしょに|ついて|いく So, I accompanied them as they pulled away, and we followed them together.

確か 、 支度 金 と 同等の 金銭 を 一定 期間 毎 に くれる はずだ 。 たしか|したく|きむ||どうとうの|きんせん||いってい|きかん|まい||| If I'm not mistaken, they should give me money equivalent to the preparation money at regular intervals.

銀貨 五百 枚 。 ぎんか|ごひゃく|まい Five hundred silver coins.

今 の 俺 に は 大金 である 。 いま||おれ|||たいきん| That's a lot of money for me now.

「 あ 、 あの ……」

リユート 村 の 連中 が 俺 を 見る なり 話し かけて くる 。 |むら||れんちゅう||おれ||みる||はなし|| The people from Ryuuto Village started talking to me as soon as they saw me.

「 なんだ ?

「 ありがとう ございました 。

あなた が 居 なかったら 、 みんな 助かって い なかった と 思い ます 」 ||い|||たすかって||||おもい| If you weren't there, I don't think everyone would have been saved."

「 なる ように なった だ ろ 」 "It's supposed to be."

「 いいえ 」

別の 奴 が 俺 の 返答 を 拒む 。 べつの|やつ||おれ||へんとう||こばむ Another guy refuses to answer me.

「 あなた が 居た から 、 私 たち は こうして 生き残る 事 が 出来た んです 」 ||いた||わたくし||||いきのこる|こと||できた| "Because of you, we were able to survive like this."

「 そう 思う なら 勝手に 思って いろ 」 |おもう||かってに|おもって| "If you think so, do whatever you want"

「「「 はい !

」」」

村 の 連中 は 俺 に 頭 を 下げて 帰って いった 。 むら||れんちゅう||おれ||あたま||さげて|かえって| The people in the village bowed their heads to me and left.

村 の 損 耗 は 激しい 。 むら||そん|もう||はげしい The loss of the village is heavy.

これ から の 復興 を 考える と 大変だろう 。 |||ふっこう||かんがえる||たいへんだろう It will be difficult to think about the reconstruction from now on.

命 を 助けて 貰ったら 礼 を 言う だけ 、 普段 は 俺 を 蔑む くせ に …… 現金な 連中 だ 。 いのち||たすけて|もらったら|れい||いう||ふだん||おれ||さげすむ|||げんきんな|れんちゅう| They just say thank you when someone saves their lives, and even though they usually look down on me... they're all cash money.

だが …… 悪魔 だ と 罵ら れる より は 遥かに マシ だ な 。 |あくま|||ののしら||||はるかに||| But...it's much better than being called a devil.

「 ナオフミ 様 」 |さま

長い 戦い の 末 、 泥 と 汗 まみれ に なった ラフタリア が 笑顔 で 駆け寄って くる 。 ながい|たたかい||すえ|どろ||あせ||||||えがお||かけよって| After a long battle, Raphtalia covered in mud and sweat rushed over with a smile.

「 やり ました ね 。 " You did it, did not you .

みんな 感謝 して ます よ 」 |かんしゃ||| We're all very grateful."

「…… そう だ な 」

「 これ で 、 私 の 様 な 方 が 増え なくて すみ ます 。 ||わたくし||さま||かた||ふえ||| "With this, there won't be more people like me.

ナオフミ 様 の お陰 です ! |さま||おかげ| 「…… ああ 」

戦後 の 高揚 から か 、 それとも 自身 の 出自 と 重ねて な の か 、 ラフタリア は 涙ぐんで いる 。 せんご||こうよう||||じしん||しょつじ||かさねて||||||なみだぐんで| Raphtalia was in tears, perhaps because of her post-war exaltation, or because of her own origins.

「 私 も …… 頑張り ました 」 わたくし||がんばり|

「 ああ 、 お前 は 良く 頑張った な 」 |おまえ||よく|がんばった|

ラフタリア の 頭 を 撫でて 、 俺 は 褒めた 。 ||あたま||なでて|おれ||ほめた

そうだ 。 そう だ

ラフタリア は 俺 の 指示 通り ちゃん と 動き 、 戦った 。 ||おれ||しじ|とおり|||うごき|たたかった Raphtalia moved and fought according to my instructions.

それ は 正しく 評価 し なくて は いけない 。 ||まさしく|ひょうか|||| You have to evaluate it correctly.

「 いっぱい 化け物 を 倒し ました 」 |ばけもの||たおし| "I've killed a lot of monsters."

「 ああ 、 助かった よ 」 |たすかった| "Oh, I was saved."

「 え へ へ 」

嬉し そうに 笑う ラフタリア に 少々 不思議な 思い が し つつ 、 俺 達 は 城 へ と 向 う のだった 。 うれし|そう に|わらう|||しょうしょう|ふしぎな|おもい||||おれ|さとる||しろ|||むかい|| We headed towards the castle while feeling a little strange at Raphtalia who was smiling happily.

さすが 勇者 だ 。 |ゆうしゃ| He is indeed a brave man. 前回 の 被害 と は 雲泥 の 差 に ワシ も 驚き を 隠せ ん ぞ ! ぜんかい||ひがい|||うんでい||さ||わし||おどろき||かくせ|| I can't hide my surprise at the huge difference from the previous damage! 陽 も 落ち 、 夜 に なって から 城 で 開か れた 大 規模 な 宴 で 王様 が 高らかに 宣言 した 。 よう||おち|よ||||しろ||あか||だい|きぼ||えん||おうさま||たからかに|せんげん| After the sun had set, the king announced loudly at a large-scale banquet held in the castle in the evening.

ちなみに 死傷 者 は 前回 が どれ 程 な の か 知ら ない が 、 今回 の 死傷 者 は 一 桁 に 収まる 程度 だった らしい 。 |ししょう|もの||ぜんかい|||ほど||||しら|||こんかい||ししょう|もの||ひと|けた||おさまる|ていど|| By the way, I don't know how many casualties there were last time, but it seems that the number of casualties this time was in the single digits.

…… 誰 の 活躍 か なんて 自己 主張 する つもり は 無い 。 だれ||かつやく|||じこ|しゅちょう||||ない …… I have no intention of making a self-assertive claim about who played an active role.

あの 勇者 共 が 湧き 出す 化け物 達 を 倒して は いた らしい ので 全部 俺 の 手柄 だ と は 思わ ない 。 |ゆうしゃ|とも||わき|だす|ばけもの|さとる||たおして|||||ぜんぶ|おれ||てがら||||おもわ| I don't think it's all my fault because those heroes seem to have defeated the monsters that spring up.

だが 、 いずれ この 程度 で は 済ま なく なる のだろう な と 俺 自身 思って いる 。 |||ていど|||すま||||||おれ|じしん|おもって| However, I myself think that eventually this level will not be enough.

砂時計 に よって 転送 さ れる 範囲 が 近かった から 良かった もの の 、 騎士 団 が 直 に これ ない 範囲 で 起こったら どう する つもりな んだ 。 すなどけい|||てんそう|||はんい||ちかかった||よかった|||きし|だん||なお||||はんい||おこったら|||| It's good that the range transferred by the hourglass was close, but what would happen if the knights were not able to reach it immediately?

課題 は 多い な ……。 かだい||おおい| There are many challenges. ......

ヘルプ を 呼び 出し 、 確認 する 。 ||よび|だし|かくにん| Call for help and check.

あの 態度 だ 。 |たいど| That attitude.

俺 に 登録 さ れよう なんて 輩 は い ない だろう が な 。 おれ||とうろく||||やから|||||| I don't think anyone would want to be registered with me.

しかし …… あの クソ 勇者 共 は 使わ なかった な 。 ||くそ|ゆうしゃ|とも||つかわ|| But ...... didn't use those damn heroes.

一体 何故 だ ? いったい|なぜ| Why on earth?

知って いる ゲーム なら 手配 して いて も おかしく ない はずだ 。 しって||げーむ||てはい|||||| If it's a game you know, it shouldn't be strange to arrange it.

…… 大方 、 そこ まで 大変じゃ ない と 思って いた と か 、 確認 を 怠って いた と か そんな 所 だった のだろう 。 おおかた|||たいへんじゃ|||おもって||||かくにん||おこたって|||||しょ|| ...... Most likely, they thought it wasn't that hard, or they didn't check it out.

言う の も 煩わしい 。 いう|||わずらわしい It's annoying to say.

俺 は 宴 が 催さ れて いる 中 、 隅 の 方 で 適当に 飯 を 食べる 。 おれ||えん||もよおさ|||なか|すみ||かた||てきとうに|めし||たべる While the banquet was being held, I casually ate in the corner.

「 ご馳走 です ね ! ごちそう|| "It's a treat!

ラフタリア が 普段 は 食べ られ ない 食べ物 の 山 を 見て 、 瞳 を 輝か せて いる 。 ||ふだん||たべ|||たべもの||やま||みて|ひとみ||かがやか|| Raphtalia's eyes lit up as she looked at the mountains of food she wouldn't normally be able to eat.

「 食い たければ 食って 良い ぞ 」 くい||くって|よい| "If you want to eat it, you can eat it."

「 はい !

あんまり 良い もの を 食べ させて あげ られ なかった から な …… こんな 時 こそ 好きな もの を 食べ させる べきだろう 。 |よい|||たべ|さ せて|||||||じ||すきな|||たべ|さ せる| I wasn't able to feed him very good food.

それ に 見合う 戦果 を ラフタリア は 上げて いる 。 ||みあう|せんか||||あげて| Raphtalia's achievements are worthy of that.

「 あ …… でも 、 食べたら 太っちゃ う 」 ||たべたら|ふとっちゃ| "Oh, ......, but if I eat it, I'll get fat."

「 まだ 育ち盛り だ ろ 」 |そだちざかり|| "You're still growing."

「 う ー ……」 |-

なんか ラフタリア が 困った 顔 で 悩んで る 。 |||こまった|かお||なやんで| Raftalia looks troubled and distressed.

「 食べれば 良い だ ろ 」 たべれば|よい|| "You should eat it."

「 ナオフミ 様 は 太った 子 は 好きです か ? |さま||ふとった|こ||すきです| "Naofumi-sama, do you like fat girls?

「 は ぁ ?

何 を 言って んだ ? なん||いって| What are you talking about?

「 興味 ない 」 きょうみ| "Not interested."

女 と 言う だけ で あの クソ 女 が 浮かんで くる んだ 。 おんな||いう||||くそ|おんな||うかんで|| Just mentioning a woman brings up that fucking woman.

好き と か そんな 感情 が 浮かんで こ ない 。 すき||||かんじょう||うかんで|| I don't have feelings of love or anything like that.

そもそも が 女 と いう 生物 が 生理 的に 気 に 食わ ない 。 ||おんな|||せいぶつ||せいり|てきに|き||くわ| To begin with, I physically dislike the creature called a woman.

「 そう です よ ね 。

ナオフミ 様 は そういう 方 でした 」 |さま|||かた| Nao Humi-sama was like that. "

半ば 諦めた か の ように ラフタリア は ご馳走 に 手 を 伸ばす 。 なかば|あきらめた||||||ごちそう||て||のばす Halfway through the meal, Raftalia reaches for her food, as if she has given up.

「 美味しい です 、 ナオフミ 様 」 おいしい|||さま

「 良かった な 」 よかった|

「 はい 」

ふう …… 宴 と やら が 面倒だ な 。 |えん||||めんどうだ| Fuu ......, the feast and the dance are troublesome.

報酬 は 何 時 貰える んだ 。 ほうしゅう||なん|じ|もらえる| When do I get paid?

こんな クズ の 集まり 、 見て いる だけ で 腹 が 立つ 。 |くず||あつまり|みて||||はら||たつ It makes me angry just to see this collection of scum.

…… よく 考える と 明日 と か の 可能 性 も ある な 。 |かんがえる||あした||||かのう|せい||| ...... If you think about it, it could be tomorrow or something.

無駄 足 だった か ? むだ|あし|| Was it a waste of time? いや 、 食費 が 浮く から 良い か 。 |しょくひ||うく||よい| No, it's a good thing because I can save money on food. 本人 は 気 に して いる 様 だ が ラフタリア は 亜人 で 成長 期 だ 。 ほんにん||き||||さま|||||あにん||せいちょう|き| He seems to be concerned about it, but Raftalia is a subhuman and in the process of growing up. 食費 も バカに なら ない 。 しょくひ||ばかに|| The cost of food is not insignificant.

「 タッパー と か あれば 持ち 帰れた のに な 」 ||||もち|かえれた|| "If I had some Tupperware or something, I could have brought it home."

保存 が 利か ない から 明日 まで だろう が 、 金 を 考えたら もったいない …… 後 で コック に でも 頼んで 包んで もらおう 。 ほぞん||きか|||あした||||きむ||かんがえたら||あと||こっく|||たのんで|つつんで| It won't keep until tomorrow, but it's a waste of money. ...... I'll ask the cook to wrap it up for me afterwards.

他 に も あまり の 食 材 を 頂いて 行く の も 良い かも しれ ない 。 た|||||しょく|ざい||いただいて|いく|||よい||| It might be a good idea to go and get some more ingredients.

等 と 考えて いる と 怒り の 形相 を した 元 康 が 人 を 掻き分けて 、 俺 達 の 方 へ 向かって きや がる 。 とう||かんがえて|||いかり||ぎょうそう|||もと|やす||じん||かきわけて|おれ|さとる||かた||むかって|| As I was thinking about this, Motoyasu, who had an angry look on his face, pushed his way through the crowd and headed towards us.

まったく 、 一体 なん だって 言う んだ 。 |いったい|||いう| What the hell is that?

相手 を する の も 面倒だ から 避けよう と 人 混 み の 方 へ 歩く と 元 康 の 奴 、 俺 を 睨み つけ ながら 追って くる 。 あいて|||||めんどうだ||さけよう||じん|こん|||かた||あるく||もと|やす||やつ|おれ||にらみ|||おって| It's too much trouble dealing with him, so I walk towards the crowd to avoid him, but Motoyasu's guy chases me while glaring at me.

「 おい !

尚 文 ! しよう|ぶん Naofumi! 「…… なんだ よ 」

キザ ったら しく 手袋 を 片側 だけ 外して 俺 に 投げ つける 。 |||てぶくろ||かたがわ||はずして|おれ||なげ| He took off only one side of his glove and threw it at me.

確か 、 決闘 を 意味 する 奴 だ っけ 。 たしか|けっとう||いみ||やつ|| If I'm not mistaken, it's a guy who means a duel.

元 康 の 次の 言葉 に 周り が ざわめいた 。 もと|やす||つぎの|ことば||まわり|| Motoyasu's next words caused a stir.

「 決闘 だ ! けっとう|

「 いきなり 何 言って んだ 、 お前 ? |なん|いって||おまえ What are you saying all of a sudden?

ついに 頭 が 沸いた か ? |あたま||わいた| Has your head finally boiled?

よくよく 考えて みれば ゲーム 脳 の 馬鹿だ 。 |かんがえて||げーむ|のう||ばかだ Come to think of it, I'm an idiot with a game brain.

助ける べき 人 を 見捨てて ボス に 突撃 する 様 な イノシシ だ から な 、 槍 の クソ 勇者 様 は 。 たすける||じん||みすてて|ぼす||とつげき||さま||いのしし||||やり||くそ|ゆうしゃ|さま| You're a wild boar that abandons the person you're supposed to help and charges at the boss, you fucking spear hero.

「 聞いた ぞ ! きいた| I heard that!

お前 と 一緒に 居る ラフタリア ちゃん は 奴隷 なん だって な ! おまえ||いっしょに|いる||||どれい||| Raftariya who is with you is a slave! 闘志 を 燃やして 俺 を 指差し ながら 糾弾 する 。 とうし||もやして|おれ||ゆびさし||きゅうだん| Burning with fighting spirit, he denounces me while pointing at me.

「 へ ?

ラフタリア が 変な 声 を 漏らした 。 ||へんな|こえ||もらした Raftalia let out a strange voice.

…… 当の 本人 は ご馳走 を 皿 に 盛って 美味し そうに 食事 中 だ ぞ 。 とうの|ほんにん||ごちそう||さら||もって|おいし|そう に|しょくじ|なか|| …… The person in question is eating deliciously with a feast on his plate.

「 だ から な んだ ? "So what?

「『 だ から な んだ ?

』…… だ と ? お前 、 本気で 言って ん の か ! おまえ|ほんきで|いって||| 「 ああ 」

奴隷 を 使って 何 が 悪い と いう のだ 。 どれい||つかって|なん||わるい||| What's wrong with using slaves?

俺 と 一緒に 戦って くれる ような 奴 は い ない 。 おれ||いっしょに|たたかって|||やつ||| There is no one who will fight with me.

だから 俺 は 奴隷 を 買って 使役 して いる 。 |おれ||どれい||かって|しえき|| That's why I buy slaves and use them.

そもそも この 国 は 奴隷 制度 を 禁止 して い ない はずだ 。 ||くに||どれい|せいど||きんし|||| This country shouldn't have banned slavery in the first place.

それ が どうした と いう んだ ? What do you mean by that?

「 アイツ は 俺 の 奴隷 だ 。 ||おれ||どれい| "He's my slave.

それ が どうした ? What about it ? 「 人 は …… 人 を 隷属 さ せる もん じゃ ない ! じん||じん||れいぞく||||| People are not ...... to be subjugated!

まして 異 世界 人 である 俺 達 勇者 に は そんな 真似 は 許さ れ ない んだ ! |い|せかい|じん||おれ|さとる|ゆうしゃ||||まね||ゆるさ||| Furthermore, we heroes who are from another world are not allowed to do such a thing! 「 何 を 今更 …… 俺 達 の 世界 でも 奴隷 は 居る だろう が 」 なん||いまさら|おれ|さとる||せかい||どれい||いる|| "What are you talking about now... even in our world there are still slaves?"

元 康 の 世界 が どうか は 知ら ない 。 もと|やす||せかい||||しら| I don't know how it is in Motoyasu's world.

けれど 人類 の 歴史 に 奴隷 が 存在 し ない と いう の は あり え ない 。 |じんるい||れきし||どれい||そんざい||||||||| But it is impossible that slaves did not exist in the history of mankind.

考え 方 を 変えれば 、 社会 人 は 会社 の 奴隷 だ 。 かんがえ|かた||かえれば|しゃかい|じん||かいしゃ||どれい| In a different way of thinking, working people are slaves to their companies.

「 許さ れ ない ? ゆるさ|| " Unacceptable ?

お前 の 中 で は そう な んだろう よ 。 おまえ||なか|||||| I guess that's how it is in your mind. お前 の 中 で は な ! おまえ||なか||| Not in you! 勝手に ルール を 作って 押し付ける と は …… 頭 が 沸いて いる な コイツ 。 かってに|るーる||つくって|おしつける|||あたま||わいて||| He is a crazy person to make up rules and impose them on others. ......

「 生憎 ここ は 異 世界 だ 。 あいにく|||い|せかい| "Unfortunately, this is another world.

奴隷 だって 存在 する 。 どれい||そんざい| Slaves exist. 俺 が 使って 何 が 悪い 」 おれ||つかって|なん||わるい What's wrong with me using it?"

「 き …… さま !

ギリッ と 元 康 は 矛 を 構えて 俺 に 向ける 。 ||もと|やす||ほこ||かまえて|おれ||むける Motoyasu pointed his spear at me with a grim look on his face.

「 勝負 だ ! しょうぶ|

俺 が 勝ったら ラフタリア ちゃん を 解放 さ せろ ! おれ||かったら||||かいほう|| If I win, release Raphtalia! 「 なんで 勝負 なんて し なきゃ いけない んだ 。 |しょうぶ||||| "Why do we have to fight?

俺 が 勝ったら どう する んだ ? おれ||かったら||| What are you going to do if I win? 「 そん とき は ラフタリア ちゃん を 好きに する が いい ! ||||||すきに||| "In that case, you should love Raphtalia-chan!

今 まで の ように 」 いま||| like it used to be

「 話 に なら ない な 」 はなし|||| "It's out of the question."

俺 は 元 康 を 無視 して 立ち去ろう と する 。 おれ||もと|やす||むし||たちさろう||

何故 なら 勝負 して も 俺 に は 得 が 無い 。 なぜ||しょうぶ|||おれ|||とく||ない Because there's no gain for me even if I win.

「 モトヤス 殿 の 話 は 聞か せて もらった 」 |しんがり||はなし||きか|| "I heard about Motoyasu-dono."

人 混 み が モーゼ の 伝説 の ように 割れて 王様 が 現れる 。 じん|こん|||もーぜ||でんせつ|||われて|おうさま||あらわれる The crowd cracks open like the legend of Moses and the king appears. La multitud se rompe como la leyenda de Moisés y aparece el rey.

「 勇者 と も あろう 者 が 奴隷 を 使って いる と は ……。 ゆうしゃ||||もの||どれい||つかって||| "To think that someone who could be called a brave man is using slaves...

噂 で しか 聞いて い なかった が 、 まさか 本当だった と は …… やはり 盾 の 勇者 は 罪人 と いう 事 か 」 うわさ|||きいて|||||ほんとうだった||||たて||ゆうしゃ||ざいにん|||こと| I had only heard rumors about it, but I didn't think it was true. ...... So the hero of the shield is a sinner after all.

罪人 って 人 に 冤罪 を 押し付けて おき ながら 良く 言う 。 ざいにん||じん||えんざい||おしつけて|||よく|いう A sinner says well while pushing false accusations on people.

しかも 奴隷 は この 国 で 認め られた 制度 じゃ ない か 。 |どれい|||くに||みとめ||せいど||| Moreover, slavery is a recognized institution in this country.

奴隷 を 使う 奴 が そこ 等 中 に いる のに 、 何故 俺 だけ が 文句 を 言わ れ なければ なら ない 。 どれい||つかう|やつ|||とう|なか||||なぜ|おれ|||もんく||いわ|||| There are people out there who use slaves, so why should I be the only one to complain?

「 モトヤス 殿 が 不服 と 言う の なら ワシ が 命ずる 。 |しんがり||ふふく||いう|||わし||めいずる "If Motoyasu-dono disagrees, then I will order you.

決闘 せよ ! けっとう| Duel! 「 知る か 。 しる| "Do you know?

さっさと 波 の 報酬 を 寄越せ 。 |なみ||ほうしゅう||よこせ Hurry up and send me the wave reward. そう すれば こんな 場所 、 俺 の 方 から 出て って やる よ ! |||ばしょ|おれ||かた||でて||| If you do, I'll get you out of this place! 王様 は 溜息 を つく と 指 を 鳴らす 。 おうさま||ためいき||||ゆび||ならす The king sighs and snaps his fingers.

どこ から か 兵士 達 が やってきて 俺 を 取り囲んだ 。 |||へいし|さとる|||おれ||とりかこんだ Soldiers came from somewhere and surrounded me. 見れば ラフタリア が 兵士 達 に 保護 さ れて いる 。 みれば|||へいし|さとる||ほご||| Raftalia is being protected by soldiers.

「 ナオフミ 様 ! |さま

「…… 何の 真似 だ ? なんの|まね| "... What are you imitating?

俺 は これ でも か と 瞳 に 力 を 入れて 王様 を 睨み つける 。 おれ||||||ひとみ||ちから||いれて|おうさま||にらみ| Even so, I put strength into my eyes and glared at the king.

コイツ 、 俺 の 言う 事 を 全く 信じ なかった 。 |おれ||いう|こと||まったく|しんじ| Koitsu, I never believed what I said.

それ 所 か 俺 の 邪魔 しか し ない 。 |しょ||おれ||じゃま||| That's the only thing that gets in my way.

「 この 国 で ワシ の 言う 事 は 絶対 ! |くに||わし||いう|こと||ぜったい In this country, what I say is absolute!

従わ ねば 無理矢理 に でも 盾 の 勇者 の 奴隷 を 没収 する まで だ 」 したがわ||むりやり|||たて||ゆうしゃ||どれい||ぼっしゅう||| If I don't obey, I'll have to confiscate the Hero of the Shield's slaves, even if it's by force."

「…… チッ !

奴隷 に 施して ある 呪い を 解く 方法 ぐらい 、 国 の 魔術 師 と か は 知って い そうだ 。 どれい||ほどこして||まじない||とく|ほうほう||くに||まじゅつ|し||||しって||そう だ It seems that the country's sorcerers know at least how to break the curse placed on the slaves.

つまり 、 戦わ ない こと は ラフタリア が 俺 の 元 から い なく なる と いう 事 に 繋がる 。 |たたかわ||||||おれ||もと|||||||こと||つながる In other words, not fighting means that Raftalia is no longer with me.

ふざける な ! Do not be silly !

やっと の 事 で 使える ように なった 奴隷 だ ぞ ! ||こと||つかえる|||どれい|| It's a slave that has finally become available for us!

どれ だけ の 時間 と 金銭 を 投資 した と 思って いる んだ 。 |||じかん||きんせん||とうし|||おもって|| How much time and money do you think you've invested?

「 勝負 なんて する 必要 あり ませ ん ! しょうぶ|||ひつよう||| "You do not need to compete!

私 は ── ふむ ぅ ! わたくし||| ラフタリア が 騒が ない ように 口 に 布 を 巻か れて 黙ら さ れる 。 ||さわが|||くち||ぬの||まか||だまら|| Raphtalia was silenced with a cloth wrapped around her mouth so that she wouldn't make any noise.

「 本人 が 主 の 肩 を 持た ない と 苦しむ よう 呪い を 掛けて いる 可能 性 が ある 。 ほんにん||おも||かた||もた|||くるしむ||まじない||かけて||かのう|せい|| It is possible that the Lord has placed a curse on him so that he will suffer if he doesn't hold onto the Lord's shoulders.

奴隷 は 黙ら させて もらおう 」 どれい||だまら|さ せて| Let the slaves shut up."

「…… 決闘 に は 参加 さ せ られる んだ よ な 」 けっとう|||さんか|||||| "... you'll be forced to participate in the duel."

「 決闘 の 賞品 を 何故 参加 さ せ ねば なら ない ? けっとう||しょうひん||なぜ|さんか||||| "Why should I participate in the duel prize?

「 な !

お前 ──」 おまえ

「 では 城 の 庭 で 決闘 を 開催 する ! |しろ||にわ||けっとう||かいさい| "Then let's have a duel in the castle garden!

王様 の 野郎 、 俺 の 文句 を 遮って 決闘 を する 場所 を 宣言 し や がった 。 おうさま||やろう|おれ||もんく||さえぎって|けっとう|||ばしょ||せんげん||| You bastard, you interrupted my complaints and declared the place for the duel.

くそ 、 俺 に は 攻撃 力 が 無い んだ ぞ ? |おれ|||こうげき|ちから||ない|| Damn, I don't have offensive power, you know?

出来 レース じゃ ねえ か ! でき|れーす||| It's a race!