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外国語で流暢なレベルに達する方法は?

言語で流暢さに達する方法。それを手短に答えるとすれば、それは自分自身をやる気にさせるもの、モチベーションの問題であると言えます。言語を学習する人を多く見てきた私は、やる気のある学習者は流暢なレベルに達する、やる気のない学習者はそうでないと確信しています。
最近私は、米国で移住者に英語を教えることに従事している人からアドバイスを求められました。段階別読本のような、学習教材の準備の仕方について聞かれました。私は、そのような教材なら利用できるものが豊富にあると伝えました。おそらく、彼が学習者の学習に対する姿勢ややる気に影響を与えてあげられれば、教科書や読本などを新しく調達するよりも役立つことと思います。
「やる気」は言語学習において成功するための原動力です。やる気は、流暢さへ向かう学習者が冒険の旅で成功するための魔法の成分です。スコット・ゲラー(Scott Geller)のTED動画である、「セルフモチベーションの心理(The Psychology of Self-Motivation)」を思い出しました。全てに同意するわけではありませんが、見る価値はあると思います。外国語における流暢さの追求に高く関連性があります。中でも、動画内で尋ねられている3つの質問があります。

流暢なレベルに達する ― 自分にできるか?
この質問への答えが「ノー」であるなら、学習を止めるのが最善です。冒険の中で目的地へ辿り着くことができると自分で信じられないのであれば、どうして最初から始めるのでしょう? 一方、流暢になれると自分を信じていれば、順調に流暢なレベルへ近づいています。
今まで外国語を全く学ぶことがなかったのであれば、自分が有能な言語学習者であること、自分にできること、流暢なレベルに達することができることに対して自信が持てないこともあるかもしれません。私もフランス語を習得するまで、50年以上前は、自分にできるかどうか心からは信じ切れていませんでした。その後は、他の言語を学習し流暢さに達することができる自分の能力を疑ったことはありません。
残念ながら、この自信は少なくとも1つの他言語を習得して初めて手に入れることができる感覚です。その後はより多くの言語を学ぶほどより堪能になり、それ故により自信がつきます。私はそれをもう何度もやり遂げてきましたので、70歳にして16歳の頃よりも優秀な言語学習者です。
私たちはみな外国語を学習するための能力を生まれつき備えていると、私は固く信じています。ただ自分を信じ、そのプロセスをあきらめずに続けるだけです。新しい習慣を築き、疑わしい点を自分に有利に解釈すればいいのです。
ひとつ条件があります。冒険に乗り出すときと同じように、言語を学習すると決めたからには目標に到達する責任を引き受けることになります。つまり、あなた自身が実権を握る必要があります。自主的な学習者になる必要があるのです。
上手くいく?
今使っている学習方法で目標に達することができるか? どこかへ旅をしたいなら、利用する運搬手段が目的地へ連れて行ってくれることを信頼しておく必要がありますよね。同じ理由で、あなた自身が選ぶ学習戦略を信じることが重要です。今使っている学習方法ではうまくいかないと確信しているのであれば、その方法を変えるべきです。
使っている学習方法を信頼しなければうまくいきません。学習法を信頼していれば成功に必要な時間や労力を費やす傾向が高くなり、プロセスへの信念が実際にその学習法の効果を高めることにもなりがちです。私は最近の動画内で、このことをプラセボ効果と言及しました。

私の考えでは、最も効果的な学習戦略は、自分で選んだ興味のあるコンテンツを使って大量のインプット、リスニング、リーディングに打ち込むことです。もちろん、それほど面白くはないかもしれない初心者向けの題材から始める必要がありますが、LingQのようなツールを使って驚くほど速く本格的で面白みのある題材へと進むことができます。
これは最初に、他言語能力を構築するためのベースとして多くの語彙や理解における高いレベルを取得する努力をすることを意味します。私自身の経験からも、言語習得をテーマにしたリサーチを読んだことからも、このアプローチの有効性については確信しています。このアプローチが12カ国語以上の言語を習得している私にとってうまく機能したという事実は、このアプローチへの信念を強めました。iPadで興味のある言語のコンテンツを読んだり、犬の散歩中や運転中に面白い音声付きの本を聞いたりすることは、楽しいだけでなく私の言語スキルを常に向上させています。
新しい文化の考え方とともにその言語に馴染みを持ち、しかも多くの単語が身についていれば、その新しい言語で自然とかつ明確に自身を表現する能力は容易に上達していきます。その一方、人々が何を言っているのか理解するのが困難なときに、まず文法に関して懸念し、意味のあることを話していればいいけどな、と願いながら話すのは本末転倒のように思えます。
しかしながら、1日目から話すべきだと信じる人は多いものです。このアプローチを信じ、楽しみ、そしてそれを続けていけば、彼らにとってうまくいくと私は確信しています。「上手くいく?」という質問に「イエス」と答えられるよう、信頼できる学習法、楽しいと感じる学習法を見つけましょう。
 
価値はある?
その言語を学びたい? その言語が好き? その言語を話す人たちと一緒に何かをしたい? 本や映画、音楽などのようなあらゆる文化に触れたい? その言語が話されている国へ旅行してみたい? その言語を仕事で使う必要がある、または友人や愛する人とのコミュニケーションに必要? 「イエス」があてはまる数が多いほど、やる気は強くなります。
他言語でコミュニケーションを取ることができるという明らかなメリットに加えて、言語を学ぶことは健康的な習慣でもあります。リサーチでは他の言語を学び話すことは脳にとっていいことで、認知能力を強化し、いつまでも若く保ち、年老いたときの認知症を食い止めるのに役立つことが示されています。
言語の学習には深い関与が必要であり、したがって努力するだけ価値があると感じることが重要です。新しい言語に取りかかるとき、私はあまり面白みがなく、しかし理解しがたい言語の内容に苦労します。たいていは数か月もすれば、興味深い内容に手を伸ばすことができるようになります。とはいってもまだ難しいと感じる、自分の語国語で読むよりは確実に難しい内容です。その言語を話し始めるときには、自分が望む単語を探すのに苦労します。自分に課すこの苦痛は本当に価値あるものなのでしょうか?
私にとっては価値あるものです。いずれは、その言語で本も映画も友人関係も楽しむことができるようになると知っているからです。私は15カ国語話すことができることを幸せに思っています。それぞれの言語でコミュニケーションを取ることができる能力の楽しさと有益さを説明するのにどこから始めればいいのか分かりません。唯一後悔していることは、それぞれの言語にもっと集中する時間がなかったことでしょうか。各言語はそれぞれ新しい世界への窓、人間であるということを表現する新しい表現法です。
さあ、言語において流暢になりたいと思いながらもやる気が減退しているようなら、この3つの質問を自分自身に問いかけましょう。3つとも答えが「イエス」ならそのまま進むべき。もしも1つでも「ノー」があるなら、流暢になるという目標を諦めるか、または「イエス」と言えるための新しい理由を探すべきです。これは脳ではなく、心の問題なのです。

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